肉離れから回復する方法

共同執筆者 Troy A. Miles, MD

筋肉を痛めてしまうこと、つまり肉離れは筋肉の繊維が限界を超えて伸ばされ、部分的または完全に裂けてしまう(断裂する)状態を意味しています。グレード1(数本の繊維が裂けている状態)、グレード2(より広域の繊維損傷)、グレード3(完全な断裂)というように区別されています。[1] 軽度から中等度の肉離れであれば2~3週間で治ることを見込むことができますが、信頼できる自宅療法と専門的な措置を取り入れることで、より早い完全復帰を目指しましょう。

パート 1 の 2:
自宅療法を試す

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    頑張り過ぎずに痛めた筋肉を休める 肉離れの多くは持ち上げるウェイトが重すぎたり、頻度あるいは反復回数が多すぎること、または適切に体を動かしていなかったり、自動車事故や運動中の怪我といった外傷が原因となり引き起こされます。[2] 肉離れに限らず筋骨格系の怪我全般において、休息をとることが回復への第一歩として必須です。数日間トレーニングを休止したり、チームから離脱することも必要となるかもしれませんが、適度に休みを与えることで筋肉の回復も早まります。治癒まで数週間を要するような肉離れの場合は、筋肉繊維が広範囲にわたり裂けてしまっているか、つながっている関節や靭帯まで怪我の影響を受けているということでしょう。
    • 鈍くうずくような痛みは肉離れのサインです。その一方で動きに伴って生じる突然の鋭い痛みは関節や靭帯の損傷を示唆しています。
    • 軽度から中等度の肉離れは、比較的短時間であざが生じることが多く、これは筋肉に血液を送る血管が損傷し、内出血を起こしているということを意味しています。
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    急性の怪我の場合は冷やす 肉離れが急性(怪我をしてから2~3日以内)である場合、炎症が起きている可能性が高く、適した処置が必要です。[3] 筋肉の繊維が裂けてしまう時、免疫系によって白血球を含んだ体液が分泌されます。この白血球が損傷を受けた細胞と関連する組織の破片を片づけ、治癒に向けた体制を整えます。ただし、炎症が深刻だと圧迫され痛みがひどくなる場合も考えられます。このような場合は至急、患部を冷却(氷や冷凍ジェルパックをタオルで巻く等)しましょう。血行を抑制し、炎症を和らげます。[4]
    • このような寒冷療法は1時間あたり10~20分までとしましょう。ただし、患部の広さと深さ次第で所要時間は多少変わります。痛みと腫れがひいてきたようであれば時間と頻度を減らしていきましょう。
    • 肉離れを起こした箇所を冷やす際は、冷却剤を伸縮包帯などで押さえ患部を高く上げておくと、腫れがひきやすくなります。
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    慢性的な怪我は温める 肉離れが1か月以上長引いている場合、大きな問題は炎症ではありません。その代わりに、筋肉が弱まってこわばり、健康時の時ほど血行が良くないことが考えられます。つまり、酸素、グルコース、ミネラル類といった栄養素が不足してしまっています。そこで温熱療法を受けることで、筋肉の緊張やけいれんが軽減し、怪我の回復が促されるでしょう。[5]
    • 電子レンジで温める温熱パックを使い、痛めた箇所に15~20分ずつ当ててみましょう。筋肉の緊張やこわばりが和らいでいくまで、毎日3~5回繰り返しましょう。ハーブが含まれたタイプのパッドにはブルグアという小麦、米、さらにラベンダーなどの鎮静効果のある薬草やエッセンシャルオイルが配合されています。
    • エプソム塩の入った湯で20~30分間温めてみても良いでしょう。筋肉の痛みや腫れがかなり楽になるはずです。[6] エプソム塩に含まれるマグネシウムが筋肉繊維を楽にさせ、温かい湯が血行を促進すると考えられています。
    • 温熱パッドといった乾いた熱を利用する方法は避けるようにしましょう。慢性的な肉離れにこうしたパッドを使用すると細胞が水分不足の状態に陥り、症状が悪化する恐れがあります。
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    抗炎症剤を服用する 既に述べたように、急性の筋骨格系の怪我の症状は炎症が大きな要因となっているので、市販の抗炎症剤を怪我の初期の段階で服用すると良いでしょう。[7] イブプロフェンが配合されているもの(アドビルやモトリン)、ナプロキセンが配合されているもの(アリーヴ)、さらにアスプピリン等が一般的です。ただし胃が荒れてしまうこともあるので、2週間以上連続して服用しないようにしましょう。抗炎症剤は症状を和らげるだけのものであって、回復を促す医薬品ではありません。それでも、運動を再開したり、適切な場合はその他のアクティビティを加えたりする際の不快感が軽減されるでしょう。
    • イブプロフェンは子供には適しません。子供に医薬品を与える前に必ず医師に相談しましょう。
    • より慢性的な怪我の場合は、筋肉の張りやけいれんを和らげるためにも、シクロベンザプリンといった筋肉弛緩薬の服用を検討しましょう。
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    軽めのストレッチを試す 筋肉のストレッチは一般的に怪我の予防法として考えられていますが、注意深く行えば怪我の治療中に行うことも可能です。[8]怪我をしてから数日が経過して急性の痛みが落ち着いたようであれば、筋肉の柔軟性を維持し、けいれんを防ぐために軽めのストレッチを開始しても良いでしょう。1日2~3回行い、それぞれの動きは深呼吸しながら15~20秒維持するようにしましょう。慢性的な肉離れを起こしている人は尚更ストレッチが必要です。この場合は頻度を1日3~5回に増やし、それぞれの動きは不快感が消えていくまで30秒ほど維持しましょう。
    • 正しくストレッチを行えていると、翌日に筋肉痛を起こしているかもしれません。この場合、伸ばしすぎた可能性もあるので、ストレッチの強度をこれまでよりも下げるようにしましょう。
    • 「伸ばしすぎ」とは、筋肉が温まっていない状態でストレッチを行ってしまうことで生じます。血行を改善するか事前に温熱療法を行ってからストレッチを行いましょう。
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パート 2 の 2:
専門措置を受ける

