番犬は、人や物を守るために訓練された犬を指します。意外に思えるかもしれませんが、番犬は襲いかかる訓練はされません。[1] むしろ、争わない方法を教え込まれます。例えば、見張りに立ったり、吠え声を使って飼い主の身や所有物に危険が迫っている(あるいはその可能性があることを)ことを知らせられるよう訓練を受けています。自分の飼い犬を番犬として訓練するには、ある程度の時間と忍耐力が求められますが、しっかりと訓練をすれば、脅威から飼い主を守れるようになるだけでなく、通常の状況でも穏やかにお行儀よく行動できる犬になるでしょう。

方法 1 の 3:
訓練の準備をする

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    番犬と攻撃犬の違いを認識する 番犬とは、見知らぬ人や侵入者がいるということを吠えたり唸り声をあげることで飼い主に知らせることができるよう訓練された犬です。指示を受けて襲いかかったり、見知らぬ人に対して攻撃的に振舞うよう訓練を受けた犬ではありません。したがって、番犬は一般的に攻撃犬には向きません。[2]
    • 攻撃犬は警察や法的執行機関で多く採用されています。指示に従って襲いかかり、脅威や侵入者に対して攻撃的に反応するよう訓練されています。[3]
    • 攻撃犬は厳しい訓練を受けていて、ハンドラーの指示がなければ攻撃的になることはありません。ただし、十分な訓練を受けていない攻撃犬は、突然攻撃的になり、人間や他の動物を危険にさらす可能性もあります。[4]
    • 標準的な環境で生活しているのであれば、攻撃犬は必要ないでしょう。
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    飼い犬が番犬向きの犬種か確認する ほとんどの犬が番犬として訓練することができますが、特に番犬向きの犬種もいます。例えば、チャウチャウ、パグ、シャーペイといった小型犬は優れた番犬にとして知られています。[5] ドーベルマンピンシャー、ジャーマンシェパード、秋田犬といった大型犬も適しています。[6]
    • ジャーマンシェパードやドーベルマンピンシャーといった犬種は、番犬の他に攻撃犬として訓練することもできます。[7]
    • 番犬向きとはされていない純血種、あるいは雑種犬でも、訓練を受けて優れた番犬になることはできます。番犬特有の行動特性を見せ、適切にしつけられ、十分に社会生活に順応しているのであれば、番犬として飼い主を守るための訓練をすることができます。
  3. 3
    理想的な番犬の性格について学ぶ 一般的に広まっている考えとは対照的に、優れた番犬は恐れや純粋な敵意に突き動かされて反応することはありません。一般的に、縄張り意識が強く、飼い主とその所有物を守ろうとします。その一方で飼い主の指示や命令に忠実です。[8]
    • 良い番犬は、自信があり、周囲によく目を配っています。自信のある犬とは見知らぬ人や新しい場所に対して好奇心を持ち、面識のない人の前でも恥ずかしがったり怖がることはありません。[9] こうした自信は生まれ持った性格である場合もありますが、社会生活に適切に順応させることで、身につけさせていくことも可能です。
    • 優れた番犬は積極的でもあります。ただし、攻撃的であったり、厚かましいということを意味しているわけではありません。むしろ、その犬は自分が欲しいものを手に入れるために、それを可能とする立場に身を置くことを恐れていないということを意味しています。また、新しい状況や見知らぬ人に遭遇する際も自信があり、後ずさるということもしません。[10]
    • 社交性も優れた番犬に欠かせない要素です。社会生活に順応している番犬であれば、見知らぬ人が飼い主の自宅に入ってきたことを認識し注意を配るものの、襲いかかったり必要以上に攻撃的になることはありません。[11]
    • 訓練しやすい犬であることも大切です。[12] チャウチャウは、元来見知らぬ人を疑う性質を持っているので番犬向きではあるものの、かなり独立心が強く、訓練が難しい犬種でもあります。[13]
    • 忠実な犬も優れた番犬になります。飼い主に忠実であるほど、飼い主を危険から守り安全を確保しようとするでしょう。ジャーマンシェパードは忠実な犬種として知られています。[14]
  4. 4
    子犬のころから社交性を培う 適切に社会に順応しているということが、飼い犬を番犬として訓練するうえで不可欠です。十分な社交性を培っていれば、日常の環境で穏やかに暮らすことができるでしょう。また、恐れもあまり持たず、緊張もさほどしないはずです(番犬には重要な特性です)。その一方で、見慣れない、危険な(あるいは危険そうな)状況には健全な範囲内の疑いを持ちます。[15] 生後3週間~12週間が、子犬を社会に適合させる最適な時期です。[16]
    • 12週間を超えてからは、新しい状況に対してどんどん慎重になっていくので、慣れさせることが難しくなっていきます。[17]
    • 社会に順応させるための期間は、いつもと異なる環境で様々な人と出会い、交流させるようにしましょう。子犬に社交性を教えるのは、かなりの大仕事なので、複数に細分化して、時間をかけて、無理のない範囲で徐々に慣れさせていったほうが容易かもしれません。[18]
    • 子犬が充実した時間を過ごすことができた時は陽性強化を取り入れて、たっぷりのご褒美(なでる、おやつ、遊んであげる時間を増やす、など)を与えましょう。[19]
    • 子犬トレーニングのクラスに参加させるというのも良い方法です。ただし、こうしたクラスに健康で病気にもかかっていない状態で参加できるよう、必要なワクチン摂取や寄生虫治療を済ませておきましょう。[20]
    • 成犬で、すでに訓練も済ませ、社会生活にも順応しているのであれば、番犬となる訓練を受ける準備は整っています。
  5. 5
    基本的な指示に従えるようにしつけておく 番犬の訓練を開始する前に、「待て」や「お座り」「伏せ」といった基本の指示を覚えさせておきましょう。基本的な指示に従えるようになっておくことが、警戒のために吠えたり、見張りをするといった防御のためのテクニックを覚える際の基礎となるでしょう。
    • こうした指示は自分で飼い犬に教えることができます。あるいは、しつけクラスに参加させるのも良いでしょう。
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方法 2 の 3:
警戒の吠え声を上げる訓練をする

