血圧を下げる方法

共同執筆者 Victor Catania, MD

この記事には:「DASH食」をとる生活習慣を見直す医師の診察を受ける19 出典

英語で「ハイパーテンション(hypertension)」とも呼ばれる「高血圧」ですが、その症状に影響を及ぼす要因には二つあります。一つは心臓から送り出される血液の量(心拍出量)で、もう一つが動脈の太さ(血管抵抗)です。高血圧は心疾患と脳卒中のリスクを高めます。[1]多くの場合は自覚症状を伴わないため、高血圧を発見するには少なくとも年に一度は健康診断を受診するのが最善です。高血圧を抱えている人のために、血圧低下に効果的な食事と生活習慣の改善方法をいくつか紹介します。[2]

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「DASH食」をとる

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    ナトリウムの摂取量を減らしましょう。たいていの人は1日に3,500 mg 程度のナトリウムを摂取しています。DASH食の「DASH」とは「Dietary Approaches to Stop Hypertension(高血圧予防のための食事法)」の頭文字を取ったものです。DASH食による食事療法では、1日のナトリウム摂取量を2,300 mg以下に抑えることを推奨しています。ナトリウムは食塩に含有されるため、その摂取量を抑えるには減塩するのが最も効果的です。具体的な方法を以下に示します。[3]
    • 料理には食塩を加えないようにしましょう。これには調理時の減塩も含みます。肉に塩をまぶさない、米やパスタの調理時に塩を加えないなどすると簡単に実践できます。
    • ポテトチップスやプレッツェル、塩味のナッツ類などといった塩気が強いスナック菓子や加工食品を摂取しないようにしましょう。こうした食品にはたいていの場合、大量の食塩が添加されています。加工食品を購入する際は、減塩タイプのものがないか探してみましょう。缶詰食品や加工調味料、固形スープの素、缶詰入りスープ、ジャーキー、スポーツドリンクなどは、原材料の項目で塩分添加の有無を確認しましょう。
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    1日に6~8単位の穀類を摂取しましょう。精白米や精白小麦粉よりも、食物繊維や栄養分を多く含む全粒穀物のほうがよいでしょう。1単位はパンであれば1枚、調理済みの米やパスタの場合は3/5カップ(120 ml)です。全粒穀物の摂取量を増やすには、以下の方法があります。[4]
    • 精白済みの小麦粉やパスタではなく、全粒のものを購入しましょう。全粒粉を使用したパン類の多くは、包みに「全粒粉」と記載されています。
    • オートミールや玄米も栄養価が非常に高く、食物繊維を豊富に含んでいます。
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    果物と野菜をたくさん摂取しましょう。果物と野菜を1日にそれぞれ4、5単位ずつ摂取しましょう。葉もの野菜であれば1 1/5カップ(240 ml)、調理済みの野菜の場合は3/5カップ(120 ml)が1単位です。果物や野菜は、血圧低下に効果があるカリウムとマグネシウムを豊富に含んでいます。果物や野菜を摂取するのに最適な方法として、以下のようなものがあります。[5]
    • 食事にサラダを添えましょう。同じサラダでも、食材を変えると飽きが来ません。りんごやオレンジの薄切りをトッピングして甘みを添えることもできます。皮にも栄養価があるため、りんごのような皮の薄い果物はむかずに使用します。新鮮な葉もの野菜やにんじん、トマトなどを使ったオーソドックスなサラダもよいでしょう。ただし、ドレッシングには塩分と脂肪油が大量に含まれているものが多いため、控えめにかけましょう。
    • 付け合わせには野菜を使用しましょう。パスタを茹でる代わりにサツマイモの上にメインディッシュを盛り付けたり、付け合わせにカボチャを使ってみたりするとよいでしょう。
    • 間食には果物や野菜を食べましょう。りんごやバナナ、にんじん、キュウリ、ピーマンなどを職場や学校へ持参するとよいでしょう。
    • 生野菜や冷凍野菜を購入しましょう。生野菜を腐らせるのが気になる人には、冷凍野菜が最適です。使用時まで冷凍庫で保管でき、解凍しても栄養価はきちんと残っています。
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    低脂肪の乳製品を取り入れましょう。カルシウムとビタミンDの貴重な供給源である乳製品ですが、脂肪分と塩分を取りすぎることがないように慎重に選ぶことが大切です。1単位は1 1/5カップ(240 ml)です。1日に2、3単位を摂取するように心がけましょう。[6]
    • チーズには塩分が大量に含まれている場合が多くあります。控えめに摂取しましょう。
    • ヨーグルトや牛乳は低脂肪もしくは無脂肪のものを選びましょう。いずれも全粒シリアルとよく合い、朝食に最適です。
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    赤身肉や鶏肉、魚は控えめに摂取しましょう。肉や魚にはたんぱく質やビタミン、鉄分、亜鉛が豊富に含まれていますが、種類によっては脂肪分とコレステロールを大量に含むものもあります。脂肪分やコレステロールは動脈硬化を引き起こすおそれがあるため、取りすぎないに越したことはありません。摂取量は多くても1日に6単位までにしましょう。肉の場合はおよそ30 g、卵であれば1個が1単位です。[7]
    • 脂肪分の多い赤身肉は摂取しないようにしましょう。摂取する場合には、脂身をできるだけ取り除きます。調理の際は油で揚げることはやめましょう。オーブンや直火で焼くなどしたほうが健康的です。
    • 鮭やニシン、マグロはオメガ3脂肪酸の含有量が非常に高く、体内のコレステロール値を下げるのに効果的です。また、たんぱく質も豊富に含んでいます。
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    脂肪分の摂取を控えましょう。脂肪分は心疾患のリスクを高めます。1日の脂肪摂取量は多くても3単位までに留めて、心臓の健康を維持しましょう。バター大さじ1杯が1単位です。脂肪摂取量を抑える簡単な方法としては、以下のようなものがあります。[8]
    • パンにバターやマヨネーズを塗るのはやめましょう。調理に使用する油の量を減らすのもよい方法です。全乳の代わりに脱脂粉乳を使い、ヘビー・クリーム(乳脂肪分が36~40%の高脂肪クリーム)やラード、固形ショートニング、パーム油、ココナッツ油などは使用しないようにしましょう。
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    ナッツ類や種子類、マメ類で栄養分を補いましょう。これらはマグネシウムやカリウム、食物繊維、たんぱく質に富む食品ではありますが、同時に脂肪分も比較的多く含んでいます。そのためDASH食による食事療法では、こうした食品を週に4、5単位を限度として摂取するように推奨しています。ナッツ類2/5カップ(80 ml)が1単位です。
    • ナッツ類や種子類はサラダにもよく合い、食塩を添加しなければ健康的なおやつにもなります。
    • 豆腐にはたんぱく質が豊富に含まれているため、ベジタリアンが肉の代用食品とするには最適です。
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    糖分の摂取量を制限しましょう。加工糖を摂取しても体に満腹感を与える栄養分は得られず、摂取カロリー量だけが増加します。 甘いものの摂取は、多くても週に5単位までに留めましょう。砂糖やジャム大さじ1杯が1単位です。[9]
    • 人工甘味料を使用しても構いませんが、過剰摂取しないようにしましょう。

