研究論文を書く方法

4 方法:テーマを決めるリサーチを行う概要を作成する論文を書く

高校、大学へと進むと、研究論文を書く機会があることでしょう。研究論文とは、科学的問題、技術的問題、社会的問題をリサーチし、議論する目的で書かれる論文です。初めて研究論文を書く時は、難しく感じるかもしれませんが、構成をしっかり組み、論点がぶれないように注意すれば、作業が進めやすくなります。研究論文の作成には、テーマの選択、テーマに関するリサーチ、概要の作成、本文の記述と、大きく分けて4つの段階があります。すらすら論文が書けるようになるとは言いませんが、きっちり計画して十分に準備を整えれば、後の作業はスムーズに進められるものです。言うまでもなく、盗作は決して許されるものではありません。

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テーマを決める

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    重要な点について熟慮する クラスや職場での特定のガイドラインによって既に規定されている場合もあるでしょうが、トピックの選択は、研究論文の準備の第一歩であり、最も重要なステップです。自由に議論する内容を選べるとしても、厳密に要件が規定されているとしても、考慮すべき重要な点がいくつかあります。テーマに関するリサーチ材料は十分にあるか? 使い古された論点ではないか? ユニークな意見を提示できる程度に新しい観点の余地があるテーマなのか? 授業内容あるいは業務との関連性は高いか? といった点について自問自答してみましょう。
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    非常に興味を惹かれるテーマを選ぶ できる限り自分自身が情熱を注ぐことができる内容を選びましょう。議論していて喜びを感じるようなテーマについて書くと、書き手の熱意が必ず論文に反映されるものです。興味のあるテーマを選ぶことが、よい論文を書く最大の秘訣とも言えます。
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    独創性を見失わない クラスの課題で研究論文を書く場合、他の学生も論文を提出することを忘れないようにしましょう。同じテーマについて書く学生は何人いるでしょうか? 皆が同じテーマを論じるとすると、どうしたら論文の独自性を保ち、読み手の興味が湧くような内容にできるでしょうか?
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    アドバイスをもらう 「ずばり」と感じるテーマがなかなか思いつかない場合、教授や同僚あるいはクラスメートに相談してみましょう。直接的にテーマを与えてくれなくとも、意見交換をする中で新しいアイディアが湧いてくるかもしれません。教授に助けを求めるのはどうしても二の足を踏んでしまうものかもしれませんが、一般的に教授は学生の学業成就を望むものであり、できる限りのアドバイスを与えてくれるはずです。
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    テーマを変更するなら躊躇しない テーマを決めて、リサーチを始めた後で、何らかの理由でテーマが適当でなかったと気付いたとしても、悩む必要はありません。少し回り道をしたことになりますが、リサーチ開始後にテーマを変更しても、全く問題はありません。

