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要介護者を家族だけで在宅介護することは、決して容易なものではありません。心身の疲労の蓄積や困りごとが生じた際の適切な対処法など、判断に窮してしまう場面がいくつも想定されます。こうした状況下で活用したい介護サービスの1つが、ホームヘルパーなどが利用者の自宅を訪れ、要介護者の入浴や排せつなどを介助する身体介護だけでなく、調理、掃除、洗濯など、家族の生活援助を行う、訪問介護です。多くのケースで突然始まる介護生活に備え、要介護の高齢者の自立した在宅生活とその家族をサポートする、訪問介護に関する基礎知識を、より早い段階で確かめておきましょう。[1]

方法 1
方法 1 の 3:
基礎知識を確かめる

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    訪問介護を理解する 訪問介護とは、介護福祉士(ケアワーカー)や訪問介護員(ホームヘルパー)が、要介護者ならびに要支援者の自宅を直接訪れる介護サービスです。具体的なサポート内容は、要介護者の食事・排せつ・入浴などの身体介助、掃除・洗濯・調理などの生活援助、通院の外出移動補助など、利用者の自立した日常生活を支援する目的に沿っています。
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    サービス内容を知る 訪問介護の利用に際しては、具体的にどのようなサービスが受けられるのか、要介護者ならびに家族が必要とする介助内容を満たしているのかなど、事前の確認作業が大切です。[2]
    • 身体介助 訪問介護職員が被介護者の身体に直接触れることで提供する、介護サービスの総称です。食事の介助や見守りの『食事介助』、入浴時の手助けや髪や身体を洗う『入浴介助』、車椅子や車への乗降を手伝う『移乗介助』、おむつ交換などの『排せつ介助』、床ずれ予防・防止目的で体位を変える『体位変換』などが該当します。その他『散歩介助』『衣類着脱介助』『口腔洗浄』など、被介護者の身体ならびに精神状態に応じたケアも、身体介助サービスとして提供されます。
    • 生活援助 被介護者が1人暮らし、もしくは家族や本人が家事を行えない場合に、身の回りの世話を通じて日常生活をサポートします。食事の準備、掃除、洗濯、ゴミ出し、買い物代行、部屋の整理整頓など、私たちが日常行っている作業を担います。ただし家事代行とは一線を画す、あくまで介護サービスであり、被介護者以外の家族の部屋の清掃やペットの世話、来訪者対応などはサービス対象外です。
    • 通院時乗降介助 『介護保険タクシー』と称される、訪問介護事業者の介護職員を有する運転手が担当する、車への乗降ならびに移動介助を含む、送迎サービスの利用が可能です。利用対象者は要介護1以上の被介護者で、介護保険が適用されますが、公的機関や金融機関への訪問手続き、通院、日常生活上に必要な買い物など、用途が限定されています。また利用に際しては、事前にケアプランに組み込んでおく必要があります。
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    訪問介護のメリットを知る 訪問介護の1番のメリットとして、被介護者が自宅で介護サービスを受けられる安心感が挙げられます。高齢者にとって、長年住み慣れた自宅を離れ、見知らぬ新たな環境で暮らす生活環境の変化は、心身に大きな負担が生じる可能性が見過ごせません。次に1人暮らしの被介護者にとって、身体ならびに生活介助を受けられるだけでなく、話し相手と接する機会を持つことができます。離れて暮らす家族にとって、被介護者の安否や健康状態を定期的に確認できるのも、大きな安心感につながります。また老人ホームへの入居と比較して、相対的に費用面が安価である点も、被介護者ならびにその家族にとって、費用負担面の大きなメリットと捉えられます。
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    訪問介護のデメリットを知る 訪問介護のデメリットとして、自宅を見知らぬ他人が訪れることを、被介護者が嫌がる・拒絶する場合が想定されます。被介護者が頑なに心を閉ざしてしまった場合、円滑かつ安全な介護サービスを受けられず、当事者を含めた家族内のストレスにつながりかねません。利用に際しては、被介護者を交えて家族で十分に話し合い、被介護者の気持ちを確認した上で、ストレスを極力抑えてあげるように配慮しましょう。また被介護者の住居が介護に適していない場合、バリアフリー対策を講じる必要があり、金銭面その他の負担が生じるケースが想定されます。
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    利用対象者を知る 訪問介護は希望すればすべての人が利用できるものはなく、要支援1~2および要介護1~5の人が利用対象者の介護サービスです。介護職員が被介護者の居宅を訪れ、食事・排せつ・入浴の介助ならびに掃除・洗濯・調理などを行います。要支援1~2の人に関しては『介護予防訪問介護』の対象者となり、被介護者が要介護状態へと進行することを予防する、もしくは現状の悪化を極力防ぐ目的で、支援サービスを提供します。提供されるサービスの内容は、要介護1~5の人に準じます。
    • 介護予防訪問介護は市区町村によって運営されている『介護予防・日常生活支援総合事業』として提供されており、介護保険サービスの対象外です。要支援者ならびに65歳以上のすべての高齢者が利用可能です。[3]
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    ホームヘルパー(訪問介護員)の仕事を知る 訪問介護サービスが提供する生活援助は、家事代行と重複する作業が見られるため、ホームヘルパーと家政婦やお手伝いさんを混同する傾向が散見されます。しかしながらホームヘルパーは、要介護認定を受けた要介護者の日常生活を支える介護担当者であり、できないから代行するのではなく、できることは被介護者自身にやってもらうことで『自立』を支援します。ホームヘルパーは介護の仕事を通じて、介護者である家族の負担を軽減するだけでなく、要介護者と家族の生活上の助言や精神面のサポートも期待できる、介護のスペシャリストであることを理解しておきましょう。[4]
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    介護福祉士(ケアワーカー)の役割を知る 介護福祉士は『社会福祉士及び介護福祉士法』に基づく国家資格です。要介護者の生活行為や生活動作を支援し、支える知識と技術双方を有する介護の専門資格として認知されており、自ら介護を行うだけでなく、介護者に対して介護に関する指導を行います。具体的にはホームヘルパーや特別養護老人ホーム、身体障がい者施設などの介護職員としての介護及び指導業務、その他在宅介護に関し、介護者である家族への説明や相談にも対応しています。たとえばホームヘルパーやサービス提供事業所に相談しても、納得できる回答や助言が得られない場合の心強い相談相手として、介護福祉士は大切な存在です。
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方法 2
方法 2 の 3:
訪問介護サービスを受ける準備を整える

