論文の要旨を書く方法

3 パート:要旨を書き始める前に要旨を書く要旨の構成を考える

学術論文や科学論文の要旨の書き方がわからなくても大丈夫です。要旨とは、論文や研究の概要を簡単にまとめたもののことを言います。[1]要旨において、その研究が科学的実験なのか文学的分析なのかなど、論文の内容を説明します。また、研究内容をわかりやすく読者に伝えるだけでなく、読者が実際に論文を読み始める前に、その論文が自分の目的に合ったものであるかの判断をする材料となります。要旨を書く前に、まず論文を完成させましょう。次に、研究の目的、問題、研究方法、研究結果、結論をまとめます。これらの詳細を書き出したら、構成を考えます。すでに書き終えた論文をまとめるだけなので、要旨は簡単に書けるはずです。

パート 1
要旨を書き始める前に

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    まず、論文を書く 要旨はたいてい論文の最初に位置づけられますが、論文全体のまとめの役割をします。単に研究トピックの紹介をするだけでなく、論文に書かれた内容すべての概要である必要があります。よって、論文を完成させてから、最後に要旨を書きましょう。
    • 要旨は論旨ではありません。論旨とは、研究の主題や論点を提起するものであり、研究方法や結果を含んだ研究全体をまとめる要旨とは異なります。
    • 論文の完成前に、論文に書く内容をすでに決めている場合でも、要旨は最後に書きましょう。自分が論文に書いた内容をまとめるだけなので、論文を完成させてから要旨を書く方が、正確にまとめることができます。
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    書式などの要件を確認する 論文を執筆する際、学術誌への投稿、授業課題としての提出、職場のプロジェクトの一環としての提出などにかかわらず、ほとんどの場合、ガイドラインや要件が定められています。要旨を書き始める前に、念頭に置いておくべき点はないか、規程やガイドラインの確認を行いましょう。
    • 長さの規程はあるか。
    • 書式の規程はあるか。
    • 指導教員に提出するのか、学術誌へ投稿するのか。
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    読者を念頭に置く 要旨は、読者がその論文を読むかどうかの判断材料となります。例えば、科学分野の学術誌において、読者は要旨を読み、その論文の内容が自分の興味に合ったものかを判断します。また、論点が何であるかも要旨を読めばすぐに判断できます。このように、読者が何を求めているかを念頭に置き、要旨を書きましょう。[2]
    • 同じ研究分野の研究者がこの要旨を読むのか。
    • 他の分野の研究者やその分野の知識がない人にとっても読みやすい要旨か。
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    要旨の適切な形式を決定する 要旨を書く目的は、論文全体の概要をまとめることと決まっていますが、その形式は記述的と情報的の2つに大きく分けられます。既定の形式がある場合はそちらを用いますが、既定されていない場合は、どちらの形式が自分の論文に適しているかを判断しなければなりません。たいていの場合、情報的要旨は長く専門的な論文に適し、記述的要旨は短い論文に適しています。[3]
    • 記述的要旨には研究の意義・目的、研究方法を書きますが、研究結果は書きません。日本語の場合は100字程度、英語の場合は100~200語程度にまとめます。
    • 情報的要旨は、論文全体を要約したもので、これには研究結果も含まれます。記述的要旨よりも長く、1段落~1ページに収まる程度の長さにまとめます。[4]
    • 要旨に書く基本的な内容はどちらの形式の場合でも同じです。異なる点は、研究結果は情報的要旨にしか含まれない点と、情報的要旨は記述的要旨よりも長いという点です。
    • 批評的要旨はほとんど使用されませんが、学術分野によっては、この形式が求められることもあります。批評的要旨においても、その目的は他の要旨と同じですが、その論文を筆者自身の他の研究と関連付けて、まとめを書きます。研究方法や研究計画を批判することもあります。[5]

パート 2
要旨を書く

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    研究意義を明確にする 学校における給食提供と成績の関連性についての論文を書いているとします。なぜそれが重要なのでしょう。読者は、研究の意義や重要性に興味があるはずです。次の点を考えながら、記述的要旨を書き始めましょう。
    • 研究および課題を選んだ理由は何か。
    • どのように研究を行ったか。
    • どのような結果が得られたか。
    • この研究や結果はなぜ重要か。
    • なぜこの論文全体を読むべきか。
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    問題とした点を説明する 要旨において、この研究や論文が問題として取り上げている点を説明します。その研究を行った動機と問題を結び付けて書くこともできますが、できれば区別して書く方が良いでしょう。[6]
    • この研究が解決または解明しようとしている問題は何か。
    • この研究の範囲は何か。一般的な問題か、それとも、特定の問題か。
    • この研究における主張は何か。
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    研究方法を説明する 動機、問題が書けたら、次は研究方法を説明しましょう。研究をどのように行ったかの概要を書きます。自身で研究を行った場合は、その研究方法を説明し、他の研究者の研究の再考を行った場合は、その内容を簡潔に説明しましょう。[7]
    • 自身の研究について述べましょう。これには、研究における変数やアプローチも含まれます。
    • この研究における主張の根拠となる証拠について述べましょう。
    • 最も重要な証拠の出所の概要を述べましょう。
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    研究結果を述べる(情報的要旨のみ) ここまでは、記述的要旨にも情報的要旨にも共通した項目でしたが、研究結果は情報的要旨においてのみ必要な項目です。その研究の調査結果を述べましょう。[8]
    • この研究で見つかった答えは何か。
    • それは仮定や主張を証拠立てるものであったか。
    • この研究における一般的な結果は何か。
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    結論を述べる まとめおよび要旨の最後に結論を書きます。結論において、研究結果の意味や論文そのものの重要性を述べます。記述的要旨と情報的要旨のどちらにも結論を書くことができますが、次の点に関しては、情報的要旨を書く場合のみ考えましょう。[9]
    • この研究から示唆されることは何か。
    • この研究で得られた結果は一般化できるか、それとも特定の条件に限られるか。