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    ディープティシューマッサージを受けてみる 家庭療法では思うように回復しなかった人、あるいは回復速度を高めたい人は専門のマッサージセラピストに相談しディープティッシューマッサージを受けてみても良いでしょう。このマッサージは軽度から中等度の肉離れに有効です。筋肉のけいれんを軽減し、炎症を和らげるとともに、リラックス効果を高めます。[9] まず30分の施術から始めて、どの程度の深さまで痛みに耐えられるのか確認しましょう。施術者によっては、患部の筋肉繊維に集中したトリガーポイントセラピーを行う場合もあります。
    • マッサージの副産物、乳酸から生じる炎症を洗い流すためにも、マッサージ後はたっぷりの水分補給を行いましょう。水分補給を怠ると弱い頭痛や吐き気に襲われることもあります。
    • 専門的なマッサージを受ける予算がない人は、テニスボールやストレッチロールで代用してみましょう。肉離れを起こした箇所に合わせて、体重を使って、緊張感や傷みが和らいでくるまでボールやロールをを転がしましょう。
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    超音波療法を受ける 超音波療法の機材はクリスタルを振動させることで(人間の耳には聞こえない)高周波を発します。これが軟組織や骨の回復に効果的に作用します。これまで50年以上にわたり医師、理学療法士、カイオプラクターが様々な筋骨格系の怪我の治療に用いてきましたが、実際にどのような仕組で組織に影響を及ぼすのか、はっきりとはわかっていません。特定の条件下では温熱効果を作り出し、慢性的な肉離れに有効とされています。同時に、機材の設定を変えれば炎症を和らげて治癒を促すことから急性の怪我にも適しています。[10] 周波数を調整することも可能なので、表面だけに超音波を当てたり、より深く照射することもできます。こうした特性は肩や腰の肉離れを治療する際に有用です。
    • 超音波治療は痛みを伴いません。怪我をした箇所、急性か慢性的かといった事情次第で3~10分を要します。急性の怪我の場合は1日1~2回、慢性的な肉離れの場合はさらに頻度を下げることもあります。
    • 1回の超音波療法で大きく症状が改善されることもありますが、目に見えて回復するまで3~5回は処置を受ける必要があるでしょう。
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    電流刺激療法を試す 急性、慢性的、双方の肉離れに有効とされる専門処置には電流刺激療法という手段もあります。[11]これは怪我の患部に電極を配置し、電流を送ることで筋肉組織を収縮させる方法です。急性の肉離れの場合、こうした機材を使用することで(個々の状況によって差異もあるものの)炎症を放出させて痛みを軽減し、神経繊維を鈍らせます。慢性的な肉離れに対しては、電流刺激によって筋肉の強度を高め、これまでよりも効率的に、調和して収縮するよう繊維を「再教育」する働きをします。
    • 主に理学療法士、カイオプラクター、スポーツ療法士といった医療専門家がこうした療法を用います。
    • 電流刺激を行う機材は医療器具やリハビリ器具の実店舗やオンラインショップで購入することが可能です。超音波療法の機材に比べて安価であるものの、医療専門家の監督なしに使用しないようにしましょう。
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    赤外線療法を試す 周波数を用いた治療法には赤外線放射も含まれます。低エネルギーの光波(赤外線)を用いることで治癒が速まり、痛みと炎症が和らぎます。特に慢性的な怪我に有効です。[12] 手で機材を持って照射したり、赤外線サウナを使用するなどの方法があり、体内深くまで赤外線が浸透することで熱が発生し、血管が拡張されて循環が改善されると考えられています。1回の施術は怪我の状態や急性か慢性的かといった事情次第で10~45分程度となるでしょう。
    • 初回の赤外線療法の数時間後に痛みが大幅に軽減される場合もありますが、効果には個人差があります。
    • 痛みが一旦軽減されると効果は数週間から数か月の間、持続します。
    • 一般的にカイオプラクター、整骨医、理学療法士、マッサージセラピスト等が赤外線療法の機材を用いた治療を行っています。
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ポイント

  • 肉離れを予防するために、激しい運動を行う前は準備運動を行いましょう。
  • 筋肉が上手く調整できていないと、弱く怪我をしやすい状態になってしまいます。
  • 激しい運動を行って疲労した筋肉は、通常以上に怪我をしやすいので気をつけましょう。

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このwikiHow記事について

整形外科医
この記事はTroy A. Miles, MDが共著しています。 マイルス医師はカリフォルニア州在住の整形外科医で、成人の関節再建手術を専門に行っています。2010年にアルベルト・アインシュタイン医学校にて医学博士号を取得後、オレゴン健康科学大学にて臨床研修を、そしてカリフォルニア大学デービス校にて専門医研修を修了。米国整形外科委員会の認可医で、米国膝・股関節外科協会、米国整形外科協会、米国整形外科手術学会、北太平洋整形外科学会の会員です。
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