犬の下痢を治す方法

共同執筆者 Pippa Elliott, MRCVS

犬の下痢はよく見られる症状で、大抵の場合は深刻な問題ではありません。一過性の軽い下痢であれば家庭で手当てができるため、動物病院に行かずに済みます。しかし、ときには獣医師の診察が必要なほどに深刻な症状に発展する場合もあります。

パート 1 の 2:
食事で下痢を治す

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    犬に12~24間絶食させます。胃腸の中に食物が残っていると、食物を送り込むために腸壁が収縮します。下痢をしているときは腸壁の過度な収縮が起こり、食物が急速に押し出されて下痢便になります。そのため12~24時間は食事を与えず、過敏になりすぎた腸壁を休めて正常な状態に戻します。
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    新鮮な飲み水を与えます。[1]絶食をしている間は、清潔で新鮮な水をいつでも飲めるようにしておきしましょう。ボウルの中の水が減っているかどうかに注意して、犬が水を飲んでいることを確認しましょう。水を十分に飲んでいれば、脱水症のリスクが激減します。
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    絶食後は消化の良い回復食を与えます。絶食直後は普段の餌を与えてはいけません。代わりに胃にやさしく、消化の良い食べ物を与えましょう。
    • 脂肪の多い食べ物や脂肪分が多い赤肉は避けましょう。
    • 鶏肉を与えましょう。皮を外して肉の部分だけを与えます。鶏肉味のドッグフードを与えてはいけません。
    • 白いご飯、パスタまたはマッシュポテトに鶏肉を混ぜて与えましょう。 
    • 下痢の原因となる乳糖不耐症を抱えている犬がたくさんいます。牛乳や乳製品を与えてはいけません。バター入りのマッシュポテトも禁物です。
    • 回復食を摂取すると糞の量が減り、糞の色も薄くなります。いつもの糞とは違いますが、掴める硬さになれば、快方に向かっている証拠です。
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    動物病院で療法食を処方してもらいましょう。自家製の回復食では症状の改善が見られない場合は、獣医師に相談して胃の回復を助ける療法食を試してみましょう。「ヒルズ・プリスクリプションダイエット」や「ロイヤルカナン」などは、下痢の回復を促進する効果があるとされています。
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    餌の量を調整します。[2]食事を少量ずつ与えることによって、腸への刺激を抑え、腸壁の痙攣を予防します。絶食後、1日の食事量は普段通りで構いません。ただし、1回の食事量を減らし、1日4回に分けて与えます。この方法で下痢の再発を防ぐことができます。
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    徐々に普段の食事に戻します。下痢の症状が治まったら、いつもの餌に戻していきましょう。直ちに普段の餌に戻してはいけません。腸が健康な状態に戻るまでには、まだ時間が掛かります。2日間は消化の良い回復食を与えて、下痢が治まったかどうかを確かめましょう。そして、その後2日間は次の方法で徐々にいつもの餌に戻していきます。
    • 初日は回復食と普段の餌を2:1の割合で混ぜて与えます。
    • 2日目は回復食と普段の餌を1:2の割合で混ぜて与えます。
    • 3日目はいつもの餌に戻しましょう。
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    プロバイオティクスを与えます。腸内有益菌の一つであるプロバイオティクスは、消化を助けて下痢の回復を早めます。体内の善玉菌がひどい下痢によって失われることもあります。そうなると、腸内環境が元に戻り、消化活動が活発になるまでに時間がかかります。プロバイオティクスのサプリメントは、善玉菌を増やす効果があります。プロバイオティクスは一般的に1日1回、5日間、餌に混ぜて与えます。
    • 犬と人間の腸内細菌は異なります。ヒト用のプロバイオティクスを与えてはいけません。
    • イヌ用のプロバイオティクスが多数販売されています。処方箋がなくても動物病院や薬局、ペットストアなどで購入できます。
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    人間の下痢止め薬は犬に与えてはいけません。軽い下痢であれば上記の方法で治るはすです。薬剤によって下手に胃腸の働きを抑えると、他の深刻な疾患に気付かず、手遅れになる場合があります。上記の方法を試して2~3日経っても症状が改善されない場合は、獣医師の診察が必要な病気に罹っているかもしれません。[3]
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パート 2 の 2:
獣医師の診察が必要な場合

