睾丸の腫れや痛みを治す方法

共同執筆者 Chris M. Matsko, MD

睾丸に腫れや痛みを引き起こす原因は、ウイルスや細菌感染から外傷まで様々なものがあります。その時々の状況によって治療方法は異なるので、腫れや痛みの原因をきちんと突き止めることが重要です。睾丸の痛みの原因として考えられるものには、外傷による精索捻転症、ムンプスウイルスによる急性精巣炎、 細菌性の精巣上体または精巣炎などがあげられます。精巣腫瘍は通常痛みを伴わないため、精巣がんの可能性は低いと言えます。[1] 睾丸に痛みがある場合、その痛みをやわらげる方法がいくつかあります。

方法 1 の 3:
応急処置をとる

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    市販の痛み止めを服用する イブプロフェン、アセトアミノフェン、アスピリンなどを始めとする市販の鎮痛薬を服用することで痛みや腫れをやわらげることができます。炎症を引き起こすプロスタグランジンと呼ばれる生理活性物質の働きを抑制する作用のあるこれらの鎮痛薬は、痛みや腫れの緩和に効果的です。これらの鎮痛薬の服用量の目安は以下のようなものです。
    • イブプロフェン(または類似した成分・効能のジェネリック医薬品):200〜400mgの錠剤を1日に3回、食中または食後に服用する。
    • アスピリン:300mgの錠剤を1日に最大4回まで服用する。
    • アセトアミノフェン:500mgの錠剤を1日に最大3回まで服用する。
    • これらの医薬品を併用してはいけません。薬の過量服薬は深刻な副作用を引き起こしかねません。[2]
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    あおむけに寝そべる 医師による診断や治療を得られるまでの間、楽な姿勢であおむけに寝そべることで睾丸の痛みやストレス、違和感を和らげることができます。
    • また、局部用のサポーターなどを使って陰嚢を保護するのもよいでしょう。痛みのある部位を脚との摩擦や陰嚢の動き、衣服などとの接触から守ることができます。[3]
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    痛みのある部位に氷をあてる 急に腫れや痛みが出た場合は、アイスパックや冷凍野菜の袋を患部に優しくあてて腫れ・痛みを緩和しましょう。
    • アイスパックをあてて患部を冷やすのは非常に重要です。万が一腫れが深刻な状態である場合、患部を冷やしておけば、たとえ血流が止まった場合でも、できるだけ長く睾丸の機能を保つことができます。[4]
    • 凍傷を防ぐため、氷や冷凍野菜の袋は乾いた布に包んでから患部に当てましょう。
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    なるべく体を休ませて、激しい活動は控える 腫れや痛みの悪化に繋がるような活動は避けて、睾丸が自然に治癒するのを待ちましょう。重い物を持ち上げたり、走ったりなどの激しい運動は控えましょう。
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方法 2 の 3:
症状に注意する

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    どのようなリスクがあるかを知る 睾丸の痛みの原因となる細菌やウイルス感染には、共通のリスクがあります。このようなリスクには下記のようなものが含まれます。[6]
    • 性行為
    • 頻繁に自転車やバイクに乗るなどの激しい運動
    • 旅行・移動やトラックの運転などで長時間座った姿勢のままでいること
    • 尿路感染症や前立腺炎などを過去に患ったことがある
    • 良性前立腺肥大症や前立腺手術など(主に高齢男性の場合)
    • 思春期前の男子に起きる後部尿道弁と呼ばれる解剖学的欠損の一種
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    外傷が原因かどうかを突き止める 外傷による睾丸の痛みは精巣捻転症と呼ばれ、睾丸と精巣上体(精巣下部にある管)に生じます。精巣捻転症であるかどうかを判断するためには非常に精密な検査を必要とします。特に、睾丸をひねることにより引き起こされる精巣捻転症を始めとする外傷を負ったことが疑われる場合は、睾丸の機能が損傷を受ける可能性もあるため、すぐに医師の診断を受けましょう。
    • 外傷の有無を判断するために、医師は精巣挙筋反射を調べる可能性があります。外傷がある場合には、体はこの反射運動を行わなくなります。太ももの内側に刺激を与えると、通常は精巣挙筋が反射的に収縮して,精巣を守るために睾丸を陰嚢の中へと持ち上げます。[7]
    • 通常、精巣捻転症の痛みは、急に襲ってくることが多いようです。
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    感染による痛みかどうかを判断する 患者の年齢は、感染の有無を判断する大きな要素となります。感染による睾丸の痛みには、精巣と精巣上体の細菌感染によるものがあります。直腸から細菌が侵入するこの感染症は、多くの場合35歳以上または14歳以下の男性にみられます。15歳〜35歳の若い男性の場合、精巣の感染症は性行為により伝染するクラミジアや淋病などの細菌により引き起こされるものがほとんどです。[8] 検査の際に患部を触られると痛みが走ります。睾丸を持ち上げると痛みが増大するかどうかを調べる、プレーン兆候という検査を医師は行うかもしれません。[9]
    • 感染症を治療することで、痛みの緩和、感染症の悪化と敗血症の回避に繋がります。
    • 痛みの原因が細菌感染である場合には、精巣挙筋反射は陽性を示します。
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    精巣炎の可能性を疑う 精巣炎はウイルス感染により引き起こされる炎症で、急な睾丸周辺の鋭い痛みと腫れを伴います。ウイルス感染により引き起こされるムンプス性精巣炎は、生後11ヶ月頃に三種混合ワクチン(MMR)を接種しなかった場合に発症率が高くなると言われています。ムンプスウイルス陽性の子供のおよそ20〜30%がムンプス性精巣炎を発症するそうです。[10] 通常は、顎の下側にある耳下腺が腫れる耳下腺炎の発症から1週間後に精巣炎を併発する場合が多いようです。
    • ウイルス感染によるムンプス性精巣炎に効果的な治療方法はなく、不妊症が生じる場合もあります。治療は主に対処療法で、鎮痛薬の使用やアイスパックによる冷却を行います。
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    性感染症(STI)の可能性を疑う STIが原因の場合、睾丸の痛みに加え、排尿時に灼けるような痛みを感じる場合もあります。発症の過程は比較的遅く、自覚症状が出るまでに数週間を要す場合もあります。睾丸の痛みは、吐き気や嘔吐、腹痛と関連する場合もあります。この場合、精巣挙筋反射は陽性を示します。
    • 超音波検査では、血管分布の拡大、感染部分、膿瘍形成などが見つかるでしょう。
    • 分泌液が出たり尿に血が混ざったりなどの症状が出る場合もあります。[11]
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    急性精巣上体炎の症状が出ていないか注意する 細菌感染により引き起こされる痛みは、1日程度で急速に悪化します。精巣上体と精巣がどんどん腫れて肥大化し、赤みを帯び、敏感になります。非常に強い痛みを覚える場合もあります。
    • 尿路感染症や尿道感染症の可能性も考えられます。
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    臨床検査を行う 感染の有無を調べる場合は、臨床検査を行うのが便利です。医師による尿検査が行われ、大腸菌などの細菌に感染していないかを調べる可能性があります。性行為を日常的に行っている若い男性の場合は、マルチプレックスPCRと呼ばれる検査を行い、クラジミアや淋病に感染していないかどうかを調べます。[12]
    • 陰嚢の痛みや腫れがある場合は、さらなる合併症が生じていないか判断するために定期的に超音波検査が実施されます。
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方法 3 の 3:
継続的な痛みに対処する

