犬の自宅出産方法

共同執筆者 Pippa Elliott, MRCVS

この記事には:準備をする出産の補助をする産後の体調管理をする8 出典

飼い主の補助を全く必要とせず、本能的に出産を乗り切れる母犬がほとんどでしょう。とは言え、飼い犬が妊娠したら、飼い主は出産中に起こりうることや、補助が必要な場合にすべき行為を把握しておく必要があります。また、出産過程で他の犬種より問題が生じやすい純血種もいます。例えば、ブルドックやパグの場合は、事前準備が必要不可欠です。犬種にかかわらず、飼い犬が妊娠したら必ずかかりつけの獣医師に相談し、検診を受けさせましょう。

パート 1
準備をする

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    動物病院に連れて行く 飼い犬に出産させることにしたら、交配させる前に動物病院で検診を受けさせましょう。その後、妊娠30日前後で再度検診させましょう。[1] 予期せず妊娠した場合は、妊娠が分かった時点ですぐに動物病院に連れて行きましょう。
    • 妊娠をさせる場合は、月齢が最低でも24ヶ月を過ぎてから交配させることが推奨されています。この月齢までに十分に成長し、妊娠するのに健康問題がある場合は把握できるようになります。
    • 中には遺伝性疾患を患いやすい犬種もいます。これには歯科疾患、膝蓋骨脱臼、股関節異形成、脊髄の疾患、アレルギー、心臓疾患や行動面の問題を含みます。繁殖させる前に、飼い犬の遺伝的な問題を把握しておくことが大切です。
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    妊娠中の母犬への投薬やワクチン接種に注意する 獣医師の指示がない場合は、妊娠中に飲むと危険な薬を与えてはいけません。また、ワクチン接種も控えましょう。[2]
    • 抗体が胎児に移行するので、妊娠前にワクチン接種を受けさせましょう。受けていない場合は、胎児の発育に影響を及ぼすワクチンもあるので、妊娠中のワクチン接種は避けましょう。
    • ノミ対策を行っている場合は、妊娠中に使用可能な商品かを確認しましょう。
    • 必ず寄生虫駆除を行っておきましょう。駆除していないと、犬回虫症、鉤虫症、または犬糸状虫症が胎児に感染することがあります。
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    妊娠の通常過程を理解する 犬の妊娠期間は平均58~68日間です。受胎日を正確に把握し、出産予定日を算出しましょう。
    • 妊娠45日目までに、動物病院でレントゲンを使って胎児の頭数を調べることができます。
    • 営巣行動(えいそうこうどう)や人目を避けて隠れるような仕草を見せる場合もありますが、これは妊娠中にはよくある正常な行動です。
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    獣医師の指示の元、適切な栄養を与える 太り過ぎの場合を除き、妊娠期間を半分から3分の2ほど過ぎた犬には、子犬用のフードを与えましょう。
    • 一般的に子犬用のフードは成犬用のフードに比べて高カロリーで、母犬が胎児に栄養を送るのに役立ちます。
    • 獣医師の指示が無い場合、妊娠中の母犬への食事に過剰なカルシウムを追加してはいけません。妊娠中にカルシウムを過剰摂取すると、産後数週間の小型犬に、乳熱や子癇(低カルシウム血症)の症状が多く見られます。
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    動物病院で胎児のレントゲンを撮る 妊娠45日目までに、レントゲン検査で胎児の頭数が分かります。
    • ジャーマンシェパードやラブラドールレトリバーなどの大型犬の場合、通常10匹ほどです。
    • チワワやシーズーなどの小型犬の場合、多くて3、4匹です。
    • 胎児が1匹または2匹の場合、出産時に問題がある可能性があります。胎児の数が少ないと、お腹の中で大きく育ちすぎ、自然に産道を通るのが難しくなることがあるからです。この場合、予定帝王切開での出産が最善策でしょう。
    • 予定帝王切開はお金がかかりますが、緊急帝王切開よりも費用を抑えられるので、事前に計画を立てておきましょう。
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    産箱を準備する 出産予定日の1週間ほど前に、静かで人気の無い場所に出産用の産箱を設置しましょう。
    • 産箱は他のペットが近寄れない場所に設置し、母犬が快適に過ごせるようにしましょう。
    • 産箱は箱でも子供用のプールでも構いません。使い古した清潔なタオルやブランケットを敷きましょう。
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    子犬の里親を探す 計画的な妊娠の場合もそうでない場合も、飼い犬の妊娠が分かったらすぐに、生まれてくる子犬の里親探しを始めましょう。
    • 里親が見つからない場合は、見つかるまで自宅で育てられるように準備をしましょう。無責任な飼い主が子犬の新しい家族を用意せずに繁殖するせいで、何千匹もの犬がすし詰め状態のシェルターに引き取られるケースが後を絶ちません。そういった無責任な飼い主にならないようにしましょう。
    • 子犬は、生後8週間は里親に引き渡すまで自宅で世話をしましょう。実際に日本の動物の愛護及び管理に関する法律では、生後56日未満の犬を親から離してはならない、としています。
    • 良い家庭に引き取ってもらうために、里親の申請手順を設け、申込者に様々な質問をしましょう。また、子犬に適正な価格をつけると、子犬を迎え入れることを真剣に考え熱意を持った家族へ引き渡すことができるでしょう。
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    事前に子犬用粉ミルクを用意する 新生児には一日に2~4時間おきの授乳が必要です。母乳が飲めない子犬がいる場合に備えて、粉ミルクを用意しておきましょう。
    • 子犬用粉ミルクは大抵のペットショップで購入できます。
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    母犬は出産予定日の三週間前から隔離する イヌヘルペスなどの病気や疾患への感染から母犬と子犬を守るため、母犬は出産予定日の三週間前から他の犬から隔離しましょう。[3]
    • 産後三週間も、母犬は他の犬から隔離することが強く推奨されています。

