筋痙攣の治療方法

4 方法:自宅で筋痙攣を治療する筋痙攣の投薬治療を行う平滑筋痙攣を治療する筋痙攣を予防する

筋痙攣は、ふくらはぎ、背中、もも、手などの骨格筋や消化管内の平滑筋など、体中のどの筋肉にも発生する可能性があります。筋痙攣は筋肉の不随意収縮であり、通常は、脱水、筋肉への過負荷、必要な電解質不足などが原因で発生します。[1] また、これは神経刺激に反応して発生することもあります。筋痙攣の治療は患部と原因次第で異なりますが、たいていの筋痙攣は深刻なものではなく、自宅で治療できます。[2]

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自宅で筋痙攣を治療する

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    運動や作業を中止する 筋肉が痙攣し始めたら、行っている運動や作業を中止しましょう。筋痙攣は、運動しているときや日常の作業を行っているときに発生する可能性があります。筋痙攣の兆候が現れたら、行っている運動や作業をすぐに中止して、痙攣に対処しましょう。[3]筋痙攣は痛いかもしれませんが、一般的に症状が長期間続くものではありません。[4]
    • 痙攣が発生した箇所をマッサージしたり、さすりましょう。これによって、筋肉をほぐして患部への血流を増やすことができます。[5]
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    患部を安静にする 痙攣を発症してから数日間は患部を安静にしましょう。特に、背中の痙攣を発症した場合には、安静が必要です。一般的に、痙攣発症後は患部が痛みます。患部の筋肉は緊張している可能性があり、それ以上ストレスにさらされることなく回復するための時間が必要です。安静期間に筋肉が凝り固まってしまうのを防ぐために、患部の筋肉を軽く動かしましょう。
    • 患部の筋肉を軽く使うことは問題ありませんが、痙攣や痛みを感じた場合には、動作を中止しましょう。胴をねじったり、曲げる運動は避けつつ、軽い歩行やストレッチを試みます。
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    ストレッチをする 筋痙攣を発症した場合には、ストレッチが有効です。ストレッチをするときは、筋肉を収縮する方向とは逆方向に引っ張って伸ばします。患部の筋肉をゆっくりと引き伸ばしましょう。筋肉を過度に伸ばしてはいけません。痛みを感じた場合には、中止しましょう。筋肉を伸ばして突っ張りを感じたら、それ以上伸ばすのを止めて、その状態を保持します。各部位を30秒間程度伸ばしましょう。[6]
    • ふくらはぎの痙攣(こむら返り)に有効なストレッチ:壁から1mほど離れて立ちます。両膝と背中を真っすぐにした状態で、両手を壁に突き当てます。踵は床につけておきましょう。[7] 体を前に傾けます。このとき、ふくらはぎが伸びるのを感じるでしょう。ふくらはぎを伸ばしても痛さはなく、心地よく感じるはずです。痛みを感じた場合には、ストレッチを中止しましょう。[8]
    • 足の痙攣やこむら返りに有効なストレッチ:椅子に座って、痙攣した足の足指を上方に、自分の鼻に向かって曲げます。また、足を自分の頭に向けてゆっくりと引き寄せてもよいでしょう。ふくらはぎや足の筋肉が伸びるのを感じるでしょう。
    • ハムストリングの痙攣に有効なストレッチ:床に座り、両脚を前に伸ばします。足首を曲げるのでも伸ばすのでもなく、自然な状態に保ちます。背筋を伸ばしまま腰から前屈して、胸を両脚に近づけていきます。脚の裏が伸びるのを感じたら、そこで静止します。[9]
