男性型脱毛症を治療する方法

共同執筆者 Chris M. Matsko, MD

この記事には:治療方法の選択肢を知る髪の健康を整える自然療法を活用する29 出典

男性型脱毛症(別名:AGA)の患者数は、全米に5000万人、日本全国では1000万人以上いると言われています。こめかみの上の方から頭髪が薄くなり、M字型に脱毛が進行するケースが多く見られます。次第に頭頂部付近、または頭部側面や後頭部の脱毛が進行し、完全に髪の毛が失われてしまいます。男性型脱毛症により頭髪が薄くなり、見た目が気になる人のために、いくつかの治療方法があります。[1]

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治療方法の選択肢を知る

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    男性型脱毛症について理解する AGAは男性の性ホルモン(アンドロゲン)と関連付けられることが多いのですが、正確な原因は解明されていません。[2]
    • 男性型脱毛症は遺伝的要因により引き起こされるます。脱毛症と関連付けられる主なアンドロゲンはジヒドロテストステロン(DHT)だということが分かっています。[3]
    • 毛包(毛髪が成長するときに通過する皮膚表面の軸または開口部)におけるDHTのレベルが増加すると毛髪の毛周期(ヘアサイクル)が短くなり、新しい毛髪の成長を遅らせます。[4]
    • 時が経つにつれて、毛包は新しい髪の毛を生産しなくなります。ただし、毛包自体が無くなることはないため、新しく髪の毛を増殖させる可能性は残されます。[5]
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    ミノキシジル(リアップなど)を試してみる ミノキシジルは、アメリカ食品医薬品局(FDA)に認められた、男性型脱毛症の局所治療薬として知られています(海外ではロゲインとして販売されています)。頭皮に直接塗布することで毛包の成長を促す効果のある医薬品です。[6]
    • ミノキシジルは脱毛症のスピードを遅らせ、場合によっては新しい毛髪の成長に効果を発揮することもあります。ただし、薬の使用をやめると脱毛の症状も再発してしまうため、効果を維持するためにはミノキシジルの使用を継続する必要があります。
    • ミノキシジルの有害反応としては、痒み、皮膚の発疹、ニキビ、ヒリヒリした痛み、炎症や腫れなどが挙げられます。[7]
    • 薬が過剰に体内に吸収されたことを示唆する深刻な副作用には、目のかすみ、胸部の痛み、めまい、失神、不整脈などがあります。[8]
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    プロペシア(有効成分フィナステリド)の服用について医師に尋ねてみる プロペシアは、ミノキシジルよりも効果が強いと言われる経口薬です。男性ホルモンであるテストステロンが体内でDHTに変化する前に、その生成成分となる酵素と結合して脱毛の症状を抑制すると言われています。[9]
    • プロペシアの服用を続ける限り、脱毛の症状は抑制されますが、この治療薬の使用をやめると1年以内に症状は再発することがほとんどです。[10]
    • プロペシアによる副作用として挙げられる症状には、悪寒、冷や汗、混乱状態、めまい、蕁麻疹、腕、足、顔などの腫れ、チクチクした痛み、勃起不全、性欲減退、射精障害、体重の増加などがあります。[11]
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    植毛治療してみる 植毛治療では、頭皮の微小な部位から移植毛を採取して脱毛の症状が見られる部分に移植します。通常、植毛治療は数回に分けて行われます。値段は張りますが、永久的な効果を期待できる方法だと言えます。[12]
    • 施術前に局部麻酔を行い、頭皮の感覚を麻痺させます。
    • 施術では、有髪頭部のごく小さな部位(ドナー部)が採取され、周囲の頭皮が縫い合わされます。その上で、ドナー部から毛髪の小さな株を慎重に取り外して脱毛の症状が見られる部位に移植します。[13]
    • 一度の施術で何千本もの毛髪を植毛することが可能です。
    • 植毛により瘢痕化や出血が起こる場合もあり、さらに感染のリスクもあります。