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    犬の危険物の摂取を確認します。下痢は通常、食べてはいけない物を食べてしまったときに起こります。大抵の場合、異物を体外に排出できれば症状は回復します。
    • しかし、殺鼠剤や家庭用洗浄剤などの有毒物質を摂取してしまった場合は、すぐに動物病院に連れて行きましょう。
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    体温を測ります。一過性の下痢が発熱を伴うことはほとんどありません。熱がある場合は何かに感染している可能性もあります。犬の体温を測るときは、友人に手伝ってもらいましょう。犬のお腹の下に腕を入れて押さえつけ、臀部を胸に引き寄せます。そしてもう片方の手でしっかりと犬の顎の下を押さえます。犬が動き出したらそっと押さえつけて、やさしく声をかけましょう。体温を測っている間に噛まれる心配があれば、マズルを付けます。
    • 体温計に潤滑剤を塗り、尻尾を持ち上げて体温計をゆっくり肛門に挿入します。雌の場合は、肛門のすぐ下にある陰門に体温計を入れないように注意しましょう。
    • 犬を傷つけてしまう場合もあるので、無理に体温計を挿入してはいけません。
    • 測定終了を知らせるブザーが鳴るまで待ちます。
    • 平熱は38.1~39.2度です。
    • 39.7度を上回る場合は熱がある状態です。[4]
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    下痢が嘔吐を伴っているかどうかを確認します。[5]下痢と嘔吐が同時に起こると、口と肛門の両方から体内の水分が失われるため、脱水症の危険があります。特に犬が水を飲めず、体内の水分を維持できない場合は要注意です。その場合はすぐに獣医師の診察が必要です。
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    脱水状態を調べます。[6]下痢は基本的に水を大量に含んだ便です。下痢によって失われた水分を補給せずにいると脱水症になります。脱水症によって肝臓や腎臓などの臓器への血液供給が減ると、臓器の損傷につながります。
    • 脱水症を見分けるために、首の後ろ側の皮膚を肩甲骨から剥がすように持ち上げ、手を放してみましょう。
    • 健康な皮膚はすぐに元の位置に戻ります。
    • 脱水状態によって弾力を失った皮膚は、元に戻るまで数秒かかります。
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    血便かどうかをチェックします。[7]下痢の便に血が混ざっている場合は、消化器官の炎症か消化官出血の疑いがあります。炎症も犬にとっては不快ですが、出血は命に関わります。炎症と出血の違いは分かりにくいため、血便に気付いたときはすぐに獣医師の診察を受けましょう。
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    元気がない、ぐったりしている、起き上がれない、といった場合は要注意です。[8]症状が軽ければ、犬は快活で敏捷です。下痢をしていても目が輝いていて元気があれば、上記のような症状に発展しないかを注意深く観察します。ある程度までは自宅で問題を解決できます。
    • しかし、いつもの元気がなく、無気力で落ち着きのない様子が見えれば、直ちに獣医師の診察を受けましょう。
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ポイント

  • 動物病院に行くときは、新しい検便用のサンプルを持参して寄生虫と虫卵の検査をしてもらいましょう。
  • 缶詰のドッグフードを嫌う犬もいます。良質のドライフードまたは缶詰とドライフードを混ぜた餌を与えてみましょう。

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注意事項

  • 下痢便に粘液が混ざっている場合は腸に異常があるサインです。寄生虫、生の豚の心臓または病気によって便に粘液が混ざることがあります。
  • 下痢が完全に治るまで、食べたことのないドッグフードを与えてはいけません。
  • 新しいドッグフードを与える場合は、徐々に切り替えましょう。すぐに切り替えると病気に罹ったり、下痢が頻発する場合もあります。
  • 子犬の水下痢は、命に関わります。すぐに獣医師の診察を受けましょう。
  • 子犬の緑がかった下痢便は、コクシジウム症の可能性もあります。すぐに獣医師の診察を受けましょう。
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出典

  1. Textbook of Veterinary Internal Medicine. Ettinger. Publisher: Saunders
  2. Textbook of Veterinary Internal Medicine. Ettinger. Publisher: Saunders
  3. Textbook of Veterinary Internal Medicine. Ettinger. Publisher: Saunders
  4. Small Animal Internal Medicine. Nelson & Couto. Publisher: Mosby
  5. Small Animal Internal Medicine. Nelson & Couto. Publisher: Mosby
  6. Small Animal Internal Medicine. Nelson & Couto. Publisher: Mosby
  7. Small Animal Internal Medicine. Nelson & Couto. Publisher: Mosby
  8. Small Animal Internal Medicine. Nelson & Couto. Publisher: Mosby

このwikiHow記事について

獣医、Royal College of Veterinary Surgeons(王立獣医師会)
この記事はPippa Elliott, MRCVSが共著しています。 Royal College of Veterinary Surgeons(王立獣医師会)のメンバーでもあるピッパ・エリオット獣医師は、30年以上にわたり、かかりつけ獣医師、そして獣医外科医として獣医療の実践に努めてきました。1987年にグラスゴー大学にて獣医科学と獣医外科学の学位を取得し、生まれ故郷の町にある動物診療所に20年以上勤務しています。
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