    • 太ももの痙攣に有効なストレッチ:何かに捕まりながら踵を掴んで、足を臀部に向かってゆっくりと引き寄せます。[10]太ももの前面の筋肉が伸びます。
    • 手の痙攣に有効なストレッチ:指を下に向けた状態で手のひらを壁に当てて、そのまま壁を押します。[11]
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    軽い運動によって背中の痙攣を改善する 背中に痙攣が起きているならば、軽い運動を行うことで痙攣を改善できるかもしれません。患部の痛みや痙攣の症状が軽いときにのみ、運動を行いましょう。背中の痛みや痙攣の症状がひどいときには、運動をしてはいけません。また、運動によって痙攣が悪化した場合には、それを中止しましょう。
    • 背筋を伸ばして、通常よりも膝を高く上げて歩きます。この動作によって、腰を軽く伸ばすことで、筋痙攣が改善される可能性があります。[12]
    • 両手を頭上に上げて5~10秒間静止します。これを1日3~4回行い、1回につき10回繰り返しましょう。この運動は、背中の筋肉を伸ばすのに役立ちます。[13]
    • 床に横たわって、片膝をゆっくりと胸に引き寄せます。そのまま10秒間静止して、もう一方の膝で同様に行います。これを1日2~3回行い、1回につき5~10回繰り返しましょう。[14] 両膝を胸に引き寄せてもよいでしょう。これらの動作によって、腰を伸ばしつつ、他の筋肉を解きほぐすことができます。[15]
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    温熱パッドや氷嚢を使用する 熱によって筋肉が弛緩して、痙攣が止まります。腫れや痛みの緩和には、筋肉を冷やすのが有効です。痙攣が起きたら、まず患部を冷やします。発症後数日間は、3~4時間毎に20~30分間、患部に氷嚢を当てましょう。その後、痙攣が収束しない場合には、蒸しタオルなどの湿気を含むもので患部を20~30分間温めることを1日を通して何度も行いましょう。[16]
    • 「運動時は温める。静止時は冷やす」というフレーズを覚えておきましょう。運動や作業を行う前には患部を温めて、座って休息する前は患部を冷やしましょう。
    • 痙攣が収束するまで4時間毎に15分間、患部を温めましょう。痙攣発症後数日間は、2時間毎に12~15分間、患部を冷やしましょう。
    • 温熱パッドや温湿布、あるいは氷嚢や冷湿布を使用しましょう。ボトルにお湯や冷水を満たして利用することもできます。あるいは、布で包んだ氷や袋入り冷凍豆を使用するのもよいでしょう。[17]
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    水分と電解質を補給する 筋肉が脱水状態になったときには、十分な水分補給が重要です。ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムは筋肉の収縮と弛緩に必須の栄養素です。電解質液(ジュースやスポーツドリンクなど)は、不足した水分とミネラルの補給に役立ちます。
    • 筋肉を激しく使う運動を行うことが事前に分かっている場合には、必ず電解質液で水分とミネラルを補給しましょう。[18]
    • 体内のビタミンやミネラルが不足すると、筋痙攣が起こる場合があります。数種類の高品質のマルチビタミンとミネラルを必ず摂取しましょう。

