鉄欠乏性貧血を治す方法

共同執筆者 Chris M. Matsko, MD

この記事には:サプリメントの摂取食品から鉄分を摂取する鉄欠乏性貧血であるかチェックする19 出典

鉄欠乏性貧血は、体の全細胞と組織に酸素を行き渡らせる健康な赤血球が不足しているときに起こります。血液中のヘモグロビンは、細胞に酸素を、肺に二酸化炭素を運ぶ大きな複合タンパク質ですが、ヘモグロビンを生成するのには鉄が必要です。貧血は慢性的なものも急性のものもあり、症状の程度はさまざまです。鉄欠乏性貧血の治療の方法を学びましょう。

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サプリメントの摂取

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    非鉄のサプリメントを選ぶ 鉄は、鉄と非鉄という2つのイオン型で存在します。鉄のサプリメントより非鉄のもののほうが体に吸収されやすい特徴があります。[1]非鉄のサプリメントとしては、硫酸第一鉄、グルコン酸第一鉄、フマル酸第一鉄、およびクエン酸第一鉄があります。ペンタカルボニル鉄も体に吸収されやすい鉄の一種であるため、鉄欠乏性貧血の治療によく用いられます。サプリメントでも摂取可能です。[2]
    • 成分表にある元素鉄の含量をよく見ましょう。 30%以上の元素鉄が含まれていることが好ましいでしょう。割合やミリグラム数が大きければ大きいほどたくさん体に吸収されます。[3]
    • 1日の目安摂取量は元素鉄が15〜65mgです。この分量を数回に分けて摂取するのが一番よいでしょう。 [4]
    • サプリメントが独立した機関や研究所で検査されたものであることを確認しましょう。
    • 標準的な治療で、鉄ではなく非鉄が用いられるのは、非鉄が体に吸収されやすいからと、副作用があまりないからです。[5]
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    空腹時に鉄のサプリメントを摂取する 空腹時にオレンジジュースと一緒にサプリメントを摂取すれば、副作用は防げます。ビタミンCによって、鉄が吸収されやすくなります。[6]
    • 鉄のサプリメントとともにオレンジジュースを飲むか、ビタミンCのサプリメントを摂取するとよいでしょう。
    • 牛乳やカルシウムのサプリメント、胃の制酸薬などと一緒に鉄のサプリメントを摂取しないようにしましょう。鉄の吸収率が下がってしまいます。
    • 食物繊維が豊富な食品や、コーヒー、紅茶などと一緒に鉄のサプリメントを摂取しないようにしましょう。
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    鉄のサプリメントのリスクと副作用を知る いくら自然なものであったり、体に必要であったりするからといって、それを摂りすぎてもよいということではありません。鉄がそれのよい例です。鉄のサプリメントは 摂りすぎると体にとって危険になりえます。製造者の製品説明に従い、子供の手の届かないところに保管しましょう。[7]
    • 後天性ヘモクロマトーシスという疾患は、鉄のサプリメントの過剰摂取が原因で起こり、関節痛や腹痛や、虚弱体質、性欲減退、倦怠感を引き起こすことがあります。[8]
    • 鉄のサプリメントを飲むことによって、胃のむかつきや便秘、もしくは便が黒くなることがあります。[9]
    • パーキンソン病及び発作性疾患の治療に用いられるテトラサイクリン、ペニシリン、またはシプロフロキサシンなどを服用している場合は、かかりつけ医に相談しましょう。鉄はこれらの薬の効能を妨げる場合があります。
    • 消化性潰瘍、腸炎、または潰瘍性大腸炎に罹患している場合、鉄分のサプリメントを摂取しないほうがよいでしょう。

