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「終活」という言葉が周知されて久しい今日ですが、多くの人がその必要性を感じつつ、着手できないまま季節を見送っていると思われます。私たちの生活環境は各家庭ごと、さらには個人個人によって異なり、終活をスムーズに進めるために必要な作業やその方法も、自ずと違ってきます。たとえば終活イコール遺産相続問題対策のイメージがありますが、あくまで重要な準備のひとつである反面、すべての人々が最優先すべきものとは限りません。いわゆる終活マニュアル的な指南書に沿って進めるものではなく、まずは自身あるいは家族にとってどのような終活が必要であるのかを、適格に見極める必要があります。[1] 無計画に思いついたことから着手するのではなく、自分たちにとって最適と思われる、無用な負担が極力生じない進め方を、まずは冷静に見極めるところから始めましょう。

方法 1
方法 1 の 2:
何をすべきかを理解する

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    終活とはなにかを考える まずは身近な具体例として、自身の両親の晩年の暮らしぶりを考えてみましょう。既に鬼籍に入られた、あるいは現在進行形で介護や看護、見守りなどが必要など、各家庭ごとに状況こそ違いますが、いくつもの疑問点が頭を過ぎるかと思われます。「預貯金など経済状態はどうだろうか」「不動産相続をどう考えているのだろうか?」「家事どころか自身の身の回りのことすら怪しい父親が1人残されたらどうなる?」などはほんの一例です。冷静に深く考えればそれだけ、残される家族として不安が膨らみ、時に「迷惑だな」「どうしてこれまでキチンと聞かせておいてくれなったのか」といった思いが生じるかもしれません。こうした負の感情を、最後を看取ってもらう家族や親族に抱かせぬよう、そして後々に厄介事が少しでも生じないように、自らの最期に向けて進める作業、それが終活です。
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    現在の状況を確かめる 次に自分(たち)の生活の現状を見直してみましょう。保険の見直しに欠かせない、ライフプランの現時点から晩年に向けての再確認作業に該当しますが、決して難しくはありません。定年が何年後で退職金がどの程度期待でき、その後の年金生活で現在の生活レベルがどの程度維持できるのかなど、ざっくりとで構わないので、冷静にイメージを掴んでおきましょう。晩年に家族や親族に金銭的な負担をかけたくない思いは、誰にも共通するからこそ、時間をかけて終活を進める期間の経済状況は、しっかりと見据えておくべきポイントです。
    • この作業段階で「仮に長期入院となれば」「とても自費では介護施設のお世話になれそうもない」など、経済的な不安を過剰に抱く必要はありません。一部の富裕層以外は、この時点での机上の論理では、金銭的に窮してしまう計算となりがちです。
    • 毎日笑顔で暮らしていらっしゃる、ご近所の顔見知りの終活世代を思い浮かべてみれば、自らの晩年の終活は、決して難題ではないことに気づかされます。こうした不安に対する対処法は後述します。
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    近未来をイメージする 仕事と育児に追われた日々もそろそろ遠くなり、子どもたちも独立して、孫の誕生を心待ちにしている夫婦ふたり暮らしには、いささか広過ぎる現在の我が家。時折の帰省時の宿として、なにより子どもたちの故郷として、この不動産は守り続けたいと思う反面、思い切って処分することで現金を確保する選択も一案でしょう。ならば分相応肩幅相応のつつましやかな暮らしに、思い切ってシフトチェンジするのも一案でしょう。終活イコール身辺整理を目的とした断捨離だけではなく、晩年をより心地よく生きるために、常時無理なく継続する作業でもあります。先述の経済的不安の軽減策として、手に余る持ち家を処分することで、万一の際の資金を確保しておくのも、経済的終活のひとつの方法です。
    • 相続の対象となる不動産の処分に関しては、居住者である自分(たち)だけの一存で実行できないケースも想定されます。ここで大切なのが、次に紹介する意思疎通作業です。
