日当たりの良い山道をハイキングしながら大自然を満喫している最中、突如蛇に襲われるなどというのは、悪夢以外の何物でもありません。このような事態に備えて、ハイカーのみなさんは、噛み傷の手当の仕方を覚えておく必要があります。正しい方法で処置をすれば、たとえ猛毒を持つ蛇の噛み傷であっても恐れることはありません。自然に分け入って、ハイキングやキャンプを楽しんだり、美しい景色を存分に堪能しましょう。ただし、常に蛇に遭遇する危険に注意し、実際に噛まれた場合にどのような行動を取るべきかを心得ておきましょう。

方法 1 の 3:
毒蛇の噛み傷

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    救急サービスに連絡を取るか、または助けを呼びましょう。みなさんの周囲に誰もいない場合は、安全に動けるのであれば、助けを求めに行きましょう。ほとんどの蛇の噛み傷にはそれほどの危険はありませんが、毒蛇に噛まれた場合は、一刻も早く医療処置を受ける必要があります。最初に対応した医療者は、その区域に生息する蛇の種類を特定し、その噛み傷の処置に最適な医療機器を準備するでしょう。救命士を呼ぶか、または救急治療室へ直行しましょう。
    • おそらく、噛み傷を見ただけでは、みなさんにはそれが毒蛇によるものかどうかは判別できないでしょう。噛み傷がどのようなものであっても、直ちに医療処置を受けるのが賢明です。
    • できる限り気持ちを落ち着けましょう。パニックは心拍数を上昇させます。噛まれた蛇に毒性があれば、心拍数が増加するに従い、毒が体に回るスピードも速くなります。[1] できるだけ落ち着いて、静かにしましょう。
    • できれば、処置を待つ間に「日本中毒情報センター」に連絡を取って、アドバイスを受けましょう。電話サービスについては、「大阪中毒100当番」が072-727-2499(365日、24時間対応)、「つくば中毒100当番」が029-852-9999(365日、9時~21時対応)となっています。[2]
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    蛇の姿形を覚えておきましょう。[3] 最初の対応者および救命医は、毒性の有無を判断するために、その蛇の詳しい情報を必要とします。できれば噛まれた蛇の写真を撮るか、または、少なくとも、付添いの人にその蛇の見た目を記憶してもらい、みなさんが目にしたものを再確認しましょう。
    • 蛇を捕獲しようとしてはいけません。蛇は極めてすばしっこい動物です。よほど捕獲の経験を積んだ人でない限り、勝ち目はないでしょう。
    • 蛇がまだ周辺にいる場合は、近寄ったり、または時間をかけて観察しようとしてはいけません。これは危険な行為です。一瞥して蛇の姿を確認したら、すぐにその場を離れましょう。
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    蛇から逃げましょう。直ちに蛇の攻撃範囲から離れ、二度と噛まれないようにしましょう。毒蛇に噛まれた地点から十分な距離を取り、安全な場所へ移動しましょう。ただし、走って逃げたり、あまり遠くまで移動してもいけません。急に体を動かすと、鼓動が激しくなり、急速に毒が体に回り始めます。
    • 蛇が戻って来る心配のない場所へ移動しましょう。通り道から若干高い場所にある、表面の平らな丸石や、開拓地を始め、蛇が身を潜める場所の少ないエリアを探しましょう。
    • 安全な場所に辿り着いた後は、できる限りじっとしましょう。
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    蛇に噛まれた箇所は動かさずに固定しましょう。止血帯(タニケット)を当ててはいけません。しかし、噛まれた箇所を固定する必要はあります。また、患部は心臓よりも低い位置に置きましょう。そうすれば、毒蛇に噛まれた場合は、毒の回る速度を抑えることができます。
    • 心臓に流れ込んだ毒入りの血液は、体の隅々に向けて排出されます。噛まれた箇所を心臓よりも低い位置に置き、少しでも血流を遅らせましょう。[4]
    • できれば、添え木を当てて、噛み傷の周囲を動かさないようにしましょう。棒または板切れを噛み傷の片側に当てます。そして、布きれなどを使い、添え木を上・中・下の3カ所で縛って固定します。
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    衣類、アクセサリー、その他患部を締め付けているものはすべて取り外しましょう。毒蛇の噛み傷は、あっという間に深刻な腫れを引き起こします。たとえ緩い服装であっても、噛まれた箇所が膨張するにつれて締め付けが激しくなるため、身に着けていることはできません。
