動物に噛まれる怪我(咬傷)はいつでもどこでも起こりうる事故で、その件数はアメリカで年間200万件から500万件に上ります。咬傷事故は大人よりも子供に多く、その85~90%が犬による被害であると報告されています。[1]咬傷による主な合併症は皮膚の感染症ですが、まれに、重度の怪我や障害が残る程の怪我を負う可能性もあります。 さらに、動物の噛み傷によって最も懸念されるのが、狂犬病の感染です。[2]咬傷の消毒や手当の仕方、また医師の診察を受けるべき状態を知っておくことで、合併症の危険性を最小限に抑えることができます。

方法 1 の 2:
小さな噛み傷の治療

  1. 1
    傷口をよく観察する 犬の噛み傷の大半は軽症で、家庭で治療することができます。皮膚が破れておらず、歯で掻かれた傷ができたといった状態であれば、家庭での手当てが可能です。[3]
    • 皮膚組織に犬の歯が深く刺さった、皮膚が裂けた、関節や骨が折れたといった場合は、必ず医療機関を受診しましょう。(方法2参照)
  2. 2
    傷口を石鹸と水でよく洗う 充分な石鹸と適温の水で、数分間かけて傷口をきれいに洗浄します。[4]洗浄によって、傷の周りの雑菌や犬の口から移った雑菌を残らず洗い流します。
    • 石鹸はどんなものでも構いませんが、家庭にあれば抗菌石鹸が最も効果的です。
    • 石鹸と水がしみることがありますが、それでも傷口は徹底的に洗浄しましょう。
  3. 3
    出血があれば圧迫する 洗浄後にまだ出血があれば、清潔なタオルやガーゼを当てて圧迫止血をします。[5]数分経てば出血は収まり、傷に包帯を巻ける状態になるでしょう。
    • 圧迫止血を15分間続けても包帯が巻けないほどの出血が続く場合は、医療機関を受診しましょう。[6]
  4. 4
    抗生物質の軟膏を塗る 抗生物質の軟膏は、傷が治る過程での雑菌の感染を予防します。[7] 軟膏の使用に際しては、外箱に記載された用法・用量を守りましょう。
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    包帯を巻く 抗生物質の軟膏を塗ったらすぐに、包帯や絆創膏で傷口を適切に保護します。[8] 包帯を巻く際は、傷口を保護する程度の圧力は必要ですが、圧力がかかり過ぎると血流を阻害したり不快感の元になったりするため、あまり強く巻きすぎてはいけません。
  6. 6
    必要に応じて包帯を取り換える シャワーなどで包帯が汚れたら、その都度交換します。傷口を再度丁寧に洗浄し、抗生物質軟膏を塗り、新しい包帯を巻きましょう。
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    予防注射を受ける 犬の噛み傷で皮膚が破損すると、そこから破傷風菌に感染する恐れがあります。[9]破傷風の予防接種を受けてから5年以上が経過した人が動物に噛まれた場合、医療専門家は再接種を推奨しています。 [10]
  8. 8
    経過に注意する 傷が治る途中でも、新たな感染症には注意が必要です。感染症を起こしたと思ったら、直ちに医師の診察を受けましょう。傷の内部で起こる感染症の症状は以下の通りです。[11][12]
    • 痛みが悪化する
    • 傷口が腫れる
    • 傷口の周りが赤く、熱を持つ
    • 熱が出る
    • 膿のような分泌物が出る
  9. 9
    可能であれば、犬の狂犬病の予防接種歴を調べる 小さな噛み傷であっても、狂犬病に感染する危険性があります。とは言え、咬傷事故は知っている犬に噛まれるケースが大半を占めます。噛んだ犬が予防接種済みであることが確認できれば、狂犬病の心配はありません。[13]
    • 野良犬など、予防接種の状況がわからない場合は、その犬に狂犬病の症状がないかを15日間観察する必要があります(可能であれば)。また、犬の予防接種歴が定かではない場合は、医療機関を受診しましょう。
  10. 10
    持病があれば医師に相談する 小さな噛み傷であっても、以下のような疾病のある人は、医師の診察が必要な場合があります。[14]
    • 糖尿病
    • 肝臓病
    • HIV
    • 自己免疫疾患など(治療薬の服用によって免疫が弱まるため)
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方法 2 の 2:
重症の噛み傷の治療

