避妊・去勢手術後の猫のケアをする方法

共同執筆者 Pippa Elliott, MRCVS

この記事には:安全に回復できる環境を作る手術後の猫のケアをする猫の様子をチェックする24 出典

避妊・去勢手術はよく行われるありふれた手術とはいっても外科手術に変わりはありません。術後のケアの仕方が分からないという人はこの記事を役立てると良いでしょう。猫が手術から回復して健康で幸せな暮らしに戻れるように、飼い主として出来る手助けをしましょう。

パート 1
安全に回復できる環境を作る

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    猫にとって静かで居心地の良い場所を用意する 麻酔後18~24時間は吐き気があったり機嫌が悪いことが多いでしょう。人や他の動物に噛みついたりする事もあるため、猫が休める静かで隔離された場所を用意することが大切です。[1]
    • 必ず目が届く所に猫を休ませましょう。危険な隠れ場所や、飼い主が近づきにくい場所は猫が入れないようにブロックすると良いでしょう。
    • 猫に子供や他の動物を近づけない 手術後の猫は休んで体を回復させる必要がありますが、誰かに頻繁に邪魔されると休むことができません。
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    猫に心地よさを与える 手術後の猫には居心地の良い寝床を用意しましょう。決まったベッドがない場合は、箱に柔らかいクッションや毛布を敷きましょう。
    • 可能なら、猫のベッドをタイルや板張りの上に置きましょう。猫が冷たくて固い床に寝そべってお腹を冷やすと、手術部位を落ち着かせるのにも役立つでしょう。[2]
    • 猫がジャンプしなくていいように、できるだけベッドは低い位置に置きましょう。
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    明りを落とす 麻酔を受けた猫は通常、光に敏感になっています。猫が休んでいる所の明かりは暗めにするか、明りを消しましょう。[3]
    • 明りを調節できない場合は、光を遮ることができるドーム型のベッド等を利用すると良いでしょう。
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    清潔なトイレとすぐ近くに餌と水を用意する 手術から回復するためには、猫をジャンプさせたり階段を上らせたり、また生活に必要なものににたどり着くために苦労して移動させてはいけません。
    • 手術後は最低でも2週間は通常の猫砂を使用するのは避けましょう。特にオスの場合、切開した部位に入り込み、炎症を起こすことがあります。紙や前日の新聞を細かく裂いたもの、長粒種の生米を猫砂として使用すると良いでしょう。[4]
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    猫を外に出さない 手術後最低でも2週間は猫を外に出してはいけません。手術部位を清潔に乾いた状態に保ち、感染症から猫を守るためです。[5]