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筋痙攣の投薬治療を行う

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    市販の鎮痛剤で筋痙攣を治療する 筋痙攣は、時に激痛を伴います。非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDS)などの市販の鎮痛剤の使用について、医師と相談をしましょう。例えば、イブプロフェン(EVEなど)は、薬局やドラッグストアで購入できる市販の鎮痛剤です。[19] あるいは、アセトアミノフェン(タイレノールなど)を試してもよいでしょう。[20]
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    抗炎症薬を服用する 抗炎症薬は患部の過剰な炎症や腫れを抑制します。また、この薬はは患部への血流を促して回復を早めます。医師は最初に行う治療として、抗炎症薬(イブプロフェンなど)の服用を勧めるでしょう。[21]
    • イブプロフェンの代表的な副作用は胃腸障害ですが、アスピリンの副作用に比べるとそれは軽度です。イブプロフェンの副作用には、吐き気、胸やけ、下痢、消化不良、便秘、腹部痙攣、めまい、頭痛、緊張、発疹などがあります。[22]
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    筋弛緩薬を服用する 怪我をしていたり、頻繁にあるいは繰り返し筋痙攣を発症する場合には、かかりつけ医の診察を受けましょう。医師は、筋肉を弛緩させて血流を増加させる作用のある薬を処方できます。[23]服用中の薬が筋痙攣を発症させないかを医師に確認しましょう。[24]
    • アメリカでは、フレクセリル(シクロベンザプリン)は、中枢神経系に作用して筋肉を弛緩させて重度の筋痙攣を軽減するために、一般的に処方されています。この薬は重度の筋痙攣の症状を改善しますが、非ステロイド系抗炎症薬(イブプロフェンなど)の方が効果的であることが実証されています。[25]
    • 筋弛緩薬には依存性が強いものがあります。このことを念頭に置いて、定められた用法と用量を必ず守りましょう。
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    痙攣が慢性的である場合には、医師に相談する 痙攣は通常は自宅で治療できます。しかし、痙攣が激しく痛む、頻繁に起こる、長時間継続する、他の筋肉にも影響を与えるなどの場合には、病院に行きましょう。その痙攣は、治療が必要な潜在的疾患の兆候かもしれません。[26]
    • 通常、筋痙攣自体が診断結果となることはありません。痙攣が発生するということは、診断と治療を要する問題がありうることを意味します。そうした問題は、単に筋肉の使い過ぎから慢性的痙攣に繋がる潜在的代謝異常までさまざまです。

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平滑筋痙攣を治療する

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    平滑筋痙攣の症状を知る 平滑筋痙攣の症状は発生箇所によって異なります。腸痙攣は鋭い痛みと下痢を引き起こします。尿路の痙攣は腎結石があるときによく発生して、激しい痛み、吐き気、嘔吐などを引き起こします。気道の痙攣や呼吸困難に気づいた場合には、迅速に治療しなければ命に関わる可能性があるため、すぐに病院に行きましょう。
    • 胆嚢結石や腫瘍などの消化器系疾患を治療しましょう。尿路の痙攣は、腎結石を取り除くと軽減することがよくあります。結石が排出されるまでの間は、薬を用いて痛みに対処できるかもしれません。[27]
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    病院で消化管、尿路、気道などの痙攣の診察を受ける 残念ながら、心臓や胃などの臓器にある平滑筋を制御することはできません。これらの筋肉の痙攣は、潜在的な疾患の兆候である場合があります。[28]
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    投薬治療を行う 重度の平滑筋痙攣を発症した場合には、医師は薬を処方するかもしれません。例えば、抗コリン薬は食生活や生活習慣を変えてもよくならない腸痙攣の改善に役立ちます。
    • 医師は神経伝達物質のレベルを回復するために薬を処方したり、患部の筋肉を麻痺させるためにボトックスを注射するかもしれません。医師とこれらの治療の選択肢について相談しましょう。
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    鎮過敏性腸症候群(IBS)に対して、鎮痙薬による治療を試みる 過敏性腸症候群である場合には、腸痙攣が起こるかもしれません。鎮痙薬は腸の筋肉を弛緩させる作用があり、痛みの緩和に役立ちます。腸痙攣を発症した場合には、適切な鎮痙薬の処方や治療計画の作成をしてもらうように医師に相談しましょう。[29]
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    トイレ計画を立てて膀胱の痙攣に対処する 膀胱の痙攣を治療するひとつの方法は1時間半から2時間おきにトイレに行くことです。この方法によって、膀胱を空の状態に保ち、尿失禁を防止できます。痙攣が収束するにつれて、トイレに行く間隔を延ばせます。
    • ケーゲル体操(別名:骨盤底筋体操)は、骨盤底筋を意図的に繰り返し収縮、弛緩させて鍛える体操で、膀胱の痙攣の改善に役立ちます。排尿や放屁を我慢するように力を入れると骨盤底筋を収縮できます。この体操がうまくできない場合には、医師から個別に指導をしてもらえます。[30]
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    温熱パックで腹部の痙攣に対処する 温熱パックは、全身の筋肉の痙攣を緩和するのに役立つかもしれません。仰向けになって、温熱パックを腹部に巻き付けます。温熱パックが直に肌に触れないように注意しましょう。[31] 温熱パックを10~15分間当ててリラックスしましょう。ただし、1回につき20分間を超えないようにしましょう。[32]
    • 自分専用の温熱パックを作るために、折り返したときに腹部を覆える大きさのフランネルや布を用意します。温熱パックやお湯の入ったボトルを布で包みます。これをタオルなどを使って体に巻き付けて固定します。

