短編小説を書く方法

共同執筆者 Stephanie Wong Ken

この記事には:アイディアを練る初稿にとりかかる原稿を推敲する19 出典

多くの作家が短編小説は最高の媒体だと考えています。長編小説を書き上げるのは至難の業だとしても、短編小説なら、どんな人でも挑戦でき、そしてここが重要な点ですが、間違いなく「最後まで完成させられる」でしょう。小説と同様、短編小説も読者をわくわくさせる興味深い内容であるべきです。アイディアを練り、原稿を書き、そして推敲する、といった執筆作業を学び、短編小説に挑戦してみましょう。

パート 1
アイディアを練る

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    構想を練り、あら筋を組立てる どんな話になるのか、どんなことが物語の中で起こるのかを考えてみます。この物語で何を伝えたいのか、何を描きたいのか、アイディアはじっくり練りましょう。また、どういった語り口にするか、どのような視点で物語を語るのかも決めます。[1]
    • 例えば、主人公が悪いニュースを受け取った場面、あるいはあまり嬉しくないタイミングで主人公の友人や家族が訪問してきた、というようなシンプルな場面から物語を始めてもよいでしょう。
    • あるいは主人公がパラレルワールドで目を覚す、といった場面や、主人公が他人の深く暗い秘密を知ってしまう、といった、複雑な物語に発展しそうな場面から始めることもできるでしょう。
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    主人公の複雑な内面に焦点を当てる 短編小説は、ほとんどの場合、多くとも1〜2人の主人公に焦点を合わせたものになります。何をしたいか、何を求めているのかがはっきりしている主人公、しかし矛盾にも満ちた主人公を想定します。善人、悪人といった単純な人物設定は避けます。主人公を特徴のある感情豊かな人物にすると、物語は面白くなるものです。複雑で人間性豊かな人物設定にしましょう。[2]
    • 実際に知っている人物をモデルにしても、街でたまたま見かけた人の特徴を利用してもよいでしょう。
    • 例えば、学校で周りになじみたいと思いつつも、兄をいじめから守らなければならないと感じている若い10代の少女を主人公に取り上げるのもよいでしょう。あるいは孤独な老人がだんだんと心を開き、隣人と友情を育んでいたところ、隣人が犯罪に手を染めていたことに気付く、といった物語も面白いでしょう。
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    主人公が直面する葛藤を導入する 良い短編小説には、軸になる衝突や葛藤があります。主人公は目の前に突きつけられた問題に対処しなければなりません。主人公の日常に苦悩や苦痛をもたらす葛藤は早い段階で提示します。[3]
    • 例えば、主人公が大きな野望を持つものの、なかなか実現につながらない、という状況もあるでしょう。主人公が劣悪な状況、あるいは危険な状況に追い詰められ、生き延びる方法を必死で’探らなければならない、といった状況も考えられます。
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    興味深い舞台設定にする 舞台設定、つまり物語の出来事が展開される状況の設定は、短編小説では重要な要素の一つとなります。短編小説の場合、中心軸になる舞台は1つでよいでしょう。登場人物を描写しながら、状況についても説明していきます。自分でも面白いと思える設定にしないと、読者の興味もそそられません。[4]
    • 例えば、自分の故郷の高校を舞台に設定したり、火星の小さな植民地での出来事を物語にしても面白いでしょう。
    • あまりにも多くの舞台設定を短編小説に持ち込むと、読者が混乱します。1つか2つの舞台設定で十分です。
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    一定のテーマを持たせる 短編小説には、語り手や主人公の視点から特定のテーマを追うものが多くみられます。「愛」、「欲望」、「喪失」といった幅広いテーマをとりあげ、それを主人公の視点で考察していく流れにしてもよいでしょう。[5]
    • あるいは「兄弟間の愛情」、「友情への憧憬」、「親の喪失」など、より具体的なテーマに焦点を当てることもできます。
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    感情的な山場をつくる 良い短編小説には、主人公の感情がクライマックスに達する衝撃的な瞬間があります。クライマックスは、通常、物語の後半あるいは終盤近くで起こります。物語のクライマックスでは、主人公が打ちのめされたり、囚われの身になったり、絶望のどん底に突き落とされたり、コントロール不能になったりするものです。[6]
    • 例えば、主人公である孤独な老人が、犯罪行為について隣人を問いつめる場面に感情的なクライマックスを持ってくることができるでしょう。主人公の若い10代の少女が、兄弟のために学校のいじめに対して立ち上がるシーンも感情的なクライマックスになる可能性があります。
  7. 7
    締めにひねりや意外性を持ってくる 読者をあっと言わせたり、ショックを与えたり、感心するようなエンディングを考えてみましょう。読者が容易に予測できるような結末は避けます。読者にこれで一件落着だ、と安心感を与えてから、別の登場人物やシーンなど、意外な方向に視点を移し、衝撃的な幕切れにします。[7]
    • 読者を驚かせるためだけに、あざとい仕掛けやワンパターンな幕切れを持ってくるのは、かえって興ざめです。物語が進行する中で緊張感とサスペンスをだんだんと高めていき、読者が最後にはっとするような流れをつくります。
  8. 8
    短編小説の名作を読む 素晴らしい作家の名作から短編小説の魅力とは何なのかを学びとりましょう。文学作品からSFやファンタジー作品まで、色々なジャンルの短編小説を読んでみます。作者が人物像、テーマ、設定、筋をどう効果的に活用しているかに注目しましょう。参考になる作品をいくつか以下に紹介します。
    • アントン・チェーホフ著『犬を連れた奥さん』[8]
    • アリス・マンロー著『Something I’ve Been Meaning to Tell You』
    • J.D.サリンジャー著『エズミに捧ぐ ― 愛と汚辱のうちに』[9]
    • レイ・ブラッドベリー著『雷のような音』[10]
    • ニール・ゲイマン著『雪と鏡とりんご』
    • E・アニー・プルー著『ブロークバック・マウンテン』[11]
    • グレイス ペイリー著『必要な物』
    • チママンダ・アディーチェ著『アポロ』
    • ジュノ・ディアス著『こうしてお前は彼女にフラれる』
    • エドウィージ・ダンティカ著『Seven』