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    家族と話し合う これまでの流れを通じ、漠然とながら自分(たち)が希望する、実践しておきたい終活のアウトラインが掴めていることでしょう。ここで大切なのが、相続人となる親族と、自分(たち)の晩年と今後に関し、キチンと意思疎通を交わしておく作業です。[2] 日々の終活の内容のすべてを逐一報告する必要こそありませんが、相続の対象となる財産の処分や移管などに関しては、事後報告はトラブルの元となりかねません。多くの若い世代は多忙な日々の中、両親の終活や最期に意識が向いていなくて当然なのは、かつての自身を振り返れば納得でしょう。話が上手く噛み合わなくとも、終活が必要な時期を迎えている現実を親族間で確認しておくことで、その後の無用なトラブルやリスクの回避が期待できます。
    • 先に逝く以上、残された家族に葬式に出してもらい、法的に必要な諸々の手続きを踏んでもらわなければなりません。最期に世話をお願いしてしまうことをキチンと伝え、その日に向けて自分(たち)なりにできる限りの終活に努めることを伝えておきましょう。
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    専門家に相談する 遺産相続に関するトラブルが懸念される環境であれば、専門家への相談から助言を仰いでおくことも重要です。たとえば全国各地の行政書士事務所では、遺言書作成に関する無料相談を実施しており、法務省民事局では2020年7月10日より遺言書補完制度を実施します。[3] 相続はひとつ間違うと『争族』になると言われるように、遺言書作成者がメッセージ(意向)を確実に伝える必要があります。専門的で複雑な内容ではとの先入観から、腰が重くなって後手後手に回りがちな作業ですが、この作業に関しては「善は急げ」です。
    • 遺言書の内容は相続関連に限定されるものではなく、作成者から家族へのラストメッセージです。「仲良く暮らして欲しい」「食べ過ぎで健康を害さぬように」といった内容も、遺言公正証書として認めることができます。
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    計画を立てる 自分(たち)にとって必要な終活作業が鮮明となったのであれば、いよいよ具体的な計画を立ててみましょう。家の不用品を処分するといった小さな作業も、ネットオークションに出品して現金化を期待するのか、粗大ごみとして市区町村の有料回収制度を利用するのかなど、その方法はさまざまです。これは自身の性格にもよりますが、こうした作業のひとつを『楽しみながら』実践しましょう。ただし過剰に細か過ぎる計画を構築してしまうと、終活作業それぞれがノルマと化してしまい、息が詰まってしまうかもしれません。臨機応変により理想と見据えた近未来の生活環境に近づいて行ければ、それは立派な終活です。
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方法 2
方法 2 の 2:
できることから始める

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    整理する ここで整理の対象となるのは、いわゆる遺品として形見分けされる『私物などの動産』と、終活作業に着手するに際しての『頭の中』です。「より多くの遺品を家族で分け合ってほしい」との気持ちは理解できますが、それぞれの日常の中での公平な分配は、予想以上に大変な作業となるケースもめずらしくありません。「兄貴の野郎、黙って高級時計を選びやがって。それなのに末弟の俺はネクタイ1本かよ」といった不満が即、争族トラブルになるとは思えませんが、小さな火種には違いないでしょう。遺言書に明記する必要性こそ各自の判断次第ですが、遺品になりそうもない不用品は、少しずつ整理から処分することで、自分(たち)の生活空間に余裕ができるのもメリットです。次に頭の中の整理ですが、こちらはこれまで終活に関して考えてきた諸々を、一旦リセットする作業です。
    • この段階になると、あれもこれもと考えていた終活作業の多くが、現時点では次期尚早あるいは不要と判断されるかと思われます。また一旦見据えた計画に、その場で芽生えた不安感から新たな作業内容を加え続けると、時系列に添わず一貫性を欠く終活となる可能性が高まります。
    • 新たに絶対に必要であると気づいた作業が生じた場合は、上記の限りではありません。
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    生活スタイルを変える たとえば夫婦の家事分担の比率を変えることで、仮にご主人が一人暮らしを余儀なくされた際に、第三者に身の回りの世話を依存せざるを得ない状況の改善効果が期待されます。仕事一筋だった男性の中には、炊事や掃除洗濯どころか、自宅の玄関の鍵の開け閉めや日曜大工的な室内の応急処置にすら窮する人が見られます。最初は洗濯物を取り込んで畳む、食後に食器を洗うなど、特別なスキルが求められない、小さな子どものお手伝い的な家事から始めてみてはいかがでしょうか。提案された側も「いまさら男がそんなことできるか!」ではなく、ここは男の度量で「よっしゃ、〇〇歳の手習い、ってことで、ひとつご指導を仰ぐとするか」で臨んでみましょう。
