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化学において、「電気陰性度」は結合で原子が電子を引き寄せる強さの尺度を意味します。[1] 電気陰性度が高い原子は電子を強く引き寄せ、電気陰性度が低い原子は電子を弱く引き寄せます。 電気陰性度の値は、異なる原子どうしが結合した際にどのような反応が起こるか予測するのに使われ、基礎化学における重要な技術となっています。

方法 1 の 3:
電気陰性度の基礎

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    化学結合は原子が電子を共有することによって起こります。電気陰性度を理解するためには、まず「結合」が何かを理解することが重要です。分子図内で互いに「つながっている」2つの原子は、互いに結合していると言います。これは、それぞれの原子が1つずつ電子を提供し、対になった2つの電子を互いに共有して結合していることを意味します。
    • 「なぜ」原子は電子を共有して結合するのかという理由は、この記事の領域を少し越えてしまいます。
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    電気陰性度が結合においてどのように電子に影響を与えるか理解します。2つの原子が対の電子を結合で共有する際、必ずしも均等に共有するわけではありません。どちらかの原子が、結合しているもう一方の原子より高い電気陰性度を持つ場合、共有電子対を自分側に引き寄せます。電気陰性度が非常に高い原子の場合は、電子を完全に自分側に引き付けて、もう一方の原子とはほぼ共有していないような状態になります。
    • 例えばNaCl(塩化ナトリウム)分子では、塩素原子が非常に高い電気陰性度を持ち、ナトリウムは非常に低い電気陰性度を持ちます。そのため、電子は塩素側に向かって引っ張られ、ナトリウム側から離れます。
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    電気陰性度表を使って参考にします。元素の電気陰性度表では元素が周期表のように並んでいますが、それぞれの原子に電気陰性度が表示されている点が異なります。これは様々な化学の教科書や技術論文、そしてネットで見つけられます。
    • こちらがよくまとまっている電気陰性度表のリンクです(英語)。これは最も一般的であるポーリングの電気陰性度を使っています。[2] しかし、電気陰性度を測る他の方法もあり、後で紹介します。
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    電気陰性度の推測は比較的簡単です。電気陰性度表が手元に無くても、原子同士の電気陰性度の比較は、通常の周期表でどこに位置するかによって推測できます。数値での値は計算できませんが、2つの異なる元素同士の電気陰性度の違いは判断できます。以下が一般的な規則です。
    • 原子の電気陰性度は周期表のに行くほど高くなります。
    • 原子の電気陰性度は周期表のに行くほど高くなります。
    • そのため、右上の原子が最も高い電気陰性度を持ち、左下の原子が最も低い電気陰性度を持つと言えます。
    • 例えば上記のNaClの例の場合、塩素は右上近くに位置するので、ナトリウムよりも高い電気陰性度を持つことが分かります。一方、ナトリウムは左端にあるので、あまり電気陰性度が高くない原子の一つです。
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方法 2 の 3:
電気陰性度を使って結合を見つける