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リサーチを行う

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    リサーチにとりかかる テーマが定まったら、リサーチを開始します。情報源は、ウェブページ、雑誌記事、書籍、百科事典、インタビュー、ブログ記事等、多様な形態が考えられます。時間をとってテーマに相応しい専門文献を探します。少なくとも5つの文献は押さえましょう。決して1〜2の情報源だけに頼ってはいけません。[1]
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    実証研究を探す できる限り同じ分野の専門家による批評論文がある実証的研究論文を探します。こういった論文は、関連分野の専門家の筆による記事や書籍であり、同じ分野の他の専門家によって読まれ、その質が保証されています。科学雑誌やオンラインで見つかるはずです。
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    図書館で調べる 地元や大学の図書館に行ってみましょう。古臭い方法のように思えるかもしれませんが、図書館は新聞や雑誌から学術誌まで、役に立つ研究資料の宝庫です。遠慮せずに図書館員に質問してみます。図書館員はリサーチに関する専門訓練を受けており、どんな分野の文献がどこに保管されているかを熟知しています。
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    オンラインで検索する 検索エンジンで上位3つの結果を参照するだけではいいリサーチ方法とは言えません。批判的思考を駆使し、あらゆる情報源を徹底的に読み取って正当性を判断しましょう。ウェブサイト、ブログ、およびフォーラムは、必ずしも事実に基づいた情報のみが掲載されるわけではありません。見つけた情報が信頼できるものであるかは必ず検証しましょう。
    • 一般的に言って、.edu、.gov、あるいは.orgで終わるウェブサイトの情報は安心して利用してよいでしょう。上記のサイトは論文のテーマを扱うような教育機関、政府諸機関、あるいは団体が運営しているからです。
    • 検索条件を色々試し、違う検索結果が得られるように工夫します。検索結果が思わしくないのは、単に検索条件が探しているテーマを扱った記事の題名と一致しなかった場合もあるからです。
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    学術データベースを利用する 何千ものピアレビューや科学出版物、学術雑誌、書籍を検索する特殊な検索エンジンや学術データベースが存在します。多くは有料会員のみが利用できるサービスですが、現在大学生であれば、大学の会員資格で自由にアクセスできるはずです。
    • 論文のテーマの関連分野に特化したデータベースを探します。例えば、PsycINFOは心理学および社会学の分野のみを扱う学術データベースです。一般的な検索エンジンを利用するよりテーマに適合する検索結果が得られるでしょう。[2]
    • ほとんどの学術データベースは、複数の検索条件入力欄と、一種類のリソース(学術雑誌記事のみ、あるいは新聞のみ等)を指定できるアーカイブを提供しており、特定の情報の絞込み検索能力に優れています。この機能を有効利用し、できるだけ多くの検索条件ボックスを使って的を絞った検索をかけてみましょう。
    • 学校が会員となっている学術データベースとパスワードの一覧は、学校の図書館の学芸員に見せてもらいます。
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    創意工夫してみる 例えば、題材に完全にマッチする本や学術雑誌と出会ったら、末尾の引用/ 参考文献/ 参考文献一覧を調べてみましょう。テーマに関連する本や学術雑誌が沢山見つかるはずです。

