記憶力を高める勉強方法
この記事には:記憶法を使う良い習慣を確立する快適な学習空間を見つける
試験に向けての勉強、語学の習得、大学の授業で学んだ内容を記憶にとどめるなど、勉強したことを忘れないようにすることは難題です。習得したことを長期間維持する脳の機能は驚くほど高いですが、必要な時に情報を引き出すことは簡単なことではありません。そんな時は、記憶術を使って記憶をよみがえらせましょう。心や体を管理して快適な空間の中で学ぶことで、脳が新たな情報を取りこみやすい状態にしましょう。
ステップ
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記憶法を使う
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1学習内容を少しずつ区切る 内容を小さく区切ると、情報を処理して記憶することが容易になります。教材の章全体を暗記するのではなく、小さい項目や重要な内容に少しずつ集中しましょう。[1]
- 語学の授業で単語を覚える場合、一度に7~8個以上は暗記しないようにしましょう。
- 教材を使って勉強している時は、教材の構造を上手く利用しましょう。通常、教材の各章は、適度な情報量を含む短い項目に区切られています。ひとつの項目を理解して覚えてから、次に進みましょう。
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4自分をテストする 教材の各項目を学ぶ度に休憩を取り、自分自身に問題を出してみましょう。[6] フラッシュカードや自作問題を作ったり、教材に書かれている練習問題や知識確認問題を解いてみましょう。友人と勉強している時は、お互いに問題を出し合いましょう。
- Quizlet(他のユーザーが作成したコンテンツを学ぶ、あるいは自分でカスタムの学習セットを作成するオンライン学習ツール) を使うと、ひとりでも友人とでもクイズを出すことができます。自分のコース教材を基にデジタルフラッシュカードを作ったり、他の人が作ったフラッシュカードを使うこともできます。
- 自分をテストするには、勉強しながら教材の基礎的な質問を自分にしてみることです。例えば、「教材の中のこの項目の重要な点は何でしょう?」という質問をしてみましょう。 [7]
- 自分に問題を出すことは、教材をどの程度理解しているかを把握するのに役立ちます。また、脳が記憶しようとして、さらに働くようになります。
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5間隔をあけて復習する ものを覚えようとする時は、繰り返すことが大事です。勉強したことを忘れかけている時に、間隔をあけて復習すると効果的です。少し時間をあけてから復習をすると、筋肉の働きを脳に記憶させ、さらに深く教材を学ぶことができます。[8]
- 間隔をあけて復習する時は、まず間隔を短く設定し、徐々に間隔を伸ばしていきます。例えば、何かを勉強したら、内容をひと晩寝かせ、翌日に少し復習しましょう。数日後に自分をテストして、さらに一週間後にもテストしてみましょう。
- Anki(分散学習システム)などの勉強アプリを利用して勉強間隔を調整しましょう。
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6記憶術増進法(ニーモニック)と呼ばれる方法で記憶を引き出す 最も簡単に記憶を呼び起こすには、記憶を連想させるものを利用することです。虹の七色を覚える時は、七色の英語であるRed、Orange、Yellow、Green、Blue、Indigo、Violetの頭文字を合わせて「ROY G. BIV」として覚えることができます。また、語呂合わせや単語ゲームをしたり、頭の中で独特な画像を思い浮かべることもよいでしょう。[9]
- 一番良く知られている記憶術増進法は、覚えたい単語の頭字語を作り、頭文字を使ってアクロスティック(各行の最初の文字を並べると、語句や文になるようにする言葉遊び)文章を考え、韻を踏んで覚える方法です。 また、視覚型の人は、画像を関連付けて記憶することもできます。 [10]
- 音楽も記憶を引き出すのに非常に効果的であるため、内容をメロディーにして覚えるのもよいでしょう。何世代にも渡り、子供たちが歌を通してアルファベットを学んできたのはそのためです。[11]
- あなたの記憶を呼び起こすきっかけは、自分だけが知っていれば良いのです。それを証拠に、より奇抜で特殊な方が効果的です。例えば、古代ギリシャ語の単語である「hepomai」(意味:ついて行く)を覚える時は、アニメキャラクターのかわいい猫が「I'm hep! Oh my! Everybody follow me!」(僕の名前はhep! オーマイガー!みんなついて来て!)と言っている場面などを思い浮かべてみましょう。
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7学習内容を誰かに説明する 学ぶために最も良い方法は、教えることです。説明するには、自分が理解していなければなりません。他の人にも明確でわかりやすいように、内容を要約して伝える必要があります。こうすることで、さらに内容を吸収して理解できるようになります。[12]
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良い習慣を確立する
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1十分な時間を確保する 記憶を長続きさせたいのであれば、情報を理解、処理、確認する十分な時間が必要です。試験前には最低数週間、勉強する時間を作りましょう。試験前の一夜漬けでは、学んだことを維持することができない上に、疲労やストレスを感じ、膨大な情報量に埋もれるだけになってしまいます。 [13]
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2一晩寝かす 一般的に、人が最も良い状態でいるためには、7~9時間の睡眠が必要です。十分な睡眠をとることで、元気を取り戻して集中しやすくなり、さらに勉強や記憶にも良い効果が出ます。睡眠中に新たな情報が処理されるので、短時間の仮眠や、夜に十分な睡眠をとることで、難しい概念もより理解しやすくなるでしょう。 [14] 「睡眠衛生」(質の良い睡眠を得るために推奨される行動・環境の調整技法)を練習し、睡眠を最大限に生かしましょう。[15]
- 日中は、20~30分以上の仮眠は控えましょう。
- 就寝前の4~6時間は、カフェインやニコチンなどの刺激物は控えましょう。[16] 夜にアルコール類を1~2杯以上飲むと、睡眠を妨げます。 [17]
- 睡眠の質を改善するため、毎日最低10分間は運動しましょう。
- 辛いもの、酸性のもの、脂肪分が多い食べ物など、胸やけや消化不良を引き起こす可能性のあるものは、夕食時に控えましょう。
- 規則正しく、気持ちがリラックスできる就寝時間を習慣づけましょう。パソコンやスマートフォンから離れ、瞑想や軽いストレッチをして暖かいシャワーを浴びたり、お風呂に入りましょう。眠る前に本を読むのもよいでしょう。就寝前の30分程度はくつろぐようにしましょう。[18]
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4休憩をとる 同じ姿勢で長時間勉強していると、居眠りをしてしまうか、意識がぼんやりしてきます。勉強を効率的にするには、一度に1時間だけ勉強しましょう。勉強の合間に5~15分の休憩を確保して軽食をとったり、足を伸ばしたり、頭を休ませて仮眠をとりましょう。[21]