パート 2
出産の補助をする

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    出産の兆候を注意深く観察する 出産が差し迫っていることを示すいくつかの兆候があるので、注意深く観察し、飼い主も出産に備えましょう。
    • 出産が近づくと母乳が作られ始め、乳首が大きくなります。出産の数日前または出産が始まると見られる兆候ですので、良く観察しましょう。
    • 出産の数日前になると、外陰部が柔らかくなります。
    • 出産の約24時間前になると、体温が1度ほど下がります。出産予定日の1~2週間前から毎朝体温を測り、平熱を把握しておきましょう。直腸式体温計に潤滑油を塗り、1センチほど肛門に差し込みます。そのまま3分ほど置くと、正確な検温値が得られます。犬の平熱は38~39度前後です。体温が1度以上下がると、24時間以内に産気づくでしょう。
    • 陣痛の初期段階では、息を切らす、クンクンと鳴く、落ち着き無く動き回る、隠れるなどの行動が見られます。食事や水分を摂りたがらないでしょうが、水分補給を促してみても良いでしょう。
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    陣痛を観察する 陣痛は母犬のお腹が波打つように動くので、すぐ分かるでしょう。
    • 陣痛に入り出産体勢に入ったと判断したら、いつでも産箱へ入れるようにし、距離をあけて見守りましょう。出来るだけ外部からの干渉を避けるため、多くの犬は夜に出産します。つきっきりで見守る必要はありませんが、陣痛と出産のタイミングについては注意して観察しましょう。
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    出産を見守る 適度な距離から観察し、不必要な補助は避けましょう。
    • 出産が近づくにつれ陣痛の間隔が狭まり、陣痛の症状がよりはっきりと見られるでしょう。母犬が立ち上がることがありますが、正常な行動ですので無理やり横にさせてはいけません。
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    出産時は一匹ずつ注意を払う 出産が始まったら一匹ずつ注目し、問題の兆候がないか観察しましょう。
    • 子犬は尾か頭から生まれます。どちらとも正常な生まれ方です。
    • 出産の度に母親がキャンキャンまたはクンクン鳴くことがありますが、よくある行為です。しかし、母犬が極度に痛がっている時は、すぐに獣医師に電話しましょう。
    • 通常、出産間隔は30分程度で、その間10~30分ほど強くいきみます。間隔が4時間ほど空くこともあります。強い陣痛の後、30~60分経っても出産しない場合は、獣医師に電話しましょう。また母犬の胎内にまだ胎児がいるのにもかかわらず、直前の出産から4時間以上空いた場合も獣医師に電話しましょう。
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    子犬を一匹ずつ観察する 補助の必要が無い場合がほとんどですが、生まれた子犬は一匹ずつ観察し、問題の兆候が無いかを判断しましょう。
    • 子犬は羊膜に包まれた状態で生まれてきます。母犬が羊膜を破ってへその緒を噛み切り、子犬を舐めます。これは子犬との絆を構築する動作の一環なので、飼い主が補助することなく、母犬に任せるのが理想的です。
    • しかし、出産から2~4分ほどしても母犬が羊膜を破らない場合は、飼い主が清潔な手で優しく破きましょう。子犬の鼻と口についた羊水をふき取り、勢い良く且つ優しく擦って呼吸を促しましょう。
    • 子犬が温かいか確認しましょう。しかし、繰り返しになりますが、問題の兆候が無ければ補助の必要はありません。死産や産後数時間・数日後の新生児死亡は多産型の哺乳類の間では比較的よく見られることを、念頭に置いておきましょう。

