真鍮を磨く方法

黄銅(おうどう)とも呼ばれる真鍮(しんちゅう)は、主に亜鉛と銅から作られた合金です。金属素材としての真鍮の歴史は古代ローマまで遡ります。優れた耐久性と加工性を兼ね備えた真鍮は、その仕上がりの美しさと相まって、現在でも、日用雑貨から装飾品そして金管楽器に至るまで、様々な製品の加工に使用されています。しかし一方で、真鍮は埃や脂分が付着しやすく、時間とともに表面が変色します。手元にある、くすみの付いた真鍮製品を磨き上げたいというみなさんは、ここで紹介するクリーニング方法を試してみましょう。慎重に作業を行えば、真鍮は身近な家庭用品を使って洗浄することができます。また、汚れや変色が酷い場合は、市販のクリーナーを使って表面の光沢を取り戻しましょう。

パート 1 の 3:
クリーニングの準備

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    まずはクリーニングしたい金属が真鍮かどうかを確かめましょう。磁石(普段冷蔵庫に貼っているマグネットで十分です)を金属製品に近付け、引き寄せられるかどうかを見極めます。
    • 磁石が引き寄せられなければ、その金属は真鍮です。
    • 磁石が引き寄せられれば、おそらくその金属は、真鍮メッキを施した鉄または鋼でしょう。[1]
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    その製品は本当にクリーニングが必要でしょうか。元から光沢のない真鍮製品も少なくありません。そのような製品をむやみに洗浄すると、かえって価値が下がる場合があります。どのような手順でクリーニングすべきか分からない場合は、専門家に相談しましょう。製品によって様々なクリーニング方法があります。[2]
    • 時には、古サビ(真鍮や銅に付着する青緑色のサビ、緑青(ろくしょう)とも)が真鍮製品に独自の趣を与えます。なるべくそのままにしておきましょう。
    • 古サビは、真鍮製品を鑑定する際の重要な手掛かりとなります。専門家は古サビの状態を見て、製造年代、保存状態、潜在価値などを判断します。古サビを落としたり、古サビの模様を変形させると、その製品の資産価値に大きな影響を与えてしまいます。[3]
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    その真鍮がラッカー塗装されているかを確かめましょう。近年では、大半の真鍮製品がラッカーでコーティングされています(昔ながらの漆塗りもラッカー塗装の一種です)。ラッカーは、金属の酸化を防ぐ保護膜の役割を果たします。一方、骨董品を始め、古い真鍮製品の中には、ラッカー塗装されていないものもたくさんあります。[4] 手元にある真鍮製品の表面を見れば、ラッカー塗装されているかが分かるでしょう。クリアな仕上がりによって、製品全体が輝いているはずです。通常、ラッカー塗装された真鍮は、塗装に亀裂が入った場合にのみ変色を起こします。[5]
    • ラッカー塗装された真鍮は比較的手入れがしやすく、石鹸水だけで十分に洗浄できます。しかし、塗装の下にある変色を取り除きたい場合は、ラッカー自体を洗い落とす必要があります。
    • 手元の真鍮製品がラッカー塗装かどうかはっきりしないでしょうか。表面が黄色の光沢を放っていれば、ほぼ間違いなくラッカー塗装です。[6]
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パート 2 の 3:
真鍮製品のクリーニング

