理想的な睡眠時間を知る方法

共同執筆者 Chris M. Matsko, MD

この記事には:体の声を聴く睡眠習慣を管理する医師に相談する

私たちは小さい頃から「しっかり寝なさい」と言われて育ちます。子供は次の日の学校に備えて、スポーツ選手なら大きな大会の前に、そして大人になるとストレスを軽減し、健康を保つためにもしっかり寝るように、と何度も言われます。ところで「良い睡眠」とはどんな睡眠を言うのでしょうか。その答えを出すには多くの要因を注視し、個人のライフスタイルも考慮しなければなりません。良い睡眠を得るために、まず考えるべきことは、私たちの体がどれくらいの睡眠を必要としているのかを知ることです。

パート 1
体の声を聴く

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    簡単な睡眠テストをする テスト結果が分かるまで、一晩以上かかるかもしれません。[1]
    • 朝遅くまで寝ていられる日を選び、その前の晩にテストを開始します。正確なテスト結果を得るには、数日を要するかもしれません。
    • テスト開始日の夜、常識的な時刻に就寝します。次の日の朝遅くまで寝ていても差し支えない週末か、まとまった休暇を利用するといいでしょう。ただ、翌朝いつまでも寝ていられるからといって前の晩に夜更かしをしてはいけません。正確な結果が出にくくなります。毎晩同じ時刻に就寝しましょう。
    • 次に、目覚まし時計に頼らず、翌朝自然に目が覚めるまで眠ります。ほとんどの場合、初日はかなり長時間眠ることになるでしょう。16時間以上眠る人もいます。これは、睡眠負債を抱えている状態にあるからです。
    • 睡眠負債が深刻な場合は、負債を返済した後でテストに挑みましょう。それ程大きな負債でなければ、テストを進めましょう。
    • 初回は、ほとんどの人が標準よりも多めの睡眠をとる結果になりますが、その翌日も同じ時刻に寝るようにしましょう。目覚まし時計は使いません。このリズムを何日間か続けていくうちに、毎朝同じ時刻に自然に起きるようになります。この時点で、体が毎晩何時間の睡眠を必要としているのかがわかります。
    • 睡眠が十分にとれていれば、常にキビキビと動けて退屈な作業をしていても眠くなりません。
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    短期間に蓄積された睡眠負債を返済する 睡眠負債は体が必要とする睡眠時間を取れていない時に起こり、時間とともに蓄積されます。[2]
    • 睡眠時間が減るたびに、数分あるいは数時間の負債を作っています。
    • 仕事、遊び、勉強などで夜更かしをして、翌朝目覚まし時計を使って起きるという習慣が、睡眠負債を増やす原因です。
    • 短期間に蓄積された睡眠負債は、毎晩1時間ほど多めに睡眠をとって返済するようにしましょう。朝遅くまで寝る、昼寝をするなどして睡眠不足を解消しましょう。
    • 睡眠不足を解消する前に、どのくらい睡眠が不足しているのかを確認することが先決です。体がどのくらいの睡眠を必要としているのかを最初に知っておく必要があります。
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    長期に渡って作った睡眠負債の返済には長い休暇を取る 長期の負債は数週間かけて蓄積されます。返済して元の状態に戻るには、更に長い期間が必要かもしれません。[3]
    • 無計画で長い休暇を過ごしましょう。休暇中は同じ時刻に寝て、翌朝自然に起きるまで寝ていましょう。
