酸逆流に対処する方法

3 方法:生活習慣を変える薬による治療慢性的な胃食道逆流症の治療

酸逆流とは胃酸が食道やのど、口内に逆流することで、胃食道逆流症の特徴的な症状です。この慢性症を放っておくと後々大変なことになるおそれがあります。幸い、たいていの酸逆流は生活習慣の変化と薬の服用で治すことができます。また、手術による治療が用いられる場合もあります。胸やけ、胃酸の逆流、咳(せき)、後鼻漏(鼻汁がのどへ流れ落ちる)、嚥下困難(飲み込みがしにくい)、歯のエナメル質が過度に傷むなどの胃食道逆流症の症状がある場合は、下記の方法を試してみてください。

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生活習慣を変える

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    胃酸を増やしがちな食品を控える 頻繁に酸逆流が起きる場合は、以下の食品を摂取した時に酸逆流が起きないかどうかを確認しましょう。こうした食品の摂取頻度を減らすと酸逆流が起きなくなるかもしれません。[1]
    • チョコレート
    • 辛い食品、
    • ニンニク、玉ねぎ類
    • 揚げ物や油っぽい食品
    • 酸味の強い食品(トマトや柑橘系の果物など)
    • ミントやペパーミント
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    食事の量を減らして回数を増やす 少なめの食事を一日のうちに何度も取ると、消化の効率がよくなり、胃酸の蓄積が減ります。各食事の量は軽食分程度に抑えましょう。お腹が空くまで次の食事を取らないことも大切です。
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    食後にすぐに眠らない 食事と就寝時間の間にある程度の時間をおくと、自然な重力が消化を助けます。食後から就寝までの時間は最低でも3時間は置きましょう
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    体重を落とす 肥満は胃食道逆流症の最大の原因です。太り過ぎていると食道が圧迫されて胃酸が逆流する原因になります。[2] ダイエットや運動をするだけで、特別な治療をすることなく、胃食道逆流症の症状を緩和することができる場合もあります。
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    アルコールやカフェインの摂取を控える アルコールやカフェインは食道から胃に続く通路をコントロールする括約筋を緩め、胃酸の逆流を促します。特に就寝前にアルコールやカフェインの摂取を避けると胃食道逆流症の症状を抑えることができます。
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    禁煙する 喫煙は消化を妨げ、食道の内膜を傷めることもあります。たとえ完全な禁煙ができなくても、できる限り控えましょう。
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    ゆったりとした服を着る ウエストのきつい服は内臓を圧迫して消化不良の原因になります。ズボンやスカートのウエストは伸縮性のあるゴム仕様のものにしましょう。職場でぴったりした服や厚手の服を着用している場合は、帰宅後すぐに着心地のよい楽な衣服に着替えましょう。
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    寝具の上半身部分を少し高く上げます。ふとんやベッドの頭側を10センチから13センチほど高く上げます。肥満や裂孔ヘルニアを患っている人や食道から胃までの通路に何かしらの障害がある人は胃食道逆流症の原因が単純に重力であることもあります。頭を足の位置よりも高くすると、胃酸が逆流することはありません。
    • この目的で上半身部分を高く上げるときには、ベッドやふとんの下に何かを入れるとよいでしょう。枕を重ねるだけでは腰が曲がりすぎてしまうために、それほど効果はありません。