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    傷口はできる限りきれいにしましょう。ただし、水で洗い流してはいけません。清潔な布を水に浸し、傷口に優しく当てながら、汚れをしっかりと落としましょう。傷口がきれいになったら、清潔な布を被せましょう。
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    救急隊が到着するのを待つか、または医療処置を受けに行きましょう。蛇に噛まれた際は、いち早く医療者の助けを求めることが大切です。傷口をきれいにして、アクセサリー類をすべて外した後に、ほとんど腫れが見られない場合は、おそらくその噛み傷は毒蛇によるものではないでしょう。ただし、たとえ無毒蛇の噛み傷であっても、感染症やアレルギー反応を始め深刻な反応を引き起こす危険があるため、やはり速やかな医療処置が必要になります。
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    容体を悪化させる行為は慎みましょう。蛇の噛み傷の処置については、様々な迷信が流布されていますが、実際にそのうちのいくつかは、かえって容体を悪化させるものです。
    • 傷口を切除しようとしたり、口で毒を吸い出そうとしてはいけません。傷口を切り取ると、さらに傷が悪化し、感染症の危険が高くなります。また、毒を吸い出した人は、わずかでも毒を体内に吸収するため、自ら中毒に陥る危険があります。
    • 止血帯や氷を患部に当ててはいけません。専門家によると、止血帯は血流を著しく阻害する危険があり、氷はかえって傷を悪化させます。[5][6]
    • アルコールやカフェインの摂取も禁物です。アルコールやカフェインは心拍数を上昇させるため、毒蛇に噛まれた場合は、毒が全身に行き渡ります。代わりに、水で水分補給をしましょう。
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    医療処置について理解しておきましょう。救急治療室では、腫れ、痛み、その他毒蛇の噛み傷による症状の緊急治療が行われます。腫れや痛み以外の症状として、吐き気、めまい、麻痺、呼吸困難、嚥下困難(物が上手く飲み込めない)などがあります。さらに、血圧の低下、血液系や神経系の損傷、アレルギー反応などについても検査が行われます。
    • みなさんの病状によって治療法は異なります。中には時間をかけて進行する症状もあるため、目立った症状が認められない場合でも、24時間は安静にして、経過を見守る必要があります。
    • 毒蛇に噛まれた場合は、おそらくアンチベニン(抗毒素、または抗蛇毒素血清)を投与することになります。蛇の毒素に対抗するために、様々な抗体から作成されたアンチベニンは、成人のみならず子供にとっても、安全かつ効力の高い血清です。症状によっては、複数回の投与が必要になるでしょう。
    • また、往々にして、感染症の予防のために、広域抗生物質が処方されます。さらに、場合によっては、破傷風の予防接種が行われるかもしれません。
    • 深刻な噛み傷の場合、手術が必要となるケースもあります。
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    医療者の助言に従い、その後も噛み傷の治療に専念しましょう。退院するまでは、予後の管理についての指示を受け、噛み傷の箇所を清潔にして保護するのが先決です。服を着替える頻度、回復途上にある傷の洗浄(通常は温水と石鹸で行います)、感染症の有無を見分ける方法などについて、医師や看護師から詳しい説明があるはずです。
    • よくある感染症のサインとして、腫れ、赤み、排膿、感染箇所の発熱、体温の上昇などが挙げられます。噛み傷の箇所にいずれかの症状が現れた場合は、直ちにかかりつけの医師に連絡を取りましょう。
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    直ちに医療処置を受けられない場合は、気持ちを落ち着けて、症状が回復するのを待ちましょう。野外に一人で取り残され、すぐには救急隊が到着できない場合は、できる限り心身を楽にして、毒素が体から抜けるのを待ちましょう。蛇の毒牙といっても、大抵の場合、死に至るほどの毒液を注入するわけではありません。それぞれの症状に対処するとともに、何よりも、落ち着いて、できるだけ体を動かさないように心掛けましょう。鼓動が激しくなると毒の回りも速くなるため、むしろ、蛇への恐怖や噛まれた後の不安が死につながるケースも珍しくありません。
    • 野外でハイキングをしていて、周りに人がいる場合は、救急サービスに電話をしてもらうか、または助けを呼びに行けるかどうかを尋ねましょう。あるいは、スネークバイトキット(解毒剤や吸引器など)を携行している人がいるかを確認しましょう。
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方法 2 の 3:
無毒蛇の噛み傷