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概要を作成する

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    リサーチ結果に注釈をつける 研究資料の収集を終えたら、印刷し(オンライン資料の場合)、付箋紙等、メモをつけるのに必要な文房具を用意します。このステップは非常に重要です。収集した資料を通読し、重要だと思う事項のメモを取り、主要な事実および言い回しに印をつけていきます。重要な箇所に付箋紙や紙切れを挟みます。コピーを取った資料には直接書き込んでもよいでしょう。[3]
    • 最終的に概要および論文の作成が容易になるように注釈作業を進めます。ひょっとして重要かもしれないと思う事柄や論文で使う可能性がでてくるかもしれないと思う箇所にも印を付けていきます。
    • その際、論文のどこで利用できるかについてコメントやメモを残します。実際に論文を書き始めた後、書き留めておいた自分自身の考えを見返すことができ、後の作業が楽になります。
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    メモを整理する 研究資料の通読は時間のかかる作業ですが、概要作成のためにはもう一歩進めた作業が必要になります。印をつけた箇所や主張を内容別に分類し、メモを整理します。例えば、著名な文学作品の分析論文を準備する場合、登場人物別のメモの一覧、筋の特定の箇所に関する参照事項一覧、作者の提示する象徴表現の一覧等々にまとめます。
    • 印をつけた引用部分や事柄を小型のカードに書き出すのもよいでしょう。カードを利用すると、構成を確定する作業中に並べ替えて議論の流れを整理することができます。
    • メモを色分けすると便利です。まず情報源別にすべてのメモの一覧を作成し、内容によって色別に分類します。例えば、特定の本や学術雑誌からのメモをすべて紙に書き出してまとめた後、登場人物に関する内容には緑、筋に関するものはオレンジ等々、マーカーで分別していきます。
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    参考文献/参照資料ページの草案を作成する メモを整理する際、各情報源の著者、ページ番号、題名、出版情報を書き留めましょう。後で参考文献・引用一覧を作成する時に便利です。
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    論文のゴールを特定する 概して研究論文には、論証論文と分析論文の2種類があります。この2つは焦点と文体が少し異なるため、論文を書き始める前にどちらにするか決めておくべきでしょう。
    • 論証研究論文は問題について議論する体裁をとります。特定の視点の主張を提示し、それに対する論理的な反論を展開していきます。
    • 分析的研究論文は、重要な問題について新たな見解を提示するものです。テーマについては議論の余地がないかもしれませんが、提示する自分の見解の価値を読み手に納得させなければなりません。単にリサーチ結果をまとめるのではなく、リサーチを通して学んだことに基づいて独自の考察を展開します。
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    読み手を特定する 論文は誰が読むのでしょうか? 印刷する価値のあるものでしょうか? 教授や上司のために準備する論文かもしれませんが、読み手を念頭に置いた文調や視線を維持することは重要です。学術論文の場合、論文内の情報は既知の情報を反映するべきであり、該当分野では周知であろう基本概念や理論についての説明は必要ありません。一方、論じるテーマについての知識があまりない読み手を対象とする場合、研究に関連する根本的な概念や理論の説明と例を挿入するべきでしょう。[4]
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    主題文を書く 論文の最初の数文は主題文として論文の主旨や論点を提示します。主題文の言い回しは後で変更することはできますが、論文の最終的な結論は最初に練っておく必要があります。本文の内容は常に主題文をめぐる考察となります。論文が何についての論文であるかはまず最初に明確にしておくべきです。[5]
    • 論文を構築するのに最も簡単な方法は、特定の問いに答える形式をとる方法です。論文が主眼とする問題や仮説は何でしょうか?例えば、論文での問いが、「文化的受容が精神病治療の成功をどう変えるか?」であるとしましょう。この問いが論文の枠組みとなり、この問いに対する返答が論文の内容となります。
    • 主題文では主要な見解が提示されていなければなりません。論拠をくまなく網羅したり、論文全体の概説を記述することは必要とされていません。主題文は簡潔な断定文であるべきです。証拠の羅列ではありません。主張の根拠については続く部分で記述していきます。
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    中心となる主張を確定する 本文では、最も重要であると判断した主張を中心に議論を展開していきます。リサーチ結果や注釈を参照し、議論や情報の提示において最も重要なポイントを特定します。多くを論じたいのはどんな主張か、論拠となる確かな事実と研究が多くあるのはどんな見解か、という観点から重要と思われる点を書き出し、それぞれの主張の下に関連するリサーチ結果を整理します。
    • 中心となる主張は一定の順序で論じるべきです。最も強調したい主張は論文の冒頭と末尾に記述します。その他の見解は論文の中盤あるいは終わり近くで展開します。
    • 比較的長い研究論文を書く場合は、中心的見解を無理に1段落に短縮する必要はありません。必要に応じ、何段落かを使って主張を展開すべき場合もあるでしょう。
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    形式に関するガイドラインに準拠する 扱う分野での慣習、クラスのガイドラインあるいは形式上の規定など、論文を特定の形式で作成しなければならない場合もあります。例えば、序論、手順、結果、議論などの見出しをつけて内容を整理することが要求される場合もあります。論文の概要および最終論文の作成方法は、こういった構成についてのガイドラインに左右されることになります。[6]
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    概要を最終化する 前述のヒントを念頭に置き、概要全体の構成を整理します。主要な主張は左端揃いにし、サブセクションとメモはその下に字下げする配置の形式にします。概要は論文全体を箇条書きにまとめたものであるべきです。最終的な論文を書く際、始終リサーチ内容に戻って参照するという作業を繰り返す必要のないよう、各ポイントの終わりに引用文章もまとめておきます。

