膝蓋骨脱臼の治療方法

共同執筆者 Jonas DeMuro, MD

この記事には:膝蓋骨のけがを診断するずれた膝蓋骨を治療する適切な回復を促す17 出典

膝の皿、つまり膝蓋骨の脱臼は、膝蓋骨があるべき位置からずれてしまうことによって起こります。大抵は外側方向にずれ、脚の腫れを引き起こします。通常、膝蓋骨脱臼は、ダンスや体操をしているときに、足を固定したまま膝をひねったりくじいたりした結果として起こります。脱臼は、ほとんどの場合、膝への直接的な外傷が原因で起こることはありません。[1]膝の脱臼には痛みとその周辺の腫れが伴い、それぞれの膝に不安定感を生じさせることもあります。膝蓋骨脱臼を起こすと、膝は少し曲がり、完全に伸ばせない状態になることもよくあります。[2] 膝の脱臼を治療する際には、確実に患部が回復し、将来また脱臼が起こらないようにするために、考慮しなければならないことがたくさんあります。

1
膝蓋骨のけがを診断する

  1. 1
    膝を脱臼したと思ったら、病院の救急治療室か応急手当てをしてくれる施設に行きましょう。悪化する前に医師にけがの状態を診断してもらうことが大切です。初期の段階で見つかり、早期に治療しはじめたけがは治りが早く、薬や医療の介入も少なくて済む傾向にあります。
  2. 2
    ずれた膝や膝蓋骨を自分で元の位置に戻そうとしないようにしましょう。ポンと押し戻したり、そのほかの方法で膝を自分で調整しようとしてはいけません。そうした治療をしてもいいのは、資格を持つ健康管理のプロだけです。また、こうした治療は、本当に脱臼しているときにしかしてはいけない行為です。そのけがが脱臼なのかどうかは、実際のところ、素人ではわかりづらいものです。
  3. 3
    ほかのけがの可能性も考えてみましょう。膝は人間の体の中で最もけがをしやすい関節です。膝関節は多くの結合組織と骨でできており、それらが互いに同調しなければ正しく機能することができません。[3]
    • 医師は、膝の目視検査、触診や整骨を行い、腫れがないか、関節の位置や動きがおかしくないかを確認します。[4]
    • 医師は、患部に骨折やひびなどの損傷がないかを確認するために、通常、レントゲン写真を撮ります。膝蓋骨脱臼のおよそ10%は、膝蓋骨の骨折も伴います。[5]

2
ずれた膝蓋骨を治療する

  1. 1
    整復に向けての心構えをしましょう。医師が膝蓋骨脱臼と診断した場合、通常は膝蓋骨を元の位置に滑らせて戻す「整復」という治療を行います。[6]
    • 一般的に、整骨の前には、不快感を最小限に抑えるために鎮痛剤が処方されます。また、すべてが正しい位置に戻ったかどうかをきちんと確認するために、通常はレントゲンを使いながら治療を進めていきます。
    • 繰り返しますが、こうした治療を自分でしてはいけません。その症状が手術を必要とするものなのか、専門の治療が必要なものなのかを判断することは難しく、適切な治療が行われなければ、さらなる不具合が起こる恐れもあります。
  2. 2
    脱臼は外科手術が必要な場合があることを覚えておきましょう。珍しいタイプの脱臼やほかにも損傷がある場合は、外科的介入が必要かどうかについて、整形外科医(骨の損傷を治療する専門外科医)の助言を求めなければならないこともあります。[7]

