犬の軟便を治す方法

共同執筆者 Pippa Elliott, MRCVS

この記事には:犬の消化機能を理解する犬の食生活を改善するその他の方法で軟便を治す13 出典

犬の軟便はよくある問題です。便がゆるくなる原因の多くは、深刻でないのですぐに治ります。とはいえ、ペットが軟便で困っていれば、治るように助けてあげましょう。与える餌に注意し、ストレスのない環境を整えてあげると具合がよくなるでしょう。

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犬の消化機能を理解する

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    軟便と下痢の違いを理解します。軟便と下痢には微妙な違いがあります。軟便は量は多いのですが形があり、処理するために拾うことができます。下痢は水分が多くほぼ液状で、形がなく拾うのは困難です。傷んだ食物の毒素を消化器官から排出するため、または病気の症状で下痢になります。一方、軟便は病気や感染症の症状ではなく、質の悪い食生活、繊維不足、不適切な食物を与えた場合などに起こります。[1]
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    犬の下痢に対処する方法を覚えます。犬が下痢をしたら注意深く見守りましょう。家の外で排便する場合はついて行き状態を観察します。血便や水分が多く、犬の具合が悪そうなら獣医師の診察を受けましょう。[2]
    • 上記のような症状がなく、下痢だけなら1日餌を与えないようにします。ただし、清潔な水を用意して、常に飲める状態にしておきましょう。24時間断食の後は、淡泊な食物を与えます。例えば、調理した鶏肉と白米(鶏肉1/3、白米2/3の割合)を便が普通の状態に戻るまで数日与えます。 犬に与える鶏肉と白米を用意する方法 に詳しい説明があります。
    • 下痢が2日以上続く場合は獣医師の診察を受けましょう。
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    犬に必要な栄養を理解します。ペットの健康のためにも、便を簡単に処理するためにも軟便を治すことは大切です。犬の健康を保ち、正常な排便を促すには、消化の良いたんぱく質と繊維質を含む食事を与えましょう。[3]
    • 犬には、肉主体の食事が最適です。肉主体の食事のほか菜食も可能ですが、犬にはたんぱく質が多く必要なので、菜食の場合たんぱく質を豆類から摂取する必要があります。豆類は腸にガスがたまりやすく軟便の原因になります。もし犬が菜食であれば、質の良い肉を基本とした食事に変えることも検討しましょう。

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犬の食生活を改善する

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    バランスの良い食事を与えます。必ずしも、高級なドッグフードを与えるという意味ではありません。例えば、パテタイプの餌は栄養価がとても高く、ミネラル(塩など)が多く含まれており、好き嫌いの激しい犬も喜んで食べます。これは、チョコレートケーキが豆のサラダよりも魅力的なのと同じで、要はおいしいものと健康的な食事は相反することがあるということです。代わりに、主原料に肉を使用しているものを選びましょう。「肉派生品」、「内臓肉」、「肉副産物」ではなく、実際の「肉」が使われているドッグフードを与えましょう。
    • 低脂肪の肉、例えば、鶏肉、七面鳥、うさぎ、白身魚などを選びます。原材料の種類が少ないものを選びましょう。加工原料や保存料の使用が少なければ、原材料に記してある製品が実際の食物に近いものだと判断できます。
    • 炭水化物を大豆や大豆製品からではなく、米、オーツ麦、大麦から摂るようにします。[4]
    • 価格が品質を証明するわけではありませんが、質の良い餌は質の良い原材料を使用しているので、加工度の高い餌や穀物を主体にした餌よりは高価になります。
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    子犬には無乳糖食(ラクトースフリー食)を与えます。犬に適したミルクは母犬の母乳だけです。乳離れのできていない子犬には、水を加えて作られたラクトールをミルクの代わりに与えます。離乳食を始めたばかりの小さい子犬が軟便をするようなら、無乳糖食(ラクトースフリー食)を与えます。生まれながらにラクターゼという酵素が欠乏している子犬もいます。この酵素は、ミルク中のラクトースを糖に分解します。すなわちラクターゼ欠乏症の子犬はラクトースを糖に分解して、体内に消化吸収することができません。そのため、消化されなかった糖が内臓から水分を排出させ、軟便を起こすことになるのです。[5]
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    ウェットタイプからドライタイプの餌に変えます。ウェットタイプの餌(缶詰や袋入り)には水分が75%含まれており、ドライタイプの餌の水分は約10%です。過剰な水分が軟便の原因になることもあります。餌の中に含まれる水分は、犬の便の量や形状に大きく影響します。[6]
    • 犬の餌を新しいものに変える際は、時間をかけて行います。既存の餌に新しい餌を少しずつ混ぜ既存の餌を少しずつ減らして与え、少なくとも4~5日かけて変えるようにします。時間をかけて、消化を助ける腸内フローラが新しい餌に慣れるようにします。
    • 高たんぱく食、例えば牛肉、鶏肉、高たんぱく質のドッグフードなども軟便の原因になります。 たんぱく質を消化する副産物として、水分が腸から排出されるからです。
    • 小麦主体のドッグフードや小麦を多く含む食品も軟便の原因になります。
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    脂肪の多い食品は犬に不適切です。脂肪分は腐敗しやすいので避けましょう。揚げ物を犬に与えてはいけません。通常ファストフードの揚げ物にはパーム油が使用されています。パーム油は消化が悪くすぐに腐敗します。腐敗した脂肪が腸にたまると軟便の原因になります。
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    軟便が続く場合は、淡泊な食事を与えます。淡泊な食事とは、軟らかめに炊いたご飯と脂肪のない豚や羊のひき肉などです。淡泊な食事を少なくとも5日ほど続けて、便が変化するか確認しましょう。便の改善を促す市販のドッグフードは米主体のものです。米はたんぱく質や塩分が少なく消化の良い澱粉です。[7]
    • 犬の軟便を改善するドッグフードは、ヒルズプリスクリプション・ダイエットi/d、ロイヤルカナン消化器サポート(高繊維)、ユーカヌバ、ロイヤルカナン消化器サポート(低脂肪)、ヒルズサイエンス・ダイエットなどがあります。 [8]

