猫は、人との絆を結びにくい動物です。その多くは独立心が強く、絶えず人間と触れ合っていなくても幸せでいられます。愛猫との絆を深めるためには、猫にとって安全で前向きな環境を整えることも大切です。また、食べ物など猫の好きなものと飼い主自身との関連を学習させる必要があります。飼い主の少しの努力と忍耐力で、子猫とも成猫とも深い絆を結ぶことができます。

方法 1 の 2:
飼い始めた猫を人に慣らす

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    なるべく早くから人に慣らす 猫との深い絆を結ぶには、まず猫が全般的に人に慣れていなくてはなりません。将来的にずっと一緒に暮らしていくにあたって、子猫を小さいうちから人に慣らすことが重要です。
    • 生後2週から7週の間に人に慣れることは、猫が飼い主と仲良く暮らしていくための土台になります。[1]
    • 子猫を抱っこしたり、人や他の動物と触れ合わせて慣らしていきます。こういった触れ合いは子猫にとって楽しく、今後も続けたいと思えるものでなくてはなりません。[2]
    • 子猫を人に慣らす教室の受講を検討しましょう。かかりつけの動物病院で紹介してもらえるかもしれません。[3]
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    成猫には気長に接する 飼い猫が成猫でも諦めることはありません。まだ努力の余地はあります。猫が何歳でも、積極的な触れ合いを続けていけば仲良くなることができます。
    • 野良猫(人と接触せず野生で生活)歴があっても、4年までであれば人に慣らすことが可能です。[4]
    • 大人の猫を人に慣らすには、とにかく時間と忍耐力が必要です。方法は前のステップで述べた通りです。しかし、猫に受け入れてもらえるまで相当な時間がかかることは覚悟しましょう。
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    猫にとって快適な環境を整える 猫は安心できて快適でなければ、人と触れ合いたがりません。新しく猫を家に連れてくるときは、猫を怖がらせない穏やかな環境を整えておきましょう。
    • まず初めは、猫が快適に過ごせる空間、すなわち静かな部屋に入れます。飼い主の寝室が良いでしょう。寝室で過ごすことで、猫は飼い主の匂いに慣れることができます。[5]徐々に他の部屋を探索させましょう。
    • 猫が横たわったり、中に入ったりできる快適で楽しい場所を用意します。一人になれる場所とちょっとした安心感を必要とする猫には、キャットツリーが最適です。
    • 餌と水入れ、トイレ、爪とぎは猫がいつでも使えるようにしましょう。[6]
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    距離感を尊重する 猫の周りをうろうろしたり、猫に群がったりしてはいけません。穏やかに接し、猫との距離を保つことで、猫に人は脅威ではなく、恐がる必要はないことを教えます。
    • これは、あまり人と接する機会のなかった大人の猫にとって特に重要です。このような猫にあまりにべたべたすると、むしろ有害無益です。猫が自分の方に来てくれるまで待ちましょう。
    • キャットフードや猫のおやつを部屋中にばらまき、猫が人の周りを歩き回って食べ物を探せるようにします。猫には構わず、座って読書やテレビ鑑賞をします。[7]猫はおやつにつられて少しずつ人に近づきます。それでもじっとしていましょう。始めは手を伸ばしたり、話しかけたりしてはいけません。まずは人と同じ部屋にいることに猫を慣れさせます。こうすることで、「おやつ」と「人の近くにいること」にプラスの関連付けができます。
    • 猫が近づいて来るのを待ちましょう。おもちゃをちろちろ動かしたり、軽く投げて興味を引きましょう。すぐに猫をなでようとしてはいけません。猫を怖がらせてしまいます。まずは猫にとって怖くない存在になることが一番で、それから初めは一回から、少しずつなでるようにしていきます。無理強いはいけません。無理をすると、猫の信頼を勝ち取る道のりがふりだしに戻ってしまいます。[8]
    • 飼い主が猫を傷つけるつもりが毛頭ないことを分かってもらえるまでには時間がかかるということを覚えておきましょう。猫はまだ飼い主のことを知りません。飼い始めは、忍耐強く接することで飼い主の愛情を示しましょう。
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    怯えた猫を落ち着かせるフェロモン拡散器(フェリウェイ)を使う フェリウェイ拡散器は、不安な猫を快適で落ち着いた気分にさせる安寧フェロモンを拡散します。
    • フェリウェイ拡散器の使い方はとても簡単です。よくあるプラグタイプの芳香剤と同様、壁のコンセントに差し込むだけで使用できます。その後は、時々リキッドがなくなっていないか確認するだけです。
    • フェリウェイ拡散器は動物病院やネットショップで入手できます。
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    猫が許してくれたら優しくなでる 猫の心の準備ができていない時にあまり構いすぎると、猫にとっては刺激が強すぎて不安になり、身構えてしまいます。不安ではなく、猫が望む穏やかな愛情と飼い主とを結び付けさせるように心がけましょう。
    • 猫が体や顔をこすりつけてきたら優しくなでましょう。猫が体をこすりつけるのは親愛を表します。絶好のチャンスをとらえ、飼い主との結びつきを強化しましょう。
    • 猫は頭や首を掻いてもらうのが大好きです。しっぽの付け根を優しくなでるのも喜びます。[9]背中全体をなでると刺激が強すぎ、苦痛を感じて引っかいたり噛んだりすることがあります。
    • 猫と触れ合った後におやつをあげると、触れ合いに対してプラスの関連付けができます。[10]
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    猫が落ち着いているときに抱っこする 猫が喜ぶ限りなでてあげましょう。さらに抱き上げて、陽だまりやえさ場に連れて行ってあげましょう。そして「抱き上げられるといいことがある」と学習させます。
    • 猫が乗り気でないのに無理に抱っこをしてはいけません。[11]そうすると、せっかく今まで築き上げた信頼が壊れてしまうかもしれません。特に、大人の猫では決定的なダメージになります。
    • 例えば猫をキャリーケースに入れるときなど、猫の意思に反して抱き上げなければならない場合もあります。その際はできるだけ丁寧に、優しい声で語りかけ、そっとなでながら行いましょう。おやつを与えてもいいかもしれません。
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    何をしてもうまくいかなければ獣医師の助けを求める 恐がりで不安の強い成猫には、人に慣らすプロセスで処方薬が必要な場合があります。上述のステップを試しても効果がなさそうなら、獣医師に相談しましょう。[12]
    • 極端な場合は動物行動療法科の診察を受けましょう。かかりつけの動物病院で紹介してもらいましょう。
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方法 2 の 2:
猫との前向きな関係を築く

