短いエッセイであれ博士論文であれ、主題文を書く作業は一筋縄ではいきません。幸いにも、良い主題文を書くためのルールが存在します。以下の手順に従って、読み手の関心をひくと同時に主張を効果的に伝えられる主題文を書きましょう。さらに、主題文は一般的にわかりきったことではなく、議論の対象たりうる、分析的なものでなくてはなりません。

方法 1 の 3:
良い主題文を書く

  1. 1
    問いに対する答えを主題文として使う どれほど複雑な論題でも、意識して自問自答すれば主題文を見つけることができます。
    • 問い:「小学校4年生の授業でコンピューターの使い方を教えることにどのような利点があるか?」
      • 主題文:「小学校4年生の時点でコンピューターに触れることで、早くから科学技術教育に親しめるというメリットがある」
    • 問い:「マーク・トウェインの『ハックルベリー・フィンの冒険(原題:Adventures of Huckleberry Finn)』において、ミシシッピ川にはどのような重要性があるか?」
      • 主題文:「ミシシッピ川は、ハックとジムが親しくなる最高の機会を与えつつ、登場人物や国の分裂をもたらし、「分裂」と「進歩」といった概念を体現する重要な役割を果たしている」
    • 問い:「ヴィーガニズム(絶対菜食主義)やフェミニズムなど、道徳意識のあるグループに対して、なぜ強い反発を示す人が存在するのか?」
      • 主題文:「社会学的研究を通して、道徳意識の高い人は傲慢で他人を見下す人間であるという印象を自然に与えてしまう傾向にあるために、怒りや対立の感情が引き起こされやすいことが判明した」
  2. 2
    論文のタイプに応じて主題文を書く 誰かを説得するための論文や、解説的な論文など、論文にも様々な種類が存在します。まずは論文の目的を断定し、それに見合った主題文を見つけましょう。
    • 分析タイプ:物事をよく理解するため、小さな要素に分けて解明する論文。
      • 例:「シェイクスピア作の悲劇『リア王(原題King Lear)』では、リア王を翻弄する混乱や闘争の根源である世代交代が、この劇の緊張感を高める役割を果たしている」
    • 解説タイプ:ある要点について説明することが目的の論文。
      • 例:「実証主義、マルクス主義、ダーウィン主義といった19世紀の哲学思想の発達により、キリスト教は検証可能な事実を受け入れるべきだという批判が高まった」
    • 議論タイプ:意見を主張する、既存の意見を補足する、または物議を醸す論文。
      • 例:「バラク・オバマ氏の安定した統率力と具体性のある決断なくしては、アメリカは2000年代初頭から始まった不景気から回復し得なかっただろう」[1]
  3. 3
    特定の立場を取って、論文に具体性を持たせる 本論の中で主題文の内容を十分に支持できるよう、取り上げる問題や事柄は一点に絞り、出来る限り詳しく書くことが重要です。[2] 次の例を参考にしましょう。
    • 「アメリカの北部と南部が対立した南北戦争の焦点は黒人奴隷制度であったが、北部諸州は道徳的な動機に基づいて戦った一方、南部諸州は既存の制度の維持を求めた」
    • 「アメリカ鉄鋼業における主な問題は、旧式の設備や古い工場の修理を行うための資金が十分でないことだ」[3]
    • 「ヘミングウェイは自身の小説の中で長い会話文、短文、古英語の単語を多く使用することによって、新しい散文体を確立させた」[4]
  4. 4
    新しい観点や議論を取り上げる 良い論文はある事柄に対して刺激的で新しい観点を提示します。新鮮でダイナミックなアプローチを取ることにより、論文の内容も新鮮でダイナミックなものになります。
    • 「自傷行為のシーンが3度か4度ほど繰り返された後、ハック・フィンは文学における初の完全な加虐性と被虐性を持ち合わせる登場人物であることが分かる」
    • 「インターネット技術の導入により、著作権法という概念は成り立たなくなってきた。おかげで誰もが本や映画、芸術、音楽を自由にアクセスすることができ、またそうあるべきである」
    • 「アメリカはこれまで2世紀にわたって二大政党制で政治を形作ってきたが、最新の調査結果によると、アメリカはこの制度を迅速に放棄する必要がある」
  5. 5
    主題文が立証可能であることを確かめる 主題文を決める前に、十分な事前調査を行いましょう。主題文は研究の開始点ではなく、最終目的地点を指します。主張内容が正しいことを立証できる主題文を書きましょう。
    • 良い主題文の例:
      • 「イギリスの詩人であるウィリアム・ブレイクは、矛盾に立ち向かい、それを受け入れ、疑問を投げかけることにより深い信仰心を育み、その結果より強い人間になった。最終的に彼が書く詩において信仰心を表現する唯一の方法は、その信仰心を一時的に失うこととなる」
      • 「十分に裏付けされた哲学や信念によると、過去あるいは未来のどちらの概念も持たない実存主義の社会は停滞するしかない」
      • 「脱構築主義的な視点で『ナイチンゲールに寄す(原題:Ode to a Nightingale)』を分析すると、詩は厳格な規則に従うものではなく主観的で流動的なものであるというジョン・キーツの見解が読み取れる」
    • 悪い主題文の例:
      • 「アメリカ独立戦争では勝つべきでなかった者が勝利した」斬新で関心をひく主題文ではあるものの、誰が正しい勝者であるかを客観的に証明するのは不可能に近いので、良い主題文ではありません。
      • 「遺伝的継承理論は、すべての人間関係の束縛理論である」内容が複雑すぎる上、主観性が強すぎます。また、「すべての人間関係」は規模が大きすぎます。
      • 「ポール・ハーディングの小説『ティンカーズ(原題:Tinkers)』は、明らかに鬱状態にあった筆者の、助けを求める訴えである」ハーディング氏を長期にわたってインタビューするか、彼の私生活に関する情報源が多く手に入ることがない限り、何が事実で何が空想であるかを立証することはできません。
    広告

