睡眠不足かどうかを知る方法

共同執筆者 Marc Kayem, MD

誰もが1日のある時点で疲れを感じることがありますが、貴方も例外ではないかもしれません。コーヒーを飲んだり散歩に出れば目が覚める、という人がいる一方で、何をしても眠気がとれず、休んだ気にならないという人もいます。常に睡眠が足りず健康、仕事、学業に支障をきたす、また注意力散漫の状態が続くなら、睡眠不足に見舞われているのかもしれません。睡眠不足は、あらゆる年齢の男性及び女性に影響を及ぼします。赤ちゃんの世話や不規則な生活のせいで起こる睡眠リズムの乱れや、睡眠障害などが原因として挙げられます。睡眠障害の中には治療が必要なものもあります。一晩寝ても疲れが取れないようなら、睡眠不足を疑いましょう。

パート 1 の 3:
症状を認識する

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    認知機能の低下に注意する 認知機能は応答速度、注意力、警戒心、仕事ぶりなどに関連します。また、記憶力、意思決定能力、更に忍耐力にも影響を与える可能性があります。[1]刺激(大きな声など)に反応するのが遅い、集中できない、複雑な仕事を理解するのが難しい、キビキビできない、ミスを犯しがちといった症状があるなら睡眠不足の影響かもしれません。
    • シフト制で続けて24時間以上勤務する医療関係者は、睡眠不足のせいでミスを犯しやすいという調査報告があります。[2]
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    自分の行動の変化を自覚する 睡眠不足がイライラや気分変調を起こすのは当然だと言えます。睡眠サイクルの崩れはうつ病や生活の質の低下に密接に関係しているので、常に睡眠不足の状態にあると、気分障害を起こす恐れがあります。[3]
    • 不安が増大し日々の単純作業への意欲も失うかもしれません。[4]
    • 睡眠不足はうつ病や不安症と非常に似ています。睡眠不足の患者には、気分の落ち込み、神経過敏、エネルギーの低下、性欲の減退、判断力の低下、更に心理的機能不全の症状などが見られます。しかし、これらの症状は睡眠サイクルが元に戻ると解消されます。
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    1日のエネルギーレベルの変化を考える 睡眠不足の状態では集中力が衰え、注意力散漫になります。決断に時間がかかり、物覚えが悪く、反応も鈍くなります。結果的にミスが多くなり落ち着けなくなります。色々試しても終日疲れが取れません。
    • なぜ睡眠が必要なのかは完全に理解されてはいませんが、睡眠が脳にエネルギーを供給することが研究から分かっています。[5]
    • ほとんどの人が日中のある時点でエネルギーレベルの低下を感じますが、カフェインを取ったり、休息したりすることで注意力が維持できます。しかし、1日中体が重く気分もスッキリしないなら、睡眠不足かもしれません。
    • 昼寝の後で疲れの度合を調べましょう。以前に比べて昼寝をしても気分が晴れないと感じますか。昼寝の後でも常に意識がもうろうとするなら睡眠不足に陥っているのかもしれません。
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    健康上の変化を見つける 睡眠不足は体重増加や肥満につながる可能性がある、という研究結果があります。睡眠中に体は食欲調節ホルモンを分泌します。睡眠はまた、グルコースを素早く処理するためにも重要な役割を果たします。睡眠不足に陥ると、食欲調節ホルモンの分泌やグルコースの処理が妨げられ、2型糖尿病を発生する原因になります。体重、食欲、血圧の変化に注意しましょう。これらに変化があれば睡眠不足の可能性があります。
    • 睡眠不足は血圧を上げ、心臓病のリスクを上昇させます。また、睡眠時無呼吸症も心臓疾患に関連します。[6]
    • 睡眠不足はまた、高血圧、冠動脈疾患、加えて心臓発作を起こす可能性もあります。[7]
    • 睡眠不足に陥ってから体重が増えたかを考えましょう。増えたのであれば、体が睡眠不足状態に反応しているのかもしれません。
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    社会生活について考える 酷い疲れが原因で友達や家族との計画をしばしばキャンセルするなら、睡眠不足に陥っているのかもしれません。パーティーへの参加を断る人は珍しくないですが、睡眠不足が原因で常に行事を避けていると生活の質を落としかねず、家族間に緊張を生み、社会生活にも悪影響がでるかもしれません。[8]
    • 睡眠不足状態にあると、車の運転を仕事としている場合は特に勤務先での怪我のリスクを高くするので、社会生活にも支障をきたします。[9]
    • 「以前は友達に会ったり行事ごとに参加するのを楽しみにしていた。しかし今は自宅を離れることを考えただけでも不安になる、家を出るのが大事に思える」という場合は睡眠不足を疑いましょう。
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    睡眠の記録をつける 睡眠に関わる事柄を記録しましょう。医師に診てもらう際に症状を詳細に伝えることができます。就寝時刻、睡眠時間、睡眠の質、寝付きの良し悪し、長時間の安眠ができたかどうかを記録しましょう。
    • 活力の程度も含めて1日を通しての気分や感情の変化にも意識を向けましょう。
    • 食事や日課運動などの要因が睡眠に影響を与えるかにも注意を払いましょう。
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パート 2 の 3:
睡眠不足を診断する

