盆栽の歴史はゆうに1000年を超えます。今日では日本を代表する伝統文化の一つですが、その発祥は古代中国にまで遡ります。やがて時代と共に、盆栽は仏教の禅の精神と結びつき、広く栽培されることになりました。[1]現在では装飾や趣味を目的に世界各地で親しまれています。植木鉢の中で自然の美を表現する盆栽は、心の静謐をもたらすと同時に、豊かな創造力を育みます。以下のステップに従って、ぜひみなさんなりの盆栽を育ててみましょう。

パート 1 の 3:
適切な盆栽を選ぶ

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    みなさんの地域の気候に合った木を選びましょう。盆栽には多種多様な樹木が使われます。一般的には多年生の樹木が好まれますが、場合によっては、亜熱帯地域原産の植物が使われることもあります。しかし、中にはお住まいの地域に適合しない種類の木もあるでしょう。木を選ぶ際は、その木の生育環境についても考慮しましょう。例えば、寒い環境下では生存できない木もある一方、種によっては、春が訪れる前に氷点下の気象条件で冬眠状態を経るものもあります。盆栽を始める前に、みなさんが選んだ木がその地域で生存可能かどうかをよく確かめましょう。特にそれが「屋外樹」である場合はなおさらです。生育環境についてわからない時は、園芸店の店員に詳しく尋ねましょう。
    • とりわけ、「ネズ」は盆栽の初心者にも扱いやすい樹木といえます。ネズは非常にたくましいヒノキ科の常緑樹で、その分布は北半球の全域から南半球の一部温暖な地域にまで及びます。加えて、ネズの木は育成がしやすいことでも知られます。枝切り(剪定)またはその他の“整形”がしやすく、常緑樹であるため葉が枯れ落ちることもありません。
    • その他、盆栽用に広く栽培されている針葉樹として、マツ、トウヒ、各種スギなどがあります。落葉樹もまた盆栽に利用されます。中でも、ニホンカエデ、モクレン、ニレ、ナラなどは、その美しさから高い人気を誇ります。最後に、カゲツ(カネノナルキ)やハクチョウゲといった樹木ではない亜熱帯植物も、盆栽の素材として十分な役割を果たします。特に屋内のような涼しい、または温暖な環境で盆栽の栽培をする場合は、選択肢として考えておきましょう。
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    屋内樹か屋外樹かによっても選択肢は変わります。盆栽を屋内で行うか、あるいは屋外で行うかで、その後の手入れの仕方は大きく異なります。総じて屋内は乾燥して日当たりの少ない環境になります。したがって、日光量が少なく、湿度の低い環境下で育つ種を選ぶのが賢明でしょう。盆栽に使用される代表的な屋内樹および屋外樹は以下のとおりです: [2]
    • 屋内樹: イチジク、ヤドリフカノキ、チンチョウゲ、クチナシ、ツバキ、ツゲ
    • 屋外樹: ネズ、ヒノキ、スギ、カエデ、カバノキ、ブナ、イチョウ、カラマツ、ニレ
    • ネズのような適応力の高い種であれば、適切に世話をすれば、屋内・屋外を問わず育てることができます。
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    盆栽のサイズを選びましょう。盆栽の木には様々なサイズがあります。生長した木の場合、種によって、高さ15cm程度のものから、大きいものになると、90cm前後のものまであります。盆栽を苗木または挿し木から育てる場合は、さらに小さいサイズから始めることができます。また、木のサイズが大きくなると、さらに大量の水、土、そして日光が必要になります。木を購入する前に、盆栽の栽培に必要な環境・設備を用意できるかどうかを再度確認しましょう。
    • 盆栽の木のサイズを選ぶ時は以下のポイントを考慮しましょう:
      • 使用する植木鉢の大きさ
      • 自宅または仕事場で利用できるスペースの大きさ
      • 自宅または仕事場の日当たり
      • 盆栽の手入れのために確保できる時間(大きな盆栽ほど枝切りに時間がかかります)
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    木を選ぶ際は、作品の完成形を心に描きましょう。盆栽の木の種類とサイズを決めたら、苗床または盆栽専門店で目当ての木を探しましょう。数ある木の中から、青葉(または針葉)をチェックして、活力にあふれた健康な木を何本か選び出しましょう(ただし、落葉樹の場合、秋になれば葉の色は変わります!)。最後に、枝切りをした後の姿をイメージしながら、最も健康的で見栄えの良い木を厳選します。盆栽の醍醐味の一つは、慎重に枝切りと整形を繰り返しながら、時間をかけてその木を思い通りの姿に仕上げていくことです。完成までには数年の歳月を要します。その木の自然な形を枝切りまたは整形のプランと照らし合わせ、適合した木を購入しましょう。