パート 2
手術後の猫のケアをする

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    切開部位を調べる 切開したところをチェックして、どのような状態になっているのかを知り、回復具合に気を付けましょう。可能なら、猫を自宅に連れて帰る前に動物病院で手術痕を見せてもうと良いでしょう。[6] 比べられるように、手術直後に患部の写真を撮っておくと良いでしょう。
    • メスと停留精巣のオスは腹部を切開し、ほとんどのオスは尻尾の下の陰嚢部を2箇所小さく切開します。
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    エリザベスカラーを使用する 動物病院で提供されることもありますが、ペットショップで購入も可能です。エリザベスカラーは猫の顔面よりも飛び出ているため、切開痕を舐めることができません。
    • こういったカラーはアニマルネッカーとも呼ばれています。
    • 猫の行動次第ではこのカラーが必要ない場合もあります。猫から目を離さないように気を付けながら、付けた状態と外した状態を試してみましょう。傷を過度に舐めたり噛んだりするようなら、エリザベスカラーを付けた方が良いでしょう。
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    キャットフードを水を与える 動物病院から帰ってきたらすぐに、浅い皿で水を与えるか氷を与えても良いでしょう。[7]動物病院で受けた餌の与え方についての説明に従いましょう。指示を受けていない場合は、下記を参考にしましょう。
    • 動きが機敏で反応が早いようなら、手術後帰宅して約2~4時間後に通常の餌の量の4分の1を与えて構いません。[8]ただし、無理やり飲ませたり食べさせたりしてはいけません。
    • 猫が食べられるようなら、3~6時間後にまた少量を与えましょう。通常の量を通常の食事の時間に食べられるようになるまでこれを続けます。[9]
    • 生後16週よりも若い猫には、手術から帰ってきて一息ついたら通常の量の半分程度の餌を与えて構いません。[10]
    • 帰宅してから猫が食べないときは、メープルシロップやコーンシロップをコットンや綿棒に浸して歯茎に擦りつけてみましょう。[11]
    • 手術後は特別な餌やおやつ、ジャンクフード等を与えるのは避けましょう。猫が嘔吐をおこす可能性があるため、できるだけ通常与えているものを選びましょう。[12]牛乳を与えてはいけません。猫は牛乳を消化できません。
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    猫を休ませる 手術直後は猫を撫でたり遊んだりしないようにしましょう。安心感を与えようとする行動かもしれませんが、猫にとっては安心して休んでいるのを妨害されていると感じることがあるでしょう。
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    本当に必要な時以外は猫を持ち上げない 猫を抱きかかえたり過度に移動させたりすると、切開箇所は簡単に開いてしまいます。オスの場合、尻尾の下の陰嚢に圧をかけないように、メス(および停留精巣で手術を受けたオス)の場合、腹部に圧をかけないように気を付けましょう。
    • 猫を抱えなくてはいけない状況になったら、片手でお尻を包み込むように支え、もう片方の手で前足のすぐ下の胸の辺りを支えます。そして、優しく体を持ち上げましょう。[13]
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    猫の動きを制限する 手術から1週間は猫がジャンプしたり遊びまわったり、動きすぎないようにしましょう。こういった動きは手術傷の刺激になったり感染症を引き起こす可能性があります。[14]
    • キャットタワーやパーチ、猫がジャンプして上がるような家具は隠しておいた方が良いでしょう。
    • 猫から目を放すときは、猫をランドリールームやバスルーム等の狭い部屋、または檻や木箱に入れておきましょう。
    • 階段は猫を抱きかかえて移動することも必要かもしれません。階段を上り下りすることで猫の切開部や手術箇所が損傷を受ける可能性は低いですが、賢明な予防策にはなるでしょう。
    • 人間も手術後は大変な経験をするでしょう。同様に猫も苦しい状態で、逃げ出そうとする可能性があるという事を理解しましょう。特に手術後24~48時間は、しっかりを猫を監視し目を離さないようにしましょう。
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    猫を入浴させない 手術後10~14日は猫を入浴させてはいけません。傷に刺激になったり炎症を起こす可能性があります。[15]
    • 必要な場合は、切開傷の周りを少し湿らせた布(せっけんは使用しない)で拭きましょう。ただし、術後の傷を濡らしたり擦ってはいけません。
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    獣医師の指示があるときのみ痛み止めを与える 帰宅時に獣医師から処方薬を処方されるでしょう。猫に痛みがあるように見えなくても、処方薬をもらった場合は指示通りに猫に与えましょう。猫は痛みを隠すことが多く、痛みがあっても見せないことも多々あります。動物病院で処方された薬以外を猫に与えてはいけません。[16]
    • 人間用の薬や、犬用等の動物用の薬を与えると猫の命に係わることがあります。市販の薬も、獣医師の確認なしには与えてはいけません。タイレノールでさえ与えると命取りになることもあります。
    • 獣医師の承認なしに抗生物質や消毒クリーム等の薬を手術の傷に塗ってはいけません。

パート 3
猫の様子をチェックする

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    嘔吐に気を付ける 手術後に帰宅した夜、猫が食べたもの嘔吐したら餌は片付けて、翌朝少量の餌を与えましょう。再び嘔吐したり、下痢をするようなら動物病院に連絡しましょう。[17]
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    毎日朝晩切開箇所をチェックする 手術後7~10日は、朝晩毎日猫の傷をチェックしましょう。手術した日の傷と比べて、回復に向かっているかを判断しましょう。下記の症状がみられる場合は動物病院に連絡しましょう。[18]
    • 赤み:傷の切り口周辺は、初めはピンクや薄い赤色をしています。この赤みは時間の経過とともに消えていきます。この色が濃くなってきたり、赤黒い感じになってきたら、感染症にかかっている可能性があります。
    • あざ:回復時に薄いあざが赤から紫に変わっていくのは異常ではありませんが、あざが広がったり、悪化しているもしくは重度のあざになったり新たなあざが現れていたりする場合は、直ちにフォローアップ治療が必要です。
    • 腫れ:手術傷の周りが少々腫れているのは、回復していく過程でよく起こりますが、腫れがずっとひかなかったり、悪化してきた場合は動物病院に連絡しましょう。
    • 分泌液:手術後に猫を連れて帰ると、傷から薄い赤色の体液が少量出ているのを目にすることがあるかもしれません。これは異常ではありませんが、1日以上体液が出ていたり、量が増える、もしくは液に血が混じっているような色、緑や黄色や白色だったり嫌な臭いがある場合は、動物病院での処置が必要です。
    • 傷口の開き:オスの場合陰嚢の切開部が開きますが、傷は小さくすぐに閉じるでしょう。メスや開腹手術を受けたオスには、目に見える縫合跡があったりなかったりしますが、ある場合は縫合糸が損傷を受けておらず、ない場合は傷口が閉じているのが通常です。傷口が開き始めていたり、傷口に縫合材が見えたり隆起物が現れた等、何か異常に気付いた場合は直ぐに動物病院に連れて行きましょう。
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    猫の歯茎をチェックする 猫の歯茎の色は淡いピンクや赤色をしています。歯茎を軽く押して指を離したら、色は直ぐに元通りになるのが健康な状態です。[19]歯茎の色が白かったり、押した後に色が元通りにならない場合は動物病院に連絡しましょう。[20]
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    痛みのサインを知る 猫は人間や犬のように痛みを表に表さないこともあります。猫の不快症状のサインを見逃さないように気を付けましょう。痛みのサインが見られたら、何らかの処置が必要です。動物病院に連絡しましょう。猫によくある術後の痛みのサインには下記のようなものがあります。[21]
    • 頑なに隠れようとする、逃げようとする
    • 元気がない、不活発
    • 食欲減退
    • 丸まった姿勢でいる
    • 腹部の筋肉の張り
    • うなる
    • シャーっと威嚇する
    • 不安そうにしていたりビクビクしている
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    他の兆候に気を付ける 手術から回復していく過程では、猫の行動から目を離さないようにしましょう。「通常」ではないものは、手術後24時間以内で消えるのが普通です。いつもと違う行動や症状が見られた場合は、直ちに動物病院に連絡しましょう。下記のような兆候に注意しましょう。[22][23]
    • 手術後24時間以上元気がない
    • 下痢
    • 初日の夜以降の嘔吐
    • 発熱や寒気
    • 手術後24~48時間以上食欲が減退した状態が続いている
    • 手術後成猫で24時間、子猫で12時間以上食べられない
    • 排尿困難または排尿時に痛みがある
    • 手術後24~48時間以上排便がない
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    動物救急病院に連絡する ほとんどの場合、回復していく過程で心配があるときは通常の動物病院に連絡するだけで十分です。ただし、緊急を要するケースもあります。下記のような兆候が見られた場合、救急外来を扱っている動物病院に連絡しましょう。
    • 意識がない
    • 反応がない
    • 呼吸困難
    • 強い痛みのサイン
    • 精神状態の異常(飼い主や住んでいた家を覚えていなかったり、通常では考えられない行動)
    • 腹部の膨張
    • 出血 
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    経過観察の受診を欠かさない 皮膚縫合(目に見える縫合)をしていないケースもありますが、縫合材で縫合している場合は、術後10~14日で抜糸する必要があります。
    • 縫合をしていなくても、獣医師が推奨する経過観察の受診は欠かさないようにしましょう。