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    睡眠時間を決める 人によって睡眠時間は様々です。65才以上の大人はそれほど長い睡眠時間を必要としません。妊婦は時期によって必要な睡眠時間が変化します。妊娠初期は長い睡眠時間を必要とし、妊娠第三期(最後の3か月)では睡眠をとるのが困難になります。米国の国立睡眠財団が提唱する一般的な睡眠時間は次の通りです。[10]
    • 高齢者:7時間から8時間
    • 18才から64才の大人:7時間から9時間
    • 13才から17才の若者:8時間から10時間
    • 6才から13才の学齢児童:9時間から11 時間
    • 3才から5才の未就学児: 10時間から13 時間
    • 1才から2才の幼児:11時間から14時間
    • 4か月から11か月の乳児:12時間から15時間
    • 0か月から3か月の新生児:14 時間から17 時間
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    睡眠不足の原因を突き止める 赤ちゃんの世話や高齢者の介護が、睡眠不足の原因になり得ます。特に他に仕事を持っていればなおさらです。交代制の仕事で勤務時間が不規則な場合など特に睡眠不足を起こします。また、内科的疾患も睡眠不足の原因になるかもしれません。睡眠障害には次のものが含まれます。[11]
    • 睡眠相後退障害
    • 環境睡眠障害
    • むずむず脚症候群
    • 精神生理学的不眠症
    • 周期性四肢運動障害
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    医師に相談すべき時期を知る 睡眠不足の状態にある、また疲れが酷いと感じたらすぐに医師に相談しましょう。医師が睡眠不足の理由を特定したら、それが自然発生的な原因であれ、薬の副作用であれ改善に取り組みましょう。医師はまた、睡眠不足の原因となる潜在的な病気があるかも調べてくれます。[12]
    • 睡眠障害が自然発生的なものだと診断されたら、睡眠改善に自ら努めましょう。例えば、高齢の親の世話や介護を1人で行っているのなら、兄弟姉妹に手伝ってもらいましょう。仕事が原因なら勤務時間の変更を上司に頼んでみましょう。その場合、医師の診断書を提示するといいでしょう。
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    睡眠障害があるかどうかを考える 医師は、睡眠障害を疑うと睡眠医療の専門医の診察を受けるように勧めることがあります。専門医は、患者の睡眠状態を観察して睡眠不足の原因を突き止めます。おそらく、睡眠検査を受ける必要があるでしょう。よく見られる睡眠障害には次のものがあります。[13]
    • むずむず脚症候群(脚を動かす衝動を抑えられない)[14]
    • 発作性睡眠(日中に眠気を起こす)
    • 閉塞性睡眠時無呼吸(呼吸が中断し睡眠を妨げる)[15]
    • 慢性的不眠症
    • 睡眠サイクルや睡眠パターンに支障がでる概日リズム睡眠障害(睡眠相後退障害、非24時間睡眠覚醒障害、交代勤務睡眠障害など)
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パート 3 の 3:
睡眠不足に対処する