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生活習慣を見直す

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    運動をしましょう。運動を行うと体重とストレスを管理しやすくなるため、血圧を下げるのに効果的です。[10]
    • 週に75~150分の運動を心がけるとよいでしょう。楽しく行える運動を選びましょう。ウォーキングやジョギング、ダンス、サイクリング、水泳、バスケットボールやサッカーのようなスポーツなどは大変効果的です。
    • 重量挙げなどの筋力トレーニングを週に2回行って、骨密度の維持と筋力向上に努めましょう。
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    アルコールの摂取量を減らしましょう。アルコールに依存した生活は心臓によくありません。酒類はカロリーも高く、肥満症を引き起こしやすくなります。飲酒は一切やめるか控えめにすると血圧低下に効果的です。[11]
    • 女性および65歳以上の男性は、多くても1日1杯に留めましょう。
    • 65歳未満の男性は、1日に2杯までにしましょう。
    • ビールは350 ml、ワインでは150 ml、ウイスキーなどの強い酒類では45 ml程度が1杯分に相当します。
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    禁煙しましょう。タバコは動脈硬化を引き起こして動脈を狭めるおそれがあるため、血圧上昇につながります。受動喫煙も同様です。禁煙に役立つ手段や情報源はたくさんあります。[12][13]
    • 医師やカウンセラーへの相談
    • 禁煙支援団体への参加やホットラインへの電話相談
    • 薬剤やニコチン置換療法
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    薬を見直しましょう。服用中の薬が高血圧を引き起こしていると思われる場合は、医師に相談しましょう。もっと自分に適した薬を処方してもらえるかもしれません。医師に指示を仰ぐことなく、自己の判断で薬の服用を中止してはいけません。以下の薬や成分は高血圧を引き起こす場合があります。[14]
    • 漢方薬(カンゾウが含まれているものなど)
    • 避妊ピル(一部)
    • 鼻炎薬および風邪薬(一部)
    • 非ステロイド系抗炎症市販薬(イブプロフェンなど)
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    ストレスを軽減しましょう。人生にはつきもののストレスですが、リラックス方法を用いてうまくコントロールすることは可能です。主な方法を以下に挙げます。[15]
    • ヨガ
    • 瞑想
    • 音楽またはアートセラピー
    • 深呼吸
    • 心が落ち着く画像の視覚化
    • 漸進的筋弛緩法(体の各筋肉群をゆっくりと緊張させた後に弛緩させるリラックス法)

