生まれたての子猫に餌を与える方法

共同執筆者 Pippa Elliott, MRCVS

この記事には:新生子の授乳準備をする子猫に授乳をする20 出典

子猫は、母猫から離したり里子に出したりする場合、生後八週間までは母猫のそばで世話を受けることが望まれます。母猫の死や、様々な事情で母猫が育児放棄をする場合には、人間が子猫を保護する必要があります。生まれたての子猫(新生子)に授乳の必要が生じる場合は、多くの事柄を考慮しなければなりません。細やかな気配りと準備をすれば、子猫の授乳は、心の休まる心地良い経験になると共に、幸福で健康なペットを得る一助となるでしょう。

パート 1
新生子の授乳準備をする

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    代理母となる猫(不妊手術を施していない雌猫)を探しましょう。近くの獣医や動物保護施設で、子猫の授乳を引き受けてくれる代理母猫がいるかどうかを相談します。ほ乳類の赤ちゃんには母乳が最適なので、人工哺乳を行う前に、母猫に代わって子猫の世話をしてくれる代理母猫を探すことが勧められています。[1]
    • 子猫の世話をしてくれる代理母猫が見つかったとしても、代理母猫が子猫を受け入れるとは限らないので注意をしましょう。代理母猫が子猫とふれあうときは、必ずそばについていましょう。代理母猫が子猫を拒絶して殺そうとする場合があります。
    • 幸運にも代理母猫を見つけられたなら、新しく持ち込む子猫の匂いを隠すようにしましょう。代理母猫自身の子猫を撫ぜた後に、自分が持ち込む子猫を撫ぜます。こうすると、代理母猫の子猫の匂いが里子の子猫に移ります。代理母猫は、全く認識のない匂いがする子猫を拒絶する可能性が高いため、里子の子猫の匂いを「隠す」と、代理母猫は子猫を受け入れやすくなります。
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    ミルクを入手しましょう。新生子はミルク、厳密には雌猫の母乳以外は消化できません。牛乳のような子猫に適さないミルクを与えると、下痢や脱水症状、栄養失調などの短期および長期に渉る影響を子猫に与えるうえに、成長不良による長期的な健康障害を引き起しかねません。近所のペットショップや獣医、あるいはインターネットで子猫用代用乳(KMR)を入手しましょう。近所の獣医が推奨する、地元で入手可能な代用乳について獣医に尋ねましょう。[2][3]
    • 子猫用代用乳は乾燥粉末状あるいは液状で、小缶や大缶に入っています。使用法は乳児用粉ミルクとほぼ同じで、容器に記されている使用法に従って計量スプーンで必要量のミルクをはかり、所定量の水に溶解します。
    • 「猫用ミルク」として箱詰めして売られているミルクは、子猫向きではないので注意をしましょう。これは牛乳から乳糖を除去して成猫が飲めるように(生理的に猫が必要としているというよりは、猫にミルクを与えたいという飼い主の欲求を満たすために)作られたものです。こうしたミルクは子猫向きではありません。
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    代用乳が直ちに入手できない場合の代替案を考えましょう。理想のミルクは母乳代用乳です。手許に代用乳がない時は、湯冷ましを子猫に与えておき、すぐに代用乳を購入します。子猫がお腹をすかせているようであれば、コップ一杯分の湯冷ましに小さじ1杯の粉末ブドウ糖を溶解した水溶水を与えます。ただし、ブドウ糖水溶液の給餌は一度だけにとどめ、繰り返し与えることは避けましょう。[4]
    • 代用乳を入手するまでの間に、お米を煮て作る重湯を与えるという一時的代替案もあります。水で白米を煮て、上澄みを濾しとります。重湯は澱粉(エネルギー)を若干含み、緩下作用がないので、代用乳の一時的な代替として使用できます。
    • 代用乳を入手するまでのつなぎとして、子猫に水を与えて脱水症状を防ぐ方が、子猫のお腹の調子を崩して健康を損なう(牛乳のような)ものを与えるよりも、妥協策としては良いでしょう。
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    子猫に費やす時間を割きましょう。子猫は幼いほど新陳代謝が激しく、(胃が小さいので)頻繁に授乳する必要があります。これは、子猫が十分に成長して離乳食に切り替えられるようになるまでは、飼い主かその家族の誰か、もしくは友人や近所の人が、一日中子猫につききりでいなければならないということです。
    • 厳密にいうと生後二週間未満の新生子には、十分に成長して離乳食に切り替えられるようになるまで、昼夜を問わず授乳しなければなりません。
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    親を亡くした子猫は、早い時期に離乳させられることを覚えておきましょう。ミルクに代えて離乳食を徐々に子猫に与えるようにします。新生子ではなくなる生後四週間を過ぎた頃から離乳させられます。子猫が新生子ではなくなり、離乳させて離乳食に切り替えられるかどうかは、哺乳瓶の乳首を子猫が噛むようになることで見分けられます。[5]
    • 子猫を離乳させるときは、少量の餌を餌皿に置きます。子猫が餌を食べなかったり進んで食べようとしない時は、餌に大さじ数杯の代用乳か水をかけて餌を柔らかくして子猫の関心を引きましょう。子猫の気が向いた時にいつでも食べられるように、離乳食が常に餌皿にあるかを確認しましょう。離乳食の量を増やすにつれて、ミルクの量を徐々に減らします。
    • 子猫の大半は、生後七週間までに離乳食を摂取できるようになります。
    • 一日に与える子猫の食事回数は、生後六週間から十週間で 六回から八回、生後十週間から六、七ヶ月で一日四回、その後生後九ヶ月までは三回です。食事回数が一日二回になるのは成猫になった後であることに注意します。

