血中コレステロールを下げる方法

共同執筆者 Victor Catania, MD

この記事には:食生活を変える生活習慣を変える薬物療法でコレステロールを下げる52 出典

普段私たちが口にするコレステロール源には、体内の高密度リポタンパク質(HDL)コレステロール(いわゆる善玉コレステロール)を増大させるものと、低密度リポタンパク質(LDL)コレステロール(いわゆる悪玉コレステロール)を増大させるものがあります。[1] LDLコレステロール値が上昇すると、やがて動脈内に堆積したコレステロールが酸素の担い手である血液の流れを阻害し、動脈硬化症(粥状硬化症)を引き起こします。[2] 血中コレステロールのレベルは年齢とともに増大しますが、生活習慣によっては、堆積の速度が深刻なまでに加速します。[3] 高いコレステロール値は、最も一般的な死亡原因である心臓疾患や卒中につながります。[4] 血中コレステロールを下げる方法をしっかりと学び、心臓病のリスクを減らして、末永く健康的な人生を送りましょう。[5]

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食生活を変える

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    不健康な脂肪源を減らしましょう。中でも、心臓病のリスクを著しく増大させるトランス脂肪および飽和脂肪は、最も有害な脂肪といえます。[6] 飽和脂肪は、私たちの食生活の中で、最大のコレステロール源です。[7] 他の食習慣や生活習慣の改善と合わせて、トランス脂肪および飽和脂肪の摂取を減らすか、または完全に排除すれば、コレステロール値を劇的に低下させることができます。
    • 赤肉、鳥肉、全脂肪乳製品などは、飽和脂肪分の高い代表的な食品です。[8]
    • トランス脂肪は、肉類や乳製品のみならず、パン類、チップス(ポテト、コーン、トルティーヤ系)、揚げ物、マーガリン、そして乳製品の代用クリーマーなどにも含まれています。[9] パッケージに「部分水素添加油」の表示のある食品も避けましょう。往々にしてトランス脂肪が高い割合で含まれています。[10]
    • 医療従事者は、飽和脂肪の摂取量を総摂取カロリーの10%以下に抑えることを勧めています。しかし実際の現場では、心臓疾患のリスクを劇的に低下させるために、さらに低い割合(総カロリーの7%以下)に抑えるように助言しています。[11]
    • トランス脂肪の摂取をできる限り減らしましょう。 大半の医師がトランス脂肪をこの世で最も有害な食物性脂肪と考えています。[12]
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    健康的な脂肪を摂取しましょう。私たちの体には、ある程度の脂肪も必要です。有害な脂肪の代わりに、健康的なタイプの脂肪を選んで摂取することが大切です。健康的な脂肪源として、一価不飽和脂肪、多価不飽和脂肪、そしてオメガ3脂肪酸があります。[13]
    • 一価不飽和脂肪および多価不飽和脂肪を豊富に含んだ食材として、アボカド、オリーブオイル、ベニバナ油、ピーナッツオイル、コーンオイルなどがあります。[14]
    • 亜麻仁、キャノーラ油(菜種油)、大豆油、クルミ、ヒマワリの種などは、オメガ3脂肪酸の供給源として、最も一般的な植物由来の食材です。[15]
    • 魚類はオメガ3脂肪酸を豊富に含んでいます。サケ、マグロ、マス、サバ、イワシ、ニシンといった健康的な魚を選びましょう。[16]
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    高繊維食品を食べましょう。特定の高繊維食品は心臓に有益であることが証明されています。他の生活習慣の改善と合わせれば、コレステロール値を低下させることも可能です。[17] 可溶性繊維には血流へのコレステロールの吸収を抑える働きがあるため、全体的なLDL(悪玉)コレステロール値の低下につながります。[18]
    • 優れた可溶性繊維食品として、 オートミール、麦ヌカ、インゲン豆、リンゴ、梨、大麦、プルーンなどがあります。[19]
    • 体内の総コレステロール(とりわけLDLコレステロール)を下げるために、1日当たり少なくとも5~10グラムの可溶性繊維の摂取を心掛けましょう。[20]
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    植物ステロールまたはスタノールを進んで摂りましょう。天然の植物成分であるステロールやスタノールには、体内でのコレステロールの吸収を阻害する働きがあることが証明されています。[21] 植物ステロールおよびスタノールを健康的な食生活に取り入れれば、さらに体内のコレステロール値を下げて心臓疾患のリスクを軽減できるでしょう。
    • いくつかの研究によると、植物ステロールはLDLコレステロール値を5~10%下げることができます。[22]
    • 1日当たり少なくとも2グラムの植物ステロールおよびスタノールを摂取して、コレステロール値の変化を見てみましょう。[23]
    • ステロールは、自然環境下ですべての植物に含まれる成分です。天然の植物ステロールを豊富に含んだ食品として、植物油、ナッツ類、豆類、穀物、シリアル、各種葉菜類などがあります。[24]
    • 通常、ステロールやスタノールは、いくつかの種類のマーガリン、オレンジジュース、ヨーグルトドリンクといった特定の食品に栄養強化剤として添加されています。もっとも、すべてのマーガリンやオレンジジュースが強化食品ではありません。パッケージを見て、その食品にステロールやスタノールが含まれているかを確認しましょう。[25]
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    ホエイタンパク質のサプリメントを服用しましょう。ホエイタンパク質のサプリメントには、LDLコレステロールを始め、全体的なコレステロール値を下げる効果があることが明らかになっています。[26]
    • ホエイサプリの中で代表的なものがホエイプロテインパウダーです。ホエイプロテインパウダーは、健康食品店を始め大半の食料品店で購入できます。服用量はメーカーおよび個人の栄養計画によって異なります。必ずパッケージに記載された使用上の注意に従いましょう。[27]
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    炭水化物の摂取量を減らしましょう。いくつかの研究によると、炭水化物を減らした食事は、動脈内でのコレステロールを始めとする脂質の蓄積を抑えることができます。さらなる研究成果が待たれるものの、炭水化物の摂取を抑えた食生活は、コレステロール値の高い人々にとって、動脈硬化を予防する大きな可能性を秘めています。[28]
    • 心臓に優しい低炭水化物ダイエット(糖質制限ダイエット)として、鳥肉、魚、卵、豆腐といった低脂肪タンパク源、およびデンプン質を含まない野菜を中心とした食生活を実践しましょう。[29]
    • ほとんどの低炭水化物ダイエットでは、炭水化物の摂取量を1日当たり60~130グラムに制限します。[30]
    • 食事計画を実践する前に、低炭水化物ダイエットやその他の食事療法について医師に相談しましょう。
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    プラントベースダイエットを検討しましょう。肉料理を中心とした食生活に比べて、ベジタリアンやビーガンの間で盛んに行われているプラントベースダイエットは、LDLコレステロールを下げて心臓疾患のリスクを減らすのに有効であることが研究で明らかになっています。[31]
    • ベジタリアンおよびビーガン用であっても、糖分やトランス脂肪分の高い食品は少なくありません。一方、果物、野菜、ナッツ、種子類、植物油を中心としたプラントベースダイエットは、一般的に、心臓にとても優しい食事療法と考えられています。[32]

