足指骨折の治療方法

共同執筆者 Laura Marusinec, MD

この記事には:診察を受ける疲労骨折と転位(ずれ)のない骨折の治療転位骨折または複雑(開放)骨折の治療合併症の対処

足の指は指骨と呼ばれる小さな骨の集まりから成り、鈍器などによって衝撃を受けると骨折しやすい部分です。足指骨折のほとんどは骨の表面に微細な亀裂が生じる「疲労骨折」や「毛髪様骨折」と呼ばれ、これらは骨がずれたり皮膚を突き破ったりするほど深刻なものではありません。[1]しかし、まれに足の指が押しつぶされて骨が完全に砕けたり(粉砕骨折)、骨が大きくずれて皮膚を突き破ることもあります(複雑開放骨折)。けがのタイプによって治療方法が変わってくるため、重症度を理解しておくことが大切です。

パート 1
診察を受ける

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    医師の診察を受けましょう。何らかの外傷が原因で突然つま先に生じた痛みが数日経っても治まらない時には、かかりつけの医師に連絡を取りましょう。痛みがひどい場合は、近くの救急病院やX線検査施設のある応急診療所を訪れた方がよいでしょう。けがの重症度と骨折のタイプを判定するために、医師はつま先と足の検査やけがをした時の状況に関する問診を行い、時にはX線検査を実施することもあります。担当医師が筋骨格の専門医でなければ、足指骨折を専門とする他の医師への紹介状が必要となるかもしれません。
    • つま先の骨折の最も一般的な症状には、激しい痛みや腫れ、こわばりなどがあり、内出血によるあざが認められることもよくあります。歩行は困難で、走ったり跳ねたりすると激痛を伴います。
    • 救急病院や応急診療所の医師だけでなく、整骨医や足専門医、カイロプラクター、理学療法士などのもとでも、つま先骨折の診断や治療を受けることが可能です。
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    専門医の診察を受けます。些細な毛髪様(疲労)骨折や骨欠損、骨挫傷は医療上、軽傷とみなされます。ただし、つま先がひどく押しつぶされていたり、複雑骨折、特に親指を骨折している場合には手術を要することも珍しくありません。骨と関節の専門家である整形外科医や、主に筋肉と骨を扱うリハビリテーション医などの専門医は、骨折の重症度を判断し、適切な治療方法を提案してくれます。つま先の骨折は骨肉腫や骨感染症、骨粗鬆症、糖尿病合併症などといった骨を弱化させる疾患や病態と関連している可能性があるため、診察の際に医師はこのような要因を考慮する必要があります。[2]
    • 専門医は、X線検査や骨スキャン(骨シンチグラフィー)、MRI、CT、超音波測定などによって、骨折したつま先の診断を行います。
    • つま先の骨折は、通常は何か重いものを足の上に落としたり、硬くて動かないものにつま先をぶつけたりして起こります。
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    骨折のタイプと最適な治療法を理解しましょう。単純な疲労骨折は自宅での治療が可能なので、骨折のタイプを含め、医師からはっきりとした診断の説明を受け、症状に応じた治療の選択肢を提示してもらいましょう。一方、ひどく潰れていたり、湾曲または変形するなどしたつま先は深刻な骨折のサインであることが多く、診断は訓練を受けた専門医の手にゆだねるべきです。
    • 小指や親指は、他の指に比べて骨折しやすい部位です。[3]
    • 関節脱臼によってもつま先が曲がることがあります。見かけは骨折と似ていますが、両者の違いは理学的検査(身体診察)とX線検査によって判断できます。