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    自らえさを与える 猫が飼い主の存在に慣れてきたら、前向きな信頼関係を構築していきます。食べ物は強力な動機付けになるため、「えさ」と「自分(飼い主)」を関連付けさせましょう。そうすると猫は「飼い主の存在には何か良いものが関連する」と学習します。
    • えさを出しっぱなしにしておくのではなく、1日2,3回に分けて与えます。これで飼い主と食べ物との関連が強化されます。ドライフードを常時置いておくなら、おやつや缶詰を数回与えましょう。
    • 飼い主と食べ物の関連を強化するために、猫がえさやおやつを食べている間は同じ部屋にいましょう。食べている間になでてあげても良いでしょう。
    • また、高価なおやつを与えると、猫は「飼い主=すごくおいしいものをくれる人」として認識します。脚にすりすりしてきたり、愛情を示すなどの良い行動を強化するのに、おやつを与えましょう。[13]
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    去勢・不妊手術をする 本能にまかせて他の猫とつがいになろうとしない猫の方が、人との絆を深めやすくなります。[14]
    • また、去勢・不妊手術をすることで猫の頭数を制限することができます。特に、ある程度外で生活する猫には重要です。[15]まだ手術を受けさせていない場合は、動物病院で手術の予約を入れましょう。
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    猫に話しかける 穏やかな、猫を怖がらせないトーンで頻繁に話しかけましょう。[16]声のトーンやボディーランゲージは猫にメッセージを伝えます。親切で優しいメッセージを届けましょう。
    • 猫(ついでに言えばどんな動物でも)に向かって怒鳴ると、猫は驚き、人を信じなくなります。例え猫が好ましくない行動をしても、大声で怒鳴らないようにしましょう。
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    猫と一緒に遊ぶ 猫が飼い主に気持ちよく近寄れるようになったら、おもちゃや紐をちろちろ動かして猫を遊びに誘います。猫はいつでも飼い主と遊びたいわけではないので、絆を深めるには猫が遊びたい機会をとらえましょう。
    • 多くの場合、猫はキャットニップ(イヌハッカ)というハーブを好みます。キャットニップ入りのおもちゃで猫を遊びに誘いましょう。[17]
    • 猫が飼い主と一緒に遊びたがったら大成功です。例えば、猫が飼い主に体を擦りつけたり、飼い主の体に上ってきたりすることがあります。派手なおもちゃや紐をちょろちょろ動かすと猫の気を引けることもありますが、本人が遊びたくなければ完全に無視されてしまいます。
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    猫とそのトイレを清潔に保つ 猫が快適でいるには被毛や周りの環境が清潔でなくてはなりません。トイレは定期的に掃除し、汚れたトイレを使わせないようにします。トイレが汚れていると猫は不安で不機嫌になり、好ましくない行動に出ることがあります。[18]
    • おそらく猫は自分で長時間身づくろいをしますが、飼い主がグルーミングしてあげると猫との絆が深まります。猫専用のブラシでブラッシングしましょう。嫌がる猫がいる一方で、その感覚を喜ぶ猫もいるでしょう。特に長毛種の場合、ブラッシングによって家に散らばる抜け毛が減るというメリットもあります。[19]
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    猫の健康を保つ 何らかの健康上の問題があると、猫は引っ込みがちになり、人を避けるようになります。定期的に健康診断に連れていきましょう。猫の健康状態や行動に大きな変化が見られたら、獣医師に相談しましょう。
    • 猫の健康を気遣っての健康診断であることを、猫は理解できません。しかし、猫の健康を守ることこそが飼い主の愛情を示す最高の方法です。
    • 猫をキャリーケースに押し込む際に猫が飼い主への愛情を示すことはないでしょう。しかし、そこで多少嫌われても、その後何年も健康で一緒に暮らせるのなら、埋め合わせは充分にできるはずです。
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    親愛の情を認識する ゴロゴロとのどを鳴らすのは猫が満足している証だということは有名です。しかし、猫がゆっくりと瞬きをするのも満足と受容を表すことは意外と知られていません。
    • こちらからもゆっくりと瞬きを返してみましょう。これを「猫のキス」と呼ぶ人もいます。猫は瞬き返しを見て「このヒトは怖くない、友達だ」と認識します。[20]
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ポイント