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    真鍮製品をクリーニングします。真鍮の輝きを保つには、普段から軟らかい布巾を使ってこまめに埃や汚れを落とすことが何よりも大切です。[7] ラッカー塗装された真鍮の場合、まずは表面の埃を払い落としましょう。つぎに、軟らかい綿布を用意して、食器用洗剤を混ぜたぬるま湯に浸します。布巾を絞って余分な水気を落とし、慎重に真鍮の表面を拭きます。拭き終わったら、今度は布巾を清潔な水に浸し、水気を絞った後、表面に付着した石鹸を残らず拭き取ります。洗浄を終えた真鍮をしっかりと乾燥させましょう。
    • ラッカー塗装の下に堆積した汚れやくすみを取り除く場合は、まず塗装自体を剥がす必要があります。
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    お湯を使ってラッカーを剥がします。真鍮に塗装されたラッカーは、熱水によって柔らかくなります。台所の流しに真鍮製品を置いて、その上から熱水を流します。[8] 熱水によって温められた真鍮は膨張します。その後、温度が下がるに従って、真鍮は若干収縮しますが、ラッカーは膨張したままになります。真鍮が元の温度まで冷えると、ラッカーは表面から多少ずれて剥がれやすくなります。[9]
    • 製品のサイズによっては、沸騰したお湯を使うこともできます。鍋で沸騰させたお湯に真鍮製品を入れて2~3分間煮沸します。ただし、アルミ製の鍋は避けましょう。慎重に製品を鍋から引き揚げ、しばらく冷ました後、ラッカーを剥がします。[10]
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    塗膜用剥離剤(ワニスリムーバー)を使ってラッカーを落とします。新聞紙をたっぷりと敷いた机の上に真鍮製品を置きます。そうすれば、新聞紙が滴り落ちた剥離剤を吸収するため、作業場を汚さずに済みます。[11] ペイントブラシを使って剥離剤を製品全体にくまなく均等に塗りましょう。塗り終えたら、1、2分ほどそのままにします。その後、軟らかい布で剥離剤を拭き取ります。剥離剤を扱う際は、必ず容器に記載された使用上の注意に従いましょう。
    • 塗膜用剥離剤は強力な化学薬品です。メーカーの定めるガイドラインに従い、取扱には細心の注意を払いましょう。
    • 剥離剤を扱う際は、露出のない服装で肌を保護し、ゴム手袋を装着しましょう。
    • 剥離剤は有毒な蒸気を発生させるため、屋外または風通しの良い場所で作業を行いましょう。
    • 剥離剤は極めて可燃性の高い薬品です。作業中は必ず火の気を遠ざけておきましょう。[12]
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    真鍮を磨きます。研磨作業に入る前に、表面に埃や汚れが付着していないかをもう一度確認しましょう。真鍮用の艶出し剤が数多く販売されていますが、レモンを使って艶出し剤を自作することもできます。レモンを半分に切り、果汁をすべてボウルに絞り出します。そこに食塩または重曹(どちらでも構いません)を加えてペーストを作ります。食塩または重曹の粒子が研磨剤の役割を果たします。[13] 小さじ1杯、場合によっては、それ以上の食塩または重曹を加えましょう。出来上がったペーストを軟らかい布を使って真鍮製品に塗ります。
    • ペーストは必ず金属表面の“きめ”に沿って塗りましょう。そうしないと、真鍮の表面を傷つけてしまいます。
    • 真鍮にペーストを強く擦りつけてはいけません。力を入れて擦らなくても、塩または重曹の粒子がくすみを優しく削り落としていきます。
    • 細かい溝や、布巾の届かない箇所は、毛先の軟らかい歯ブラシを使ってクリーニングしましょう。[14]
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    市販のクリーナーを使って真鍮を磨くこともできます。環境に優しい真鍮用のクリーナーがたくさんあります。それらを使えば、真鍮の表面を傷つけずに、くすみを落として本来の輝きを取り戻すことができます。
    • クリーナーによっては、きめの粗い研磨材が含まれています。とりわけ、表面にエッチング加工を施した真鍮製品はデリケートなため、傷が付かないように細心の注意を払いましょう。[15]
    • 塩酸の使用は避けましょう。塩酸では真鍮を満足に洗浄することはできません。さらに、後々目立ったシミが残ってしまいます。[16]
    • 古い真鍮製品の洗浄には、蒸留白酢やアンモニア水が効果抜群です。真鍮製品を白酢またはアンモニア水に1時間ほど浸します。天然の洗浄剤である白酢やアンモニア水は、長期にわたって真鍮の表面に輝きを与えます。[17]
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    他の真鍮クリーナーも試してみましょう。真鍮クリーナーは自宅で自作するか、またはホームセンターなどで購入することもできますが、以下の天然素材を使って真鍮製品をクリーニングしてみるのも一興です。
    • ケチャップ: 軟らかい布を使って真鍮製品にケチャップをたっぷりと塗ります。ケチャップを付けた状態で、10分ほどそのままにします。その後、水に濡らした清潔な布巾でケチャップを拭き取ります。きれいにした真鍮製品をしっかりと乾かしましょう。[18]
    • プレーンヨーグルト: 製品全体にヨーグルトを塗ります。ヨーグルトに含まれる乳酸が真鍮のくすみと化学反応を起こし、くすみを分解します。ヨーグルトが乾燥するまでそのままにしましょう。その後、水ですすぎ、清潔な布巾を使って水気を拭き取ります。[19]
    • 白酢と塩: 製品全体に白酢を塗ります(酢をそのまま真鍮に注ぐか、または霧吹きに入れて吹き付けましょう)。さらに、その上から塩をふりかけます。 [20] 酢で軽く湿らせた布巾を使って真鍮の表面を上下に優しく擦ります。最後に、清潔な布巾を使って乾かします。
    専門家情報
    James Sears

    James Sears

    クリーニング専門家
    南カリフォルニア大学のTrustee Scholar(学部長や理事により選出される奨学生)ジェームス・シアーズは、一般的な掃除方法から整理整頓による模様替え、そして居住空間の改善まで、クリーニングに関するあらゆるノウハウに精通しています。ジェイムスはクリーニングサービス業界における開拓者として、 Neatly(南カリフォルニア大学の学生住宅を対象にクリーニングサービスを提供する会社)のスタッフ指導にあたっています。ジェームスの率いるクリーニングチーム(Happiness Team)は、カリフォルニア州のロサンゼルスとオレンジ郡を拠点としてサービスの提供を行っています。
    James Sears
    James Sears
    クリーニング専門家

