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学校で、記事の概要を書く課題が出る場合があります。あるいは、個人的に著者の考えをよりよく理解するために、記事を要約したいと思うこともあるでしょう。概要には、著者の主張、記事を書いた目的、主な意見を含めます。概要を書く前に、まず記事を数回読み、大事な点を余白にメモしましょう。メモを基に課題の指示通り書き終えたら、誰かに読んでもらい、フィードバックをもらって修正を施し、完成させましょう。

パート 1
パート 1 の 4:

記事を読む

  1. 1
    課題の指示を正確に理解する 課題の指示を少なくとも2回読み、課題の指示を理解していることを確認しましょう。求められていることと、すべきことを正確に把握して、合格ラインを目指しましょう。課題を終えたら、必要事項を全て満たしたかを確かめましょう。[1]
    • 不明な点があれば、先生に尋ねて全てを明確にしましょう。
  2. 2
    記事に目を通し要点を特定する まず記事にざっと目を通して、内容と構成を理解しましょう。見出しや小見出しに注意を払いましょう。また著者の主張、要点、結論を把握しましょう。
    • 主張、研究上の問い、記事を書いた目的にハイライトを入れるか下線を引きましょう。
    • 著者の主張の根拠づけや補足部分に印をしましょう。
    • 各セクションの見出しにハイライトを入れましょう。
    • 調査研究の方法が書かれていれば、それも把握しましょう。
    • 発見、結論、結果などにハイライトを入れましょう。
  3. 3
    記事を2〜3回読み十分に理解する 内容を正確に把握できるように、ゆっくりと読み進めましょう。不明点があれば、余白に書き留めましょう。2回目に読む時は、不明点が解消できように注意深く読み、理解を深めましょう。3回目は、重要な点をメモしたり要約を書いたりしましょう。
    • 声に出して読むと内容をより良く理解できます。
    • 記事を数回読むと、著者の考えがより深く理解できます。1回読んだだけでは、記事の内容を完全に理解するのはほぼ不可能です。
  4. 4
    余白に自分の言葉でメモをとる その一節が何を言っているのか、著者は何を言おうとしているのかを考えましょう。次に、記事の余白部分に自分の考えや解釈を書き留めましょう。必ず自分の言葉で書きましょう。記事内の単語を並べ替えたり、記事全体を言い換えたりしてはいけません。[2]
    • 完全な文章である必要はありません。短いフレーズや単語だけでも十分です。

    ヒント: 自分の言葉でメモをとれば、著者の言葉をそのまま書き写す(盗作する)ことなく、概要を書くことができます。

  5. 5
    記事の各セクションを1文でまとめる セクションごとに著者の意図を考え、まとめしょう。要点や、根拠づけなどの補足部分を特定します。要点は文章1つにまとめ、余白にセクションの要旨を短くまとめましょう。[3]
    • 次のような要旨になるかもしれません。「生徒の試験の点数や試験後のアンケート調査結果を基に、ロペス氏は、宿題は、生徒が授業内容をいつまでも記憶しておくのに一役買う、と主張している」。
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パート 2
パート 2 の 4:

概要の下書きをする

  1. 1
    著者と記事の簡単な説明から書き始める 前書きに、著者の氏名、経歴、記事のタイトルを書き、次に、記事の内容とその重要性を説明します。[4]
    • 次は前書きの一例です。「イネス・ロペス氏は元高校教師で、現在は大学教授として履修課程の作成方法を教えている。彼女の記事「効果的な宿題:生徒が宿題を必要とする理由」では、定期的な宿題が生徒のためになる理由について説明している。ロペス氏はまた、教育者がより良い授業を行えるよう、効果的な宿題と時間潰しにしかならない宿題とを区別している」。
  2. 2
    前書きの最後に自身の主張を書く 前書きの最後に自分自身の言葉で著者の主張を紹介します。著者の主張、仮定、研究上の問いに焦点を当てて考えた自身の主張です。著者の核となる概念を自分自身の言葉で書きましょう。自身の考えを含めてはいけません。[5]
    • 例えば、「宿題は授業の補足材料として不可欠だ。なぜなら、生徒は授業で習ったことを宿題としてもう一度家で勉強できるために覚えが良くなり、生徒の覚えが良くなるために先生は授業をどんどん先に進めることができ、更に宿題によって生徒の理解が詳細に分かるため、授業中1人1人の生徒に適切な注意を向けることができるからである」などと書けるでしょう。
  3. 3
    概要を短めにする場合は各要点を1つの文章にまとめる 記事の余白に書いた短い要約を読み直しましょう。そのセクションの主要点を把握し、著者が言っていることを要約し書きましょう。セクションごとに、この作業を行いましょう。[6]
    • 1ページ以下にまとめれば短い概要と言えます。まず、長めの段落を1つ、または前書きを冒頭に書き、次に本論、最後に結論を書きましょう。
    • 例えば、「ロペス氏によれば、必須科目の宿題を常にこなす生徒は、学業成績が向上する」などと書きます。