  • 猫には辛抱強く接しましょう。他の猫よりも引っ込み思案で、人に慣れるのに時間がかかる猫もいます。しかし、頑張って愛情を注いで信頼関係が出来上がれば、費やした時間と努力は報われます。
  • 子猫はすぐに飼い主を受け入れ、愛情を示しますが、成猫(特に元野良猫)はこちらに好意を寄せてくれるまでに長い時間がかかるでしょう。例え好意を持ったとしても、子猫の頃から信頼関係を築き上げた猫ほどは素直に懐かないかもしれません。大人の猫を飼う場合は、ずっと引っ込み思案で打ち解けてくれないという事態も想定しておきましょう。大人の猫を飼うには非常な忍耐力が必要です。[21]
  • 猫が嫌がることをしたり、何かを無理強いしてはいけません。猫には辛抱強く接しましょう。

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このwikiHow記事について

Pippa Elliott, MRCVS
共著者
獣医
この記事の共著者 Pippa Elliott, MRCVS. 獣医であり、Royal College of Veterinary Surgeons(王立獣医師会)のメンバーでもあるエリオット医師は、30年以上にわたり、かかりつけ獣医、そして獣医外科医として獣医療の実践に努めてきました。1987年にグラスゴー大学にて獣医科学と獣医外科学の学位を取得してます。エリオット医師は生まれ故郷の町にある動物診療所に20年以上勤務しています。 この記事は1,203回アクセスされました。
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