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    細菌に感染した場合 大腸菌やその他の細菌が原因で生じる細菌感染による睾丸の痛みは、年齢にかかわらずすべての男性に起こる可能性があります。高齢の男性の場合、良性前立腺肥大症が理由でこのような感染症にかかることが多いとされています。肥大化した前立腺が膀胱内の排尿機能を妨げると、大腸菌その他の消化器系内の細菌が蓄積して感染を引き起こします。
    • この症状の治療方法として適用されるのがST合剤とキノロン系抗生物質です。治療には通常10日程度を要しますが、前立腺に感染が見られる場合は治療期間はさらに長くなります。
    • プレーン兆候を行うと、症状が緩和する場合が多くなります。アイスパックで患部を冷やすのも効果的です。
    • 痛みが出てから最初の数日間は、タイレノールやイブプロフェン、さらに強い効果のある麻薬性鎮痛薬を服用することで痛みを和らげることができます。[13]
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    性感染症を治療する STI(性感染症)の治療には抗生物質が使用されます。ジスロマックやドキシサイクリンの一定期間の服用を終えた後、医師によりロセフィンが処方されるかもしれません。服用から24〜48時間で痛みが軽減されるでしょう。抗生物質の効き目が出るまでの間、アイスパックで患部を冷やしたり、睾丸を持ち上げたりすることで痛みが和らぐ可能性もあります。最初の数日は、市販薬を服用するのも良いかもしれません。[14]
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    睾丸周辺の外傷を治療する 睾丸の痛みは、精巣がねじれて血流が十分に行き渡らなくなった場合に引き起こされます。この状態は、自転車から滑り落ちて股間を打つなど、様々なタイプの外傷が理由で起こります。睾丸にひどい外傷を負うと、精索がねじれることがあり、この場合は手術による治療が必要となります。この症状は、18歳以下の男性10万人のうち、毎年3.8%が経験すると言われています。
    • 停留精巣や挙睾筋反射の喪失の早期発見は、手術による治療の十分な理由となります。適切な治療を行うことで、最終手段である睾丸切除を免れることができます。
    • 外傷の程度がそこまでひどくない場合でも、腫れや痛み、高熱、頻尿などの症状は起こります。
    • 怪我をしてから手術を行って治療できる時間は、およそ4時間から8時間程度と言われています。この時間制限内に治療を施すことで、精索に決定的な損傷が加わることを防ぎます。睾丸切除を回避するためにも、精索のねじれを早急に元に戻す必要があります。このように、なるべく早く治療にあたっても、睾丸切除の確率は平均で42%にものぼります。診断が遅れると、睾丸切除や不妊などの取り返しのつかない結果を招く可能性があります。[15]
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  1. Trojian, Thomas, Timothy Lishnak, and Diana Heiman. American Family Physician. 2009, April 1; 79(7): 583-587
  2. http://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/sexually-transmitted-diseases-stds/in-depth/std-symptoms/art-20047081
  3. http://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0098862
  4. http://www.webmd.com/men/inflammation-testicle-orchitis?page=2#2
  5. http://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/sexually-transmitted-diseases-stds/in-depth/std-symptoms/art-20047081
  6. Sharp, Victoria, Kathleen Kieran, and Angela M Arlen, Testicular Torsion: Diagnosis, Evaluation and Management American Family Physician, Dec 15, 2013. (88)12, 835-840

このwikiHow記事について

家庭医(かかりつけ医)
この記事はChris M. Matsko, MDが共著しています。 クリス・M・マツコ医師はペンシルバニア州ピッツバーグ在住の元内科医です。25年以上にわたって医学研究を続け、コーネル大学最優秀指導者賞を受賞しました。テンプル大学にて栄養科学の学士号を取得後、同大学医学部にて2007年に医学博士号を取得。2016年にha
カテゴリ: 健康
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