    • 休暇中、無理やり必要以上に睡眠をとる必要はありません。抱えた睡眠負債を返済し、通常のスケジュールに戻ることが目的です。
    • 睡眠負債が返済できたら、通常の就寝時刻に寝るようにしましょう。すでに、目覚まし時計を使わずに朝、自然に起きられる状態になっています。ただし、早めに寝て、体が必要とするだけの睡眠時間をとっていることが前提です。
    • 自分にとっては早く寝ているのに疲れが取れない、朝起きるのが辛いという場合は、さらに早く寝るようにしましょう。標準の睡眠時間が全員に当てはまる訳ではありません。長い睡眠時間を必要とする人もいます。早く寝ても改善されない場合は、医師に相談しましょう。
    • 睡眠負債を返済したのに、日中だるさが取れず疲れが残るようなら、基礎疾患があるか、服用している薬が原因かもしれません。医師に相談して、しつこい疲労感の原因を探ってもらいましょう。
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    十分な睡眠をとって健康問題を回避する 睡眠負債がもたらす症状を理解しましょう。体が必要とする睡眠が取れない時に、どんな影響が出るのかを知る手がかりになります。[4]
    • シカゴ大学で、被験者に6日間4時間の睡眠時間しか取らずに生活をしてもらう実験をしました。
    • 6日間の短期間でしたが、睡眠負債が蓄積された結果、被験者に血圧やストレスホルモンであるコルチゾールレベルの上昇、またインスリン抵抗性の初期症状が見られました。インスリン抵抗性は「2型糖尿」の原因の1つです。
    • 他の症状として、集中力、判断力、視力、記憶力の低下、更に疲労感、また、運転が困難になる、怒りやすくなるなどの症状が見られました。
    • 別の実験で、更に長い期間被験者に十分な睡眠時間をとらせずに生活してもらった結果、肥満、インスリン抵抗性、脳卒中、物忘れ、心臓病などの症状が見られました。
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    体が必要な睡眠時間を乱す状況を認識する ストレスや体の変化で、普段よりも多めの睡眠時間が必要な場合があります。[5]
    • 例えば妊娠は、少なくとも最初の3ヶ月間、長い睡眠時間を必要とします。
    • 他には病気、怪我、強烈な身体活動、情緒不安定な状態や張り詰めた知的作業を行った後なども必要としている睡眠時間に影響を与えます。
    • 昼寝をする、睡眠時間を多めにとるなどして、ストレス要因を克服しましょう。
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    年齢層に応じた理想の睡眠時間を理解する 専門雑誌などに、年齢層に応じた理想的睡眠の指針が公開されています。[6]
    • 年齢が上がるに従って、必要とする睡眠時間は少なくなります。最も睡眠を必要とする年齢層は生まれたばかりの赤ちゃんです。24時間サイクルで11時間から19時間の睡眠を必要とし、平均睡眠時間は14時間から17時間だと言われています。それに対して最も少ないのは、65歳以上の大人で、5時間から9時間の睡眠時間で十分です。平均睡眠時間は7時間から8時間と言われています。
    • 年齢層に応じた睡眠指針を紹介するサイトにNational Sleep Foundationなどがあります。信頼できるサイトで、推奨睡眠時間、適切な睡眠時間、また「勧められない」睡眠時間などが図表で紹介されています。
    • 必要とする睡眠時間は個人差があり、一般的な理想的睡眠時間が該当しない人もいます。例えば薬を服用中、病気のために指針が示す以上に睡眠を必要とする場合、などです。