ポイント

  • 初日は猫に小さな子供を近づけてはいけません。
  • 掃除がしやすいように、新聞紙を裂いた物や埃の出ない猫砂を使用しましょう。
  • 去勢したオスは手術後30日は避妊手術を受けていないメスに近づけないようにしましょう。去勢手術を受けたオスでも、術後最長30日はメスを受胎させる能力があります。[24]

注意事項

  • 猫の様子がおかしいと感じたら、すぐに動物病院に連絡しましょう。
  • 術後7~10日は猫を外に出さないようにしましょう。傷口を損傷する恐れがあります。

出典

  1. http://files.dvm360.com/alfresco_images/DVM360/2014/09/26/ca50e33b-4a98-4584-bf15-dbf0f2a912c7/handout_afterspay_neuter.pdf
  2. http://trupanion.com/pet-care/how-cats-cool-down
  3. https://www.aspca.org/sites/default/files/upload/images/caring-for-your-cat-or-dog-after-surgery-1.pdf
  4. https://www.aspca.org/sites/default/files/upload/images/caring-for-your-cat-or-dog-after-surgery-1.pdf
  5. http://www.alleycatsandangels.org/dischargeinstructions_final.pdf
  6. https://www.aspca.org/sites/default/files/upload/images/caring-for-your-cat-or-dog-after-surgery-1.pdf
  7. https://www.aspca.org/sites/default/files/upload/images/caring-for-your-cat-or-dog-after-surgery-1.pdf
  8. Etienne Cote, Clinical Veterinary Advisor: Dogs and Cats, 3rd Edition (St. Louis: Mosby, 2014).
  9. Etienne Cote, Clinical Veterinary Advisor: Dogs and Cats, 3rd Edition (St. Louis: Mosby, 2014).
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記事の情報

この記事はPippa Elliott, MRCVSが共著しています。 獣医であり、Royal College of Veterinary Surgeons(王立獣医師会)のメンバーでもあるエリオット医師は、30年以上にわたり、かかりつけ獣医、そして獣医外科医として獣医療の実践に努めてきました。1987年にグラスゴー大学にて獣医科学と獣医外科学の学位を取得してます。エリオット医師は生まれ故郷の町にある動物診療所に20年以上勤務しています。

カテゴリ:

他言語版:

English: Care for Your Cat After Neutering or Spaying, Español: cuidar a tu gato después de la esterilización, Italiano: Prenderti Cura del Tuo Gatto dopo averlo Sterilizzato, Русский: ухаживать за котом (кошкой) после кастрации (стерилизации), Português: Cuidar de um Gato Após a Castração, Français: prendre soin de son chat après l'avoir castré ou stérilisé, Bahasa Indonesia: Merawat Kucing Setelah Pemandulan atau Pengebirian, Nederlands: Voor je kat zorgen na sterilisatie of castratie, Tiếng Việt: Chăm sóc Mèo Sau khi Triệt sản, Deutsch: Dich nach dem Kastrieren oder Sterilisieren um deine Katze kümmern, 한국어: 중성화 수술 받은 고양이 돌보는 방법, العربية: الاهتمام بقطتك بعد عملية الإخصاء أو إزالة المبايض, 中文: 照顾做完绝育手术的猫

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