足関節上腕血圧比(ABI)は、腕の血圧に対する下腿か足首の血圧です。末梢動脈疾患(PAD)の指標として使われるため、ABIを知る事は大切です。体の末梢動脈は冠動脈(心臓の動脈)と同じように病変による影響を受けることがあるため、コレステロールで閉塞したり、石灰化で固くなったりする可能性があります。下腿と上腕の血圧差が大きい場合、末梢血管に病変がある可能性が示唆されます。これは、脳卒中や心不全などの重篤な疾病の原因となることがあります。

パート 1 の 3:
上腕の血圧を測定する

  1. 1
    患者に仰向けで寝てもらいましょう。仰向けで寝ている状態を仰臥位と言います。患者の腕や足が心臓の高さになるよう、平らな所に寝ている事を確認しましょう。血圧を測定する前に最低10分間は安静にしてもらいます。特に患者が緊張している場合、安静にしておく事で血圧が正常化し、心拍や上腕骨動脈拍動も安定します。[1]
    • 患者の両腕を出しておく必要があります。袖は腕が絞まらないようにまくりあげ、邪魔にならないようにしておきましょう。
  2. 2
    上腕動脈を見つけましょう。 人差し指と中指を使って、拍動している場所を見つけましょう。親指を使うと、自分自身の拍動で患者の拍動を見つけにくくなりますので、親指を使うのはやめましょう。上腕動脈拍動は通常、肘前窩の直上、つまり肘の曲がる部分の真ん中に感じられます。[2]
  3. 3
    患者の左腕に血圧計のカフ(腕帯)を巻きましょう。カフが上腕動脈拍動を触れた場所の5cm程上になるようにしましょう。測定が不正確にならないよう、カフが腕の周りで少しまわる位の余裕を持って、しかし腕から滑り落ちる程緩すぎないようにしましょう。
    • 可能であれば、血圧計のカフの幅が患者の腕の約3分の2位のものを使いましょう。
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    カフを膨らまして上腕の収縮期血圧を測定しましょう。 血圧を測定するために、上腕動脈拍動上に 聴診器の膜面(丸い部分)を当てましょう。送気球のバルブを締め、通常の血圧よりも約20mmHg高い圧まで、あるいは拍動音か患者の拍動が聞こえなくなるまで、カフを膨らましましょう。[3]
    • 収縮期血圧は心臓の左心室の収縮による、最高動脈血圧を表します。
    • 拡張期血圧は心周期の最初の心室が血液で満たされている時の、最低血圧を表します。[4]
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    カフの空気を抜きましょう。バルブを開き、マノメーター(血圧計[5])をよく見ながら2〜3mmHgづつゆっくりと圧を下げましょう。拍動音が再度聞こえ始めた時の圧と、また消えた時の圧を記録しましょう。収縮期血圧は拍動音が再度聞こえ始める血圧、拡張期血圧は拍動音が消える血圧です。この収縮期血圧が、後でABIを計算する時に使う値です。[6]
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パート 2 の 3:
足関節の血圧を測定する