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    できる時に昼寝をする 睡眠不足で1日中疲れを感じるなら症状改善を図りましょう。睡眠不足のための治療はありませんが、昼寝が最も効果的だという研究報告があります。30分以内の昼寝をして注意力を持続させましょう。[16][17]
    • 2時間以上の昼寝は避けましょう。起きるのが困難になる上、一層疲れる結果になります。
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    不眠症に対処する 不眠症の人は神経が過敏なので、常に起きたままの状態にあります。[18]このために、不眠症の治療には行動療法が有効です。行動療法を通して、リラックスすること、光を使ってリラックスすること、また健康的な就眠習慣の実践方法を学びます。
    • 健康的な就眠習慣として、睡眠とセックスだけのためにベッドを使う、睡眠環境を快適に保つ、ベッドの上で起きている時間を短くすることなどが挙げられます。[19]
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    睡眠補助剤を処方してもらう 行動療法に効果がなく、不眠症に対する不安が募る場合は、医師は睡眠補助剤を処方することがあります。これらの薬(催眠薬)は、低用量を短期間でのみ使用します。睡眠補助薬の副作用には、複雑な挙動、アレルギー反応、めまい、頭痛、記憶障害、また長期間の眠気が含まれます。[20]
    • 眠れるように催眠薬に頼るのは避けましょう。
    • 医師は、不眠の原因が服用している別の薬にあると判断するかもしれません。抗うつ薬の中には不眠症を起こすものがあります。[21]服用している薬がある場合は、医師に伝えましょう。
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    市販薬を使う 市販薬を試しましょう。市販薬は医師が処方する催眠薬や睡眠補助薬ほど効果的ではないですが、リラックス効果をもたらす抗ヒスタミン薬を含んでいる場合があります。[22]
    • 医師からの睡眠補助薬の副作用が心配なら、市販薬を試しましょう。市販薬はメーカーの指示通りに服用すれば安全だと考えられています。
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    カフェインを飲んでみる カフェインを賢く取りましょう。カフェインによっては神経が過敏になる場合がありますが、頻繁に取ることで徐々に慣れます。朝、75ミリグラムから150ミリグラムのカフェインを取りましょう。遅い時間帯に取ると夜眠れなくなる恐れがあります。[23]
    • 例えば、コーヒー1杯(およそ250ミリリットル)には95ミリグラムから200ミリグラムのカフェインが含まれています。朝、コーヒーは効果的です。同量の紅茶には14ミリグラムから70ミリグラムのカフェインしか含まれていません。[24]
    • カフェインの摂り過ぎは避けましょう。常習的にカフェインを摂取すると、1日でも摂取しないだけで、イライラや頭痛などの禁断症状がでるかもしれません。
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ポイント

  • 非24時間睡眠覚醒障害は全盲の患者に顕著ですが、視覚に障害がない人にも起こります。この障害を発生すると、夜寝て朝起きるという一定のサイクルで寝ることができません。

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出典

  1. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21075236
  2. Barger LK, Ayas NT, Cade BE, et al. Impact of extended-duration shifts on medical errors, adverse events, and attentional failures. PLoS Med 2006; 3:e487.
  3. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3181883/
  4. http://www.aasmnet.org/resources/factsheets/sleepdeprivation.pdf
  5. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2917728/
  6. http://healthysleep.med.harvard.edu/healthy/matters/consequences/sleep-and-disease-risk
  7. Sabanayagam C, Shankar A. Sleep duration and cardiovascular disease: results from the National Health Interview Survey. Sleep 2010; 33:1037.
  8. http://www.prb.org/Publications/Articles/2014/sleep.aspx
  9. http://healthysleep.med.harvard.edu/healthy/matters/consequences

このwikiHow記事について

学会認定耳鼻咽喉科医・形成外科医
この記事はMarc Kayem, MDが共著しています。 マーク・ケイエム医師はカリフォルニア州のビバリーヒルズにて美容整形手術と睡眠障害の治療を専門的に行っている形成外科・耳鼻咽頭科医です。 王立カナダ外科大学研究員であり、オタワ大学にて医学博士号を取得し、米国耳鼻咽頭科医会による認定耳鼻咽頭科医の資格を取得しています。
カテゴリ: 睡眠と夢
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