パート 2
子猫に授乳をする

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    道具を入手しましょう。新生子にミルクを与えるには哺乳器が必要になります。できるなら、子猫専用に作られた哺乳瓶と乳首を用います。哺乳瓶自体は大変小さく、哺乳瓶の上部が開いているので、乳首から出るミルクの流量が速すぎて子猫を圧倒する場合は、そこに親指を当てて流量を調整します。乳首は細長く、新生子の口内にフィットするように作られているので、子猫は母猫から母乳を吸うように哺乳瓶からミルクを吸うことができます。
    • 哺乳器がない時の次善の策は、注射器を用いて子猫の口にミルクを注ぎ込む方法です。しかし、子猫は注射器からミルクを吸うことはできないので、できるだけ早い機会に哺乳器を入手しましょう。
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    器具を消毒しましょう。すべての哺乳器を消毒することは非常に大切です。すべての器具をただ洗浄するだけでは不十分です。スチーム消毒器(赤ちゃんの哺乳瓶用のようなもの)か、赤ちゃんの哺乳瓶用消毒液を薄めたものを器に入れて哺乳器を浸漬します。[6]
    • 赤ちゃんの哺乳瓶用消毒液は、通常薬局内の赤ちゃんコーナーに置いてあります。容器に記されている使用法に従いましょう。消毒液で哺乳器を消毒する場合は、消毒液の残留物を残さず洗い流すために、湯冷ましで必ず十分にすべての器具をすすぎます。
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    ミルクを作って温めましょう。液状の代用乳を使用する時は、缶を開けて容器に表示されている指示に従って必要な分量を量りとります。粉末状の代用乳を使用する時は、何杯の計量スプーンに対してどれだけの水を加えるのか、容器に表示されている指示に従います。ミルクが濃すぎると子猫はお腹の調子を崩し、薄すぎると子猫にとって必要な栄養素が不足するので、使用法には必ず従いましょう。
    • 授乳毎に必ず新しいミルクを作ります。ミルクは防腐剤を含まないため、作ってから放置しておくとバクテリアが繁殖します。新生子の免疫機能は脆弱で、そうしたミルクを与えると子猫の健康に悪影響を及ぼします。
    • 代用乳は電子レンジで温めないようにします。電子レンジで温めると、非常に熱い気泡や、非常に冷たい代用乳というばらつきが哺乳瓶内のミルクに生じます。代用乳は電子レンジの代わりに容器に入れて湯煎にかけて温めます。
    • ミルクが冷たくも熱くもない適温であることを確かめます。ミルクは人肌の温度が最適なため、自分の手の甲に数滴のミルクをたらして、肌の温度と同程度に感じるかどうかを確認します。ミルクが熱すぎると、子猫は口内をやけどします。
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    子猫の体温を確認しましょう。授乳準備が完了した後、子猫の体温が温かいかどうかを確認します。子猫の消化能力は、子猫の体温にある程度左右されます。子猫の体温が低いと消化速度は遅くなり、ミルクは子猫の胃内に滞留して発酵します。新生子は通常は母猫に寄り添っているので、体温は高くなりがちです。生後から三週間の理想的な子猫の体温は、36℃から38℃です。[7]
    • 十分に断熱した子猫の巣の下にヒートパッドを敷いて、子猫を上記の体温範囲に保つように心がけます。ヒートパッドがない場合は、熱い湯を瓶に入れてタオルで包み、子猫が直接触ってやけどをしないようにしたものを利用します。必要に応じて何度もお湯を入れ替えて、滴温を保ちます。[8]
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    子猫に授乳をしましょう。座り心地の良い椅子に座り、タオルをたたんで膝に置きます。子猫は、お腹を支えながら足を下にして頭は真っすぐに 、ちょうど母猫から授乳を受けるときの子猫と同じような体勢で支えます、初めて子猫が授乳を受ける場合は、注射器か乳首の先に少量のミルクを出しておきます。子猫は鋭い臭覚でミルクの匂いを嗅ぎ取り、自分の口をミルクに近づけようとするとでしょう。[9]
    • 乳首を使用する場合は、子猫が乳首に口を近づけた時に、乳首を子猫の開いた口に軽く押し込むようにするとよいでしょう。子猫はその後、自然とミルクを吸い始めます。
    • 注射器を使用する場合は、優しくプランジャーを押して、ミルクの滴を子猫の口にたらします。子猫がミルクの滴を飲み込んでから、次の滴をたらします。決して子猫の口がミルクで溢れないないようにしましょう。ミルクが子猫の口内に溢れると、誤嚥によりミルクが肺に入り、子猫には致命的になる場合が多い肺炎を発症しかねません。急がずにゆっくりと授乳しましょう。[10]