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生活習慣を変える

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    エクササイズをしましょう。コレステロールを下げて心臓疾患のリスクを減らすには、健康的なライフスタイルを実践することが大切です。少なくとも週に5日は、最低30分間、中度から強度の有酸素運動を心掛けましょう。毎週、最低150分間の中強度運動、または75分間の高負荷運動を目標にしましょう。[33]
    • ウォーキング、サイクリング、水泳、縄跳びなどは、いずれも優れた有酸素運動です。[34]
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    無駄な体重を減らしましょう。医師は、過体重および高コレステロールの患者に減量計画を勧めます。過体重は、心臓にさらなる負担をかけ、血圧を上昇させます。[35] たとえ2キロほどの減量であっても、血圧を改善し、動脈硬化のリスクを減らすことができます。[36]
    • 過体重の自覚があり、高いコレステロール値を記録したみなさんは、自身に最適な減量計画について担当医に相談しましょう。大抵の場合、食生活を改善し、日々の運動強度を上げれば、体重を落として健康的な生活を送ることができます。
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    喫煙を止めましょう。喫煙が動脈硬化や心臓疾患の大きな要因となることは広く知られています。[37] たとえ時折であっても、喫煙習慣は心臓や血管に損傷を与え、将来的な動脈硬化の危険を増大させます。[38]
    • 現在喫煙をしているみなさんは、タバコを止めて健康的なライフスタイルを送る方法について医師に相談しましょう。[39]
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    アルコールの摂取を極力控えましょう。日頃からアルコールを大量に摂取していると、血圧の上昇を招き、場合によっては、動脈硬化に発展する危険があります。また、過剰なアルコール摂取は、動脈硬化のもう一つの要因である体重増加を引き起こします。[40]
    • 決められた量に従い、アルコール摂取量をきちんと把握しましょう。[41] イギリス国民健康サービスが定める、1杯の酒のアルコール単位(ユニット)を算出する方法は、アルコール濃度(アルコール度数)に酒量(ミリリッター)を掛け、1000で割ります。グラス1~2杯分のワインまたはビールが1日当たりのアルコール摂取量として推奨されています。[42]