パート 2
疲労骨折と転位(ずれ)のない骨折の治療

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    RICE処置を施しましょう。疲労骨折などの軽度の筋骨格系外傷に対する最も効果的な治療方法を「RICE(ライス)」と言います。これは「安静(rest)」「冷却(ice)」「圧迫(compression)」「挙上(elevation)」の頭文字を取ったものです。第1段階の「安静」では、負傷した足を使うあらゆる活動を一時的に休止して療養します。次に、薄いタオルに包んだ氷や冷却ゲルパックを用いて、できるだけ早急に患部に寒冷療法を施し、内出血や炎症を抑える必要があります。これは、椅子や積み重ねた枕の上に脚を持ち上げた状態で行うのが望ましいでしょう(炎症も抑えられます)。1時間当たり10~15分間患部を冷却し、痛みと腫れの減少に応じて頻度を減らしながら、数日間治療を続けます。[4]炎症を抑えるには、圧縮包帯や伸縮性のあるサポーターを用いて冷却剤を患部に圧着させるのも効果的です。
    • 圧縮包帯を強く巻きすぎたり、15分以上にわたって装着し続けたりしてはいけません。血流が完全に止まると足の損傷が悪化する恐れがあります。
    • 複雑骨折でなければ、足指骨折の大半は通常4~6週間で順調に回復し、その頃には徐々に運動を再開できます。[5]
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    市販薬を服用します。つま先のけがに伴う痛みや炎症を和らげるために、医師からイブプロフェン(イブなど)、ナプロキセン(ナイキサンなど)やアスピリンのような解熱鎮痛消炎剤あるいはアセトアミノフェン(タイレノールなど)のような通常の鎮痛剤(痛み止め)の服用を薦められるかもしれません。[6]
    • これらの医薬品は胃や肝臓、腎臓に刺激を与える恐れがあるので、2週間を超えての服用は避けるべきでしょう。
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    テーピングでつま先をサポートします。折れた指を固定し、指が曲がっている場合にはそれを元に戻すために、隣の無傷の指と一緒にテープを巻き付けます(バディー・テーピング)。指に湾曲が見られるときは、バディー・テーピングを行う前に医師に相談しましょう。[7]足とつま先をアルコールワイプでしっかりと洗浄し、医療グレードの強力なテープを使ってテーピングを行います。シャワーを浴びられるように、できれば防水性のテープを使いましょう。数日おきに交換しながら、テーピングを2、3週間続けます。
    • 皮膚のかぶれを防止するために、指の間にガーゼまたはフェルトを挟んでからテープを巻き付けるほうがよいでしょう。
    • アイスキャンディーの棒で添え木を簡単に自作できます。棒の形を整えた後、指の両側に添えてからテーピングを施すとサポート効果がさらに増します。
    • 自分でテーピングを行えない場合は、医師や専門家、カイロプラクター、足専門医、理学療法士に助けを求めましょう。
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    4~6週間は履き心地のよい靴を履きましょう。けがをした直後は、腫れやテーピングでつま先が大きくなります。先端に十分なゆとりがある楽な靴に履き替えましょう。流行にとらわれず、底が硬くしっかりとした丈夫な靴を選びましょう。ハイヒールを履くと重心が前方に偏り、つま先に大きな負担がかかるので、少なくとも2か月間は避けましょう。[8]
    • 腫れがひどい場合は、つま先の開いた丈夫なサンダルを履くのもよいでしょう。ただし、こうしたサンダルはつま先が無防備になるので注意が必要です。

パート 3
転位骨折または複雑(開放)骨折の治療

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    整復術を受けます。折れた骨にずれが生じた場合には、整形外科医が骨を正しい位置に戻しますが、これを整復術と呼びます。[9]骨片の数と位置によっては、侵襲的手術(身体に負担や影響を与える手術)を行うことなく整復術を実施できる場合があります。つま先に局所麻酔薬を注射して、痛みを麻痺させます。外傷のために皮膚が破れている場合には、傷口を閉じるための縫合が必要とされ、局所的消毒剤が投与されます。
    • 開放骨折の場合には、失血の可能性や感染または壊死(酸欠による局部組織の細胞死)の危険があることから、直ちに処置を施す必要があります。
    • 手術室で麻酔が投与されるまでは、睡眠薬のような強力な痛み止めが処方されることがあります。
    • ひどい骨折では、回復中に骨を固定するためにピンやスクリューが必要になる場合もあります。
    • 整復術は複雑(開放)骨折だけでなく、転位の顕著なあらゆる骨折に対して行われます。
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    スプリント(添え木)を装着します。整復術の後には、骨折部位が正常に治癒するまで、スプリントを使用してつま先を支持、保護することが多々あります。サポートタイプの圧迫ブーツを要する可能性もありますが、いずれにしても、短期間(2週間程度)は松葉杖が必要になるでしょう。この時期には、依然として歩行を最小限に制限し、けがをした足を高く上げて安静にしていることが望まれます。
    • スプリントにはサポート効果と緩衝作用がありますが、保護機能はあまり期待できません。歩行中はつま先をぶつけないように特に注意が必要です。
    • 骨が完全に治癒するまでは、ビタミンDだけでなくミネラル、特にカルシウムやマグネシウム、ホウ素に富んだ食事を摂るように心掛けて骨を強化しましょう。[10]
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    ギプスを装着します。指を2本以上骨折していたり、前足部の他の骨(中足骨など)を損傷している場合には、足全体に石膏またはファイバーグラスのギプスを装着することになるかもしれません。骨片がきちんと固定されていなければ、短下肢歩行用ギプスが薦められることもあります。骨が正常な位置に戻され、さらに外傷を受けたり過剰な圧力をかけられたりしなければ、ほとんどの骨折は完治します。
    • 骨折の位置と損傷の程度にもよりますが、重症の骨折は手術後、特にギプスの助けがあれば、6~8週間で治ります。[11]これほど長期間にわたってギプスを装着した後では、下記のようなリハビリテーションが必要になるでしょう。
    • 骨の位置を確認し、順調に回復しているかを調べるために、1、2週間後にさらなるX線検査が求められるかもしれません。