パート 2
初稿にとりかかる

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    あらすじをまとめる 短編小説は、5つの部分で構成します。提示部、きっかけとなる事件、山場へと盛り上がっていく出来事、クライマックス、筋の収束、そして解決部です。あらすじは、物語の導入部、中間部、終了部が明確になるように、実際に物語を書くときに参照ガイドとして使用します。[12]
    • スノーフレーク方式と呼ばれる執筆方法を試してみてもよいでしょう。作品を1文にまとめることから始め、段落1つ分の要約、物語のすべての登場人物の概要、そしてシーンの集計表、と次第に詳細に作品を構築していく手法です。
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    興味をひく出だしで始める 冒頭には、読者を引き込むようなアクション、衝突、尋常でないシーンを持ってきます。主人公と舞台設定は、最初の段階で紹介します。そこから読者がだんだんと主要なテーマや世界観を読み取っていけるように綿密に物語を組み立てていきます。[13]
    • 例えば、「その日わたしは一人ぼっちだった」というような出だしは、語り手についてあまり多くが分からず、特に珍しくも面白そうでもありません。
    • こんな書き出しではどうでしょう。「妻が去った翌日、ケーキ用の砂糖を貸してくれないか、と隣人のドアを叩いていた。ケーキなど焼くつもりもなかったのに。」これは、過去に起こったであろう衝突、妻が家を出て行ったこと、そして隣人が介在することで、現在の主人公のテンションがまざまざと読み取れる出だしです。
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    視点は1つにする 短編小説では、通常、第1人物の視点で語られ、その1つの視点のみに終始します。焦点や世界観が分かりやすくなるように、短編小説には多様な視点を持ち込みません。もちろん第三者の視点で短編小説を書くこともできます。その場合、作品と読者の間の距離が少し遠ざかる恐れがあることは認識しておくべきでしょう。[14]
    • 二人称、つまり「あなた」に向けた語り口を使った作品もあります。テッド・チャンの短編小説『あなたの人生の物語』やジュノ・ディアスの短編『こうしてお前は彼女にフラれる』のように、通常、二人称の人物が物語に不可欠である場合にのみ採用されるべき手法です。
    • ほとんどの短編小説は過去時制で書かれますが、ストーリーに即時性を与えたい場合は、現在時制を使用しても構いません。
  4. 4
    会話でも人物像を浮かび上がらせ、物語を進行させる 短編小説の中の対話部分は常に多くの役割を果たします。登場人物同士の会話を通じて、登場人物の人となりについて読者に何かを伝えると同時に、物語の全体的な流れを先に進めるべきです。会話引用句も有効に利用し、登場人物についての「何か」を暴露し、シーンに緊張感や葛藤をもたらす工夫をします。[15]
    • 例えば、単純に「やぁ、元気にしてたかい?」にとどまらずに、登場人物の「生の声」を盛り込みます。「やぁお嬢さん、最近どうだい?」、あるいは、「どうしてたの? 何十年振りじゃないかしら?」など、付随情報を盛り込みます。
    • 「と彼女は口ごもった」、「と私は興奮してまくし立てた」、「と彼は叫んだ」といったように会話引用句も大切な役割を果たします。例えば、「『どこにいたの?』と彼女は言った」、ではなく、「『どこにいたの?』と彼女は詰問した」、あるいは「『どこにいたの?』と彼女は金切り声を上げた」などと描写することができるでしょう。
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    舞台設定に感覚的な詳細を盛り込む 状況描写には、音、味、匂い、印象といった主人公の感覚を盛り込みます。読者がまざまざと実感できるような感覚的描写を使用しましょう。[16]
    • 例えば、古い高校について、「体育館の靴下、ヘアスプレー、夢に終わった夢、チョークの臭いが混然とたちこめる巨大な工業建築」と描写することができるでしょう。あるいは、自宅から見上げた空を「早朝、鬱蒼とした森林からの灰色の濃霧に覆われた一面真っ白な空」と表現することもできるでしょう。
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    最後になんらかの悟り、あるいは目覚めを持ってくる 悟りや目覚めといっても、世紀の大発見や、あからさまに目から鱗が落ちるような体験でなくても構いません。主人公が成長し始めている、あるいは主人公のものの見方が変わった、といったような微妙なものでよいのです。オープンエンドな気付きで終わっても、あるいは何もかもが氷解したといった明解な認識で幕を閉じてもよいでしょう。[17]
    • 登場人物の変化や転換点を暗示するようなイメージや会話で終えることもできます。
    • 例えば、主人公が、友人を失うことになるとしても、隣人を密告する決心をした、という場面で終わらせることができるでしょう。または、夕飯時に主人公が血を流した兄弟と一緒に帰宅するシーンで終わらせることもできます。

