破傷風のワクチン接種については知っている人がほとんどですが、いつ接種を受けるべきかを知っていますか?日本をはじめ世界の多くの先進国においては予防接種を受けている人が多いため、破傷風に感染することは稀です。破傷風は土壌や泥、動物の排せつ物などに常在する細菌毒素によって感染し、効果的な治療法がないことから予防接種を受けることが重要です。この有毒な菌が形成する芽胞は、熱や多くの薬および化学物質に対して耐性があるので、排除するのが非常に困難です。破傷風を発症すると神経に作用し、特に顎や首の筋肉をはじめとした筋肉の硬直が激しい痛みを伴っておこります。呼吸困難に陥ることもあり、命にかかわる恐れがあります。このような理由から、破傷風のワクチン接種が必要になる状況を理解することが重要です。

パート 1 の 3:
破傷風のワクチン接種が必要になる場合

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    特定の傷を負った場合は、破傷風の追加接種を受けます。通常、細菌毒素は破傷風菌に侵された物質によって、怪我をして破れた皮膚から体内に侵入します。次の傷のうち当てはまるものがあれば破傷風になる可能性が高いので、追加接種を受けましょう。
    • 傷口が土やほこり、馬糞などで汚れている場合。
    • 刺し傷。木の破片、釘、針、ガラス、人間や動物に噛まれて生じる傷です。[1]
    • やけど。浅達性Ⅱ度(真皮層の一部分もしくは水疱を伴うやけど)や深達性Ⅱ度(真皮層全体に及ぶやけど)はⅠ度(表皮のやけど)に比べると感染症のリスクが高くなります。[2]
    • 重い物2つに挟まれて細胞の組織が損傷を受けるような圧挫傷。重い物が体の部分に落ちてきた場合にも起こる怪我です。[3][4]
    • 壊死組織や死細胞などを生じた傷。このような細胞組織は血液の供給がないので感染症のリスクが高くなります。 (重度に損傷を受けた組織に加えて)例えば、体の壊疽(体の壊死組織)した周辺は感染のリスクが高くなります。[5]
    • 傷口に異物が混入している場合。傷口にとげやガラスの破片、砂利などの異物が混入している場合は感染する可能性が高くなります。[6]
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    破傷風のワクチン接種をすべき時期を知ります。破傷風の予防接種を過去に3回受ておらず基礎免疫を持っていない人や、最後に破傷風ワクチンの接種をいつ受けたのかを覚えていない人はワクチンの接種を受けましょう。怪我をして、破傷風ワクチンの追加接種を受けるべきか迷ったら次のような場合には追加接種を受けましょう。[7]
    • 傷が清潔な物質によって生じたが、過去10年以内にワクチンの接種を受けていない場合。
    • 傷が不衛生な物質によって生じ、過去5年以内にワクチンの接種を受けていない場合。
    • 傷が清潔な物質か不衛生な物質によって生じたのか不明で、過去5年以内にワクチンの接種を受けていない場合。
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    妊娠中にワクチンの接種を受けます。赤ちゃんに破傷風の抗体を与えるために妊娠27週から36週の間にワクチンの接種を受けましょう。[8]
    • 妊娠後期にワクチンの接種を希望すると、三種混合ワクチン(破傷風・ジフテリア・百日咳)の不活性ワクチンの接種を医師に勧められるでしょう。[9]
    • 三種混合ワクチンの接種を一度も受けたことがなく、妊娠中にも接種していない場合は、出産後すぐに接種を受けましょう。[10]
    • 妊娠中に不衛生な切り傷や怪我を負った場合は、ワクチンの追加接種を受ける必要があるでしょう。
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    免疫をつけます。破傷風を治療する最良の方法は、まず予防することです。ワクチン接種に関して深刻な副作用が起こることは稀ですが、軽い副作用が出ることもあります。接種局部の腫れや圧痛、発赤などが一般的ですが1~2日で治ります。[11] 破傷風の追加接種を多く受けても心配する必要はありません。過去のワクチン接種から10年が経過していないうちに追加接種を受けても、普通は問題ありません。破傷風のワクチンには数種類あります。具体的には[12]
    • (DPT-IPV)四種混合ワクチン(百日咳、ジフテリア、破傷風、ポリオ)は生後3か月から接種できます。3~8週間隔で3回、3回目の約1年後(6か月後から接種可能)に4回目を接種します。四種混合ワクチンは小さな子供にとても効果的です。
    • (DT) 二種混合ワクチン(破傷風・ジフテリア)時間がたつにつれ破傷風の免疫が弱くなるので、追加接種が必要になります。11歳から13歳の間に2種混合ワクチンを1回接種します。
    • (DT) 二種混合ワクチン(破傷風・ジフテリア)成人したら 二種混合ワクチンの追加接種を10年に1度受け、免疫を持続しましょう。抗体が5年たつと弱くなる人もいるので、追加接種から5年以上経過して、深く汚れた傷を負った場合には追加接種を受けましょう。[13]
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パート 2 の 3:
破傷風について理解し、その症状に気づく