    • 子猫の授乳姿勢は大変重要です。人間の赤ちゃんに与えるように、子猫を仰向けにして授乳することは絶対に止め、授乳の間は必ず何かで子猫を支えましょう。授乳中に子猫が頭を持ち上げると、吸引作用によって代用乳を肺に吸い込み、重篤もしくは致命的な障害を起こすため、注意しましょう。[11]
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    正確な分量を授乳しましょう。子猫に与える代用乳の分量と頻度は代用乳に添付された説明書に従いましょう。生後数週間に、子猫に与える代用乳の分量と頻度の一般的なガイドラインを次に記します。[12] .
    • 生後一日から三日 二時間毎に、代用乳2.5mlを与える
    • 生後四日から七日 一日十回から十二回、代用乳5mlを与える
    • 生後六日から十日 一日十回、代用乳5から7mlを与える
    • 生後十一日から十四日 三時間毎に、代用乳12.5mlを与える
    • 生後十五日から二十一日 一日八回、代用乳10mlを与える
    • 生後二十一日以降 固形食の導入に加えて、一日三回から四回、代用乳7.5から25mlを与える。
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    兆候に気をつけましょう。子猫への哺乳瓶による授乳方法を学びながら授乳を行う際、授乳過多や誤った授乳方法は、子猫の呼吸器官に障害を及ぼすことを念頭に置きましょう。授乳の際は、子猫の鼻からミルクが溢れ出ていたり、お腹が膨張したりしていないかを観察します。
    • 授乳量に関していうと、食い意地の張った子猫の場合は、推奨授乳量を超えてもまだミルクを吸い続けるかもしれません。その場合は子猫のお腹を観察しましょう。お腹がきつく膨張しているようなら、授乳を止めます。これは、子猫が満腹になっても子猫自身がまだそれに気づいていないことを示しています。授乳過多は避けましょう。[13]
    • 子猫が推奨量以下のミルクしか摂取しなくても慌てる必要はありません。個々の子猫の好みによるのかもしれません。十分な量のミルクを子猫が摂取していないと思うのなら、無理にミルクを押しつけて肺をミルクで充満させるよりも、一度授乳を中止して子猫を休ませ、一時間程後に再度授乳を試みましょう。[14]
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    落ち着いてリラックスしましょう。子猫に授乳する間は、辛抱強く落ち着いて授乳をすると、子猫はリラックスします。加えて、子猫のペースで授乳すると、ミルクの摂取過多や消化不良を防げるでしょう。
    • 子猫の背中を授乳者の体にもたれかけて子猫のお腹を優しく擦り、子猫がげっぷをするのを促すように刺激を与えます。母猫と子猫の間では、母猫が子猫のグルーミングを行って、おならと排便を促します。したがって、子猫に刺激を与えた際におならや排便をしても、驚く必要はありません。それは良い傾向を表しています。[15]
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    子猫のお尻を清潔にしましょう。母猫は、毎回の授乳後直ちに子猫の肛門と性器を舐めて、子猫の排尿と排便を促します。実際には自然の法則として、母猫は子猫の排泄物を舐めて飲み込むことで自分の巣を清潔に保ち、外敵の注意を引かないようにします。母猫がいない場合は、人間がその代わりをする必要があります。湿らせた脱脂綿で、子猫の肛門付近を母猫が舐めるような動きで拭きます。子猫が排泄するにしたがい排泄物を脱脂綿で拭き取ります。排泄後は、清潔な脱脂綿で子猫のお尻を拭けば次の授乳時まで作業は一休みとなります。[16][17]
    • この手順は、子猫の授乳を成功させる上で大変重要です。子猫に排泄を刺激する母猫の動作を模倣しないと、子猫は排尿や排便ができないため、大きく健康を害するでしょう。
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    子猫を子猫用の温かいベッドあるいは巣箱に戻して休ませます。離乳して離乳食に切り替えることがふさわしい時期までは、定期的な授乳計画を毎日数週間に渡り実行します。離乳時期を迎えたら、ふさわしい離乳食に付いて獣医に相談をしましょう。
    • 子猫が生後四週間程度になったら、缶入りの柔らかいキャットフードや硬いドライフードを離乳食として与えます。子猫によっては生後八週間まで授乳を必要とする場合があるので、離乳時期については専門の獣医師と話し合いましょう。