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    要介護認定を申請する 訪問介護サービスの利用に際しては、要介護認定の申請手続きが必要です。各市町村役所の公式ホームページからのダウンロードが可能な、所定の要介護認定書書式に必要事項を記入の上、市区町村の担当窓口に提出しましょう。原則要介護者本人の申請とされていますが、家族や地域包括支援センターなどによる代行申請も可能です。[5]
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    介護認定の通知を受ける 申請日から原則30日以内に、申請先の市区町村から介護サービス利用者本人宛に、介護認定が郵送で通知されます。通知には被保険者証に該当する要介護状態が記載され、申請日に遡って認定効力が発生します。[6]
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    ケアマネージャーを決める 要介護1以上と認定された場合には、市区町村の担当窓口もしくは地域包括支援センターで紹介してもらえる居宅介護支援事務所に対し、ケアマネージャーの選任を依頼しましょう。一度選んだケアマネージャーを、被介護者もしくは家族の意向で、後日変更変更することも可能です。
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    ケアプランを作成する ケアプラン作成に際しては、ケアマネージャー自身が自宅を訪れ、被介護者ならびに家族との面談を行います。面談を通じて得られた情報に基づき、必用と判断された介護サービスを盛り込んだケアプラン(計画書)を作成します。ちなみにケアプランはケアマネージャーを頼らず、被介護者と家族で作成することも可能ですが、より必要かつ適切なポイントを押さえたプランの作成には、専門家の判断が効果を発揮します。[7]
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方法 3
方法 3 の 3:
利用する事業者を選ぶ