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    止血をしましょう。無毒蛇の噛み傷は、ほとんどの場合、命に関わることはありません。しかし、感染症の予防のためにも、やはり応急処置は必要です。無毒蛇の噛み傷は、刺傷と同じ要領で手当をしましょう:まずは、滅菌ガーゼまたは包帯で傷口をしっかりと押さえつけましょう[7]
    • 噛みついた蛇が無毒であるという確信がない限り、噛み傷を無毒蛇によるものと決めつけて処置にあたってはいけません。少しでも毒蛇の疑いがあれば、直ちに医療処置を受けることが大切です。
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    慎重に傷口の汚れを落としましょう。きれいな水と石鹸を使って、傷口を数分間洗い流しましょう。その後、滅菌ガーゼで軽く叩きながら傷口を乾かします。[8] アルコールを浸み込ませたパッドがあれば、さらに効果的です。
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    傷口に化膿止め軟膏を塗って包帯を巻きましょう。きれいにした傷口に、化膿止め軟膏を薄く塗りましょう。その後、包帯を巻きます。傷口を保護するとともに、感染症を予防しましょう。
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    医療処置を受けましょう。噛み傷が清潔な状態かどうか、そして、適切に処置が行われたかどうかを医師に確認してもらいましょう。さらなる医療処置が必要かを尋ね、場合によっては、破傷風ワクチンを注射してもらいましょう。[9]
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    回復途上の傷口に注意しましょう。たとえ無毒蛇の噛み傷であっても、感染症を引き起こす危険はあります。赤み、線条痕、腫れ、排膿、または発熱といった感染症のサインに注意しましょう。これらの症状が現れた場合は、すぐに医師の元へ戻って検査を受けましょう。
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    水気をたっぷり取って回復を早めましょう。蛇の噛み傷から体を回復させるには、適切な水分補給が不可欠です。[10] 一般的には、1日当たり水2リットル分の水分補給が必要とされています。[11]
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方法 3 の 3:
蛇の種類と噛み傷

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    毒蛇について学びましょう。ほとんどの蛇は無毒ですが、その一方で、すべての蛇が獲物に噛みつく習性を持っています。[12] 最も一般的な毒蛇として、コブラ、アメリカマムシ、サンゴヘビ、ヌママムシ(コットンマウス)、ガラガラヘビなどがあります。大半の毒蛇は三角形の頭部を持つのが特徴ですが、正確に毒蛇か無毒蛇かを見分けるには、死骸を見て、牙の根元に「毒腺」があるかどうかを確認するのが唯一の方法です。[13]
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    いまいる場所が毒蛇の生息地域かどうかを確認しましょう。コブラは主にアジアおよびアフリカ大陸に生息しています。アメリカマムシは、アメリカ南部および東部、さらにオーストラリアやアジアのいくつかの地域でも見られます。各種サンゴヘビは、アメリカ南部、インドおよび東南アジア、さらに中国、台湾にまで分布しています。ヌママムシまたはコットンマウスは主にアメリカ南東部に生息しています。ガラガラヘビは、カナダ南部からアルゼンチンにかけて、アメリカ大陸の広範囲にわたって生息しています。
    • 毒蛇の分布を世界の地域ごとに比較すると、オーストラリアなど、特定の地域に、極めて毒性の強い種が集中的に見られます。毒蛇は、自然環境のみならず、都市部でも生存が可能です。都会にお住まいのみなさんも、それなりに警戒は必要です。
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    蛇の噛み傷について学びましょう。無毒蛇に噛まれた場合は、感染症および組織の腫れの予防や治療が最優先です。一方、毒蛇に噛まれると、組織の損傷や感染症に加えて、毒液(神経毒または出血毒)による身体への影響を考慮しなければなりません。ほとんどの蛇は、身の危険を感じて動揺したり、手で触られでもしない限り、人間に噛みつくことはありません。
    • 蛇の最大の武器となる牙には、“固定式”と“折り畳み式”の2種類があります。毒蛇は、種によって、どちらかのタイプの牙を持っています。例えば、サンゴヘビのように、上顎に固定された牙を持つ種の毒液は、往々にして神経系に作用します。一方、ガラガラヘビのように、顎の動きに合わせて可動するタイプの牙を持つ種の毒液は、血球に影響を及ぼす傾向があります。[14][15][16]
    • あらゆる種類の蛇は、体組織を破壊する物質を持っています。毒性の有無にかかわらず、蛇に噛まれた際は、組織の損傷を最小限に抑えることが何よりも大切です。
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    蛇の生態を理解しましょう。“冷血な”変温動物である蛇は、自身の周囲や太陽から体熱を確保しています。[17] したがって、涼しい気候や寒い季節では、蛇は休眠状態となるため、噛まれる機会はもとより、姿を目にする機会も減少します。
    • 赤道地帯に近付くにつれて、蛇を目にする機会および蛇による被害は増加します。熱帯地域に生息する蛇には冬眠の必要がありません。暑い日中はさらに活動的になります。
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    蛇との接触を避けましょう。結局のところ、攻撃を避けるのが、蛇の噛み傷の最も有効な治療法です。以下は、野外活動の専門家による、蛇との遭遇や噛み傷を避けるための心得です:
    • 藪、背の高い草、大きな石、樹木といった、蛇の隠れ家になりそうな場所の傍で睡眠や休息を取ってはいけません。
    • 岩の裂け目、丸太の穴、藪の中などに手を差し込んではいけません。腹を空かせた蛇が待ち構えているかもしれません。
    • 藪または背の高い草の間を歩く際は、足元に視線を落としましょう。
    • 蛇を手で捕まえようとしてはいけません。死んだ蛇も同様です。蛇は死んでから1分ほどは、反射神経によって噛みつくことができます。奇妙ですが、「マムシのごとき」という言葉にあるように、蛇は極めて狡猾で、しつこい動物です!
    • 常にハイキングブーツを履いて足首を保護するとともに、ズボンの裾は靴の中に入れたままにしましょう。
    • 音を立てましょう。みなさんが蛇を怖がるのと同様に、蛇もみなさんを恐れています! [18] いきなり姿を見せて蛇を驚かせないように、遠くから音を出してみなさんが近付いて来ることを知らせましょう。
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    スネークバイトキットを購入しましょう。頻繁にハイキングに出掛けたり、山や森の散策を生業にする人は、解毒剤と吸引器がセットになったスネークバイトキットを購入しましょう。カミソリやサクションバルブの入ったキットを使用してはいけません。[19]
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注意事項