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その他の方法で軟便を治す

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    プロバイオティクスを与えます。腸内の善玉菌の数が消化能力に影響します。貧しい食生活で軟便が続いていると、腸内の悪玉菌が増え腸内の細菌バランスが崩れます。善玉菌を与えると、腸内バランスが改善されて消化を促し、軟便を治すことができます。必要な細菌は「エンテロコッカス・フェシウム」と呼ばれ、キューテックなどのサプリメントに含まれています。これは犬・猫専用のペースト状のプロバイオティクスです。[9]
    • 犬と人間の腸内システムは異なります。そのため、人間用のプロバイオティクスを与えても効果がないだけでなく害にもなります。人間用のプロバイオティクスに含まれるラクトースが原因で、犬が下痢を起こす恐れがあります。[10]
    • キューテックは、インターネットまたは動物病院で購入できます。
    • 用量、用法については、獣医師の指示に従って服用させましょう。
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    犬に繊維質を多く含んだ食物を与えます。食物繊維を増やした食生活に変えて軟便が治る犬もいます。繊維がスポンジのように水分を吸収し、下痢や軟便を改善するからです。また、大腸がんに罹るリスクを減らすとともに、水分を吸収した繊維が膨張するため長時間満腹感を得られ、肥満の犬はカロリー摂取を控えることができます。[11]
    • しかし、いくら体に良いとはいえ量はほどほどにし、天然の繊維が10%ほど含まれている餌を探しましょう。[12]
    • 普段の餌にオーツ麦や小麦ふすまを足して、繊維を増やすこともできます。はじめは、犬の体重10キロあたり小さじ1杯を加えましょう。
    • 生のフルーツや野菜を与える方法もあります。ただし、塩分が多く添加されている場合があるため、缶詰の野菜は避けましょう。
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    常に新鮮な飲み水を準備しておきます。軟便で水分が失われるので、失った水分を補充する必要があります。少なくとも1日おきに水用のボウルを洗い、常に新鮮で清潔な水を飲めるように用意しておきます。
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    日常生活で犬にとってストレスになるようなことを避けます。犬にとって入浴がストレスになるのであれば、数日入浴をさせないで軟便が治るか観察します。ストレスで消化機能に影響が出る犬もいます。この場合は、軟便を治すには犬のストレスを減らす必要があります。
    • ストレスで腸の生理が影響を受け、塩基性(善玉菌にとって良い環境は腸が酸性の状態)になります。その結果、犬が食物を消化しにくくなります。[13]
    • この場合は、腸を休ませるために鶏肉と白米のような淡泊で消化の良い食物を犬に与えます。
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    軟便が続く場合は、獣医師の診察を受けましょう。食生活を見直すだけで改善する場合がほとんどですが、長く続く場合は病気である可能性があります。食生活を変えても軟便が改善しなければ、獣医師の診察を受け必要な検査を受けましょう。

出典

  1. Nutrient Requirements of Dogs and Cats. National Academies Press, Washington DC
  2. Small Animal Internal Medicine. Nelson & Couto. Publisher: Mosby
  3. http://www.petmd.com/dog/nutrition/evr_dg_the_best_food_for_dogs#
  4. Nutrient Requirements of Dogs and Cats. National Academies Press, Washington DC
  5. http://www.dogster.com/lifestyle/the-straight-poop-on-firm-dog-stools
  6. Small Animal Nutrition. Agar. Butterworth-Heinemann
  7. Small Animal Nutrition. Agar. Butterworth-Heinemann
  8. http://pets.thenest.com/can-feed-dog-firm-up-his-stool-4353.html
  9. https://www.bayer-pet.jp/pet/products/cutec.html
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記事の情報

この記事はPippa Elliott, MRCVSが共著しています。 獣医であり、Royal College of Veterinary Surgeons(王立獣医師会)のメンバーでもあるエリオット医師は、30年以上にわたり、かかりつけ獣医、そして獣医外科医として獣医療の実践に努めてきました。1987年にグラスゴー大学にて獣医科学と獣医外科学の学位を取得してます。エリオット医師は生まれ故郷の町にある動物診療所に20年以上勤務しています。

カテゴリ: ペット |

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