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    どのような人が破傷風にかかりやすいのか、またどのようにして感染が広がるのかを理解しましょう。ほぼすべての場合において、破傷風を発症するのはワクチンの接種を受けたことがない人や、成人して10年ごとに追加接種を受けていない人です。[14] この病気は人から人への感染はしないものの、他のワクチン接種で予防できる病気とはかなり異なります。[15] 代わりに、傷口から体内に侵入した細菌の芽胞によって感染します。破傷風菌は強い神経毒を産出し、それによって筋肉の痙攣や硬直がおこります。
  2. 2
    破傷風を発症するリスクを減らします。傷を負ったら直ちに洗浄、除菌します。傷を除菌するのが4時間以上遅れると破傷風を発症する可能性が高くなります。[18] 傷が何かに刺されてできたものの場合には、早めの除菌が特に重要になります。刺し傷は細菌や異物が傷口深くに入り込み、細菌が繁殖するのに最適な状況を作ってしまうからです。
    • 破傷風の追加接種を受けるかどうかを判断するために、傷をつけた物質の衛生状態を確認します。不衛生な、汚染された物質とは泥や土、唾液、排泄物、糞尿などが付着したもので、清潔な物質にはそのようなものが付着していません。衛生状態を確認するということは、必ずしも細菌が付着しているかどうかを知るということではありません。
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    破傷風の初期症状を知ります。破傷風の潜伏期間は3~21日で平均的には8日です。破傷風の段階は4期にわけられます。潜伏期を経て症状が現れるまでが長いほど、症状は緩やかになる傾向があります。[19] 一般的な破傷風の症状は(症状の発生順に)[20]
    • 顎の筋肉の強直性痙攣(一般に「開口障害」と言われる状態)
    • 首筋の張り
    • 飲み込むことが困難(嚥下障害)
    • 腹筋の硬直
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    破傷風の他の症状を理解します。症状を知覚することで破傷風と診断できます。血液検査で診断がつくわけではないので、一つ一つの症状に注意する必要があります。発熱や発汗、血圧の上昇、心拍数の増加(頻脈)などに気付くこともあります。[21] 起こりえる合併症を理解します。 [22][23]
    • 喉頭や声帯の痙攣。呼吸が困難になります。
    • 骨折
    • 発作、痙攣
    • 心拍の異常
    • 肺炎などの二次感染がおこると入院が長引きます。
    • 肺動脈塞栓症または、肺の血栓
    • 死亡 (破傷風感染の届け出がされた中での致死率10%)
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パート 3 の 3:
破傷風の治療

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    医療機関で手当を受けます。 破傷風の疑いがあるだけでも、直ちに医療機関で処置を受けましょう。破傷風は致死率が高いので(10%)救急治療や入院する必要があります。病院では抗破傷風免疫ヒトグロブリンなどの抗毒素の投与で、神経組織に達していない毒素を中和します。傷をきれいに洗浄し、将来の感染を防ぐためにワクチンの接種を受けます。[24][25][26]
    • 破傷風に感染しても免疫がつくわけではありません。その代わりに、ワクチン接種を受けて再感染を予防する必要があります。
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    医師に治療の方法を決定してもらいます。破傷風は血液検査で判別できないので、検査は診断にあまり役にたちません。そのため、感染が疑われれば医師は成り行きを見たりせずに積極的な治療を行います。
    • 医師は主に症状や臨床徴候に基づいて診断を下します。症状が深刻なほど治療は迅速に行われます。
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    破傷風の症状に対処します。破傷風には直接的な治療法がないので、対処療法と新たな合併症への対処が中心になります。抗生剤の静脈内投与や経口投与が行われたり、筋肉の痙攣を抑える薬が投与されます。
    • 筋肉の痙攣を抑える薬にはベンゾジアゼピン系例えばジアゼパム(セルシン)、ロラゼパム(ワイパックス)、アルプラゾラム(ソラナックス)、ミダゾラム(ドルミカム)などの鎮静剤などがあります。[27][28][29]
    • 抗生剤は一般に破傷風に対して効果的なわけではありませんが、破傷風菌の繁殖を抑えるために処方されることがあります。繁殖を抑えると破傷風毒素の産出を緩和できます。[30]
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ポイント