    • 盆栽の木を種子から育てる場合は、生長するに従い、それぞれの段階で入念な世話が必要になります。もっとも、盆栽の木の場合、(種類にもよりますが)種子を植えてから5年ほどで十分な大きさに生長するはずです。[3] そのため、なるべく早く木の枝切りや整形を楽しみたいというみなさんは、すでに生長した木を購入した方が無難でしょう
    • もう一つの選択肢として、「挿し木」から育てるという方法もあります。挿し木とは、新たに木を栽培するために、よその木から切り取って新しい地面に植えた枝のことです(もっとも、遺伝的には以前の木と全く同じものですが)。 [4]木を自らの手で手塩にかけて育てつつ、比較的早い段階で枝切りを始めたいというみなさんには最適でしょう。
  5. 5
    植木鉢を選びましょう。盆栽の最大の特徴は、木を鉢に植えてその生長を抑制するところにあります。鉢選びで重要なのは、 木の根を十分に覆うだけの土が入るかどうかです。 水やりをした際、木はその根を通して土中の水分を吸収します。鉢の中の土が少ないと、根は水気を保持することができません。また一方で、水分過剰による根腐れを防ぐために、鉢の底には一つまたは複数の水抜き穴が必要になります。場合によっては、ドリルで底に穴を空けましょう。
    • 鉢は根を十分に支える大きさが必要ですが、そうはいっても、やはり盆栽は端麗で、調和のとれた、趣のある外観でなければいけません。鉢が大きすぎると、木が見た目にも小さくなり、観る人に不細工で不均等な印象を与えてしまいます。鉢は大きすぎず、根のサイズに合ったものを購入しましょう。木のサイズや形と調和し、なおかつ控えめな外見が理想です。
    • 愛好者の中には、通常の植木鉢で育てた後、木が十分に生長した段階で本格的な盆栽用の鉢に植え替えるという人もいます。この方法は木の発育が不安定な場合には特に有効です。高価な鉢を購入する前に、その木が健康的で鑑賞に堪えるものかどうかを見極めることができるでしょう。
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パート 2 の 3:
鉢に木を植える

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    木を準備します。購入したばかりの盆栽が普通のプラスチックの鉢に植えられていたり、自身で育てた木を改めて本格的な鉢に移す場合は、植替えの前に木を整える必要があります。まずは、木がしかるべき形に枝切りされていることを確認しましょう。植え替えた後に木を好みの樹形に生長させる場合は、幹や枝に丈夫な針金を巻いて木を慎重に整形していきます。ただし、植替えは木に大きな負担をかけるため、新しい鉢に移すまでは垂直に真っ直ぐ生長させたほうが無難でしょう。
    • 季節ごとにライフサイクルのある木(例えば、大半の落葉樹)は春に植え替えるのが最適です。気温が上昇する春は植物の多くが急速に生長する季節です。枝切りや根の刈込みを終えた植物の回復も早くなります。
    • 植替えの直前には水やりの頻度を減らしましょう。水気を含んでジメジメした土よりも、乾燥してバラバラの土の方がはるかに作業はしやすくなります。[5]
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    木を引き抜いて根をきれいにしましょう。真ん中の幹を傷つけないように、注意深く木を今の鉢から取り除きます。園芸用のスコップを使って根から掘り起こしても良いでしょう。根の大部分は植え替える前に刈込むことになります。ただしその前に、根を見やすくするために、付着した土を落とす作業が必要になります。視界を遮る土の塊をすべて落として根をきれいにしましょう。その際、くま手、箸、ピンセットなどがあれば作業がしやすくなります。
    • すべての汚れを落とす必要はありません。剪定する際に根の全体が見えれば作業に支障はないでしょう。