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薬物療法でコレステロールを下げる

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    薬物療法は慎重に行いましょう。食事療法やエクササイズだけではコレステロール値が下がらない場合は、薬物の服用が必要になるでしょう。自身の体重やコレステロール値、またはライフスタイル全般が気がかりなみなさんは、医師に相談してコレステロール薬の服用も視野に入れた治療計画を立てましょう。[43]
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    スタチンを試しましょう。スタチンは、体内でのコレステロール生成に必要な酵素の働きを抑制または完全に阻害する薬剤の総称です。コレステロール値を下げるのにスタチンは最も効果的な薬剤の一つです。いくつかの研究結果から、スタチンはLDLコレステロールを20~55%低下させることが明らかになっています。[44]
    • 代表的なスタチンとして、アトルバスタチン(リピトール)、ロスバスタチン(クレストール)、 シンバスタチン(ゾコー)などがあります。[45]
    • 人によっては、筋肉痛、関節痛、そしてALTやASTなどの肝臓数値の上昇といった副作用が起こります。 肝機能障害がある場合、または妊娠中のスタチンの服用は禁物です。[46]
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    エゼチミブ(ゼチーア)を服用しましょう。エゼチミブは身体のコレステロールの吸収を抑えます。スタチンと合わせて服用するのが効果的ですが、エゼチミブ単体でもLDLの数値を18~25%下げることができます。[47]
    • エゼチミブは、時として関節痛、下痢、睡魔といった副作用を引き起こします。 エゼチミブの身体への影響が分かるまで、車の運転や重機の操作は禁物です。[48]
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    胆汁酸レジン(陰イオン交換樹脂)を試しましょう。胆汁酸レジンは、コレステロールを大量に含んだ胆汁酸を十二指腸内で吸着し、老廃物とともに排出する薬剤です。この種の薬剤は、LDLの数値を15~30%低下させることが分かっています。[49]
    • 一般的な胆汁酸レジンには、コレスチラミン(クエストラン、プレバライト)、コレスチポール(コレスチド)、そしてコレセベラム(ウェルコール)があります。[50]
    • コレステロール値を効率よく下げるには、レジンと他のコレステロール薬を併用する必要があるでしょう。[51]
    • 場合によっては、胃の痛みや便秘が副作用として現れます。[52]

ポイント

  • 人によっては食生活や生活習慣の改善だけでコレステロール値を下げることができます。薬物療法が必要な場合でも、心臓に優しい健全なライフスタイルを心掛けましょう。

注意事項

  • 食事計画や運動計画を実践する前に、まずは医師に相談しましょう。

出典

  1. http://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/high-blood-cholesterol/in-depth/trans-fat/art-20046114
  2. http://www.nhlbi.nih.gov/health/health-topics/topics/atherosclerosis
  3. http://www.nhlbi.nih.gov/health/health-topics/topics/atherosclerosis
  4. http://www.heart.org/idc/groups/heart-public/@wcm/@hcm/documents/downloadable/ucm_300460.pdf
  5. http://www.nhlbi.nih.gov/health/health-topics/topics/atherosclerosis
  6. http://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/high-blood-cholesterol/in-depth/trans-fat/art-20046114
  7. http://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/high-blood-cholesterol/expert-answers/plant-based-diet-cholesterol/faq-20089332
  8. http://www.mayoclinic.org/healthy-lifestyle/nutrition-and-healthy-eating/in-depth/fat/art-20045550
  9. http://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/high-blood-cholesterol/in-depth/trans-fat/art-20046114
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記事の情報

この記事はVictor Catania, MDが共著しています。 カターニア医師はペンシルバニア州在住の家庭医です。2012年にセントクリストファー・ネイビス連邦にキャンパスを置く医学大学、「Medical University of the Americas」にて医学博士号を取得しています。

カテゴリ: 全般的健康

他言語版:

English: Lower Arterial Cholesterol, Español: eliminar el colesterol arterial, Italiano: Ridurre i Livelli di Colesterolo, Français: éliminer le cholestérol de vos artères, Русский: удалить артериальный холестерин, 中文: 降低动脉胆固醇(动脉粥样斑块), Deutsch: Arterielles Cholesterin senken, Bahasa Indonesia: Menurunkan Kolesterol Arteri, العربية: تقليل كمية الكوليسترول في الشرايين, 한국어: 혈중 콜레스테롤 수치 낮추는 법, Tiếng Việt: Hạ cholesterol trong động mạch

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