パート 3
要旨の構成を考える

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    順序を考える 上に挙げたような特定の質問に対する答えを要旨で述べる必要があります。それらの答えを整理し、順序を決めて書きましょう。最適な方法は、論文の構成と同じように、一般的な「序論」、「本論」、「結論」の順に書くことです。
    • たいていの学術誌は、要旨に関しても既定の書式があります。よって、ガイドラインや規程がある場合には、それらをきちんと守りましょう。[10]
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    役に立つ情報を書く トピックを紹介する段落においては、漠然とした表現を使うことができます。しかし、要旨は自身の論文や研究を読者にわかりやすく説明する必要があります。あいまいな表現や言及はせず、読者にとって読みやすい文章になるように工夫しましょう。
    • 略語などの説明が必要な用語の使用は避けましょう。要旨は短く簡潔にまとめる必要があり、このような説明は必要以上に文字数を要します。
    • 研究のトピックが広く知れ渡っているのであれば、その研究の焦点となる人物や場所について言及しましょう。
    • 要旨には、図表や出典、長い引用を使用してはいけません。これらは文字数を多く取るだけでなく、読者が要旨に求める内容とは異なります。[11]
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    一から書き始める 要旨は論文のまとめですが、論文とは別に一から書き始めましょう。自身の論文から文章をコピー&ペーストしたり、別の言葉に言い換えたりするだけでは、良い要旨を書けません。同じ内容を繰り返すだけでは読者が興味を失ってしまうので、論文とは異なった単語やフレーズを使い、要旨を書きましょう。
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    キーワードや核となる語句を使う 要旨を学術誌に掲載する場合、読者が見つけやすい要旨を書く必要があります。読者は自分の興味のあるトピックの論文を探す際、オンラインデータベース上で決まった単語の検索をかけます。要旨には、研究の核となる語句やキーワードを5~10個使用しましょう。[12]
    • 例えば、精神分裂症に関する認識の文化的差異を研究する論文であれば、「精神分裂症」、「異文化間」、「文化決定的」、「精神病」、「社会的受容」といったキーワードを忘れずに使用しましょう。研究分野やトピックにおいては特定の検索語が使用される場合もあります。
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    正確な情報を与える 要旨は読者の興味を惹き、論文の内容を読ませるために重要です。しかし、論文では言及しない内容や研究について述べてはいけません。論文で語らない内容を要旨に含むと、読者に誤解を与えることになり、結果として実際に論文が読まれる機会は減るでしょう。
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    具体的に書きすぎない 要旨は論文のまとめであるため、トピックとなる人物や場所以外の具体的な点への言及は避けましょう。要旨においては、言及した重要な用語に対する説明や定義をする必要はありません。論文の内容を完全に明らかにはせず、研究全体の大まかな概要にとどめておきましょう。[13]
    • 専門用語の使用は避けましょう。研究分野の一般的な読者がその専門用語を知らなければ、難解な文章になる恐れがあります。[14]
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    校閲を忘れずに行う 論文などの他の文章と同じように、要旨も校閲をする必要があります。文法ミスや変換ミスがないか、既定のガイドラインや書式に沿っているかを確認しましょう。
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    第三者からのフィードバックを求める 第三者に要旨を読んでもらい、論文の内容がきちんとまとめられているか意見を求めましょう。研究内容をすでに知っている人物ではなく、知識や情報の少ない第三者を選びましょう。要旨から、どのような研究の内容が読み取れるか尋ねます。これにより、重要な点が要旨にわかりやすく記述されているかを判断することができます。[15]
    • 指導教員、同分野の他の研究者、ライティングセンターの指導員などに要旨を読んでもらい、意見を求めましょう。得られる支援は、できるだけ活用しましょう。
    • 第三者に意見を求めると、自身の分野における慣習に気づくことがあります。例えば、科学分野では、(「実験は行われた」)といった受動態がよく使用されますが、人文学分野では能動態の表現が好まれます。

ポイント

  • たいていの場合、要旨は1~2段落程度で書き、論文の1割を超える長さになってはいけません。同じ分野の他の論文の要旨を参考にしましょう。[16]
  • 論文や要旨をどの程度専門的に書くか考えましょう。読者はある程度その分野の知識を持ち、専門用語にも精通していると考えられますが、読みやすい要旨を書くに越したことはありません。

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