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    根を刈込みます。生長をしっかり抑えないと、盆栽の木はあっという間に鉢からはみ出してしまいます。新しい鉢に植え替える前に、根を刈込んで木のその後の生長を適切に管理しましょう。大きく太い根や上向きの根はすべて切り落とし、地表近くに網状に張った細長い根は残します。木はそれらの細長い根の先から水を吸収します。鉢植えの木に必要なのは絡み合った無数の細い根であって、地中深くまで伸びた太い根(主根)ではありません。
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    鉢を準備します。木を移す前に、鉢の底に新鮮で新しい土を敷き詰め、その上に木を乗せた際に適切な高さになることを確認しましょう。まずは空の鉢の底にきめの粗い土を敷き詰めます。つぎに、その上から、きめの細かい中粒の培養土(赤玉土など)または上土を加えます。盆栽には専用の上土または培養土を使いましょう。通常の庭土では水はけが悪く、根を水浸しにする危険があります。根に土を被せるために、鉢の上部分には少しスペースを空けておきましょう。
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    木を移します。木をしかるべき方向に向けて新たな鉢に置きましょう。最後に、きめが細かく水はけの良い上土または培養土で穴を埋めます。土が根全体を覆っていることを確認しましょう。さらにお好みで、地表に苔または砂利を敷いても良いでしょう。見た目に趣が出るだけでなく、木をさらに安定して支えることができます。
    • 木が垂直方向に安定しない場合は、太い針金を鉢底の水抜き穴から土中へ通し、根に巻きつけて固定しましょう。
    • 土が水によって水抜き穴から流出する場合があります。土の浸食を防ぐには、鉢の水抜き穴にメッシュを貼っておくのが効果的です。
  6. 6
    新たな盆栽の手入れをしましょう。植え替えが終わった木は、急激な環境の変化を経験し、かなりのストレスを感じています。植替え後2~3週間は、盆栽をあまり日の当たらない場所に置いて、風や強い日射しから守りましょう。[6]水やりは必要ですが、再び根を張るまでは肥料の使用は控えましょう。植替え直後に“息抜き”をさせれば木は新たな環境に順応し、ほどなく生長を再開します。
    • 前述の通り、一年周期でライフサイクルのある落葉樹は春に大きく生長します。そのため、落葉樹の植替えは、冬眠が終わり、春の訪れとともに行うのが最適です。みなさんの落葉樹が屋内樹である場合は、植え替えの後、根を張った頃を見計らって一旦屋外に移すのも効果的です。気温の上昇と強い日射しによって自然な“急成長”が期待できます。
    • 木がしっかりと根を張ったら、今度は他の小さな植物を鉢に加えてみましょう。木と同様にそれらの植物も注意深く世話をすれば、みなさんの盆栽は見事な箱庭になるでしょう。木と同じく、その地域に適合した植物を植えましょう。そうすれば、同じ水分と日光量で鉢の中のすべての植物の世話を均等に行うことができます。
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パート 3 の 3:
木を種子から育てる場合

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    種を購入しましょう。盆栽の木を一粒の種子から育てるには長い歳月が掛かります。育てる木の種類にもよりますが、幹の太さが直径3cmになるまでに4~5年は掛かるでしょう。[7]種子によっては、発芽に際して、管理の行き届いた特殊な環境が必要になります。これは根気の要る作業ですが、同時に、土に蒔いた種を手塩にかけて立派な盆栽に育て上げるという非常にやりがいのある作業でもあります。まずは目的の木の種子を園芸店で購入するか、またはどこかで採取しましょう。
    • ナラ、ブナ、カエデといった落葉樹の多くは、一年ごとに一目でそれとわかる堅果(ドングリなど)を落とします。盆栽を種子から育てたいというみなさんは、種子の採取がしやすいこれらの樹木を選ぶのも一つの手です。
    • 新鮮な種子を入手しましょう。大抵の場合、花や作物の種子に比べ、樹木の種子が発芽できる期間は限られています。例えば、ナラの種子(ドングリ)は、秋の初めに採取されて緑がかっている間が最も“新鮮な状態”です。[8]