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    候補先を挙げて比較する 数多く存在する訪問事業所の中から、どの事業所のサービスを活用するか、その選択権は被介護者やその家族に委ねられています。訪問介護は介護保険サービスのため、各事業所が提供するサービス自体は共通しています。しかしながら実際に提供されるサービスの『質』や、担当者と被介護者ならびに家族との『相性』など、どこを利用しても同じとは言えず、冷静な選択が望まれます。まずは第一段階と言える、複数の候補先をピックアップの上、多角的な視点から比較検討する作業を行いましょう。
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    チェックポイントを踏まえる 利用先の選択に際しては、それぞれの事業所の運営形態や期待される対応などを、さまざまな角度から冷静に見極めましょう。公式ホームページの配信内容だけでは、正確と思われる情報収集が不十分な場合には、第三者が配信するネット上の情報も参考にできますが、公的配信ではない以上鵜呑みにはせず、あくまで判断材料の1つとして捉える姿勢が大切です。[8]
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    常勤・非常勤ヘルパーの比率に着目する 常勤のヘルパーに対し非常勤の割合が多い事業所もあれば、常勤ヘルパーしか在籍していない事業所もあり、その比率は事業所ごとに異なります。このヘルパーの構成比率から、以下のメリットとデメリットが予見されます。
    • 常勤ヘルパーが少ない事業所を選ぶメリットとして、仮に利用者と相性が合わないヘルパーが担当となった場合、変更の選択肢が多い点が挙げられます。しかしながら非常勤のヘルパーの場合、それぞれの自宅から現場に直行直帰するケースも想定されます。こうした勤務が基本となっている場合、自ずと事業所に立ち寄る機会が減少します。結果としてヘルパー自身が新たな介護手法を学ぶ機会が制限され、スキルアップにマイナスの影響を及ぼしていないとも限りません。
    • 常勤ヘルパーが多い事業所であれば、事業所内におけるヘルパー間の十分な情報共有が期待できます。担当者不在時にも状況を把握している他のヘルパーに対応してもらえるメリットは、大きな安心感につながります。しかしながら職員数が少ない結果、担当者変更時の選択肢が乏しいデメリットが懸念されます。
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    担当者から説明を受ける 最終候補先が絞り込めたのであれば、直接担当者から説明を受けましょう。疑問点は臆せずその場で質問を重ね、納得できるまで回答を求めましょう。自宅に担当者を呼ぶのではなく、事業所に直接足を運ぶことで、職場環境全体を目と肌で確かめる作業も、決して無意味ではありません。たとえば偶然遭遇した在職スタッフの挨拶や立ち振る舞いも、サービスの質を見極める上で、見過ごせない判断材料です。
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    事業者を決定から契約する 介護サービスを受ける訪問介護事業所を決定し、作成していたケアプランに基づき、直接契約を締結すれば、いよいよ介護サービスの利用開始です。この前の段階で最終判断に窮したのであれば、ケアマネージャーの助言を仰ぐ、信頼できるとの判断に至った情報に基づき、利用者の評判を確認するなど、第三者目線の意見も参考にしましょう。焦って決めて後々後悔するのは本末転倒ですが、選択作業に時間を費やし過ぎてしまえば、それだけ被介護者と介護者である家族双方に心身の負担がかかります。とりわけ初めて訪問介護サービスを利用する場合、利用者側基準の100点満点の対応を望んでしまっては、ほどなく不満点ばかりが気になり始めてしまいかねません。不十分な対応に妥協する必要こそありませんが、自分たちも訪問介護の何たるかを学び、歩み寄りと理解に努める姿勢を心がけ、担当者および事業者との良好な信頼関係を築くことで、より良い訪問介護サービスのメリットを実感しましょう。
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ポイント

  • 訪問介護は介護のプロフェッショナルが、被介護者ならびにその家族の日常生活を支援するものであり、いわゆる家事代行サービスやお手伝いさんとは一線を画す、介護保険サービスです。
  • 訪問介護サービスの利用に際しては、要介護認定の申請から通知を受け、利用先事業者に提出するケアプランを作成する必要があります。
  • サービスの提供を受ける利用先事業者は、被介護者ならびに家族が自由に選択できます。担当者との相性が合わない場合は変更も可能です。
  • どの事業者を利用しても提供されるサービスは基本同じですが、その質や利用者との相性の良し悪しはその限りではなく、利用先決定に際しては十分な比較検討作業が望まれます。
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注意事項

  • 被介護者の中には他人の世話になること、他人が自居に出入りするのを嫌う人も見られます。被介護者に無用な精神的ストレスを与えぬよう、サービスの利用に際しては、必ず自洗に被介護者を交えて家族内で十分に話し合い、納得の上で依頼しましょう。
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カテゴリ: 家族
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