    • 定年後も家事を妻に丸投げ状態が続いていることに対し、妻が大きな不満を積もらせているケースは少なくないと言われています。生活上の負担を分かち合うことが夫婦円満につながり、老後の感情的なトラブルの発芽を抑える効果が期待できます。
    • この晩年も家庭平穏を目指すライフスタイルの変更もまた、間接的な終活に違いありません。
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    お金の管理方法を見直す 高齢者を狙った各種詐欺事件の手口の巧妙化が止まりませんが、同時にそれだけ自衛能力が低下してしまうのが『年齢を重ねる』という、誰もが避けられない現実です。たとえば認知症の兆候が見られずとも、人恋しさや心細差から、怪しい人物の訪問を心待ちにしてしまい、結果甚大な被害に遭ってしまった事例は後を絶ちません。どれだけ「自分は大丈夫。しっかりしているから」と思っていても、それが実は既に過信である可能性は、残念ながら全否定はできないでしょう。こうした忍び寄る財産に関するリスクを回避すべく、日常生活に必要な一定金額以外の預貯金の管理を、できれば実子、もしくは信頼できる親族や第三者に委ねるのもひとつの方法です。
    • たとえば公共料金の自動引き落とし用の口座には、その都度必要最低限の残高にしておき、まとまった金額の通帳やカードは手元に置かない管理法です。
    • 万一自分(たち)が緊急搬送されるなど、急にまとまった現金の用意が必要な際にも、家族もしくは信頼する第三者に、預けてあるまとまった金額を活用してもらえます。預かる側も見守るべき高齢者の財政状況が把握できるのもメリットです。
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    書面に残す 自分たちの身に甚大な悪しき状況が生じてしまえば、自らの意思を伝えることが困難になってしまい、それはほとんどの場合唐突に生じます。ここで対応すべき家族や親族が困惑してしまう展開が少なくありません。どこへなにを連絡すべきなのか、どれとどれに関してはどう処理しなければならないのかなど、それぞれの家庭には放置できない作業が複数存在しています。それらを遺言書とは別の『有事の申し送り』として書面を作成し、正副2冊残しておくと良いでしょう。自身の急逝もしくは現状を誰に連絡すべきなのか、支払いはどうなっているのか、解約や諸手続きが必要な契約などは存在するのかなど、実務的な内容の筆記伝達です。
    • この申し送り書面は、高齢者に限らず家族それぞれが準備しておくことで、終活対策に限らず日常の緊急時にも活用できます。比較的身の回りの状況の変化が激しい人であれば、1~数年ごとに内容を更新することで、誤った内容の伝達を防ぐ配慮も大切です。
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    毎日を楽しむ 自分(たち)の人生の終末ばかりを日々意識し続ける暮らしでは、どうしても意気消沈してしまいます。終活は日常生活において、無理なく継続すべき作業であり、なにより日々楽しく健康的に過ごすことが大前提です。「孫に少しでもお金を残したい」と、食うや食わずの粗食で我慢し続け、栄養不足から体調不良を生じれば、節約した以上の医療費の出費が避けられません。反対に神経質にストイック過ぎる生活を続けてしまうと、ストレスから心身の変調を招いてしまい、こちらも本末転倒です。日々の暮らしを分相応で謳歌していれば、離れて暮らす家族や親族も安心ですし、適度な距離感で互いの近況を自然に確かめ合うこともまた、終活の役割を担ってくれるものです。
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ポイント

  • 終活の進め方に定型の雛形はありません。自分(たち)にとって必要な作業を選ぶ、オーダーメードの叩き台に基づき継続する作業です。
  • いきなり遺産相続など専門的な知識が不可欠な作業に意識を向ける前に、まずは自分たちで始められる日常の身の回りに関するところから着手しましょう。
  • 最期を看取ってもらい事後処理をお願いする家族や親族と、適度な距離感で十分な意思疎通ができる環境を整えておきましょう。
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カテゴリ: ティーン
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