  1. 1
    患者に引き続き仰向けで寝てもらいましょう。正確に血圧を測定するため、腕と足を心臓の高さにしておきましょう。血圧計のカフを患者の腕から外しましょう。
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    血圧計のカフを患者の左足首に巻きましょう。カフをくるぶしの5cm程上に巻きましょう。カフをきつく巻き過ぎないように注意しましょう。2本の指を入れて、きつさを確認しましょう。指が2本入れられないようであれば、きつく巻き過ぎです。
    • 患者に合ったサイズのカフを使うようにしましょう。カフの幅は、下腿の直径よりも少し広いのが正しいサイズです。
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    足背動脈の場所を探しましょう。足背(DP)動脈は足の表側の、足が足関節につながる所のすぐ近くにあります。超音波ジェルを足の表側に塗りましょう。ドップラーのプローブを使ってDPの拍動が一番強い所を見つけましょう。拍動が一番大きな音に聞こえる場所が見つか るまで、プローブを動かしましょう。拍動音かヒュッという音が聞こえます。
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    DP動脈の血圧を記録しましょう。患者の通常の収縮期血圧よりも約20mmHg高い圧まで、あるいはドップラーからのヒュッという音が聞こえなくなるまで、カフを膨らましましょう。カフの空気を抜き、再度ヒュッという音が聞こえ始めた時の圧を記録しましょう。これが足首の収縮期血圧です。
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    後脛骨(PT)動脈を見つけましょう。正確なABIを算出するには、足背動脈と後脛骨動脈の両方の血圧を測定する必要があります。PTはふくらはぎの裏側の、下から4分の1ほど上の所にあります。この部分に超音波ジェルを塗り、ドップラーのプローブを使って、PTの拍動が最も強い所を見つけましょう。
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    PT動脈の血圧を記録しましょう。DP動脈の場合と同じように血圧を測定しましょう。終わったら、血圧を記録し、カフを右足に移しましょう。右足で足背動脈と後脛骨動脈の血圧を測定しましょう。[7]
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パート 3 の 3:
足関節上腕血圧比(ABI)を計算する

  1. 1
    足関節の血圧のうち高い方を記録しましょう。左足と右足の測定値を比較し、両足首のDP動脈とPT動脈の測定値も比較しましょう。それぞれの足首で高い方の値をABIの計算に使います。
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    足関節の収縮期血圧を上腕の収縮期血圧で割りましょう。左右の足のABIをそれぞれ計算しましょう。左の足首の動脈の測定値の最も高いものを使って、それを上腕動脈の血圧で割りましょう。この計算を右の足首でも繰り返しましょう。[8]
    • 例: 左足関節の収縮期血圧が120で、上腕の収縮期血圧が100。120÷100=1.20。
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    結果を記録し、解釈しましょう。安静時足関節上腕血圧比の正常値は1.0から1.4です。患者のABIが1に近い程、良い結果と言えます。つまり、腕の血圧が足首の血圧にできるだけ近い方が良いという事です。[9]
    • ABIが0.4以下の場合、重度の末梢動脈疾患の可能性が示唆されます。治らない潰瘍や壊疽を患っている可能性があります。
    • ABIが0.41~0.90の場合、軽度から中等度の末梢動脈疾患の可能性が示唆され、CTやMRI、血管造影検査などのさらに詳しい検査が勧められます。
    • ABIが0.91~1.30の場合、正常な血管である事が示唆されます。しかし、値が0.9~0.99 の間の場合は運動により痛みが生じる可能性があります。
    • ABIが1.3以上の場合、血圧上昇の原因となる非収縮性の重度に石灰化した血管である事が示唆されます。長期にわたる糖尿病や慢性の腎疾患がこの状態を引き起こす可能性があります。
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ポイント

  • 末梢動脈疾患の症状には、歩行時のふくらはぎの痛み、足指や足、脚の治らない潰瘍、色の変化や脚の脱毛、寒冷皮膚などがあります。
  • ヘビースモーカー、50歳以上の糖尿病患者、心血管疾患の家族歴のある人、コレステロール値の高い人は、症状がなくても早期の末梢血管疾患を除外するために足関節上腕血圧比を測定する事が勧められます。
  • 上腕や脚に傷がある患者には、カフを巻く際に清潔なガーゼで傷を保護しましょう。
  • 測定の前に医師の指示や特別な注意事項を確認しましょう。この測定で、透析を受けている患者の上腕血圧を測定する事は禁忌となる可能性があります。
  • 患者の全身状態を確認しましょう。他の病気の状態により、測定の正確性が影響を受ける可能性があります。

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注意事項

  • 血圧計のカフの使い方や血圧の測定の訓練を受けていない場合は、病院で受診し、きちんと正確にABIを測定してもらった方がよいでしょう。
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カテゴリ: 健康
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