方法 2 の 3:
主題文を正しく述べる

  1. 1
    主題文を正確に述べる 主題文の役割は、論文の要点や主張を効果的に伝えることです。また、議論や分析の方向性、トピックの重要性に対する解釈の仕方を読み手に明確に伝え、論文の地図のような役割を果たします。要するに、主題文は「この論文は何について書かれているのか?」という質問に答えます。その他、主題文には以下の特徴があります。
    • 主張を述べるためにあり、事実や観察記録を述べる文章ではありません。[5]事実などのデータは論文の中で主張を支持するために使われます。
    • 論文の観点を明確にします。つまり、主題文はある物事に対する筆者の立場を明らかに示す役割を果たします。[6]
    • 論文の本題であり、筆者の意図を伝えます。[7]
    • ある問いに対する答えを提供し、その持論を裏付ける方法を説明します。
    • 議論の余地があります。他人が同調することも、正反対の立場から反論することも可能です。
  2. 2
    分かりやすい主題文を書く どの文章が主題文であるのかが一目で分かる主題文を書きましょう。「なぜなら」や「~という理由で」といったキーワードの使用や強い断言など、相応しい文体や表現を使うことで分かりやすい主題文を書くことができます。
    • 適切な文体や表現を使用した主題文の例:
      • 「征服王ウィリアム1世によるイングランドの統治は、最終的に大英帝国の基盤となる国力と文化を築き上げた」
      • 「ヘミングウェイは、簡潔で率直な文体を標準化することにより、文学世界に大きな影響を与えた」
  3. 3
    主題文を正しい位置に置く 主題文が果たす役割上、一般的に論文の第一段落の最後[8]または序論の途中に主題文を置きます。第一段落の最後に主題文があることが多いですが、主題を述べる前に必要となる序論の長さや論文全体の長さによって、主題文の位置は左右されます。[9]
  4. 4
    主題文を一文または二文にまとめる 読み手が論文のトピックや方向性、そしてそのテーマに関する筆者の意見を簡単に把握できるよう、主題文は明確かつ単刀直入である必要があります。
    広告