パート 3
原稿を推敲する

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    原稿を口に出して朗読してみる 文章がどのように響くか、特に会話がどう流れるかを耳で確認します。段落間も上手く物語が流れているかを確認します。不自然な文章や言い回しがあれば、下線を付け、後で編集する目印にします。
    • 物語が以前準備したあらすじ通りに進行しているか、主人公の葛藤が明確に描かれているかに注意して読み返しましょう。
    • 原稿を朗読すると、誤字や文法、句読点の誤りも見つかりやすいものです。
  2. 2
    分かりやすさと流れに注意して原稿を編集する 短編小説は、一般的に原稿用紙10枚から80枚程度の長さです。無駄な場面をカットしたり、冗長な文章を削除したりして、作品を引き締めましょう。この物語で自分が言いたいことを伝えるのに絶対に欠かすことのできない詳細やシーンだけに絞り込みます。[18]
    • 通常、短編小説は、短ければ短いほどよい、というルールがあります。ただ単に語感が好きだからという理由だけで、メッセージ性も効果もない文章を残すのは意味がありません。これ以上削除できないところまで容赦なく無駄をそぎ落とします。
  3. 3
    興味をひく題名をつける ほとんどの編集者も読者も、まず物語の題名を見て、読みたいかどうかを判断するものです。読者が興味をそそられ、実際に読んでみようと思うような題名を選びます。物語のテーマ、イメージ、あるいは登場人物の名前を題名にしてもよいでしょう。[19]
    • 例えば、アリス・マンローの『Something I’ve Been Meaning to Tell You (ずっと言おうと思ってたんだけど)』という題名は、物語の登場人物のせりふであると同時に、「私」は読者と何かを共有したい、という思いを読者に直接語りかけてくるものです。
    • ニール・ゲイマンの『雪と鏡とりんご』も優れた題名でしょう。それぞれ興味深い3つの物体がまとめて一つの物語で提示されることで、一層面白さが増します。
  4. 4
    他の人に批評をお願いする 友人、家族やクラスメートに作品を読んで貰いましょう。心に響いたか、共感できるかどうか聞いてみます。厳しくとも建設的な批判は受け入れ、作品の質の向上に活かしましょう。
    • また作家同人会に参加し、ワークショップで作品を披露してもよいでしょう。友達と一緒に自分たちで執筆グループを立ち上げ、お互いの作品を批評しあうのもよいアイディアです。
    • 他の人からフィードバックを貰えたら、意見を取り入れて作品を推敲し、最高の原稿に仕上げます。

記事の情報

この記事はStephanie Wong Kenが共著しています。 ステファニー・ウォング・ケンはポートランド州立大学にてクリエイティブ・ライティング(文章創作)の修士号を取得しています。

カテゴリ: 執筆 | 学び・コミュニケーション

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