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髪の健康を整える

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    育毛に効果的なパワーフードを食べる 栄養のバランスが取れていないことで脱毛の症状が出るケースはよくあります。不健康な食生活が、主要栄養素(タンパク質、脂質、炭水化物)欠乏症や微量栄養素(ビタミンやミネラル)欠乏症につながることがあります。結果として、体の健康バランスが崩れて薄毛の原因となるのです。髪の毛の健康だけでなく、体全体の健康を促進するためにも、次のような食品の摂取を心がけるようにしましょう。[14]
    • 赤、黄色、オレンジ色の果物や野菜(人参、スイートポテト、パプリカ、メロンなど)を食べましょう。これらの果物や野菜にはビタミンAやベータカロチンが多く含まれています。ビタミンAが、毛包などの細胞の成長と健康を促すという研究結果も出ています。[15]
    • 脂肪分の多い魚(サーモンや鰯など)を食べて、髪の健康を促進しましょう。このような魚には、オメガ3脂肪酸が豊富に含まれています。[16]
    • ヨーグルトなど、ビタミンB5が豊富に含まれる食品を摂取して、頭皮への血流を促進し、髪の成長をサポートしましょう。[17]
    • ビタミンA、鉄分、葉酸、ビタミンCをたっぷり含むほうれん草を使ったサラダを作りましょう。ビタミンとミネラルが豊富なほうれん草が、頭皮と毛髪の健康を促進してくれます。[18]
    • 脂肪分の少ない肉類(鶏肉など)、低脂肪の乳製品、タンパク質を多く含む野菜(豆類など)を食べて、タンパク質を十分に摂るよう心がけましょう。毛髪は、ケラチンと呼ばれるタンパク質分子でできているため、髪の毛に栄養を与えるために適切な食品タンパク質が必要となります。[19]
    • 髪の毛の成長促進に効果的と言われるビタミンB7(別名ビオチン)の豊富な食品を食べましょう。卵、ビタミン配合シリアル、乳製品、鶏肉などが例として挙げられます。[20]
    • カキ、ロブスター、ビタミン配合シリアルなど、亜鉛を豊富に含む食品を食べましょう。亜鉛不足により脱毛の症状が引き起こされることがあるため、普段の食生活でもミネラルを積極的に摂取するよう心がけましょう。[21]
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    十分に水分補給する 体に水分が行き届いていないと、皮膚や毛髪の細胞の成長や増殖が妨げられてしまいます。毛髪の健康と成長を促すためにも、たくさん水を飲んで脱水症状になるのを防ぎましょう。[22]
    • 少なくとも、1日にコップ8杯分の水を飲みましょう。運動する時や気温が高い時には、さらに多くの水分を摂取する必要があります。
    • カフェインを含む飲み物(コーヒー、紅茶、清涼飲料水など)は水分を吸収するため、これらの飲み物を飲むと、体内の水分バランスが崩れてしまいます。なるべく水や無糖のお茶・ジュース類を選び、カフェイン入りの飲み物は1日に1杯か2杯までにしておきましょう。
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    普段の生活におけるストレスを軽減する AGAの症状とストレスの関連性は報告されていませんが、ストレスが薄毛を引き起こす可能性は十分にあります。髪の毛の健康を維持するためには、ストレスの要因を生活から取り除くことが大事です。ストレスに関連する脱毛の症状には3つのタイプが挙げられます。[23]
    • 休止期脱毛症:ストレスにより、大多数の毛包が「休止期」になり、数カ月以内に脱毛が起きる状態のこと。[24]
    • 抜毛症もまた、ストレスにより引き起こされます。多くの場合、ストレスが原因で起きるこの症状は、髪の毛を引き抜かずにいられなくなる状態を指します。緊張や孤独感、退屈、フラストレーションなどが原因とされるケースもあります。[25]
    • 円形脱毛症は、体の免疫機能が毛包を攻撃することで引き起こされる脱毛の症状です。[26]
    • 男性型脱毛症とは違い、ストレスにより引き起こされるこの脱毛の症状は永久的なものとは限りません。ストレスを上手くコントロールすれば、髪の毛はまた生えてくるかもしれません。[27]
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    身体検査を受ける 健康状態や何らかの疾患により、男性型脱毛症とは関係のない脱毛の症状が見られる場合もあります。薄毛が気になるようであれば、医師に相談してみましょう。脱毛の症状の原因を特定し、その他の根本的な問題を見直してくれるかもしれません。[28]
    • ホルモンバランスの乱れや変化(女性の場合は妊娠中、出産後、閉経時など)、そして甲状腺の状態により、一時的に脱毛が見られる場合もあります。
    • 白癬などにより引き起こされる頭皮感染症は毛髪にまで侵入し、うろこ状のかさぶたになったり、脱毛が起きたりすることがあります。感染症が治癒すると、通常は髪の毛が元に戻ります。
    • 扁平苔癬(へんぺいたいせん)やその他の狼瘡(ろうそう)やサルコイドーシスなどの疾患などにより毛髪を永久に失うこともあります。