パート 4
合併症の対処

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    感染症の兆候に注意しましょう。けがをした指の近くの皮膚が破れた場合には、骨の内部あるいはその周辺組織の感染リスクが高まります。[12]感染した組織は赤く腫れて熱を持ち、触れるとひどく痛みます。膿が出て(白血球が働いている証拠)悪臭を放つこともあります。複雑(開放)骨折の場合には、細菌の増殖と拡散を防ぐために、予防対策として経口抗生物質を2週間服用するように医師から薦められるかもしれません。
    • 医師は損傷部位を注意深く診察し、感染症が認められれば抗生物質を処方します。
    • 皮膚が破れたり裂けたりしている重症の骨折の場合には、破傷風の予防注射が薦められるかもしれません。[13]
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    オーソティックス(中敷き)を使用しましょう。「オーソティックス」とは靴に装着するオーダーメイドの中敷きのことで、土踏まずをサポートして歩行時と走行時の体の動きを改善する効果があります。[14]足の指、特に親指を骨折した後では、歩行時に足を引きずったり足趾離地(つま先での蹴りだし)を避けたりすることで、姿勢と足に生体力学的な悪影響が及ぶ可能性があります。オーソティックスによって、足首やひざ、腰などといった他の関節に問題が生じる危険を低減できます。
    • 重症の骨折では、周囲の関節に関節炎を発症する危険が常に伴いますが、オーソティックスはそのようなリスクを軽減します。
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    理学療法を受けましょう。痛みと炎症が治まって骨が治癒した後には、足の力が衰え、可動範囲が狭くなっていることに気が付くかもしれません。そのような場合には医師に相談して、スポーツ医学専門家や理学療法士を紹介してもらうとよいでしょう。足の可動範囲やバランス、運動協調能力、筋力を向上させるために、あなたに適したさまざまな強化運動やストレッチ、セラピーを提案してくれるはずです。[15]
    • 足専門医や整骨医、カイロプラクターなども足やつま先の回復支援を行うことがあります。

ポイント

  • つま先を骨折したからと言って、四六時中、安静にしている必要はありません。代わりに、水泳や上半身だけを使ったウェイトリフティングなど、足にあまり負担をかけない活動を行いましょう。
  • 冷却療法を始めて10日ほど経ったら、湿式加熱(米や豆を入れた袋をレンジで温めて使用)に換えると痛みが和らぎ、血行も良くなります。
  • 糖尿病や末梢神経障害(つま先の感覚の喪失)を患っている場合は、テープがきつすぎたり水膨れができていても知覚できない恐れがあるので、テーピングは避けましょう。
  • 骨折したつま先に対して抗炎症薬や鎮痛剤を用いる代わりに鍼治療を行うと、痛みと炎症を緩和できるかもしれません。

注意事項

  • 決してこの記事を読んだだけで安心してはいけません。必ず医師の診察を受けましょう。

記事の情報

カテゴリ: 健康 | 救急処置・緊急医療

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