注意事項

  • 生後二週間は、毎日子猫の体重を測定しましょう。食品用の秤が使えますが、必ず清潔な布かぼろ布で秤を覆います。生後二週間は、毎日体重が15g程度ずつ増加するはずです。授乳期間中の体重の増減を注意深く記録して、子猫の体重が急激に増加もしくは減少する場合は、獣医に相談をしましょう。[18]
  • 最低でも生後六週間、望ましくは八週間から十週間、子猫は母猫のそばで過ごすのが最善です。繁殖家は、子猫の新しいオーナーを見つけるにあたり、子猫が生後十二週間になるまで待つことを推奨しています。子猫から親猫を取り上げると、子猫が非社交的になる、健康問題を抱える、発育全般や福祉に悪影響を及ぼすなどの様々な弊害が生じる可能性があります。[19]
  • 子猫が全く食べない場合は、病気を疑って獣医に相談しましょう。

記事の情報

この記事はPippa Elliott, MRCVSが共著しています。 獣医であり、Royal College of Veterinary Surgeons(王立獣医師会)のメンバーでもあるエリオット医師は、30年以上にわたり、かかりつけ獣医、そして獣医外科医として獣医療の実践に努めてきました。1987年にグラスゴー大学にて獣医科学と獣医外科学の学位を取得してます。エリオット医師は生まれ故郷の町にある動物診療所に20年以上勤務しています。

カテゴリ:

他言語版:

English: Feed a Newborn Kitten, Español: darle de comer a un gatito recién nacido, Deutsch: Katzenbaby füttern, Português: Alimentar um Gato Recém‐Nascido, Italiano: Allattare un Gattino Neonato, Русский: выкормить новорожденного котенка, Français: nourrir un chaton nouveau‐né, Bahasa Indonesia: Memberi Makan Anak Kucing yang Baru Lahir, العربية: إطعام قطة حديثة الولادة, 中文: 饲育小猫, Čeština: Jak krmit novorozené kotě, ไทย: ป้อนนมลูกแมวแรกเกิด, Tiếng Việt: Cho Mèo sơ sinh Ăn, Nederlands: Een pasgeboren kitten voeren, 한국어: 아기 고양이 밥 먹이는 법

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