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自然療法を活用する

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    玉ねぎ汁(オニオンジュース・トリートメント)を試してみる 十分な科学的研究が成されているとは言えませんが、円形脱毛症の症状に悩む患者の育毛を促進する効果が玉ねぎ汁にはあると言われています。23人の被験者を対象とした小規模の研究では、天然の玉ねぎ汁を1日に2回頭皮に塗ることで、被験者のうち20人に、6週間以内に育毛効果が見られたそうです。[29]
    • この実験は、円形脱毛症の患者を対象として行われましたが、男性型脱毛症(AGA)の患者も試す価値のある方法だと言えます。
    • 玉ねぎをすりおろして摘出した玉ねぎ汁を濾します。
    • 1日に2回、30分ほど、この玉ねぎ汁を頭皮に塗布した後に、洗い流します。少なくとも6週間はこれを継続して、この自然療法が育毛効果を発揮するかどうか観察してみましょう。
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    頭皮マッサージを試してみる 頭皮マッサージには、毛包につながる血行を促進して頭皮を健康に保ち、毛根を強くする効果があります。ただし、この方法が脱毛の症状を軽減したり予防したりするという科学的証拠はありません。このことを理解した上で、頭皮マッサージを試してみるのも良いでしょう。
    • ココナッツまたはアーモンドのヘアオイル、オリーブオイル、キャスターオイル(ひまし油)、アムラオイルなどを使ってみましょう。他にも、ローズマリーオイルやラベンダーオイルを数滴垂らして好みのブレンドオイルを作ってみるのもいいかもしれません。
    • オイルを使って優しく毛髪と頭皮をマッサージしていきましょう。ココナッツオイルを使用する場合は、電子レンジではなく、手の温度でオイルを溶かすようにしましょう。ココナッツオイルはあまり熱がなくても簡単に溶けます。少なくとも1週間に2回、最低2ヶ月間はマッサージを続けて、効果の有無を観察してみましょう。
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    フェヌグリーク種子のペーストを試してみる フェヌグリーク(別名メティ)の種子には、育毛を促進して毛包を再構築する効果のある成分が含まれています。
    • フェヌグリークの種子1カップに水を加え、一晩浸けておきます。
    • 浸け置きした種子と水の混合物をブレンダーにかけてペースト状にしたものを髪に塗ります。
    • ビニール袋やシャワーキャップなどを頭にかぶり、40分ほど経ってから水で洗い流します。1ヶ月間ほど、毎日続けてみましょう。
    • 脱毛の症状に効果的なその他の自然療法と同様に、この方法による脱毛の予防や治療効果も科学的には立証されていないため、効果が見られない可能性もあります。
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    その他の家庭療法 育毛効果があると言われる家庭療法、自然療法は他にもたくさんあります。ただし、これらの方法の効果には科学的証拠がないということを頭に留めておきましょう。家庭療法の効果について疑問を感じる場合には、医師に相談するようにしましょう。
    • 頭皮のpH(ペーハー)値を最適化して健康的に育毛を促進すると言われるアロエベラのジェルを試してみましょう。アロエベラジェルを使って頭皮をマッサージして、1時間ほどそのままにした後で洗い流します。この作業を1週間に3〜4回繰り返しましょう。
    • 甘草根エキスには、頭皮の状態を落ち着かせて炎症などを軽減する効果があると言われています。甘草根の粉(大さじ1杯)、サフラン(大さじ1/4杯)、牛乳(1と1/4カップ)を混ぜ合わせます。この混合物を、脱毛が気になる部分に塗布し、シャワーキャップなどでカバーした上で一晩過ごし、朝起きたら頭を洗い流します。これを1週間に1〜2回繰り返しましょう。
    • ブッソウゲ葉エキスにも、育毛促進、フケの改善、髪をフサフサにする効果があると言われています。ブッソウゲをココナッツオイルと混ぜ合わせ、色がついて焦げ始めるまで火を通していきます。この混合液を濾してオイルを抽出したものを、寝る前に頭皮に塗布して一晩を過ごし、朝起きたら洗い流します。1週間に数度これを繰り返しましょう。
    • この他にも、ビーツの根、フラックスシード、ココナッツミルクなどを使った自然療法があります。

ポイント

  • 治療を2〜3ヶ月続けた後で髪の毛を染めると、ミノキシジルの効果を最大限に引き出すことができます。ミノキシジルを使用すると、始めのうちは非常に細い髪の毛が生えてきます。髪を染めることで、毛髪と頭皮のコントラストがより明瞭になり、新しく生えてきた髪の毛の量が多く見えるのです。薄毛治療ビフォーアフターの写真を撮る際に、このテクニックはよく使われます。
  • 薄毛には様々なタイプがあり、その原因も異なります。家庭療法を試してみる前に、専門の医師に相談するのが良いでしょう。
  • 男性用かつら(ウィッグ)を使用することも検討しましょう。小さめのウィッグや人工毛の部分かつらを活用することで、薄毛が気になるエリアをカバーすることができます。

注意事項

  • 材料の中に、アレルギー反応を起こす可能性のあるものが含まれている場合には、その家庭療法や自然療法は必ず避けるようにしましょう。
  • 上記の医薬品を使用する際は、その適切な使用方法と副作用の可能性として挙げられる症状をきちんと理解しておくようにしましょう。

出典

  1. http://ghr.nlm.nih.gov/condition/androgenetic-alopecia
  2. http://ghr.nlm.nih.gov/condition/androgenetic-alopecia
  3. http://ghr.nlm.nih.gov/condition/androgenetic-alopecia
  4. http://ghr.nlm.nih.gov/condition/androgenetic-alopecia
  5. https://www.nlm.nih.gov/medlineplus/ency/article/001177.htm
  6. https://www.nlm.nih.gov/medlineplus/ency/article/001177.htm
  7. http://www.drugs.com/sfx/rogaine-side-effects.html
  8. http://www.drugs.com/sfx/rogaine-side-effects.html
  9. https://www.nlm.nih.gov/medlineplus/ency/article/001177.htm
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記事の情報

この記事はChris M. Matsko, MDが共著しています。 クリス・M・マツコ医師はペンシルバニア州在住の内科医です。マツコ医師は2007年にテンプル大学医学部から医学博士号を授与されています。

カテゴリ: 髪とネイル

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