  • 毒蛇の姿を見かけたり、近付いて来る音が聞こえたら、まずはその場でじっとしましょう。視力こそ弱いものの、赤外線感知に優れた蛇は、周りの物の動きを感知しながら恐怖の対象を識別します。ゆっくりと後ずさりしましょう。安全な場所に移動したら、他の人達に蛇がいることを伝えましょう。
  • ガラガラヘビの生息する地域で人混みの中を歩く際は、足元に注意しましょう。ガラガラヘビは、尻尾の先に付いた「ガラガラ」を震わせて脅威になるものを威嚇するため、音に気付いてすぐに距離を取れば、襲われる心配はありません。しかしながら、近年では、人間による乱獲によって、都市部に生息するガラガラヘビの生態に変化が生じています。人混みの中では、もはやガラガラヘビはあまり威嚇行動を取らず、爬虫類が本来持つカモフラージュ能力を使って身を潜めています。そのため、足元に気を付けていないと、思いがけず、踏みつける恐れがあります。
  • 噛まれた箇所の5~8cm上部に、きめが細かく、かつ肌に優しい伸縮包帯を巻くことを勧める人もいます。ニチバン包帯のような伸縮包帯を使うか、または伸縮性のあるシャツやその他の衣類の切れ端を使って患部を圧迫することもできます。しかしながら、専門家の中には、このような伸縮繊維を使った圧迫止血に賛成しない人もいます。というのも、患部から包帯や衣類を取り外した瞬間に、急激な血流によって全身に毒が回る危険があるためです。また、応急処置に詳しくない人が行うと、往々にして止血帯のようにきつく縛りすぎてしまい、血行が遮断されて、かえって容体が悪化します。
  • 刃物で傷口を開いたり、口またはスネークバイトキットで毒を吸い出そうとしてはいけません。このような方法では、大した量の毒液を除去することはできません。患部の皮膚にさらに損傷を与えるだけでしょう。


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このwikiHow記事について

Laura Marusinec, MD
共著者
学会認定小児科医
この記事の共著者 Laura Marusinec, MD. マルシネック医師はウィスコンシン小児科病院の小児科医で、病院内の臨床実務評議会に参加しています。1995年にウィスコンシン医科大学医学部にて医学博士号を取得後、1998年に同大学病院小児科にて臨床研修を修了。全米医療ライター協会と小児緊急治療学会の会員です。 この記事は22,849回アクセスされました。
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