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食品から鉄分を摂取する

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    食事から十分な鉄分を摂取する 鉄分の一日の推奨摂取量は食品から摂取することができます。食品からの摂取のほうがサプリメントより安全で効果が高いと考えられています。 一日あたりの必要量は性別と年齢によって違います。下記の情報から鉄分の必要量を確認しましょう。[10]
    • 乳幼児:0.27 mg/日(生後6ヶ月まで)、11 mg/日(生後7〜12ヶ月)
    • 子ども:7mg/日(1〜3歳)、 10mg/日(4〜8歳)
    • 9歳以上の男性:8mg/日
    • 女性:8 mg/日(9〜13歳)、15mg/日(14〜18歳)、18mg/日(19〜50歳)、8mg/日(51歳以上)
    • 妊娠している場合は、1日あたり27mgは摂取したほうがよいでしょう。授乳中の女性の推奨摂取量は、14〜18歳が10mg/日で18歳以上が9mg/日です。
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    鉄分豊富な食品を食べる 鉄欠乏性貧血を治療するために、食生活に鉄分豊富な食品を取り入れましょう。鉄分を豊富に含む食品はたくさんあります。鉄分はほとんどすべての食品群に含まれます。鉄分が多く含まれる食品は、肉以外にもたくさんあるのでベジタリアンやビーガンでも問題ありません。下記は鉄分豊富な食品のリストです。[11]
    • 赤身の肉、レバー、豚肉、鶏肉、および魚
    • ほうれん草、カラシナ、ケール、ビートの葉、ブロッコリ、レタスなどの葉野菜
    • 豆腐、大豆、豆乳などの大豆食品
    • エンドウ豆、白豆、小豆、ひよこ豆などの豆類
    • レーズン、アプリコット、プルーンなどのドライフルーツ
    • プルーンジュース
    • 全粒タイプのシリアルや、鉄分が強化されたパン
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    鉄分の吸収率を下げる食品に注意する 体内の鉄分の吸収率を下げる食品もあります。鉄欠乏性貧血であれば、紅茶、コーヒーまたはココアなどを食事と一緒に飲むのをやめましょう。これらは、鉄の吸収率を下げます。また、鉄のサプリメントを食事と同じタイミングで摂取するのも控えましょう。
    • 鉄を摂取してから少なくとも1時間は、牛乳やその他の乳製品を摂るのをやめましょう。乳製品中のカルシウムが鉄の吸収率を下げることがあります。[12]