  1. 1
    傷口をよく観察する 犬の歯が一か所以上深く食い込んでいれば、そこから皮膚組織がひどく裂けていても、そうでなくても重症と考えられます。[15]あごの力が非常に強い犬種に噛まれた場合、患部を動かせない、または動かすと痛みを感じるといった症状があれば、骨、靭帯、関節などにも損傷が及んでいる可能性があります。また、以下のような場合にも医療機関を受診しましょう。[16]
    • 傷が深く、脂肪、筋肉、骨が見えている
    • 傷口がギザギザしている、ぱっくりと開いている
    • 血液が噴出して15分間圧迫止血をしても止まらない
    • 傷口の大きさが1、2㎝以上ある
    • 頭や首を噛まれた
  2. 2
    圧迫止血をする 病院に向かう前に、清潔なタオルで止血をし、出血量をなるべく抑えます。[17]受診時まで傷口への圧迫を続けましょう。
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    医師の診察を受ける 受診すると、深刻な咬傷に対する止血や縫合などの最適な治療法を医師が決定します。イオダインなどの医療用消毒剤で徹底的に傷を洗浄し、必要に応じて創面切除(周囲の健康な組織の再生を妨げる、損傷・感染した皮膚組織を切り取ること)を行います。[18]
    • また、医師は破傷風の注射が必要かどうか、患者の予防接種の記録を検証します。
    • 噛み口の状態によって骨の損傷が疑われる場合は、適切な治療を行うために医師の判断でレントゲンを撮ることがあります。 [19]
    • 噛んだ犬の狂犬病の予防接種歴が分かれば、受診時に医師に話しましょう。医師が狂犬病の危険性があると判断した場合は、治療の際に狂犬病の注射(複数)をされることがあります。 [20]
  4. 4
    抗生剤が処方されたら服用する すでに感染症を起こしている場合や、感染症を起こす危険性が高いと医師が判断した場合は、抗生剤を処方される可能性が高いでしょう。[21]
    • こういった場合は、主にアモキシシリン-クラブラン酸(オーグメンチン)という抗生剤が使われます。これは錠剤で、一般的に3~5日分が処方されます。 主な副作用には胃腸障害が挙げられます。
  5. 5
    指示通りに包帯を取り換える 治療の後、医師は包帯を交換する頻度を指示します。[22]おそらく、1日か2日おきに包帯を交換するように指導されるでしょう。
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ポイント

  • 咬傷事故の危険性を減らすために、愛犬のしつけは必ずしましょう。
  • 咬傷事故を起こさないための対策について検索してみましょう。

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注意事項

  • 傷口の痒みや、周囲の皮膚に突然腫れが現れた場合は、医師に相談しましょう。
  • 傷の状態が悪化したら、必ず外科系の病院で診察を受けましょう。
  • この記事は犬による咬傷についての情報を提供していますが、医師の診断に代わるものではありません。自分で傷の深刻度が判断できない場合は、必ず医師の診察を受けましょう。
  • 自分の犬でも他人の犬でも、噛んだ犬の狂犬病予防接種の証明を確認できない場合は、必ず医療機関に相談しましょう。狂犬病感染の対策は噛まれた後でもできますが、直後に医療機関を受診した場合にのみ限られます。症状が現れるまで放置することは避けましょう。[23]
  • 手、足、頭は、他の場所よりも皮膚が薄く、咬傷による影響を受ける関節が多いため、受診が必要な場合が多い傾向にあります。[24]
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  1. http://www.uptodate.com/contents/animal-bites-beyond-the-basics?source=search_result&search=dog+bite&selectedTitle=1~26
  2. http://www.uptodate.com/contents/animal-bites-beyond-the-basics?source=search_result&search=dog+bite&selectedTitle=1~26
  3. http://www.mayoclinic.org/first-aid/first-aid-animal-bites/basics/art-20056591
  4. http://www.uptodate.com/contents/animal-bites-beyond-the-basics?source=search_result&search=dog+bite&selectedTitle=1~26
  5. http://www.uptodate.com/contents/animal-bites-beyond-the-basics?source=search_result&search=dog+bite&selectedTitle=1~26
  6. http://www.mayoclinic.org/first-aid/first-aid-animal-bites/basics/art-20056591
  7. http://www.urmc.rochester.edu/encyclopedia/content.aspx?ContentTypeID=1&ContentID=2978
  8. http://www.mayoclinic.org/first-aid/first-aid-animal-bites/basics/art-20056591
  9. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/3178974
  10. http://www.uptodate.com/contents/animal-bites-beyond-the-basics?source=search_result&search=dog+bite&selectedTitle=1~26
  11. http://www.uptodate.com/contents/rabies-beyond-the-basics?source=search_result&search=dog+bite&selectedTitle=7~26
  12. http://www.uptodate.com/contents/soft-tissue-infections-due-to-dog-and-cat-bites?source=see_link&sectionName=Prophylaxis&anchor=H8#H8
  13. http://www.uptodate.com/contents/animal-bites-beyond-the-basics?source=search_result&search=dog+bite&selectedTitle=1~26
  14. http://www.uptodate.com/contents/rabies-beyond-the-basics?source=search_result&search=dog+bite&selectedTitle=7~26
  15. http://www.uptodate.com/contents/animal-bites-beyond-the-basics?source=search_result&search=dog+bite&selectedTitle=1~26

このwikiHow記事について

Chris M. Matsko, MD
共著者 by
家庭医(かかりつけ医)
この記事の共著者 by Chris M. Matsko, MD. クリス・M・マツコ医師はペンシルバニア州ピッツバーグ在住の元内科医です。25年以上にわたって医学研究を続け、コーネル大学最優秀指導者賞を受賞しました。テンプル大学にて栄養科学の学士号を取得後、同大学医学部にて2007年に医学博士号を取得。2016年にha この記事は6,571回アクセスされました。
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