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筋痙攣を予防する

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    十分な水分補給をする 脱水状態になると筋痙攣が起こりやすくなるため、水分補給は筋痙攣の予防のために重要です。特に、運動中の水分補給は不可欠です。1日最低コップ6~8杯の水や健康飲料を飲みましょう。[33]
    • 運動中や病気療養中は、電解質、特にナトリウムとカリウムを補給しましょう。食事、または経口補水液やスポーツドリンクなどの飲料からそれらを補給できます。[34]
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    健康的な食生活を実践する 痙攣の予防のために、正しい食事から栄養を摂って健康を保ちましょう。食生活を整えることは、過敏性腸症候群によって引き起こされる腸痙攣の軽減に役立ちます。特に、カリウム、抗酸化物質、健康的な油脂は筋痙攣の予防に効果的です。以下の食品は痙攣の予防に役立ちます。
    • バナナ、じゃがいも、プルーンジュース、ドライフルーツ、[35]オレンジ、玄米、アボガド、ほうれん草、[36] 魚介類、アーモンド、亜麻仁、エンバク、胡麻、豆腐、ケールなど[37]
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    運動する 定期的な運動は筋肉を伸ばして強化するため、痙攣の予防に役立ちます。[38]理学療法は損傷した筋肉のゆるやかな回復を助けるため、痙攣を軽減するかもしれません。また、定期的な運動は総合的な健康増進にも役立ちます。
    • 何の運動が自分の筋肉に効果的であるかを医師や理学療法士に相談しましょう。[39]
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    定期的にストレッチをする 痙攣は筋肉が(不随意に)収縮したときに発生するため、ストレッチはこのような収縮の予防に効果があります。ストレッチは筋肉を緩めて柔らかくします。[40] あらゆる運動(特に、激しい運動や長時間の運動)の前後には必ずストレッチを行いましょう。[41][42]
    • 夜によく筋痙攣を発症する場合には、就寝前にストレッチを行って、その箇所の筋肉を緩めましょう。[43]あるいは、 サイクリングマシンなどを用いた軽い有酸素運動を就寝前に行い、筋肉をほぐして痙攣を予防するのもよいでしょう。[44]

ポイント

  • 痙攣が慢性的であったり、繰り返し発生する場合には、必ず医師に相談しましょう。誰しもがどこかの時点で痙攣を経験しますが、慢性的な痙攣は治療が必要な潜在的な疾患の兆候の可能性があります。
  • 発泡スチロールのカップに水を入れて凍らせます。カップの底をくり抜いて、氷で患部周辺の筋肉を10~12分間マッサージします。その後20分間休憩して、また繰り返します。これを1日6回行いましょう。[45]
  • 湯船に浸かったり、熱いシャワーを浴びて痙攣を緩和しましょう。湯船に浸かる場合には、エプソムソルトをお湯に入れましょう。[46]


出典と引用

  1. Agabegi, S. (2013). Step-up to medicine (3rd ed.). Philadelphia: Wolters Kluwer/Lippincott Williams & Wilkins.
  2. http://www.medicinenet.com/muscle_spasms/article.htm
  3. http://www.joint-and-muscle-pain-management.com/back-spasm.html


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カテゴリ: 全般的健康

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