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鉄欠乏性貧血であるかチェックする

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    病院にいく 正しい治療を受けるためには、医師から診断を受ける必要があります。貧血にはいろんな種類があり、もし治療せずに放置した場合や正しい治療を受けなかった場合は、深刻な状況になる可能性があります。治療を開始する前に、原因を突き止めることが大事です。貧血の症状があるなら、医師に相談し、根本的な原因を突き止め、適切な診断をしてもらうように努めましょう。[13]
    • 医師は身体検査を行い、心音と呼吸の聴診や、肌や粘膜組織の血色の確認をし、貧血の症状をチェックするでしょう。
    • 血液検査が行われる場合もあります。血液検査により赤血球数やその他の血球数がわかります。また赤血球中のヘモグロビンの量もわかります。貧血の根本的な原因がわからなかった場合は、他の検査も行われるかもしれません。
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    貧血の根本的な原因を治療する 鉄欠乏性貧血の治療のためには、貧血を引き起こしている根本的な疾患を治療する必要がある場合もあります。 治療は疾患の種類によります。[14]
    • 生理によって鉄欠乏症貧血の症状が現れる場合は、ホルモン療法が最適とされています。
    • 消化管の出血による貧血の場合は、抗生物質や制酸剤、胃酸抑制薬が処方されることがあります。
    • 鉛中毒の場合は、キレート療法が使用されます。 キレート療法では、鉛に結合して一緒に排出させるための薬が用いられます。[15]
    • 稀なケースですが、鉄欠乏性貧血が深刻な場合、輸血が必要なことがあります。
    • 貧血が内出血に起因する場合、手術による止血が必要なことがあります。
    • その他の原因としては、鉄分の吸収率の低下、セリアック病、ある種の食品や薬、エリスロポエチンに対する反応不良、または胃バイパス手術が考えられます。
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    鉄欠乏性貧血の症状であることを確認する 貧血にはさまざまな種類があり、他の疾病による一般的な症状と同様の症状を示すことがあります。医師による診断が重要なのはこのためです。鉄欠乏性貧血の症状は以下のとおりです。[16]
    • 休息や睡眠で癒えない慢性疲労
    • 血色の悪さ
    • 目まい
    • 動悸や脈の乱れ
    • 手足の冷え
    • 息苦しさ
    • 胸の痛み
    • 錯乱や記憶障害など認知的問題
    • 頭痛
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    鉄欠乏性貧血の原因について学ぶ 赤血球はヘモグロビンというタンパク質を含みます。赤血球中のヘモグロビンは肺の中から酸素を受け取るのと同時に二酸化炭素を放出します。ヘモグロビンは鉄を含み、鉄無しではうまく機能しません。加えて、鉄が十分に無いと、骨髄は十分な量の赤血球を作れません。その結果、貧血になります。下記のような場合に、鉄欠乏性貧血になります。[17]
    • 食品から十分な鉄を摂取していない場合:栄養不良や妊娠によって起こりえます。
    • 体内で食品から鉄分を吸収できない場合:セリアック病などの疾病に罹患しているか、もしくは腸を手術で除去している場合に起こりえます。
    • 出血により鉄を失いすぎた場合:腸からの出血や経血、もしくはアスピリンか非ステロイド性抗炎症薬の服用などによる腸の内出血などが考えられます。
    • 鉛中毒の場合:鉛がヘモグロビン中の鉄に置き換わってしまうと、ヘモグロビンが酸素を正常に運べません。
    • アスピリンを定期的に服用している場合:潰瘍を引き起こし、内出血を引き起こす可能性があります。
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    リスク因子を持っているか把握する 鉄欠乏性貧血には、たくさんのリスク因子があります。 自分にリスクがあるかどうかを知ることで、症状の有無を観察でき、鉄分豊富な食生活に変えることができます。一般的なリスクは下記のとおりです。[18]
    • 性別:生理がある女性は生理期間の間中鉄を失っているため、高いリスクがあります。生理が重い女性ほどリスクも高くなります。
    • 年齢:子供や乳幼児は、成長のためにより多くの鉄が必要です。
    • 栄養の吸収を妨げる腸疾患:例としては、セリアック病、過敏性腸症候群および過敏性腸疾患、ならびに漏出性腸症候群が挙げられます。[19]
    • 妊娠:胎児の血液をつくるため、体に蓄えられた鉄が激減します。
    • 栄養状態:十分な量を食べていない人は食品から鉄分を十分に摂取できません。ベジタリアンやビーガンの人も、意識的に鉄分豊富な食品を食べていない場合、鉄不足に陥りやすいリスクがあります。

ポイント

  • 鉄のサプリメントを摂取すれば2ヶ月ほどで貧血は治まるでしょう。しかしながら、体に十分な量の鉄を蓄えるために、さらに6ヶ月はサプリメントを飲み続けましょう。

注意事項

  • 貧血がちで、直腸診を受けた際に出血があった場合、悪性腫瘍の可能性があります。医師に結腸内視鏡検査について相談する必要があります。

記事の情報

この記事はChris M. Matsko, MDが共著しています。 クリス・M・マツコ医師はペンシルバニア州在住の内科医です。マツコ医師は2007年にテンプル大学医学部から医学博士号を授与されています。

カテゴリ: 健康

他言語版:

English: Treat Iron Deficiency Anemia, Italiano: Curare l'Anemia da Carenza di Ferro, Español: tratar la anemia ferropénica, Português: Tratar a Anemia por Deficiência de Ferro, Deutsch: Eisenmangelanämie behandeln, Français: traiter l'anémie ferriprive

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