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薬による治療

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    市販薬を使う 市販の制酸薬はたまに起きる消化不良に効果があります。しつこく重い胸やけや酸逆流の場合は医師の診断を受けましょう。
    • 胸やけや消化不良が2週間以上続く場合は医師の診断が必要です。
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    H2ブロッカーを試す H2ブロッカーはヒスタミンH2受容体拮抗薬とも呼ばれ、胃酸の分泌を促すヒスタミン受容体を抑える機能を持ちます。日本で販売されている薬品としては、ラニチジン(商品名:アバロンZなど)、シメチジン(商品名:アルサメック錠など)、ファモチジン(商品名:ガスター10など)などがあります。
    • 食前にH2ブロッカーを服用すると酸逆流を抑えます。また食後に服用すると胸やけを抑えます。
    • H2ブロッカーは処方箋なしで購入できます。
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    プロトンポンプ阻害薬を使う オメプラゾール(商品名:オメプラール、オメプラゾン)などの薬品は胃酸の分泌を抑えます。
    • プロトンポンプ阻害薬を最大2週間まで服用すると、胃酸の逆流を緩和するだけでなく、食道内膜の損傷も修復できる場合があります。
    • プロトンポンプ阻害薬には市販薬と処方薬の両方があります。
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    天然療法を試す 自然な方法で治したいという場合には、酸逆流の天然療法がいくつかあります。
    • 重曹大さじ1をコップ1杯の水に加えて飲む[3]
    • 生アーモンドを食べる pHバランスを整えて胃酸の逆流を減らします。
    • 小さじ数杯のリンゴ酢を毎日飲む 消化機能を正常に保ちます。[4]
    • カモミール・ティーを飲む
    • アロエのジュースを飲む
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    胃食道逆流症のハーブ療法 胃酸の分泌過多の治療には昔からハーブが使われてきました。H2ブロッカーやプロトンポンプ阻害薬といった新しい薬が開発されるまでは、胃酸逆流の治療にはハーブ療法しかありませんでした。甘草(カンゾウ)、アスパラガスラセモサス、ビャクダン、ハマスゲ、クルマバアカネ、ベンガルボダイジュ、フイリソシンカ、マニフィーラ・インディカ[5], [6]などのハーブは胃酸分泌の抑制に効果があり、胃と食道の内膜損傷を修復する効果やピロリ菌による炎症を抑制する効果もあります。同様にホメオパシー療法の薬にも胃食道逆流症の緩和を促すものがあります。

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慢性的な胃食道逆流症の治療

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    生活習慣の改善や薬の服用で効果がない場合は医師に相談する 天然療法や生活習慣の改善、市販薬の服用だけでは十分でないケースもあります。痛みが伴う場合や症状が2週間以上続く場合は医師の診断を受ける必要があります。
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    原因を探るための検査を受け、深刻な病気の症状ではないことを確認する 胃潰瘍や胃がんなどの深刻な病気が胃酸逆流の原因であることも考えられます。原因が他の深刻な病気ではないことを確かめたいと医師に伝えましょう。
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    手術による治療を検討する 裂孔ヘルニアなどは手術で治療することで回復が見込めます。慢性的な胃食道逆流症を患っている方は手術を検討したほうがよいかもしれません。
    • 従来型の手術では胃の入り口の食道括約筋を再建して胃酸の逆流を防ぎます。
    • 内視鏡用チューブを使った低侵襲性処置には、縫合により緩んだ括約筋を締める方法、バルーン拡張を使って瘢痕組織による閉塞を緩和する方法、焼灼(しょうしゃく)により損傷した組織を除去する方法などがあります。

ポイント

  • 妊娠中には胃酸逆流がよく起こります。これは、ホルモンのレベルが高くなることや消化器官が圧迫されることが原因です。これは産婦人科で適切な治療を受けることができます。
  • 心臓病の薬、例えば高血圧治療薬や鎮静剤を服用している場合は、担当の医師に相談しましょう。こうした薬品が胃食道逆流症の原因となったり助長する場合があります。
  • 薬を服用し始めてから2週間経っても症状に改善がみられない場合は医師に相談しましょう。

注意事項

  • 胃酸逆流や胃食道逆流症を放っておくと、高血圧が悪化し、アレルギーやぜんそく発作を引き起こすこともあります。
  • 睡眠中に胃酸や未消化食物の逆流が起きると、吸引性肺炎がおきて呼吸困難に陥るかもしれません。
  • 胃食道逆流症を未処置のままにすると、組織の損傷を起こす可能性があり、場合によってはこれが出血性潰瘍(かいよう)や食道がんをもたらす場合があります。

記事の情報

他言語版:

English: Treat Acid Reflux, Español: tratar el reflujo gástrico, Deutsch: Säurereflux behandeln, Português: Tratar Refluxo Gastroesofágico, Français: traiter les reflux gastriques, Italiano: Curare il Reflusso Gastroesofageo, Nederlands: Brandend maagzuur tegengaan, Русский: лечить кислотный рефлюкс, 中文: 治疗胃酸逆流, Čeština: Jak vyléčit pálení žáhy, Bahasa Indonesia: Mengatasi Refluks Asam, العربية: علاج ارتجاع المريء, Tiếng Việt: Trị chứng Ợ chua, ไทย: รักษากรดไหลย้อน

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