    ケチャップは酸性のため、真鍮製品をきれいにする効果があります。ケチャップに含まれるトマトジュースによってケチャップに酸が加わるのです。製品にケチャップを塗り、すすいで汚れをふき取ります。レモンジュースまたは半分に切ったレモンを製品にこすりつけて、汚れを落とすこともできます。

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    真鍮を変色から守りましょう。クリーニングを終えた真鍮製品をラッカーで再塗装して将来の変色を予防します。[21] 通常、ラッカー塗装にはペイントブラシまたは綿球のいずれかを使います。ラッカーの容器に記載された使用上の注意をしっかりと読んでメーカーの指示に従いましょう。
    • いずれの方法で塗装する場合も、ラッカーは薄く塗りましょう。あまり分厚く塗ると、真鍮の表面をラッカーが流れ落ち、乾燥した後、その跡が縞模様となって残ります。[22]
    • 塗装後は製品をしっかりと乾燥させましょう。完全に乾くまで製品に触れてはいけません。ラッカーが乾いたら、清潔な布巾で磨いてさらに光沢を出しましょう。
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パート 3 の 3:
真鍮メッキのクリーニング

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    その製品が真鍮か、それとも真鍮メッキかを見極めましょう。といっても、真鍮かメッキかを見た目で判断するのは簡単ではありません。そのため、製品に磁石を近付けて引き寄せられるかどうかを調べます。磁石に反応しなければ、その製品は真鍮とみて間違いないでしょう。磁石が引き寄せられれば、その製品は、高い確率で、真鍮メッキを施した鉄または鋼です。[23]
    • 切れ味鋭い包丁を使って製品の目立たない箇所に傷をつけて真鍮かメッキかを見分ける方法もあります。その製品が真鍮であれば、傷をつけた箇所は鮮やかな黄色をしているはずです。[24]
    • 傷を付けた箇所から他の色(銀色など)が見えれば、それは明らかに真鍮とは別の金属です。その場合、真鍮メッキを剥がさないように注意しながら、研磨剤を含まないクリーナーを使って洗浄しましょう。
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    ラッカー塗装された真鍮メッキを洗浄します。洗顔石鹸を水またはぬるま湯に溶かし、その溶液を使って真鍮メッキの表面全体をクリーニングします。布巾を溶液に浸し、余分な水気をすべて絞り落とします。湿った布巾でメッキの表面を優しく擦りましょう。
    • 決してラッカー塗装されたメッキを研磨剤で磨いてはいけません。大抵の場合、表面がザラザラになり、輝きが失われてしまいます。[25]
    • ラッカー塗装されたメッキに、アンモニアを含んだクリーナーを使用してはいけません。アンモニアは、保護膜であるラッカーを分解します。
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    ラッカー塗装されていない真鍮メッキを洗浄します。軟らかい布巾を食器用洗剤とぬるま湯の溶液に浸します。水気をすべて絞り落とした後、その湿った布巾でメッキの表面を優しく擦ってきれいにしましょう。
    • 使い古した歯ブラシがあれば、細かい溝や入り組んだ箇所の汚れを落とすことができます。
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    水ですすいで優しく磨きます。製品を水ですすぎ、清潔な布巾を使って水気をしっかりと拭き取ります。
    • メッキ加工された製品を磨くと、メッキの一部が剥がれる可能性があります。どうしても磨きたい場合は、細心の注意を払って優しく磨きましょう。[26]
    • 真鍮メッキを磨く際は、製品全体を磨く前に、まずは目立たない箇所でテストするのが賢明です。
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ポイント

  • しつこい変色を落としつつ、あえて表面の光沢を抑えることもできます。プレートに食塩を広げます。半分に切ったレモンの断面を食塩に押し付けます。その塩の付いたレモンの断面で製品を擦りましょう。

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注意事項

  • 過度の洗浄や研磨剤の使用は、真鍮を傷つける恐れがあります。
  • ペイントリムーバーやワニスリムーバーなどの剥離剤を使用する際や、ラッカー塗装をする際は、必ずメーカーによる使用上の注意に従って作業を行いましょう。
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必要なもの

  • 磁石
  • 食器用洗剤
  • 熱湯・ぬるま湯
  • 重曹
  • レモン果汁
  • 食塩
  • 使い古した歯ブラシ
  • 軟らかい布
  • ゴム手袋
  • 塗膜用剥離剤(ワニスリムーバー)
  • 艶出し剤
  • ペイントブラシ
  • 真鍮用の透明ラッカー
  • ケチャップ(お好みで)
  • ヨーグルト(お好みで)
  • 蒸留酢

このwikiHow記事について

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