方法 3 の 3:
理想的な主題文を探す

  1. 1
    興味のあるテーマを選ぶ どの題目を選ぶかによって論文の方向性が決まるため、論文を書く上で一番最初のステップは、関心のあるテーマを選ぶことです。既にテーマが設定されている場合は、残念ながらこのステップは飛ばします。
  2. 2
    選んだテーマについて調べる このステップの目的は、議論を展開するテーマの中で特定の事柄に焦点を合わせることです。例えば、コンピューターをテーマとして取り扱うとします。「ハードウェア」、「ソフトウェア」、「プログラミング」など、コンピューターに関する様々な側面について議論ができますが、このような曖昧なトピックは論文には向いていません。しかし、「現代のコンピューター業界におけるスティーブ・ジョブズの影響」といったように具体性のある内容に焦点を当てると、より明確な論文を書くことができます。
  3. 3
    論文の種類、目的、読み手を把握する これらの項目は事前に指定されていることが多いですが、自分で選ぶことができる場合、論文の種類、目的、読み手によって主題文が大きく左右されます。説得力のある論文の目的は、特定のグループに何かを「証明する」ことです。解説的な論文の目的は、特定のグループに何かを「説明する」ことです。そして、これらの目的を明確に示すことも主題文の役割です。
  4. 4
    構成基準を守る 構成の基本ルールに従うことで、主題文の長さを許容範囲内に維持できるだけでなく、議論全体の構成を正確に判断することができます。主題文は大きく分けて2つの部分から構成されます。
    • 明確な主題の提示
    • 主張する内容の要約
    • 論文の中で次のような決まり文句を使って意見を主張するのも効果的です。[10]
      • [A]は[B]である。なぜなら[理由]であるからだ。
      • [理由]により、[A]は[B]である。
      • [反論の立証]ではあるものの、[理由]によると[A]は[B]である。
    • 3つ目の例文では、反対の意見を入れることでより複雑な主題文とはなるものの、異なる観点から論文の主張を更に裏付ける役目も果たします。実際に、より説得力のある論文を書くためには、あり得る反論を常に想定しておきましょう。[11]論文がより洗練されたものになり、また論文を通じて批判を受ける可能性がある点に対する自分の議論を考察することもできます。
  5. 5
    主題文を書き出す[12] 下準備としてあらかじめ主題文のメモを書き留めておくと、自然に主題文について考え始めるようになり、アイデアをさらに発展させ、論文の方向性をはっきりさせることができます。そうすることで、論理的で明確かつ簡潔な主題文にまとめることができます。
    • 主題文を書くタイミングについては、2つの考え方があります。1つ目の考え方は、最後に少し変更を加えなければならないとしても、主題文なしに論文を書き始めるべきではないというものです。もう1つの考え方は、論文を書いている最中は結論がどうなるか分からないので、論文の最終地点が分からないうちは主題文は書かない方が良いという見方です。自分にとって最適であると思われるタイミングで主題文を書きましょう。
  6. 6
    論文の執筆途中また終了後に、主題文を見直す 主題文を見直すことの目的は、論文の妥当性が疑われることの原因となるような間違いを避けるためです。主題文でするべきこと・してはいけないことについて、以下のポイントに注意しましょう。
    • 主題文で質問を投げかけるのはやめましょう。[13]主題文の役割は、問いに答えることであり、問いかけることではありません。
    • 主題文は箇条書きにするものではありません。[14]ある問いに対する答えがたくさんありすぎると、論文の焦点がそれてしまいます。主題文は短く簡潔にまとめましょう。
    • 論文の中で詳しく議論することのない、新しいトピックを紹介するのは避けましょう。
    • 一人称の使用は控えましょう。「私は~であることを示します」といった表現は、学術分野において回避される傾向にあります。
    • けんか腰の態度を取るのはやめましょう。論文の目的は、読み手に自分の主張を理解してもらうことであり、決して相手を追い払うことではありません。自分の意見に耳を傾けてもらうことで初めて論文はその目的を果たします。偏見のない寛容な口調で自分の意見を発信し、また異なる視点の共通性を見出しましょう。
  7. 7
    途中で主題文を変える可能性を残す 主題文はいつでも変更可能な「編集中」のステータスであると考えましょう。論文を書き進めていくにつれて、途中で主張したい内容が変わったり、元の方向性から少しそれたりするかも知れません。そのため、論文全体の流れと比較して主題文を何度も読み返しながら、論文と主題文が一致するように変更を加えることが大切です。論文の執筆が終わったら、最後に主題文を読み直して、また変更が必要がどうかを判断します。
    広告

ポイント

  • 弁護士になったつもりで主題文を書きましょう。[15]主題文は、主張したい事柄とその主張の正当性を読み手に分かりやすく説明するという役割を持ちます。また論文は契約内容にも例えることができます。主題文の中でいきなり新しい概念を紹介すると、読み手にとって理解しづらい主題文となる可能性があります。
  • 効果的な主題文は、論文全体の一貫性を保ちます。主題文を支持しない段落が本論にある場合は、その段落を削除するか、主題文を変更しましょう。

広告

関連記事

How to

論文・レポートの付録を書く

How to

英語の論文を引用する

How to

研究論文の序論を書く

How to

PDFを引用する

How to

問題提起文を書く

How to

説得力のあるエッセイを書く

How to

三人称で書く

How to

説得力のあるスピーチを書く

How to

小論文の冒頭に引用文を使う

How to

実務研修(インターンシップ)終了後に報告書を書く

How to

助言を求めて手紙を書く(英文レター編)

How to

志望理由書を書く

How to

ニュース記事を書く

How to

物語の梗概を書く
広告

このwikiHow記事について

wikiHowは「ウィキ」サイトの一つであり、記事の多くは複数の著者によって共著されています。 この記事は、匿名の筆者を含む92人が執筆・推敲を行い、時間をかけて編集されました。 この記事は2,685回アクセスされました。
カテゴリ: 作文技術
このページは 2,685 回アクセスされました。

この記事は役に立ちましたか?

広告