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俳句は、感覚的な言葉で心情や情景をとらえた短い定型詩です。自然の力、一瞬の美、心を打つ体験などに触発されて生まれます。日本の歌人らが生み出し、発展させてきたものですが、その形式は諸外国の詩人たちにも取り入れられ、英語をはじめとする様々な言語で詠まれています。ここでは俳句を創作するコツを教えます。
ステップ
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1俳句の音の構造を理解しましょう。日本の俳句は伝統的に17音からなり、それぞれ5音、7音、5音の3詩句に分解されます。英語圏の詩人たちは、この「音」をシラブル(音節)と解釈しました。俳句は時を超えて進化し、この構造に固執しない俳人も増えています。日本語でも英語でも、現代俳句には17音以上の音を持つものや、たった1音だけの作品も存在します。
- 英語のシラブルにはさまざまな長さがありますが、日本語の音は一様に短音として計算されます。このため、17のシラブルで詠む英語の詩は伝統的な日本の17音の俳句よりもかなり長くなり、短い音からイメージを醸し出すという俳句本来のコンセプトから逸脱してしまいます。英語の俳句で5・7・5ルールの順守を求められることはもうありませんが、この原則は今でもよく学校で子供たちに教えられます。
- 自分の俳句にいくつの音節を使うのかを決めるときは、俳句がひとつの呼吸で詠まれなければならないという日本の考え方を参考にしましょう。これは英語の俳句なら10〜14のシラブルになることを意味します。 たとえば、米国の小説家ジャック・ケルアックによるこんな俳句があります。
- Snow in my shoe
- Abandoned
- Sparrow's nest
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2俳句では2つのアイデアを並列させましょう。日本語の「切る」という言葉は、俳句が常に2つのアイデアを並列的に含むべきだという考え方を示しています。この2つの部分はそれぞれから文法的に独立していて、通常はその印象もはっきりと異なります。
- 日本の俳句は、通常1行で筆記され、「切れ字」によって2つのアイデアが分かれて表示されます。こうすることでアイデア同士の関係が明らかになるのです。この「切れ字」は、通常は音の切れ間のどこかに現れます。英語ではこの切れ字に相当する言葉がないので、しばしば「ダッシュ」と解釈されます。芭蕉の「ひやひやと壁をふまえて昼寝哉」を例に考えてみましょう。
- how cool the feeling of a wall against the feet — siesta
- 英語の俳句は、多くの場合3行で書かれます。アイデアを並列する考え方(要素は2つ)は、改行、句読点、単なるスペースなどで表されます。こちらの詩は米国の詩人リー・グルダの作品です。
- fresh scent—
- the labrador's muzzle
- deeper into snow
- どちらにしても、重要なのは2つのアイデアの間に跳躍を生み出し、「内的な対照」をもたらすことでその詩的な意味合いを高めることです。この2つの部分による構造を効果的に作り上げることこそが、俳句を詠むうえでの最難関ポイントになるでしょう。なぜならこの2つは、あまりにありふれた関連を持っていてもいけないし、あまりにかけ離れていてもいけないからです。
広告 - 日本の俳句は、通常1行で筆記され、「切れ字」によって2つのアイデアが分かれて表示されます。こうすることでアイデア同士の関係が明らかになるのです。この「切れ字」は、通常は音の切れ間のどこかに現れます。英語ではこの切れ字に相当する言葉がないので、しばしば「ダッシュ」と解釈されます。芭蕉の「ひやひやと壁をふまえて昼寝哉」を例に考えてみましょう。
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1心を打つ体験から言葉を抽出しましょう。伝統的に俳句は、人間の状態に影響を与える周囲の環境の細部に焦点を当てます。俳句を、主観的な判断や分析を伴わない客観的なイメージや感覚をつかみとる瞑想のようなものだと考えてみましょう。あなたが他の人に「見てごらん」と伝えたいようなものを発見したときのその体験は俳句の題材として適切かもしれません。
- 日本の詩人たちは、池に飛び込む蛙や、葉っぱの上に落ちる雨粒や、風でしなる花など、はかない自然のイメージをとらえて抽出するために俳句を使ってきました。多くの俳人が新しい俳句のインスピレーションを得るためだけに「吟行」と呼ばれる散歩に出かけます。
- 現代俳句は自然を対象としたテーマから逸脱することもあります。都市環境、感情、人間関係、滑稽なトピックなども俳句の題材になりえます。
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2季節を表す言葉が必要です。季節を示唆する言葉や、季節の変化を表す言葉を「季語」と呼び、俳句には欠かせない要素となります。「春」「秋」のような直接的に季節を示す言葉から、さらに繊細な言葉まで、季語にはたくさんの種類があります。たとえば晩春に咲く藤の花を持ち出すことで、季節を表すことができるのです。加賀千代女の句「朝顔に釣瓶取られて貰い水」を英訳するとこうなります。
- morning glory!