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    種子を発芽させます。盆栽用の木の種子を採取したら、発芽まで適切に保管する必要があります。熱帯地域ではない、四季のある地域では、通常樹木は秋になると種子を落とします。その後、種子は冬の間休眠状態となり、春の訪れとともに新芽を出します。言い換えれば、通常これらの地域に自生する樹木の種子は、遺伝子によって規定された法則に従い、冬の寒い気候および春の気温の上昇を経験しないと発芽することができません。みなさんが自宅で樹木の種子を発芽させる場合は、屋外で種子に季節の変化を経験させるか、または冷蔵庫の中で同じ環境を人工的に作り出す必要があります。
    • 四季のある温暖な地域にお住まいのみなさんは、土を詰めた小さな鉢に種子をいくつか埋め込み、冬から春にかけて屋外に置いておくだけで済むでしょう。あるいは、種子を冬の間冷蔵庫に入れて保管することもできます。ジップロックなどのビニール容器に湿った培養土(バーミキュライトなど)とともに種子を入れ、新芽を出す春を待って取り出しましょう。
      • 秋の終わりから春にかけての気温が徐々に下がり、やがて上昇する環境を作るために、最初はビニール容器を冷蔵庫の一番下に置きましょう。そして、2週間ほどかけて容器を一段ずつ上に挙げていき、最後は一番上の冷房装置の傍に置きます。その後、冬の終わりを待って、今度は逆に容器を一段ずつ降ろしていきましょう。[9]
  3. 3
    苗を新芽用のトレイまたはポットに植えます。新芽を出した苗は、土を入れた小さめの容器で栽培することができます。屋外の自然な環境で発芽した種子は、そのまま同じ鉢で育てることができるでしょう。一方、種子を冷蔵庫で保管していた場合は、健康な種子を選び、育苗ポットまたはトレイに移しましょう。土にわずかに穴を空け、発芽した種子を植え込みます。新芽を真っ直ぐ上に向け、主根を下に向けましょう。植え込んだら直ちに水を与えましょう。時間をかけて徐々に新芽の周りの土を湿らせていきます。その際、水浸しにして土が泥のようになってしまうと、苗が腐る危険があるので注意しましょう。
    • 苗が新しい鉢に根を下ろしてから5~6週間は肥料を与えてはいけません。最初はごく少量の肥料で十分です。大量に与えると、肥料に含まれる化学物質が苗の幼い根を“火傷”させる危険があります。
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    苗は適切な条件下で保管しましょう。生長を始めた種子にとって寒さは大敵です。あまり低い気温に晒されると苗が枯れる恐れがあります。温暖な地域にお住まいのみなさんは、春に苗を屋外の暖かくなおかつ日射しの弱い場所へ移すこともできます。強い風や長時間の直射日光に当てないように注意しながら、自生種の苗をできる限りその地域の自然な条件下で育てましょう。一方、亜熱帯植物や季節はずれに発芽した種子は温暖な屋内または温室で育てるのが賢明でしょう。
    • 苗をいずれの場所で育てる場合でも、大切なのは頻繁に水やりをすることです。ただし、水分過剰は禁物です。土は常に水浸しにならない程度に湿らせておきましょう。
  5. 5
    若い苗の世話をしましょう。水やりを欠かさず、適度に日光に当てながら苗の生長を見守りましょう。実際に葉を付けて大きく生長する前に、落葉樹は新芽の段階から「子葉」と呼ばれる2枚の葉を出します。[10] 木が生長するに従い(繰り返しになりますが、この過程には数年の歳月を要します)、段階的にサイズの大きな植木鉢に移し替えていきます。やがて、みなさんの好みの大きさに生長した頃合を見計らって盆栽用の鉢に植え替えましょう。
    • 若木はひとたび根を張れば、屋外の朝日が当たり、なおかつ日中に影のできる場所に置いて、その地域の自然な環境下で育てることができます。亜熱帯植物またはその地域の気候に適応できない種類の盆栽は常時屋内で保管しましょう。
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ポイント

  • 鉢植えなど、樹木を制限されたスペースで育成する際は、根の刈込みが不可欠です。
  • まずは自然な樹形を大切にしましょう。垂直に伸びた「直幹」、蛇行した形に生長した「模様木」、幹が垂れ下がった「懸崖」などがあります。
  • あえて幹を太くしたい場合は、1、2年の間大きな鉢に植え替えて育てましょう。
  • 整形や枝切りをする前に、次の季節まで木をそのまま生長させましょう。
  • 屋内で盆栽を栽培する場合は、土で周りを汚さないように、表面に小石や丸石を敷いたほうが良いでしょう。



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