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耳詰まりは耳の中に圧力を感じるような状態で、痛み、めまい、耳の中で鳴り響くような耳鳴り、軽度の聴力低下を伴うことがあります。[1] 風邪、アレルギー、副鼻腔炎が原因で耳が詰まることがあります。また、飛行機、スキューバダイビングなど、標高の急速な変化によって内耳に圧力がかかり、耳が詰まることもあります。内耳の圧力を下げたり、背景にある病気を治療したり、耳垢を取り除くことで耳詰まりを軽減できます。耳詰まりは、不快な状態ですが、次からのステップに従って解消することができます。

方法 1
方法 1 の 3:

直ちに解消する

  1. 1
    飲み込んで耳管を開きます。飲み込むと、耳管を調節する筋肉が曲がるので耳管が開きます。耳管が開くとポンという音が聞こえることがあります。[2]
    • 飴をなめると、飲み込む動作が自然に行えます。[3]
    • 乳幼児を連れて飛行機に乗っていたら、おしゃぶりや哺乳瓶を与えて、唾液やミルクなどを飲み込ませるようにしましょう。[4]
  2. 2
    あくびをします。飲み込むのと同様に、あくびをすると耳管を調節する筋肉が曲がるので、耳管がポンと開きます。あくびは飲み込むことより効果がありますが、誘発しにくいと言う人もいます。[5]
  3. 3
    ガムを噛みます。ガムを噛むと、筋肉が耳管を開くのに役立ちます。耳で「ポン」と耳管が開く音がするまで、ガムを噛みましょう。[7]
  4. 4
    鼻からゆっくり空気を吐き出します。深く息を吸います。口を閉じたまま、鼻孔がほぼ閉じるくらいに鼻をつまみます。それから、ゆっくりと鼻から息を吐き出します。「ポン」という音が聞こえたら、無事耳管が開いた証拠です。[8]
    • この方法は全ての人に効果があるわけではありません。1~2回試してうまくいかなければ、別の方法を試しましょう。
    • 飛行機に乗ったら、離着陸時にこの方法を行って、耳詰まりを防ぎましょう。[9]
  5. 5
    ネティポットを使って、鼻腔を洗い流します。ネティポットで鼻うがいをすると、鼻詰まりをはじめとした鼻腔の症状を緩和できます。ネティポットに生理用食塩水か、蒸留水を入れます。頭を45度に傾け、ポットの先を上側の鼻孔にあてます。溶液をゆっくりと鼻孔に注ぎ入れ、下側の鼻孔から出します。[10]
    • 鼻をかみ、もう一方の鼻孔も同様に行います。
    • 鼻うがいをすると鼻水が薄まり、鼻腔に詰まった刺激物などと一緒に洗い流すことができます。
    • ネティポットに添付の使用方法に従って鼻うがいを行い、水を吸い込まないようにしましょう。
  6. 6
    蒸気を吸って、鼻腔を開きます。沸騰したお湯を大きめのボウルに注ぎ、頭からタオルをかぶります。顔をボウルの上に近づけます。鼻からゆっくりと息を吸うと、蒸気が粘液を薄めます。たまった粘液があれば、吐き出します。[11]
    • この蒸気を使った治療法にお茶やハーブを足しましょう。カモミールをはじめとして、お茶の中には抗炎症作用や殺菌作用を持つものがあるので、蒸気の治療に加えましょう。
    • 温かいシャワー、サウナ、加湿器も役立ちます。
    • 蒸気を発するものを、耳の近くに置かないようにします。耳には熱すぎることがあります。
    • 顔を蒸気に近づけすぎないように気を付けましょう。顔面をやけどする恐れがあります。
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方法 2
方法 2 の 3:

耳詰まりを手当てする

  1. 1
    風邪、アレルギー、副鼻腔炎などは市販の鼻粘膜充血除去薬を服用して症状を緩和します。耳管は鼻の後ろから内耳に通じているので、鼻腔の詰まりが原因で耳が詰まることがあります。鼻粘膜充血除去薬は鼻腔の詰まりを解消するので、耳詰まりを解消するのに役立つかもしれません。[12]
    • 鼻粘膜充血除去薬はドラッグストアなどで取り扱っています。薬によっては、市販薬であっても薬剤師の指導が必要なものもありますが、処方箋は必要ありません。
    • 医師の指示がある場合を除いて、鼻粘膜充血除去薬の服用は3日が限度です。
    • 他の薬を服用していたり、高血圧、緑内障、前立腺疾患がある場合は特に、鼻粘膜充血除去薬を服用する前に医師に相談しましょう。また、子供に鼻粘膜充血除去薬を服用させてはいけません。
  2. 2
    ステロイド点鼻薬を使います。ステロイド点鼻薬で、詰まりをおこす鼻腔の腫れを緩和します。鼻詰まりと耳詰まり両方を解消できます。
    • 医師に相談のうえ、ステロイドを使用・服用します。
    • ステロイド点鼻薬は市販のものや医師の処方が必要なものがあります。
    • このような薬は、アレルギー症状のある人に特に役立ちます。[13]
  3. 3
    アレルギーには、抗ヒスタミン剤を服用して対処します。アレルギーを手当てしないと鼻腔が詰まるので、同時に耳詰まりをおこすことがあります。毎日抗ヒスタミン剤を服用すると、鼻腔詰まりや耳詰まり予防に役立ちます。セチリジン(ジルテック)、ロラタジン(クラリチン)、フェキソフェナジン塩酸塩(アレグラ)など、様々な市販の抗ヒスタミン剤があります。[14]
    • 市販の抗ヒスタミン剤を服用前、または市販薬で効果がない場合は医師に相談します。
    • 飛行機に乗る際は、出発1時間前に抗ヒスタミン剤を服用して、耳に圧力がかかるのを予防します。[15]
    • 薬に添付の使用上の注意をよく読んでから服用しましょう。
  4. 4
    慢性的またはひどい痛みがあれば、医師の診察を受けましょう。耳詰まりを自分で手当てすると、数時間で症状が緩和します。ただし、症状が緩和しない場合は、医師による治療が必要です。耳詰まりを治療せずにおくと、耳が傷つき感染症を併発する恐れもあります。[16]
    • 発熱や耳だれがあれば、直ちに医師の診察を受けましょう。
    • 医師の処方を受けた薬はすべて服用します。特に、抗生物質が処方されたら、すべて服用しないと症状が再発する恐れがあります。
    • 医師によって、痛みを緩和する点耳薬が処方されることもあります。
  5. 5
    頻繁に耳詰まりが起こる場合は、鼓膜換気チューブについて医師に相談しましょう。医師が耳にチューブを入れて液体を排出し、内耳の圧力を下げます。耳詰まりを頻繁に繰り返す場合によく行われる治療法です。[17]
    • この治療法は、特に耳の感染症を頻繁に起こす子供に行われます。感染症の発症を軽減し、子供にかかる負担を最小限にして耳を治すことができます。[18]
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方法 3
方法 3 の 3:

耳垢による耳詰まりを解消する

  1. 1
    片側に頭を傾けます。詰まっている耳が上に、もう一方の耳が地面を向くような姿勢をとりましょう。横になったり、頭をクッションにのせて行うと楽にできるでしょう。[19]
  2. 2
    水、生理食塩水、オキシドールを2~3滴耳にたらします。多くたらさないように、スポイトを使いましょう。水、生理食塩水、オキシドールは、すべて効果があるのでどれを使っても構いません。とはいうものの、生理食塩水とオキシドールは無菌のため、内耳に残ってしまっても感染症を起こしにくいでしょう。[20]
    • 鼓膜に穴や切れ目があったり感染症の可能性がある場合は、耳に液体を入れてはいけません。
  3. 3
    耳の中に液体が入り込むまで、少なくとも1分間待ちます。重力で液体が耳の中に入り込み、耳垢が柔らかくなります。効果が出るまでにかかる時間は1分程です。[21]
    • 液体が耳の奥深くに入り込むのを防ぐため、数分以上待たないように気を付けましょう。
  4. 4
    頭を逆側に傾け、耳垢を排出します。頭を傾けると柔らかくなった耳垢が、重力によって流れ出すでしょう。耳の下にタオルを敷いて、流れ出る耳垢を受け止めます。
    • 横になっている場合は、寝返りを打って頭を逆向きにします。
    • ゴム球吸盤シリンジで柔らかくなった耳垢を吸い取る方法もあります。[22]
  5. 5
    耳詰まりが解消できない場合は、医師の診察を受けましょう。医師の診察を受けて、詰まりの原因が本当に耳垢だけなのかを確認します。必要に応じて、医師はより精密な技巧で耳垢を取り除くこともできます。
    • 綿棒などで耳垢を取り除こうとした際に、うっかり耳垢を圧縮してしまった可能性もあります。このような場合は、医師が耳垢を取り除いてくれるでしょう。[23]
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ポイント

  • 医師の診察なしに、市販薬で子供を治療するのは避けましょう。子供は耳の感染症をおこしやすく、厳密な治療を必要とすることから、発症と同時に診察を受ける必要があります。
  • 医師の診察なしに抗ヒスタミン剤や充血除去剤を1週間以上服用してはいけません。
  • 風邪や副鼻腔炎を発症していたら、飛行機に乗ったりスキューバダイビングをするのは控えましょう。
  • 飛行機に乗る際は、フィルター付きの耳栓をして耳詰まりを予防します。[24]
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このwikiHow記事について

Monica Kieu, DO, FACS
共著者 ::
認定耳鼻咽喉科医
この記事の共著者 : Monica Kieu, DO, FACS. モニカ・キエウ医師はカリフォルニア州ロサンゼルス在住の認定耳鼻咽喉科医、顔面形成外科医、再建外科医です。カリフォルニア大学リバーサイド校にて人類学の学士号を、ウェスタン大学ポモナ校健康科学科にてオナーズ称号付きのオステオパシー博士号を取得。ミシガン州立大学付属デトロイト医療センターにて鼻咽喉科・頭頸部外科の臨床研修を修了。研修期間はチーフレジデントを務めました。 さらにトロント大学にて顔面形成外科と再建外科のフェローシップを修了。米国鼻咽喉科・頭頸部外科学会、米国オステオパシーおよび鼻咽喉科・頭頸部外科学会、米国美容整形学会、米国顔面・再建外科学会、米国鼻科学会に所属。近年Los Angeles Magazineよりロサンゼルスにおける最優秀医師の1人に選ばれました。 この記事は85,351回アクセスされました。
カテゴリ: 健康
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