- the well bucket-entangled,
- I ask for water
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3テーマの推移を創出しましょう。俳句が2つのアイデアを並列するという原則に従いつつ、自分が選んだ題材へ向けた視点を移すことで、句が2つに分けられるよう意識します。例えば、丸太の上を這い上がる蟻を細かく描写したあとに、そのイメージを大きな森全体のイメージや、現在の季節のイメージなどと並列させます。この並列は、単純で一面的な描写では表現できないような深い隠喩的な意味をもたらしてくれます。リチャード・ライトの句を例にとってみましょう。
- Whitecaps on the bay:
- A broken signboard banging
- In the April wind.
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1細部を描写しましょう。俳句は五感によってとらえられた細やかな感覚から構成されます。出来事を目撃したら、その体験を言葉で圧縮することでその意味を他者に伝えるのが俳人です。俳句の題材を選んだら、どんな細部を描写したいのか考えましょう。題材のことを思い浮かべながら、以下のことを自問してみましょう。
- この題材を見て気づいたことは何か。色、質感、際立った特徴は何か。
- この題材はどんな音を出したのか。どんな高さや音量で発されたのか。
- 匂いや味はあったか。その感覚をどうすれば正確に表現できるか。
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2見せるだけで、語らないこと。俳句の主題は客観的な体験の瞬間であり、出来事の解釈や分析ではありません。自分がどんな感情を抱いたのかではなく、その瞬間が存在したことの真実性を読者に見せることのほうが重要です。そのイメージに反応して、読者自身のなかに湧き上がる感情を意識させるようにしましょう。
- 繊細なイメージを用いること。例えば「夏だ」という代わりに、太陽の角度や濃密な空気などに注目しましょう。
- 陳腐な言葉は避けましょう。「暗い嵐の夜」のような、手垢にまみれた言葉は、時間とともに力を失います。対象のイメージから、それを表現する独創的でユニークな言葉を探しましょう。ただしこれは、あまり使われていない言葉を類語辞典で探せばいいという意味ではありません。それよりも、見たものをシンプルに書き、自分がいちばん真実味を感じる言葉で表現しましょう。
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1インスピレーションを集めましょう。大家と呼ばれる俳人にも、題材を求めて外へ出かける伝統がありました。散歩して、周囲の物事に注意を集中しましょう。まわりを見渡して、あなたに語りかけてくる小さな物事がありますか? なぜそれが際立って感じられるのですか?
- 浮かんだ言葉を書き留めるために、ノートを持ち歩きましょう。流れの中にある石や、地下鉄の線路を飛び越えていくネズミや、遠くの丘にかかった雲などが、突然あなたに俳句の題材を与えてくれるかもしれません。
- 他の俳人の作品を読みましょう。俳句の美と簡潔さは、言語を問わず何千人もの書き手を触発してきました。俳句作品を読むことは、自分のイマジネーションにも拍車をかけます。
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2訓練しましょう。他のあらゆる芸術と同様に、俳句にも訓練が必要です。あの偉大な芭蕉でさえ、一句一句をそれぞれ千回は口に出して詠んでみるべきだと言っています。言いたいことが完璧に伝わるようになるまで、すべての作品を何度でも手直ししましょう。5・7・5の音節パターンには固執せず、正統な俳句には必ず季語が入ること、並列の構造を持つこと、客観的な感覚のイメージを優先することなどの原則を思い出してください。
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3他の俳人と交流を持ちましょう。真剣に俳句を学びたい人は、「Haiku Society of America」「Haiku Canada」「British Haiku Society」など、世界中の俳句団体に入会すれば世界が広がります。また「Modern Haiku」「Frogpond」などの刊行物を購読するのもよいでしょう。広告
ポイント
- 俳句は読者が心で受け止めることで完結します。そのため「未完の詩」と呼ばれてきました。
- 西洋の詩と異なり、通常の俳句は韻を踏みません。
- 現代の俳人は、3語以下の非常に短い句を詠むことがあります。3・5・3のシラブルで「ミニ俳句」を作る人もいます。
- 俳句はグループで創作する「俳諧の連歌」から発生し、その連歌は百の詩句にもなる長い作品でした。連歌による共作を開始するための「発句」が、季語と切れ字を含んでいました。俳句の形態は、この伝統を受け継いでいます。
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