3
適切な回復を促す

  1. 1
    指導されたとおりに脚を休めましょう。常に医師の指示に従うことはもちろんですが、膝を休めて腫れを鎮めるための一般的な方法を以下にご紹介します。[8]
    • 膝を高く上げる
    • 10分~15分間、氷嚢や冷湿布を当てる
    • けがをしてから数日間はこれを一日4回繰り返す
  2. 2
    市販の鎮痛剤を服用しましょう。医師の許可を得たうえで、痛みと腫れを抑えるためにイブプロフェンを成分に含む鎮痛剤を服用しましょう。[9] 服用量は、医師や薬剤師の指示に従いましょう。
    • アセトアミノフェンを含む鎮痛剤は、痛みを和らげますが、腫れには効きません。
    • これらの薬を1週間以上続けて使用する場合は、必ず医師に相談しましょう。
  3. 3
    ニーブレース(膝のプロテクター)を使いましょう。膝蓋骨が元の位置に戻ったら、再度ずれてしまわないように、通常はニーブレースを装着します。[10] 膝の結合組織は、膝蓋骨の安定をしっかり保てる状態まで回復するのに数週間かかる場合があります。
    • その間、関節を安定させるために、ニーブレースを装着することが大切です。
  4. 4
    経過診察を優先させましょう。[11] 痛みがなくなってしまうと、病院の予約をさぼったり、日にちを変更したりしがちです。しかし、経過診察は、膝がきちんと治っているか、先の診察で見落としたかもしれない二次的な損傷がないかなどを医師が確認するために必要不可欠です。
    • 最初の診察から間を置かず、数日中に次の経過診察がある心づもりでいましょう。
  5. 5
    けがをしてから数週間は油断しないようにしましょう。けがをして数週間は、膝に負担や力をかけすぎないようにします。治療期間中は、関節が動きやすいようにしておくほうがよいでしょう。仕事や他の活動の再開については、医師と相談しましょう。
  6. 6
    必要があれば、理学療法も利用しましょう。[12] 膝がよくなり始めて、医師から理学療法士を紹介されたら、予約した理学療法の日には必ず行き、理学療法士が指示する自宅でできる運動はきちんとするようにしましょう。
    • たとえ膝がよくなってきたと感じたとしても、再び脱臼することを防いだり、十分な動きができるようになるためには、適切な方法で患部を鍛えていかなければなりません。これは、今後の合併症を防ぐことにもつながります。
  7. 7
    運動選手はスポーツ医に相談しましょう。[13] 膝蓋骨のけがをした運動選手は、きちんと資格を持ったスポーツ医にトレーニングへの復帰について具体的な助言を受けましょう。
    • 膝蓋骨のけがは、ほとんどの場合、運動に戻れるところまで回復するのに4~6週間かかります。[14]
  8. 8
    グルコサミンの栄養補助食品をとりましょう。グルコサミンについては、研究でもまだ結論が出ていない部分もありますが、けがをしたあとの膝の動きの改善を助けるという実証もいくつかなされています。[15]
  9. 9
    サポート効果のある靴を履きましょう。膝がよくなってきて、普段通りの生活を許可されて数週間が経っている頃ならば、靴は質の良いものを選びましょう。[16]靴のサポートにより、歩いたり走ったりする際に正しく足を運ぶことができ、膝に負担をかけすぎることを防げます。

ポイント

  • 膝の脱臼が慢性化したら、外科手術が必要になるかもしれません。膝を正しい位置に保とうとして、腱が堅くなっている可能性があります。
  • 薬物相互作用を避けるために、グルコサミンなどのどんな補助栄養食品をとる際も必ず医師に相談しましょう。
  • 数週間の休息をとり、ゆっくりしましょう。膝をきちんと治すには時間がかかります。
  • 一度膝が脱臼してしまうと、再発する可能性が高いということを覚えておきましょう。[17]


出典

  1. Patellofemoral instability and malalignment. In: Essentials of Musculoskeletal Care, 2nd, Green WB. (Ed), American Academy of Orthopedic Surgeons, Rosemont 2001. p.387.
  2. http://www.runnersworld.com/advice/the-owners-manual-for-the-female-runner
  3. http://www.webmd.com/pain-management/knee-pain/tc/patellar-dislocation-topic-overview
  4. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3445142/
  5. Bachman D, Santora S. Orthopedic trauma. In: Textbook of Pediatric Emergency Medicine, 3rd, Fleisher GR, Ludwig S, Henretig FM. (Eds), Lippincott Williams & Wilkins, Philadelphia 2006. p.1525
  6. http://journals.lww.com/co-pediatrics/Abstract/2004/02000/Traumatic_patellar_dislocation_in_children_and.7.aspx
  7. Young GM. Reduction of common joint dislocations and subluxations. In: Textbook of Pediatric Emergency Procedures, Henretig RM, King C. (Eds), Williams & Wilkins, Baltimore 1997. p.1088.
  8. http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0278591905700454
  9. http://health.clevelandclinic.org/2013/09/acetaminophen-vs-ibuprofen-which-works-better/
続きを 表示する… (8)

記事の情報

この記事はJonas DeMuro, MDが共著しています。 デミューロ医師はニューヨーク州に住む小児科専門の救急外科医です。1996年にストーニーブルック大学医学部から医学博士号を授与されています。

カテゴリ: 全般的健康

他言語版:

English: Heal from a Knee Dislocation, Italiano: Guarire da una Lussazione al Ginocchio, Português: se Recuperar de um Deslocamento na Rótula, Русский: вылечить вывих коленного сустава, Español: recuperarse de una luxación en la rodilla, Deutsch: Eine verrenkte Kniescheibe kurieren, Français: soigner une luxation de la rotule, Bahasa Indonesia: Menyembuhkan Dislokasi Tempurung Lutut, Nederlands: Herstellen van een knieontwrichting, 한국어: 탈구된 무릎 낫게 하는 방법, العربية: التعافي من انخلاع مفصل الركبة

このページは 2,916 回アクセスされました。
この記事は役に立ちましたか?