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自動車のバッテリーは、自動車に電気を供給する再充電可能な電池です。バッテリーは伝統的にSLI(Starting=始動、Lighting=点灯、Ignition=点火)と呼ばれ、その最大の目的はエンジンを始動させることにあります。ひとたびエンジンが動き出すと、自動車に必要な電力はオルタネータ(発電機)によって供給されます。エンジンの始動には普通、バッテリー容量の3パーセント弱が使われます。SLIバッテリーはアンペアで計測可能な高電流を一気に放出後、速やかに再充電するように設計されています。重度の電力放出を目的には設計されてはおらず、完全放出するとバッテリー自体の寿命が減少します。

ステップ

  1. 1
    バッテリーの取り外しには十分な注意を払いましょう。バッテリーは致死性の電荷を蓄積する能力をもつと同時に、可燃性のガスを生成する腐食剤を含む危険物でもあります。バッテリーを取り外す前には以下の安全対策を講じましょう。
    • イグニッションをオフにします。
    • 安全ゴーグルと手袋で目や手を保護します。
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    自動車バッテリー上部にあるマイナスのターミナル(端子)を探します。ターミナルは普通はカバーで覆われていて、接続端子の傍にはマイナスの印が見えるはずです。一方プラスのターミナルは通常赤いキャップで覆われており、接続端子の近くにプラスを示す印が付いています。
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    マイナスのターミナルを固定しているネジを弛めるために必要なソケットの大きさを判断します。配線を外すときはプラス側ではなく、必ずマイナス極の方から作業していきます。
    • 工具箱から適切なソケットを手に取って、バッテリーのマイナス極にあるネジの近くに据えます。ネジを弛めるのに必要なソケットの大きさを、目で確実に確かめます。
    • 適合したサイズのソケットをレンチに装着します。ネジに届かない時は延長アダプタも装着しましょう。
    • マイナス極のターミナルにあるネジの上にレンチを置き、反時計回りの方向に回します(右回りで締める、左回りで緩める)。ほんの数回、左に回すだけで緩みます。
    • マイナス極のネジを弛めたら次に固定具をバッテリーから外します。この先の作業で誤ってバッテリーに接触することがないように、外した固定具は離れた場所に置きましょう。
    • ケーブルがターミナル端子に固着されている場合は、取り外し用の専用工具が必要です。自動車用品店や自動車整備士に問い合わせましょう。
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    プラスのターミナルも同じ方法で取り外します。ケーブルをターミナルから取り外した後は、固定具が車体のどの金属部分にも触れないように注意します。システム内には残存電流があり、金属表面に接触すると自動車の電気回路を狂わせたり破損する場合があります。
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    作業を続けます。バッテリーからケーブルを外した後は電気部品の修理が安全に行えます。単に新品のバッテリーと交換するだけならば、あと少しの手順で完了です。
    • 次はバッテリー本体を下のトレイに固定しているブラケット(据付け用金具)を弛めます。
    • バッテリー本体を真っすぐ上に引き上げます。バッテリーには約18㎏の重さがあります。必要に応じて手助けを求めましょう。
    • 古くなった歯ブラシを重曹を薄めた溶液に浸して、バッテリーケーブルやトレイの汚れを落とします。完全に乾くのを待ち、新しいバッテリーを装着しましょう。
    • 新しいバッテリーをトレイの上に装着して、クランプ(固定具)を締め付けます。
    • プラス極、次にマイナス極の順でケーブルを接続します。両方のネジをしっかり締めて固定します。
    • ボンネットを閉じてエンジンをかけます。
    • 古いバッテリーは適切な方法で廃棄しましょう。新しいバッテリーを購入したお店がサービスの一環として古いものを処分してくれるでしょう。仮に引き取ってくれない場合は、リサイクルセンターや修理工場に打診しましょう。たいていの店舗はわずかな料金で引き取ってくれます。
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ポイント

  • 自動車の標準的なバッテリーは何百アンペアもの電流を生成します。これは溶接に使われている炎の電量とほぼ同じで、点検時には決して金属製工具などでターミナルを触ってはいけません。バッテリーの電流は非常に大きく、工具を破壊したり怪我をまねく可能性があります。
  • ケーブルはバッテリーターミナルから離れた場所に結束バンドで固定し、バッテリーターミナルに戻って接触することでスパークや感電死が発生するのを防止しましょう。
  • 特に指輪やネックレスなどの貴金属類は外しましょう。
  • ガスが充満しない屋外で作業します。
  • 安全メガネと絶縁された手袋を着用します。
  • ハイブリッド車のバッテリーは300ボルト以上の電圧を生成します。これは致命的なレベルの電圧で、電気系統の修理を行うときは後部にある高電圧バッテリーを最初に遮断しましょう。この配線には普通はオレンジ色のワイヤーが使われています。作業するときは感電を避けるために絶縁工具や手袋を装着しましょう。ハイブリッド車のバッテリー着脱にはさらに幾つかのステップが要求されるので、必ずメーカーの指示する手順を遵守しましょう。
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必要なもの

  • ソケット・レンチのセット
  • ソケット・レンチ延長アダプタ
  • 保護用メガネ
  • 絶縁された手袋
  • 使い古しの歯ブラシ
  • 小さな受け皿
  • 重曹
  • 結束バンド

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このwikiHow記事について

HM
共著者 ::
自動車修理・デザインスペシャリスト
この記事の共著者 : Hovig Manouchekian. 自動車修理・デザインスペシャリストのホヴィグ・マナウチェキアンは、1925年創業の家族経営自動車修理工場「Funk Brothers Auto」マネージャーです。自動車業界での経験は30年以上、自動車修理とメンテナンスを専門としています。エンジン修理、バッテリー交換、フロントガラス周りの部品交換やメンテナンスなど、よくある車のトラブルに造詣が深く、その豊富な経験と真面目な働きぶりで、同社がアンジーズ・リストのスーパーサービス賞を5年連続受賞する原動力となりました。 この記事は6,530回アクセスされました。
カテゴリ: 自動車
記事のサマリーX

自動車のバッテリーを取り外すには、まずエンジンを切り、ボンネットを開けてバッテリーを取り出す準備をします。バッテリーを扱う際は、火花から目を守るため、保護メガネを着用しましょう。次に、バッテリーのプラス端子とマイナス端子の位置を確認します。プラス端子には 「+」、マイナス端子には「-」の印が付いているはずです。端子にプラスチックの蓋が付いている場合は、この時点で外します。それから、レンチを使ってバッテリーのマイナスケーブルを外します。レンチでマイナスとプラスの端子を同時に触ると、火花が出る恐れがあるため、注意しましょう。マイナスのバッテリーケーブルを持ち上げて、脇に置いておきます。次に、プラスのバッテリーケーブルのボルトを外し、同様に持ち上げて外します。この時点でバッテリーが外れない場合は、ソケットレンチを使って、バッテリーを固定しているクランプを外します。その必要がなければ、バッテリーを持ち上げて取り出せば作業完了です。 自動車バッテリーの手入れ方法について、この記事の共著者である自動車修理の専門家からアドバイスがあります。読んでみましょう!

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