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論文やレポートを書く際、必ずしも本文で紹介する必要のない補足情報は、「付録」にまとめます。例えば、読者が参照できる資料、生データの概要、実験および研究方法の詳細などです。みなさんも、学校の提出課題や個人的に取り組んでいる課題で付録を書く機会があるかもしれません。まずは付録に記載するデータを収集し、正しい書式で付録を構成しましょう。そして細部を校正し、読者にとって理解しやすく、参考にできる付録に仕上げましょう。

パート 1
パート 1 の 3:

付録に記載するデータを収集する

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    生データを記載する 論文やレポートの付録は、リサーチ段階で収集した生データを記載する箇所です。論文に関連する生データ、特に研究結果の裏付けとなるデータはすべて記載しましょう。データが論文を補足していることが読者に分かるように、本文で言及した情報に関するデータのみを記載しましょう。[1]
    • 生データには、本文で言及した計算式の使用例や、論文内で紹介したデータ・情報についての専門的な解説も含まれます。また、研究の基礎となる統計資料があれば、併せて記載しましょう。
    • 研究結果を裏付けるために他の資料からデータを引用した場合は、参考データとして付録に記載します。その際は、引用元も忘れずに明記しましょう。
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    研究結果を裏付ける図、表、画像などを記載する グラフ、チャート、画像、地図、デッサン、写真などの画像資料も付録に収録しましょう。論文の研究結果を裏付ける資料のみを記載しましょう。[2]
    • 記載する図や表は、自分で作成したものでも他の資料から引用したものでも構いません。他の資料から引用する場合は、付録内に引用元を忘れずに明記しましょう。
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    実験や調査に使用した器具・装置を記載する 実験や研究を行うために用いた器具や装置などを明記しましょう。これには、ビデオカメラ、テープレコーダー、その他データ収集に使用されたすべての器具が含まれます。また、それらの器具を使ってどのように調査が行われたかを説明しましょう。[3]
    • 例えば、「すべてのインタビューおよびアンケート調査は1対1の対面方式で行い、その内容をテープレコーダーで記録した」といった説明を記載しましょう。
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    インタビューの写しやアンケート結果を記載する 付録には、研究の過程で行われたインタビューの写しやアンケート調査の結果を記載しましょう。インタビューの写しには、質問や回答を含め、すべての会話を記述する必要があります。また、オンラインアンケートのコピー(筆記の場合は、紙面のコピー)を収録することもできます。[4]
    • メール、書簡、メモなど、協力者との文面でのやり取りがあれば、併せて紹介しましょう。
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パート 2
パート 2 の 3:

付録の書式

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    付録にタイトルを付ける ページ先頭に、「付録」と記しましょう。論文やレポート本文中の章のタイトルと同じフォントおよびフォントサイズを使用すると良いでしょう。[5]
    • 付録が複数ある場合は、アルファベット順または番号順に並べましょう。例えば、アルファベットを使用する場合、タイトルは「付録A」、「付録B」となるでしょう。番号を使用する場合は、「付録1」、「付録2」となるでしょう
    • 付録が複数ある場合、各付録は新しいページで始まるようにします。そうすれば、区切りが明確になり、読者にとっても読みやすくなります。
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    付録の項目を並べ替える 本文に登場する順番通りにデータ項目を並べます。読者が分かりやすく、活用しやすい付録にしましょう。[6]
    • 例えば、本文の1行目で生データに言及する場合は、付録の冒頭にそのデータを記載します。あるいは、本文の最後でインタビューの質問内容に触れる場合は、付録の最後にインタビューの質問内容を記載します。
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    参考文献リストの後に付録を付ける 通常、付録は参考文献リストや引用元リストの後に付けます。しかし、提出先や投稿先から、参考文献リストの前に置くなどの特別な指定がある場合は、その指示に従いましょう。[7]
    • 必ず論文の目次に付録を入れましょう。例えば、「付録」(複数の場合は、「付録A」)というように、付録のタイトルを目次に記載します。
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    ページ番号を挿入する 付録にもページ番号を付けます。本文のページ番号と同じ書式で、ページの右下または下中央にページ番号を挿入します。論文の一部であることを示すために、本文ページから続く番号を付けましょう。[8]
    • 例えば、本文の最後のページ番号が17の場合は、それに続くページ番号を付けましょう。
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パート 3
パート 3 の 3:

付録を校正する

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    明確で一貫した付録に修正する 付録にページ数や文字数の決まりはありませんが、不必要に長い付録は避けましょう。付録を読み直し、記載されたすべての情報が本文に関連していることを確かめましょう。本文に関係のない情報や本文を補足しない情報は削除しましょう。長々しい付録は稚拙な印象を与え、論文自体を雑な見た目にします。[9]
    • 他の学生や指導教官などの第三者に目を通してもらうと良いでしょう。付録に記載されたすべての情報が論文に関連しているかを尋ね、不必要な個所は削除しましょう。
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    誤字・脱字や文法ミスがないかをチェックする 付録にも、誤字・脱字、文法や句読点などのミスがあってはいけません。パソコンのスペルチェック機能を使うだけでなく、自分の目でも確認を行いましょう。[10]
    • 付録を1つずつ後ろから読んで、誤字・脱字のチェックをしましょう。付録をできる限り精巧に仕上げましょう。
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    論文本文中で付録について言及する 付録が完成したら、本文を読み直し、付録に記載した順番通りに情報やデータが明示されているかを確認しましょう。これにより、関連情報が付録に記載されていることを読者に伝えます。読者は本文を読み進めながら付録を参照し、補足情報に目を通すことができます。[11]
    • 例えば、本文中に「どちらのケースにおいても、同様の結果が得られた(生データは付録を参照のこと)」、「この研究は決定的だと考えられる(インタビュー内容は付録Aを参照のこと)」といった記述を入れましょう。
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Stephanie Wong Ken, MFA
共著者 ::
クリエイティブ・ライティング(文章創作)修士
この記事の共著者 : Stephanie Wong Ken, MFA. ステファニー・ウォング・ケンはカナダに拠点を置くライターで、Joyland、Catapult、Pithead Chapel、Cosmonaut's Avenueなどに作品を発表しています。ポートランド州立大学にてクリエイティブ・ライティング(文章創作)の修士号を取得。 この記事は39,891回アクセスされました。
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