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医師の診察を受ける

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    心臓発作や脳卒中を自覚した場合には、すぐに救急車を呼びましょう。これらはいずれも緊急事態であり、対応には1分1秒を争います。
    • 心臓発作の兆候としては胸の圧迫感や痛み、片腕または両腕、首、背中、あご、腹部の痛み、息切れ、発汗、吐き気、めまいなどがあります。突発的に逆流症状を起こす場合や胸骨のすぐ下に痛みを覚えることもあります。男女ともに心臓発作を起こす可能性はあります。[16]
    • 脳卒中の症状としては、顔のたるみや言語障害、他人の言葉が理解できない、腕や脚、顔がしびれる、もしくはこれらの部位に力が入らない、混乱、片目または両目の視覚障害、めまい、体を思うように動かすことができない、頭痛などがあります。[17]
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    高血圧の症状が現れた場合は救急病院を受診しましょう。自覚症状は現れないことがほとんどであるため、高血圧かどうかを判断するのに一番よいのは、年に一度の定期健診で血圧を測定してもらうことです。症状が現れる場合は、以下のようなものがあります。[18]
    • 頭痛が治まらない
    • 目がかすむ、ものが二重に見える
    • 鼻血が頻繁に出る
    • 息切れがする
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    医師が必要と判断した薬は服用しましょう。薬の服用に関しては、医師の指示に従うことが大変重要です。飲み忘れたり誤った飲み方をしたりすると、薬が作用しなくなる場合があります。医師から処方される薬には以下のようなものがあります。[19]
    • ACE 阻害薬:「ACE」とは「Angiotensin-converting enzyme(アンジオテンシン変換酵素阻害薬)」の頭文字を取ったものです。ACE 阻害薬には血管を拡張する作用があります。副作用として咳が出やすくなることがあり、市販薬をはじめとした他の薬と相互作用する可能性があります。医師の指示を仰ぐことなく、他の薬(市販薬を含む)やサプリメント、植物性生薬などを服用(摂取)してはいけません。
    • カルシウム拮抗薬:動脈を拡張する作用があります。副作用や他の薬との相互作用について、医師に確認しましょう。
    • 利尿薬:排尿量を増加させて、体内の塩分濃度を下げる効果があります。
    • β(ベータ)遮断薬:心拍数を低下させて、心臓の負担を軽減します。他の薬や生活習慣の改善で十分な効果が得られない場合の最終手段として用いるのが一般的です。

出典

  1. http://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/high-blood-pressure/basics/definition/con-20019580
  2. http://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/high-blood-pressure/basics/symptoms/con-20019580
  3. http://www.mayoclinic.org/healthy-lifestyle/nutrition-and-healthy-eating/in-depth/dash-diet/art-20048456
  4. http://www.mayoclinic.org/healthy-lifestyle/nutrition-and-healthy-eating/in-depth/dash-diet/art-20048456
  5. http://www.mayoclinic.org/healthy-lifestyle/nutrition-and-healthy-eating/in-depth/dash-diet/art-20048456
  6. http://www.mayoclinic.org/healthy-lifestyle/nutrition-and-healthy-eating/in-depth/dash-diet/art-20048456
  7. http://www.mayoclinic.org/healthy-lifestyle/nutrition-and-healthy-eating/in-depth/dash-diet/art-20048456
  8. http://www.mayoclinic.org/healthy-lifestyle/nutrition-and-healthy-eating/in-depth/dash-diet/art-20048456
  9. http://www.mayoclinic.org/healthy-lifestyle/nutrition-and-healthy-eating/in-depth/dash-diet/art-20048456
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記事の情報

この記事はVictor Catania, MDが共著しています。 カターニア医師はペンシルバニア州在住の家庭医です。2012年にセントクリストファー・ネイビス連邦にキャンパスを置く医学大学、「Medical University of the Americas」にて医学博士号を取得しています。

カテゴリ: 全般的健康

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