  1. 1
    引き金となる言葉を選ぶ 見知らぬ人が玄関にやってきた、あるいは敷地内に入ってきた際に飼い主に警告することができるように訓練する際は、まず、引き金となる言葉を選び、指示として確立する必要があります。例えば、「吠えろ」という言葉を選ぶなどしてみましょう。第三者に指示の意味が分かってしまわないよう、「吠えろ」以外の言葉(「スピーク(話せ)」など)を用いる飼い主もいます。[21] [22]
    • 言葉を選ぶことができたら、毎回同じトーンで指示を出しましょう。
    • また、吠える指示を出す際は、毎回同じ言葉を用いましょう。
  2. 2
    指示に従わせる練習をする 犬はもとから吠える動物なので、誰かが近づいてくる足音や突然の物音が聞こえれば指示がなくても吠えます。大切なのは、指示に従って吠えさせるということです。まずは、犬にリードをつけ、キッチンのテーブルの脚、あるいは庭先のフェンスなどにつないでみましょう。犬が待機している場所から離れながらご褒美を差し出し、視界に入らない位置に移動しましょう。[23]
    • 飼い犬が声を出したら(クンクン鳴く声や吠え声)が聞こえたらすぐに飼い犬の場所へ戻り、引き金として選んだ言葉を含めて褒めてあげましょう。すぐにご褒美を与えます。これを複数回繰り返すと、吠えることと、ご褒美が飼い犬の頭の中でつながり始めるでしょう。
    • リードでつながれている場所で吠える指示に慣れて来たようであれば、庭の中あるいは家の中で場所を変えて練習しましょう。また、散歩に行っている時やドッグパークなどの公共の場で一緒に遊んでいる際も、指示に反応できるかどうか試してみましょう。
  3. 3
    指示は毅然とした態度で出す この指示を定着させるには、一貫性と練習が重要なカギを握ります。散歩中に飼い犬の反応を確かめたいのであれば、歩みを止め、まっすぐ飼い犬の目をみましょう。次に、熱心な声で「吠えろ」と指示を出します。飼い犬が困惑した様子を見せたり、躊躇している場合は、ご褒美を差し出して指示を繰り返します。[24]
    • 指示に従って一度だけ吠えるのが理想的です。[25] ただし、指示を聞いて吠え続ける犬もいるかもしれません。この場合はご褒美は与えないようにしましょう。静かになるのを待ち、もう一度指示を出します。
  4. 4
    演習する 吠える指示に対する飼い犬の理解を確かめるために、飼い犬は家の中に残し、飼い主は玄関から外に出ましょう。外に出て、呼び鈴を鳴らし、飼い犬に吠える指示を出しましょう。指示に従って吠えることができたらご褒美を与えましょう。次に、扉をノックし、吠える指示を出します。正しく反応できたらご褒美を与えます。[26]
    • 可能であれば、この演習を外が暗い夜の時間帯にも行ってみましょう。夜間に玄関に誰かが近づいてきたら、犬に警戒してもらいたいので、昼間だけでなく夜間も吠える指示に反応する必要があるということを理解させておくことが大切です。[27]
    • 短い間隔で吠える指示を練習しましょう。3~4回繰り返して練習した後、少し休憩させ45分ほど、別のことをさせましょう。この休憩後、さらに5~6回、練習をしましょう。ここで大切なのは、訓練のし過ぎを避けることです。訓練をし過ぎると飽きてきたり、いらだってしまう可能性があります。[28]
  5. 5
    自分以外の家族の誰かに試してもらう 吠える指示に慣れてきたようであれば、自分の以外の人間に対しても吠えて反応できるようになる訓練をしましょう。家族の誰かに扉の外に立ってもらい、ノックするか呼び鈴を鳴らしてもらいましょう。自分自身は飼い犬と一緒に屋内に残り、飼い犬に吠える指示を出します。吠えることができるたびに、ご褒美を与えましょう。[29] これによって、飼い犬の保護本能が強化され、見慣れない人(あるいは物)に吠えるようになります。
    • 家族の助けを借りて、この訓練をさらに続け、呼び鈴やノックの音に反応して吠えることができるたびにご褒美を与えましょう。呼び鈴ルあるいはノックの音と吠えることが徐々に結び付けられ、音がするたびに一回吠えるようになっていくでしょう。
    • しばらくしたら、指示を受けて吠えるのではなく、呼び鈴やノックの音が聞こえたら吠えるという訓練も行ってみましょう。
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方法 3 の 3:
静かにする指示を教える