パート 3
産後の体調管理をする

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    継続して高カロリーのフードを与える 子犬用のフードなどカロリーの高い食事で、授乳中の母犬に栄養を与えましょう。[4]
    • 母犬の回復と子犬の発育を促進するので、双方に十分な栄養を摂らせることが大切です。
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    産後数週間は母犬の経過を観察する 犬は産後に特定の病気へ感染しやすく、合併症を引き起こしやすいので注意が必要です。[5]
    • 発熱、臭いの強いおりもの、無気力、食欲不振、母乳量の減少、子犬への無関心など、子宮筋層炎(子宮の炎症)の兆候に注意しましょう。
    • 神経過敏、情緒不安、子犬への無関心、重い足取り・痛みを伴う歩行など、子癇の兆候に注意しましょう。治療をしないと症状が進行し、筋攣縮、歩行困難、発熱、発作につながります。
    • 赤く硬直した、または痛みを伴う乳腺など、乳腺炎(乳腺の炎症)の兆候に注意しましょう。母犬は子犬に授乳させることを嫌がるようになりますが、授乳を続けさせましょう。この方法で、子犬には何の影響も与えることなく細菌を押し出すことができます。
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    困難な事態に備える 産後、母犬が保育行動を止めていないか、または体調不良の兆候が出ていないかを注意して見守りましょう。[6]
    • 問題が起こったら、獣医師に電話して、必要があれば母犬を動物病院に連れて行きましょう。

必要なもの

  • 実験用ゴム手袋(大抵の薬局で購入可能)
  • 清潔なタオルと使い古した毛布
  • 丈夫な箱
  • かかりつけの動物病院の(緊急時連絡用を含む)電話番号を短縮ダイヤルに入れておく
  • 子犬用粉ミルク(母乳が飲めない場合)

注意事項

  • 避妊手術をしていない雌犬は、発情期後に子宮蓄膿症という子宮の感染症にかかる可能性があります。この感染症は、症状が重く命にかかわる病気ですので、即座に病院での治療が必要です。発情期後は、嘔吐、食欲不振、過度の口渇などの兆候がないか、注意して観察しましょう。[7]

ポイント

  • 出産するのに必要なスペースを与えましょう。
  • 出産予定日が近づいたら、かかりつけの獣医師と動物病院の緊急時連絡先を控え、緊急時にすぐ電話がかけられるようにしておきましょう。
  • 家に子供が居る場合は、母犬と生まれたばかりの子犬に近づけてはいけません。犬種によっては母犬が子犬を守ろうと攻撃的になることがありますが、これは正常な行為です。子供は怪我をさせてしまう可能性があるので、生まれたばかりの子犬には近づけないようにしましょう。小さい子供や他の動物の居ない安全な部屋で出産させると、母犬が神経質になるのを防げます。母犬が不安そうにしたり、動揺したりしていたら、撫でたり優しい言葉をかけてあげましょう。
  • 犬の出産は深刻な問題やそれほど複雑な問題もなく進むことが多いので、飼い主は距離を保って見守り、必要な場合のみ手を貸すのが理想的です。[8]

記事の情報

この記事はPippa Elliott, MRCVSが共著しています。 獣医であり、Royal College of Veterinary Surgeons(王立獣医師会)のメンバーでもあるエリオット医師は、30年以上にわたり、かかりつけ獣医、そして獣医外科医として獣医療の実践に努めてきました。1987年にグラスゴー大学にて獣医科学と獣医外科学の学位を取得してます。エリオット医師は生まれ故郷の町にある動物診療所に20年以上勤務しています。

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他言語版:

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