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快適な学習空間を見つける
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1快適な勉強場所を見つける 快適でない場所では勉強に集中できません。場所を広く使うことができ、ひとりになれるきれいで快適な空間を見つけましょう。決めた場所に良い椅子がなければ、自分のクッションを持参すると良いでしょう。[22]
- 良い学習空間には、自分の部屋の机や学校図書館の個別の席や仕切られた場所、静かな喫茶店のテーブルなどが良いでしょう。
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2静かな空間で勉強する 背景雑音が多い場所では、集中しづらいものです。人々の話声、工事の音、人が聴いている音楽の音もれなどが気にならない場所を見つけて勉強しましょう。場合によっては、余計な雑音をかき消すため、静かで邪魔にならない背景音楽をかけてみましょう。[23]
- 家族やルームメイトなど、周りに人がいる状態で勉強する時は、しばらくの間はひとりで集中したい旨を事前に伝えましょう。
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3明かりを十分確保する チラチラする照明や薄暗い中で勉強すると集中できず、学習内容もはっきり見ることができません。日中勉強する場合は、自然光がたっぷり入る場所を選びましょう。夜間勉強をする時や、日当たりの良い窓がない場合は、フルスペクトル蛍光灯(太陽光に近い蛍光灯)がある場所を選びましょう。[24]
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4邪魔な誘惑から離れる 身近にソーシャルメディア、ゲーム、テレビなどがあると、勉強がなかなかはかどりません。テレビがない部屋で勉強するか、少なくとも勉強中はテレビを消すようにしましょう。できればスマートフォンの電源を切るかフライトモードに設定し、ソーシャルメディアを見る誘惑から逃れましょう。パソコンでの作業中は、StayFocused(指定したウェブサイトの閲覧時間を管理できる拡張機能)などのブラウザ拡張機能を利用し、無駄な時間を費やしてしまうウェブサイトを見ないようにしましょう。[25]
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5ベッドの上で勉強しない 快適すぎると居眠りする誘惑に駆られてしまいます。眠い時は、ソファや居心地の良いアームチェアでの勉強は控え、机かテーブルに向かって勉強しましょう。[26]
- ベッドの上で勉強することに慣れてしまっている場合は、夜眠りにつくことが困難になることもあります。
出典
- ↑ https://www.k-state.edu/counseling/topics/stress/strestst.html#strategies
- ↑ https://www.babbel.com/en/magazine/memory-techniques-and-tricks-and-how-to-remember-new-stuff
- ↑ https://www.theatlantic.com/business/archive/2014/09/science-tells-you-how-many-minutes-should-you-take-a-break-for-work-17/380369/
- ↑ http://www.pbs.org/wgbh/nova/next/body/taking-notes-by-hand-could-improve-memory-wt/
- ↑ http://content.time.com/time/health/article/0,8599,1882127,00.html
- ↑ https://www.k-state.edu/counseling/topics/stress/strestst.html#strategies
- ↑ http://www.businessinsider.com/how-to-remember-everything-you-read-2015-9
- ↑ https://www.babbel.com/en/magazine/memory-techniques-and-tricks-and-how-to-remember-new-stuff
- ↑ https://www.babbel.com/en/magazine/memory-techniques-and-tricks-and-how-to-remember-new-stuff
- ↑ http://faculty.bucks.edu/specpop/mnemonics.htm
- ↑ https://www.learningassistance.com/2006/january/mnemonics.html
- ↑ http://www.businessinsider.com/how-to-remember-everything-you-read-2015-9
- ↑ http://education.seattlepi.com/disadvantages-cramming-tests-2665.html
- ↑ https://www.health.harvard.edu/blog/sleep-helps-learning-memory-201202154265
- ↑ https://sleepfoundation.org/sleep-topics/sleep-hygiene
- ↑ https://sleep.org/articles/design-perfect-bedtime-routine/
- ↑ http://healthland.time.com/2013/02/08/sleeping-it-off-how-alcohol-affects-sleep-quality/
- ↑ https://psychcentral.com/lib/12-ways-to-shut-off-your-brain-before-bedtime/
- ↑ https://www.hsph.harvard.edu/nutritionsource/2013/11/06/healthy-eating-ten-nutrition-tips-for-eating-right/
- ↑ https://www.medicalnewstoday.com/articles/247456.php
- ↑ https://psychcentral.com/lib/top-10-most-effective-study-habits/2/
- ↑ https://www.wgu.edu/blogpost/improve-online-study-environment
- ↑ https://www.wgu.edu/blogpost/improve-online-study-environment
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- ↑ https://www.princetonreview.com/college-advice/homework-distractions
- ↑ https://www.wgu.edu/blogpost/improve-online-study-environment
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カテゴリ: 教育
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