  • 破傷風の追加接種には、ジフテリアと百日咳を同時に予防できる三種混合ワクチン(Tdap )とジフテリアを予防できる二種混合ワクチン(Td )があります。どちらも10年間有効です。
  • 最後に破傷風の追加接種を受けた日付は、かかりつけ医の記録などで確認できるでしょう。予防接種の日付などを記録した記録カードなどを持っている人もいます。予防接種記録票やカードは、病院や自治体、保健センターで取り扱っている場合があります。
  • 感染の恐れがあれば、破傷風や合併症の症状を適切に理解しているか確認しましょう。強直性の発作は重症になると呼吸困難を引き起こします。痙攣がひどくなると脊椎や長骨の骨折につながる恐れもあります。
  • 備えあれば憂いなし。破傷風の感染を心配するのであれば、ワクチン接種を受けましょう。
  • 破傷風に似た症状を引き起こす、稀な病気が2つあります。一つは悪性高熱症という遺伝性の疾患で急な発熱や筋肉の硬直を起こし、一般的な麻酔で発症します。[31] 二つ目は、スティッフパーソン症候群という非常に稀な神経性疾患で、周期的な筋肉の硬直を起こします。通常、症状は40代半ばに現れます。[32]

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注意事項

  • 重篤な傷を負った場合は医療機関で診察を受けましょう。破傷風感染の疑いがあれば、症状が現れるのを待たずに、直ちに適切な治療を受けます。破傷風には根本的な治療法がないので、対処療法で症状を抑えることになります。
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  1. CDC. Updated recommendations for use of tetanus toxoid, reduced diphtheria toxoid, and acellular pertussis vaccine (Tdap) in pregnant women - Advisory Committee on Immunization Practices (ACIP), 2012. MMWR 2013; 62 (07):131-5.
  2. http://www.medicinenet.com/script/main/art.asp?articlekey=47225&page=2
  3. http://www.know-vpd.jp/children/va_dpt.htm
  4. http://www.medicinenet.com/script/main/art.asp?articlekey=47225&page=2
  5. http://www.cdc.gov/tetanus/about/index.html
  6. http://www.immunize.org/catg.d/p4220.pdf
  7. http://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/tetanus/basics/definition/con-20021956
  8. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21357910
  9. http://www.rch.org.au/clinicalguide/guideline_index/Management_of_tetanusprone_wounds/
  10. http://www.scielo.br/pdf/bjmbr/v39n10/6200.pdf
  11. http://www.immunize.org/catg.d/p4220.pdf
  12. http://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/tetanus/basics/definition/con-20021956
  13. http://www.immunize.org/catg.d/p4220.pdf
  14. http://www.cdc.gov/tetanus/about/index.html
  15. http://www.immunize.org/catg.d/p4220.pdf
  16. http://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/tetanus/basics/definition/con-20021956
  17. http://www.cdc.gov/tetanus/about/index.html
  18. http://www.immunize.org/catg.d/p4220.pdf
  19. http://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/tetanus/basics/definition/con-20021956
  20. http://www.cdc.gov/tetanus/about/index.html
  21. http://emedicine.medscape.com/article/229594-medication
  22. https://www.nlm.nih.gov/medlineplus/ency/article/001315.htm
  23. http://www.hopkinsmedicine.org/neurology_neurosurgery/centers_clinics/neuroimmunology_and_neurological_infections/conditions/stiff_person_syndrome.html

このwikiHow記事について

Chris M. Matsko, MD
共著者 by
家庭医(かかりつけ医)
この記事の共著者 by Chris M. Matsko, MD. クリス・M・マツコ医師はペンシルバニア州ピッツバーグ在住の元内科医です。25年以上にわたって医学研究を続け、コーネル大学最優秀指導者賞を受賞しました。テンプル大学にて栄養科学の学士号を取得後、同大学医学部にて2007年に医学博士号を取得。2016年にha この記事は1,437回アクセスされました。
カテゴリ: 健康
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