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論文を書く

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    本文を書く ピンとこないかもしれませんが、まず最初に序論を書くのは、本文の肝となる部分を書くよりも難しい作業となります。論拠を構築していくことに留意しつつ主なポイントから記述し始めると、主張やその解説内容を自由にコントロールすることができます。
    • 意見には必ず論拠を示しましょう。これは研究論文であり、リサーチ結果に基づき、直接的に事実によって立証できない主張はないはずです。
    • 研究に関する説明は十分に行います。事実的根拠がない主張と同様、事実を意見なしに提供するのは意味がないことです。確かに論拠を示す事実は多く記載したくなるものですが、できる限り自分の解説を加えることで論文の独自性を保ちましょう。
    • 長い直接引用の多用は避けます。リサーチに基づく論文と言っても、論文作成の目的は自分自身の見解を提示することです。使いたい引用は絶対に必要な場合を除き、自分の言葉で言い換え、分析した結果を記述するように努めます。
    • 主張と主張の間は自然な流れで論点が移行するようにします。突如として議論を終了し、次の論点の記述を始めるのではなく、一定の流れが必要です。段落同士も上手くつながりを持って流れるようにします。
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    結論を書く 慎重に論拠を記述した後、所見を簡潔に要約し、読み手が論文の締めだと分かるような結論部を書きます。まず主題文を簡潔に言い換え、論じてきたポイントを読み手に再確認します。徐々に議論の焦点を広げ、最後はより広範囲への影響を述べ、広い視点での見解を提示することで結びとします。
    • 結論部を書く際の目標は、簡単に言うと、「だからどうした?」という問いかけに答える、あるいはそういった揶揄が出てこないようにすることです。論文を読んで何かが得られたと読者に感じさせることができれば目標達成です。
    • 導入部に取り掛かる前に結論を書くことが推奨されるのにはいくつか理由があります。まずリサーチ内容がまだ記憶に新しいうちに結論を書く方が作業が難しくありません。また結論部において最善の言い回しを使い切ってから、その概念を導入部でさほど強くない言い回しで言い換える方が、読み手により強烈な印象を後々まで残すという点で望ましいからです。
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    導入部を書く 導入部は多くの点で結論の逆と言えます。まず一般的な広いトピックから始め、取り扱う分野へと焦点を移していきます。最後に主題文を記述します。結論と全く同じ語句の使用は避けます。
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    論文を正式に文書化する 盗作を避けるため、研究論文は特定の方式で文書化しなければなりません。リサーチ内容や研究分野によって規定の書式を使用しなければならない場合があります。例えば英文論文では、MLA、APA、シカゴと3種類の一般的な引用形式があり、本文中の引用および脚注の形式や論文の構成の順序が決められています。
    • MLA形式は、通常、文学研究論文で使用され、「引用文献」一覧のページを末尾に付けます。本文中の引用が必要とされます。
    • APA形式は、社会科学分野で使用され、本文中の引用が必要となります。論文の最後に「参照文献」ページを添付します。また本文の段落間にセクションヘッダを挿入してもよいとされます。
    • シカゴの書式は主に歴史的研究論文に使用され、本文中の引用あるいは引用文献や参照文献のページを添付するのではなく、各ページの下部で脚注として引用します。
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    原稿を編集する ざっと原稿に目を通して誤字脱字を訂正するだけで終えるのではなく、論文にはもう少し突っ込んだ作業が必要となります。少なくとも1人、できれば2人以上に原稿を読んでもらいます。基本的な誤字脱字や文法上のミスだけではなく、論文の説得力、文章の流れ、体裁についても直してもらいましょう。
    • 自分で編集する場合は、少なくとも3日間寝かせてからにします。文章は仕上げてから数日は鮮明に意識に残っており、時間をおけば気付くであろうミスを見過ごしがちである、という研究結果もあります。
    • 人に編集して貰った点は面倒がらずに検証しましょう。論文の一部を書き直した方がよい、というようなアドバイスを貰った場合などは、それ相応の正当な理由があるはずです。編集作業には万全を期します。
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    最終原稿を作成する 何度も推敲を重ね、主題に応じた形式に整え、主要な主張を万全なものにしたら、最終原稿の作成にとりかかります。論文を熟読して間違いを直し、必要に応じて情報の配置の順序を変更します。分野あるいは教授の形式要件に従って、フォント、行間、マージンを調整します。必要があれば、紹介ページや参考文献ページを作成し、冒頭と末尾に加えます。これで最終版の完成です。原稿は必ず保存し(念のため一ヶ所ではなくいくつかの場所に保存し)、最終版を印刷します。

ポイント

  • 締め切りは守りましょう。
  • ぎりぎりまで先延ばしにするのはやめましょう。
  • リサーチ中に重要なテーマ、論点、課題を特定しておきます。論文では広範囲な考えを多く盛り込むのではなく、本当に突き詰めたいことに的を絞って議論を進めます。
  • 使用する情報が論点と一致すること、また情報が正確であることを必ず確認しましょう。

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