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車のエアコンの欠陥原因を突き止め、修理を行うことは簡単ではありません。まず初めに冷媒ガス漏れの有無と、エアコンのコンプレッサーの作動状態を調べる必要があります。エアコンのシステムを大幅に修理しなくてはならない場合は、必要な設備が自宅に揃っているとは限りません。単に冷媒ガスの量が少なくなっていることが原因なら、オートショップでリペアキットを購入し、冷媒ガスをチャージしましょう。

パート 1
パート 1 の 3:

原因を突き止める

  1. 1
    エンジンをかけてエアコンをオンにする 鍵を使ってエンジンをかけ、エアコンを「強」に設定します。エアコンから吹き出す風の状態(温かい、涼しい、冷たい)を判断します。風が温かいと涼しいの中間で「いまいち冷たくない」と感じる場合は、エアフローに問題があるかもしれません。[1]
    • ラジエーターファンが作動しているか調べましょう。動いていない場合は電気系に問題があるかもしれません。
    • エアフローを改善するために、キャビンフィルターを交換する必要があるかもしれません。
  2. 2
    エアコンコンプレッサーが作動しているか調べる 修理の方向性を決定するためには、コンプレッサーの状態を確認する必要があります。エンジンベイの中からエアコンのコンプレッサーを見つけ、プーリーの中心部がベルトに合わせて動いているか確認します。[2]
    • エアコンをオンにすると電磁クラッチが作動します。この電磁クラッチが正常に作動しているなら、プーリーの中心部が外輪に合わせて回転します。
    • 電磁クラッチが作動しない場合は、エアコンコンプレッサーが故障している可能性があります。そうなるとコンプレッサーを交換しなくてはなりませんが、単に冷媒ガスの補充が必要なだけかもしれません。
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    エアコンコンプレッサーの配線を調べる コンプレッサーから電磁クラッチに繋がるワイヤーを辿ります。ワイヤーの中間点にあるコネクターを探し、接続を外します。コンプレッサーから出ているワイヤーの先端をバッテリーの「+」端子に近づけます。電磁クラッチが正常に作動している場合は「バチッ!」と大きな音がします。音がしない場合はコンプレッサーを交換する必要があります。[3]
    • エアコンコンプレッサーの交換には専門の工具を必要とします。
    • エアコンコンプレッサーと電磁クラッチの交換が必要な場合は、リペアショップに持ち込みましょう。
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    エアコンシステムの漏れを探す 漏れ探知のキットを購入しましょう。漏れている箇所を見つ出すのに役立ちます。キットについてくる染料をラインに流すと漏れやひび割から染料が滲み出て破損している箇所を肉眼で確認できます。[4]
    • ガス漏れ探知のスプレーを低圧ポートに差し込み、エアコンに吹き込みます。
    • 漏れを発見した場合はリペアショップで修理する必要があります。
    • 漏れが見つからない場合は、単に冷媒ガスの量が少ないことが原因かもしれません。
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パート 2
パート 2 の 3:

冷媒ガスのチャージに備える

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    車種にあった冷媒ガスを購入する ガスのタイプは車が製造された年から簡単に割り出せます。1995年以降に製造された車にはR134aが、それ以前に製造された車にはR12が使われています。[5]
    • R12を個人で補充する事はできません。
    • R12が使われている場合は、リペアショップに予約を入れ、専門家に変換を依頼をしましょう。
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    温度計で外気温をチェックする 冷媒ガスのゲージをよむには、車の置かれた環境の外気温を知る必要があります。冷媒ガスの体積が缶内を占める割合とエアコンシステムに流れる量は気温によって変化します。測るたびに違う数値を表示するのはこのためです。[6]
    • 外気温を知っていると冷媒ガスのゲージを効率的によめます。
    • ガスが膨張して体積が増えると、缶内での圧力が上がります。
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    エアコンの低圧ポートの位置を確認する カーエアコンには低圧と高圧の2つのサービスポートがあります。冷凍ガスをチャージをする際には「低圧ポート」の位置を確認する必要があります。[7]
    • エアコンコンプレッサーから出ているラインを辿って行くと車体底部にあるノズルにたどり着きます。それが低圧ポートです。
    • 見つからない場合は車のサービスマニュアルを参照しましょう。
  4. 4
    布切れでサービスポートの周りをきれいにする ポートとキャップの周りを布で拭き取り、溜まった汚れのカスでポートを詰まらせないようにします。ラインとキャプを拭いた後にキャップを外し、最後にポート本体を拭きます。[8]
    • ブレーキクリーナーをラインに吹き付けると汚れが落ちやすくなります。必要なら試してみましょう。
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    ガスチャージのホースを低圧ポートに接続する 冷媒ガスチャージキットに付いてくるホースを準備済みの低圧ポートに接続します。この時ホースの反対側がガス缶のノズルと繋がっていることを確認します。[9]
    • ゲージ付きのガス缶の場合、ホースはゲージのノズルを介してガス缶と繋がっています。
    • ホースの長さには余裕があります。ガス缶をエンジンベイに持ち込まずにポートと接続できるはずです。
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    ゲージに表記された環境気圧のチャートを使って圧力を判断する 外気温度を考慮しながらゲージをよみ、現時点の冷媒ガスの圧力を判断します。ガスを吹き込み始めたらゲージを注視し、エアコンシステムが充填されたかどうか判断します。[10]
    • 適正値に達した所でチャージを止めます。ガスをチャージしている間はゲージから目を離さないようにしましょう。
    • ゲージのよみ方がわからない場合は、ガス缶に書かれている取扱説明書を参考にしましょう。
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パート 3
パート 3 の 3:

冷媒ガスをチャージする

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    冷媒ガス缶のバルブをひねり、密封部分に穴をあける ガス缶上部にあるバルブを時計回りにひねり穴をあけます。穴から冷媒ガスが放出され、ホースを通してカーエアコンのシステムにチャージされます。[11]
    • ガス缶の種類により、封を開ける方法が異なります。缶に表記されている取扱説明書を参考にしましょう。
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    ガス缶を直立状態に保つ 冷媒ガスをエンジンに送り込んでいる最中は、缶を上向きに立てた状態で時々振ります。缶を横向きに倒すと圧力が低下し、チャージに失敗します。[12]
    • ガス缶を振ると、ガスをシステムに送り込む為に必要な圧力を保てます。
    • 缶を回転させたり、下向きにしてはいけません。
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    漏れをチェックする ガスをチャージしているあいだ、エンジンシステムをくまなくチェックします。漏れの兆候が見られる場合は、専門の整備士に修理を依頼する必要があります。漏れている場所を書き留めておきましょう。整備士への説明に役立ちます。[13]
    • チャージ中の漏れは比較的簡単に見つかります。
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    ホース外し、缶を温度の低い場所に保管する 充填された表示をゲージで確認したのち、ホースをサービスポートから取り外し、キャップを元に戻します。缶に残った冷媒ガスは、別の車両や同じ車のチャージに再利用できます。[14]
    • 空のガス缶は処分しましょう。
    • 缶を保管する場合は漏れがないか確かめましょう。
  5. 5
    修理が必要な場合は車をリペアショップに持ち込む 漏れやエアコンコンプレッサーに欠陥が見つかった場合は修理をしなくてはなりません。エアコンコンプレッサーの交換には専用の工具を必要とするため、修理の内容が趣味の範囲を超えています。[15]
    • 冷媒ガスの漏れを取り扱う場合は、十分に注意しましょう。ガスがかなり低温のため、怪我を引き起こす恐れがあります。
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このwikiHow記事について

Tom Eisenberg
共著者 ::
自動車整備士
この記事の共著者 : Tom Eisenberg. 自動車業界にて10年以上の経験を持つトム・アイゼンバーグはカリフォルニア州ロサンゼルスにあるタイヤサービス専門店「West Coast Tires & Service」にてマネージャーを務めています。同店はAAA認可修理店であり、自動車タイヤ業界の専門誌「Modern Tire Dealer Magazine」より、国内におけるトップ10タイヤサービス業者の1つに選ばれています。 この記事は3,132回アクセスされました。
カテゴリ: 自動車修理
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