    ヒント: 概要は通常、元の記事の約3分の1の長さです。元の記事の長さが3ページ以下の場合にのみ、概要を短くします。

  4. 4
    長い概要を書く場合は、要点ごとに本論を設ける 元の記事が長い場合、概要は1ページ以上になるのが一般的です。要点ごとに本論を設け、各本論は4〜6つからなる文章でまとめましょう。各本論の冒頭で1〜2つの文章でその要点の趣旨をまとめましょう。[7]
    • 1ページ以上の場合「長い概要」とみなされます。
    • 「ロペス氏はある高校でクラスを2つ選び、1つのクラスには宿題を与え、もう1つのクラスには宿題を与えないという条件で比較検討したところ、宿題を与えられたクラスで宿題を完了させた生徒は、学業成績が良かったと主張している」などと書けるかもしれません。
  5. 5
    要点ごとに補足説明を2〜3つ加える 補足説明とは要点を補強する例証です。要点ごとに根拠となる例を、2〜3つ特定しましょう。短い概要の場合は1〜2つの文章で、長い概要なら2〜4つの文章で例証を提示しましょう。[8]
    • 「ロペス氏は自身の主張の根拠として、宿題をした生徒はしなかった生徒に比べて、試験で40%高い点数をあげ、授業の出席率も高く、加えて、必要単位を全て取り終えるのが、30%早かったと主張している」などと書けるでしょう。
  6. 6
    記事に書かれている調査方法を説明する 調査方法とは、著者が調査を実施するために使用した手順です。調査計画、実施プロセス、結果の測定方法を概要に加えしましょう。 調査に被験者が関与している場合は、被験者と被験者に課せられた課題を特定します。著者がどのようにしてデータを入手したかについても、具体的に説明しましょう。
    • 例えば、次のように書いてみましょう。「ロペス氏の調査では、ある高校で2つのクラスを選び比較検討を行った。どちらのクラスも年齢、生活環境、家族の社会的地位など全ての点で類似しており、学業面でも同様の支援が施された。宿題の効果を調べるために、一方のクラスには宿題を与え、比較対照のクラスには宿題を与えないという条件を設けて調査を行い、生徒の宿題の終了率、宿題の点数、授業出席の頻度、履修課程の進捗状況を追跡した。加えて、各試験の後に生徒への短いアンケート調査を実施した」。
  7. 7
    記事が調査や研究に関する場合、結果と結論を説明する 結果には、著者が調査研究を通じて得たデータまたは情報を含め、結論には、研究を通して得た仮定、考え方を含めます。調査研究の結果、著者の分析、及び、導き出した結論を書きしましょう。更に、著者が読者に対して特定の行動を促している場合は、それも加えましょう。
    • 「ロペス氏は、生徒の点数、クラス当たりの授業に出席した生徒の人数、授業の進行具合いなどのデータを収集した。更に彼女は、各試験の後で、生徒に対して簡単なアンケート調査を行い、生徒自身の自信の程度、授業内容の理解度、次の単元に進む準備が出来ているかどうかを尋ねた。アンケート結果を元に、ロペス氏は、生徒が毎日宿題を終わらせることができると、30%も速く授業が進行すると結論付けた。ロペス氏は、生徒の学業成績向上を図るには、必須科目の教師が毎日宿題を出すことを奨励している」などと書けるでしょう。
  8. 8
    自身の主張とその重要性を概要の最後に再度述べる 2〜3つの文章で結論を書きます。まず、前書きの最後で述べた自身の主張を再び結論で述べ、次に、著者の考えがその分野で重要hしされる理由、または意味のあるものである理由を簡単に説明しましょう。[9]
    • 「ロペス氏によれば、宿題が与えられると、生徒は授業内容をよく把握でき、即新しい単元に進むことが出来ます。彼女はこの調査を通じて、教師に仕事で成功を収めるための方法を紹介し、生徒の勉学を後押しする効果的な宿題の出し方をアドバイスしている」と書くことができるでしょう。
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パート 3
パート 3 の 4:

課題の指示を満たしていることを確認する

  1. 1
    概要が記事の長さの約3分の1であることを確認する 概要は、記事の内容を正確に伝えながらも簡潔にまとめる必要があります。概要と元の記事の長さと比較しましょう。元の記事の3分の1より長くなってしまったら、短くなるように修正しましょう。同様に、短すぎる場合は、詳細を追加しましょう。[10]
    • 正確に3分の1である必要はありません。ほぼその長さであれば、十分なはずです。