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    2つの原子間の電気陰性度の差を調べます。2つの原子が結合している場合、お互いの電気陰性度の違いで結合の質が分かります。大きい方の電気陰性度から小さい方の電気陰性度を引いて差を求めます。
    • 例えばHF分子の場合、フッ素の電気陰性度(4.0)から水素の電気陰性度(2.1)を引きます。 4.0 - 2.1 = 1.9
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    違いが約0.5より小さい場合、その結合は無極性の共有結合です。この場合、電子はほぼ等しく共有されます。これらの結合では、両端に大きな電荷の偏りがある分子はできません。無極性結合は非常に分解されにくい特徴があります。[3] これは、原子が電子を共有して結合を安定させているためです。この結合を分解するには多くのエネルギーが必要です。 [4]
    • 例えば、O2分子はこの種類の結合をもっています。2つの酸素原子は同じ電気陰性度を持つため、両者間の違いは0です。
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    違いが0.5~1.6の場合、その結合は極性の共有結合です。これらの結合では電子が片側に偏っています。そのため、その分子は電子がある側の方が僅かに負に偏り、逆側の電子がない方が僅かに正に偏ります。これらの結合の電荷の偏りにより、この分子が他の原子や分子と結合したり、分子を引き離したりといった特定の反応が可能になります。これは分子がまだ反応的だからです。[5]
    • この良い例がH2O(水)分子です。Oは2つのHより高い電気陰性度を持ちます。そのため、電子をより強く引き付け、分子全体ではO側の端の部分が負、H側の端の部分が正になります。
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    違いが2.0以上であればイオン結合を意味します。これらの結合では、電子が完全に結合の片側に寄ります。電気陰性度が強い方の原子が負の電荷を、電気陰性度が弱い方の原子が正の電荷を帯びます。このような結合では、原子が他の原子と反応しやすく、極性分子によって分解される場合もあります。
    • これの一つの例がNaCl(塩化ナトリウムまたは塩)です。塩素は非常に電気陰性度が強いので、結合の電子を両方とも完全に自分側に引っ張り、ナトリウムに正の負荷を与えます。
    • NaClはH2O(水)分子などの極性分子によって分解されます。水分子内では、水素側が正の電荷を帯び、酸素側が負の電荷を帯びています。塩を水に入れると、水分子が塩分子を分解し、塩を溶かします。[6]
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    差が1.6~2.0の場合、金属を確認します。結合に金属が含まれている場合、その結合は「イオン結合」です。非金属しか無い場合、その結合は「極性結合」です。
    • 周期表の左側及び中心にある原子の多くが金属です。 このページの表でどの元素が金属か分かります。 [7]
    • 上記のHFの例はこの範囲に当てはまります。HとFは非金属なので、「極性結合」を持っているということです。
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方法 3 の 3:
マリケンの電気陰性度を求める

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    原子の第一イオン化エネルギーを調べます。マリケンの電気陰性度は、上記のポーリングの電気陰性度の表とは少し異なる方法で電気陰性度を測ります。マリケンの電気陰性度を特定の原子で求める場合、その原子の第一イオン化エネルギーを調べます。これがその原子から電子を一つ排出させるのに必要なエネルギーです。
    • これには化学の標準物質の資料を見る必要があるでしょう。こちらのサイトに便利な表があります(下にスクロールすると見つかります)(英語)。 [8]
    • 例として、リチウム(Li)の電気陰性度を調べることを想定します。 上記で紹介したサイトの表で、リチウムの第一イオン化エネルギーは520 kJ/molだということが分かります。
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    その原子の電子親和力を調べます。これは電子を原子に加えて陰イオンを作る際に得られるエネルギーの尺度です。これも資料を見て調べる必要があります。 こちらのサイトに情報が載っています。 [9]
    • リチウムの電子親和力は60 kJ mol-1です。
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    マリケンの電気陰性度の方程式を解きます。エネルギーの単位としてkJ/mol を使う場合、マリケンの電気陰性度の方程式はマリケンの電気陰性度 = (1.97×10−3)(第一イオン化エネルギー +電子親和力) + 0.19です。調べた値を方程式に代入し、マリケンの電気陰性度を求めます。
    • 例題の場合、以下のように解きます。
      マリケンの電気陰性度 = (1.97×10−3)(第一イオン化エネルギー +電子親和力) + 0.19
      マリケンの電気陰性度 = (1.97×10−3)(520 + 60) + 0.19
      マリケンの電気陰性度 = 1.143 + 0.19 = 1.333
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ポイント

  • ポーリングやマリケンの定義の他に、アンドリューとロッチョーの定義、サンダーソンの定義、アレンの定義などがあります。これらには、電気陰性度を測るためのそれぞれの方程式があります(非常に複雑なものもあります)。
  • 電気陰性度には「単位はありません」。
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このwikiHow記事について

Bess Ruff, MA
共著者 ::
環境科学者
この記事の共著者 : Bess Ruff, MA. ベス・ラフはフロリダ州立大学の地理学専攻博士課程の学生です。2016年にカリフォルニア大学サンタバーバラ校の環境科学専門学部にて環境科学と資源管理の修士号を取得後、カリブ海の海洋空間計画プロジェクトに関する調査研究を行い、大学院生としてSustainable Fisheries Groupの研究サポートを行っています。 この記事は3,961回アクセスされました。
カテゴリ: 物理学
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