  1. 1
    吠える指示を出す 合図に従って吠えることを覚えたので、次は指示に従って吠えることを止める訓練をしましょう。事実、静かにするという指示を教えるには、まず吠える指示を教えなければいけません。[30] 指示に従って吠え、さらに吠えることのを止められれば、優れた番犬として活躍できる可能性が高まります。
    • 吠える訓練と同様に、指示に従うことができた時はご褒美を与えましょう。
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    吠えることを止める指示を出す 玄関の呼び鈴を鳴らします。それに反応して飼い犬が吠え始めたら、おいしいおやつを鼻先に見せましょう。吠えるのを止めて臭いを嗅ぎだしたら、「ありがとう」や「シッ」といった指示となる言葉を付け加えます。言葉での指示を出した後、すぐにご褒美を与えましょう。[31]
    • 言葉での指示を出す際は、怒鳴ったり大声をだしたりしないよう注意しましょう。大声を出すと、犬の警戒感が増し、さらに吠える可能性があります。[32]
    • 「黙れ」や「ノー」といった表現を指示に使って黙らせようとするのも得策ではありません。悪いことをしているような印象を与えてしまいます。
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    吠える指示と止める指示を交互に出す 吠える指示と吠えることを止める指示を交互に用いて練習すると、犬の吠え声の制御がしやすくなります。良い番犬を育てるうえで重要です。異なる回数で吠える指示を出した後に止める指示を出す、という遊ぶこともできます。飼い犬もゲームだと思ってくれるので、飼い主と飼い犬の両方にとって訓練が楽しい時間になるかもしれません。[33]
  4. 4
    見知らぬ人が訪れた時は吠えるよう促す 玄関の呼び鈴が鳴った際は、飼い主はそれが誰なのか知っていたとしても、飼い犬に吠えるよう促しましょう。飼い犬は誰が来たのか分からないかもしれないので、保護本能を使って、見慣れない何かがいることを吠えて飼い主に警告を出せるように教えましょう。[34]
    • ただし、他人でも、優しい人や中立な人に対して散歩中に吠えるよう促すのは控えましょう。[35]
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    何度も静かにする指示を練習する どのような訓練にも言えることですが、与えた指示に対して毎回適切に反応できるよう教えるには反復が重要です。短い間隔で何度も指示を練習し、正しく行えるたびにご褒美を与えましょう。
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ポイント

  • 番犬を攻撃犬として訓練したいのであれば、プロのハンドラーによる専門的なトレーニングに参加させましょう。攻撃の方法を正しく教えるのは、プロに任せるのが一番です。自分で誤った方法で訓練した結果、必要以上に攻撃的になってしまう恐れがあります。[36] 犬の訓練に関する情報をオンラインで検索したり、推薦できるようなドッグトレーナーを知らないか獣医に聞いてみましょう。
  • 「犬に注意」の札などを敷地の入り口に掲げておきましょう。見知らぬ人や侵入者を抑止する効果があります。通行人の目にはっきりと映るように、十分な大きさのあるものを用いましょう。
  • プラスチック製のイースターエッグにドッグフードを少し入れたものを飼い犬や他の犬(あるいは犬たち)に探させ、見つけることができたらドッグフードが食べられる、という遊びを行ってみましょう。飼い犬がたくましく、そして社交的になります。

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このwikiHow記事について

Pippa Elliott, MRCVS
共著者 ::
獣医、Royal College of Veterinary Surgeons(王立獣医師会)
この記事の共著者 : Pippa Elliott, MRCVS. Royal College of Veterinary Surgeons(王立獣医師会)のメンバーでもあるピッパ・エリオット獣医師は、30年以上にわたり、かかりつけ獣医師、そして獣医外科医として獣医療の実践に努めてきました。1987年にグラスゴー大学にて獣医科学と獣医外科学の学位を取得し、生まれ故郷の町にある動物診療所に20年以上勤務しています。
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