パート 2
睡眠習慣を管理する

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    睡眠環境を整える 寝室を可能な限り寝心地よく、リラックスできる場所にしましょう。[7]
    • まず、寝室の温度調節から始めましょう。寝室の温度は、心地よく涼しいくらいに保ちましょう。
    • ベッドは寝るため、そして夫婦生活だけのために使いましょう。勉強、読書、ゲームをする場所として、またスクリーンやテレビを見る場所として使うのは避けましょう。
    • 寝室は、できるだけ静かにまた暗くしましょう。カーテンで外の明かりを遮る必要があるかもしれません。また、耳栓や扇風機などを使って雑音を消しましょう。
    • マットや枕は、睡眠を誘うような寝心地の良い物を選びましょう。2人で寝る場合は、それぞれが伸び伸びと寝られるように大きめのサイズを選びましょう。
    • 子供やペットと一緒に寝るのは避けましょう。
    • 2直(3交代勤務の夕方から午前零時ごろまで)や3直(午前零時ごろから朝まで)で働く場合でも、睡眠指針に従いましょう。同じ時刻に寝て起き、一定の睡眠時間を確保しましょう。
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    食生活に気をつける 睡眠を含む生活全般で体を効率良く機能させるには、健康的な食事が重要です。睡眠の質を上げるための具体的な対策がいくつか紹介しましょう。[8]
    • 夜遅く、また就寝直前に重い食事を取らないようにしましょう。空腹のまま寝るのも避けましょう。
    • 寝た後でトイレに頻繁に起きないように、水分の取りすぎに注意しましょう。
    • 日中のカフェインの摂取量を制限しましょう。また午後2時以降、カフェイン飲料は飲まないようにしましょう。
    • 就寝前の喫煙を避けましょう。ニコチンは興奮作用があり、寝つきが悪くなる可能性があります。
    • 就寝前のアルコールの摂取を避けましょう。アルコールを飲んだ直後は眠くなりますが、数時間経つと興奮剤として働き始め、寝られなくなります。
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    日中の活動を調整する エクササイズから日光浴といった全ての活動を指します。[9]
    • 推奨指針に沿ってエクササイズをしましょう。毎週150分間のエアロビクス運動などが推奨されています。昼間でも夕方でも都合の良い時間帯を選んで、エクササイズを習慣化しましょう。
    • 適切なエクササイズと睡眠との関係は色々な資料に記されています。不眠症の人が、ウォーキングなどの程よいエアロビクス運動をすると、全く運動をしない場合と比べて、寝付くまでの時間が激減する、という調査結果があります。[10]
    • 日中、太陽の光に当たりましょう。太陽光は体に必要なビタミンの生成や健康的な規則正しい睡眠サイクルを促します。就寝前は明るい電気を避けましょう。
    • 昼寝は、就寝時刻近くを避け、昼間の時間帯で20分から30分程度に抑えましょう。
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    就寝前にリラックスできるような習慣を作る その日のストレスから心も体も解放できるようなアクティビティがいいでしょう。[11]
    • 読書や編み物、絵を描いて時間を過ごすとストレスが和らぐかもしれません。暖かいお風呂に入る、シャワーを浴びる、また心休まる音楽や自然の奏でる音を聴くなどしてみましょう。リラックス中は、できるだけ電気を暗くしましょう。
    • 日中、ストレス要因の緩和が期待できる健康的なアクティビティを習慣化しましょう。休憩を取る、あるいは、友達と楽しいことを話したり一緒に笑ったりするなどの時間をとりましょう。昼間ストレスが軽減できれば、不安や心配事を就寝間際まで引きずらずにすみます。
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    睡眠スケジュールを守る 毎晩同じ時刻に寝て、毎朝同じ時刻に起きましょう。週末や休暇も睡眠スケジュールを守りましょう。[12]
    • 疲れていなくても、眠くなくても、毎日同じ時刻に寝るようにしましょう。眠れない夜が幾晩も続いたら、就寝時刻を変える必要があるかもしれません。
    • 眠くなるまで、あるいは疲れを感じるまで寝る必要はない、と謳う睡眠指針があれば、決まった時刻に寝た方がいいと謳うものもあります。就寝前の習慣と睡眠スケジュールを維持すれば、ベッドに入ってリラックスしている内に、眠れるようになるかもしれません。
    • ベッドに入ってから15分以内に眠りにつけない時は、起き上がりましょう。眠れないことがストレスになりません。起き上がって動き回り、数分間リラックスして、ベッドに戻りましょう。
    • 時計を見るのを避けましょう。リラックスして1日を振り返り、良い事や、くつろいだ気分になれた事を思い出しましょう。寝なくては、と考えてはいけません。