    例外: 概要の長さに指示があれば、その指示に従いましょう。先生から、「原稿用紙1枚で」と指示が出されたら、その指示に従いましょう。

  2. 2
    記事の著者に関連付けて意見や考え方を書く 著者への関連付けの目的は、その意見が元の記事の著者のものであることを読者に示すことです。そうすることで、著者の考えを誤って盗用することを回避できます。記事から考えや裏付けとなる詳細を拾って書くたびに、著者への関連付けを行って、それらが著者のものであることを示しましょう。[11]
    • 「ロペス氏は次のように確信している」、「ロペス氏は次のように主張する」などと加えましょう。彼、彼女などの人称代名詞を使用しても構いません。例えば、 「彼女は続けて……と言う」、「彼女は更に主張する」、「彼女はこの考えに反論する」などという具合です。
  3. 3
    鉤括弧は使わない 概要を書く目的は、記事の内容を自分の言葉で説明することです。鉤括弧は特定の人の発言を表すために使用するものです。著者の発言を使用するなら要約になりません。自分の言葉で著者の考えや意見などを書きましょう。

    警告: 元の記事からフレーズや文章をコピーすることは盗作です。課題が記事の要約なら、自分の言葉で内容を言い換えなければ、減点の対象となるでしょう。

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パート 4
パート 4 の 4:

概要を完成させる

  1. 1
    誰かに概要を読んでもらいフィードバックを求める 信頼できる人に概要を読んでもらい、正直な意見を求めましょう。改善が必要な箇所や誤りに印をつけてもらい、それらを基に修正を施しましょう。[12]
    • クラスメート、作文の得意な先輩、担任の先生などにフィードバックを求めましょう。
  2. 2
    概要が課題通りに書けているかを確認する 課題シートを読み直し先生の指示通りに書けているかを確認しましょう。指示通りでない場合は、書き直して課題の条件を満たしましょう。そうすれば、課題に割り当てられた点数が減点なくもらえるはずです。[13]
  3. 3
    段落を校正したり、誤りを修正して概要を修正する もらったフィードバックと課題シートの指示を基に修正を加えましょう。改善したいセクションを書き直し、読み直しの最中に見つけた文法上の誤り、誤字脱字などを修正しましょう。[14]
    • 課題の重要性によっては、数回修正を行う必要があるかもしれません。成績に直接関連する場合は、最高の出来であることを確認しましょう。
  4. 4
    校正して誤りをなくす 概要を書き終えたら注意深く読み返し、誤りがないか確認しましょう。誤りを見つけたら修正を加え、減点を回避しましょう。[15]
    • 可能であれば、誰かに校正を頼んでも良いかもしれません。彼らの気づきに基づいて修正を加えましょう。
  5. 5
    記事と照らし合わせて正確性を確認する  記事を読み直してから、書いた概要を読みましょう。記事で著者が述べていることを正確に反映しているかを確認しましょう。更に、概要に主題、要点、主要となる補足説明が含まれているかを確認しましょう。最後に、自分の分析や意見があれば、削除しましょう。
    • 自分自身の考え、分析、意見を含めてはいけません。記事の著者の考えに焦点を当てます。
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ポイント

  • 先生の指示に正確に従い、課題に割り当てられた点数を稼ぎましょう。
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注意事項

  • 著者の考え方を自分の言葉に置き換えて書きましょう。決して著者の意見をそのまま書いてはいけません。盗作とみなされます。
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このwikiHow記事について

Richard Perkins
共著者 ::
ライティング・コーチ、英語アカデミック・コーディネーター
この記事の共著者 : Richard Perkins. ライティング・コーチで英語アカデミック・コーディネーターのリチャード・パーキンスは、「PLC Learning Center」の創業者です。生徒にライティングを教えるためのツールを教師に提供し、小学生から大学生までの生徒を対象に、自信を持って文章を書けるようにさせることを目指して、経験は24年以上。ナショナル・ライティング・プロジェクトフェロー。カリフォルニア州立大学ロングビーチ校のグローバル教育プロジェクトにおいて、教師リーダー兼コンサルタントとして、国連の17の持続可能な開発目標を小学校から高校までのカリキュラムに組み込むことを目的とした教師向けワークショップを作成・発表しています。南カリフォルニア大学にてコミュニケーションとテレビ学の学士号を、カリフォルニア州立大学ドミンゲスヒルズ校にて修士号を取得。 この記事は1,672回アクセスされました。
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