パート 3
医師に相談する

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    色々な対策を講じても良い睡眠が取れないようなら医師に相談する 基礎疾患や服用している薬が睡眠の妨げになっているのかもしれません。[13]
    • 健康上の問題が睡眠の妨げになる場合があります。精神科医や心理学者などの診察が必要な問題として、うつ病、不眠症、ADHD、双極性障害、心的外傷後睡眠障害、悪夢やその他の感情面が原因の睡眠障害などが挙げられます。
    • 次に挙げる症状も、睡眠障害の原因として考えられます。睡眠時無呼吸、アルツハイマー病、認知症、慢性痛、むずむず脚症候群、慢性閉塞性肺疾患(COPD:chronic obstructive pulmonary disease)や他の呼吸関連障害、アレルギー、てんかん、線維筋痛、慢性疲労症候群、胃食道逆流症(GERD:gastroesophageal reflux disease)および多発性硬化症などです。
    • 睡眠そのものに直接関連する障害には、概日リズム睡眠障害、睡眠相後退症候群、発作性睡眠、脱力発作、睡眠歩行、寝言、レム睡眠行動障害、および交代制作業による睡眠障害などがあります。
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    睡眠パターンの変化に注意する 睡眠障害の原因は、身体的また精神的健康問題や不規則な睡眠など広範囲に渡ります。[14]
    • 睡眠障害の症状として、日中酷く眠くなる、疲れが続く、呼吸が不規則になる、睡眠中に体が激しく動く、疲れていても就寝時刻に眠れない、また寝言や寝ながらの歩行などの異常な睡眠パターンなどがあります。[15]
    • 睡眠障害の原因と考えられる症状を全て取り上げて説明するのは、この記事の趣旨ではありません。
    • 早いうちに医師に相談しましょう。睡眠障害を放っておくのはあまり良いことではありません。医師に相談すれば色々な方法で対処してくれるでしょう。また睡眠障害を引き起こす原因の治療方法も教えてくれるでしょう。
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    服用中の薬を見直す 過度の眠気や疲労感、睡眠不足を引き起こす薬がたくさんあります。[16]
    • 自分一人で服用中の薬を調整してはいけません。薬が原因だと思ったら、医師に相談しましょう。一回の服用量を調節する、あるいは他の処方薬に替えるなどの方法で改善する場合があります。
    • 副作用として過度の眠気を起こす薬は何百とあり、ここでは全てを紹介しきれませんが、抗ヒスタミン剤、血圧薬、痛み止め薬などは、イライラさせたり眠気を引き起こしたりする可能性があります。服用中の薬が睡眠を妨げていると思われる場合は、医師または薬剤師に相談しましょう。
    • また、良質の睡眠を妨げる医薬品もあります。眠気を起こす医薬品に比べると少ないですが、それでも非常に多い医薬品が睡眠を妨げる要因となっています。服用中の薬が睡眠を妨げているようなら、医師に相談しましょう。
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    睡眠補助薬をのむ 色々な治療方法を試しても睡眠障害が解消されないようなら、うつ病などの根本的な原因があるのかもしれません。あるいは、健康的な睡眠パターンを確立すればいいだけなのかもしれません。[17]
    • 寝つきの改善に役立つ薬が店頭販売されています。処方箋なしで買える睡眠剤はすべて、短期間の使用を目的にしています。
    • 睡眠障害が長く続くようなら、医師に相談して処方箋を出してもらいましょう。

記事の情報

カテゴリ: 睡眠と夢

他言語版:

English: Know How Much Sleep You Need, Français: savoir combien d’heures de sommeil on a besoin, Italiano: Sapere di Quante Ore di Sonno Hai Bisogno, Español: saber cuánto tiempo necesitas dormir, Deutsch: Herausfinden wieviel Schlaf man benötigt, Português: Saber o Quanto de Sono Você Precisa, Русский: узнать, сколько часов вам нужно спать, Bahasa Indonesia: Mengetahui Jumlah Waktu Tidur yang Dibutuhkan, Nederlands: Uitzoeken hoeveel slaap je nodig hebt, 한국어: 자신에게 필요한 수면 시간 확인하는 법, Tiếng Việt: Biết Ngủ Bao Nhiêu Là Đủ, العربية: معرفة القسط الكافي من النوم, ไทย: รู้ว่าร่างกายต้องการนอนหลับเท่าไร, 中文: 知道你需要多少睡眠

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