鳥のひなを世話する方法

共同執筆者 Pippa Elliott, MRCVS

この記事には:状況を判断するひなに餌を与える鳥のひなを世話する17 出典

迷子になった野鳥のひなは春先によく見かけ、哀れな鳴き声を聞くと、冷酷な人でも母性が目覚めます。ひなを引き取って、元気になるまで世話したいと考えるのは自然なことです。しかし、その前に状況を判断して、引き取ることが鳥にとって最善の方法なのかを考えましょう。本当に放棄されているでしょうか?近くに世話をしてくれるような野生鳥獣の保護診療施設はありませんか?自分でひなを世話すると決めたら、引き受けた仕事に責任を持つことが大切です。鳥のひなは非常にデリケートでひっきりなしに餌が必要です。それでもひなの世話をしたいと思うなら、この記事を読んで鳥のひなに餌を与えたり世話をするノウハウを学びましょう。

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状況を判断する

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    ひなが晩成鳥か早成鳥かを識別する まずすべきことは、ひなが晩成鳥か早成鳥かを見分けることです。晩成鳥は生まれたときに目が閉じていて羽毛がなく、親鳥に完全に依存して食べ物をもらい、暖をとります。止まり鳥(木の枝等に止まることに適応した足を持つ鳥)や鳴き鳥のほとんどは晩成鳥で、例えばコマドリ、青カケス、ショウジョウコウカンチョウ等がこれにあたります。早成鳥はもっと成長した状態で生まれ、孵化したときに目はすでに開いており柔らかくフワフワした羽毛に包まれています。歩くことができ、母鳥の後をすぐに追って回り、食べ物をついばみます。フタオビチドリ、カモ、ガチョウは早成鳥に分類されます。
    • 晩成鳥に比べて早成鳥の方が世話しやすいですが、助けを求めている状況にはあまり遭遇しません。早成鳥は普通地面に巣を作るため、巣から落ちたり投げ出されたりすることがありません。迷子の早成鳥ひなを見つけたら、引き取る前に母鳥の元に返す努力をしましょう。
    • 孵化したての晩成鳥は自分ではなにもできないため、助けが必要です。郊外では巣から落ちたり、投げ出されたりした晩成鳥をよく見かけます。巣に戻すことが可能な場合もありますが、世話が必要なケースもあります。ひなをそのままにしておいて、自然の摂理に任せるという選択もあります。
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    ひなが巣立ち前か巣立ち後かを見分ける 巣から落ちたり放棄されたと思われる止まり鳥や鳴き鳥のひなを見つけたときは、まず巣立ち前なのか巣立ち後なのかを見分けましょう。巣立ち前のひなは羽毛が生えておらず目も開いていないため、未熟で巣立ちには早すぎます。一方巣立ちが終わった鳥は、発達した羽と、飛ぶ練習をするのに必要な体力があります。巣立ちして、枝に止まったり掴んだりできることもあります。[1]
    • 見つけたひなが巣立ち前だった場合、必ず何かの異常があってそのような状態になっているため、ひなを巣の外に置いたままにしてはいけません。巣から落ちてしまった、もしくは体力のある兄弟に押し出されたのかもしれません。見捨てられた巣立ち前のひなは、自分で生きていくことはほとんど不可能です。
    • 巣立ちしたばかりのひなを見つけたときは、引き取る前に時間をかけて状況を判断しましょう。鳥が巣から落ちたり、放棄されて地面でどうすることもできずにバタバタと羽を動かして鳴いているように見えても、単に飛ぶ練習をしているのかもしれません。ひなをある程度長い間観察していると、親鳥が定期的に帰ってきて餌を与えているのを見るでしょう。そういった場合、野鳥の生活に介入してはいけません。[2]
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    できるだけひなは巣に戻す 見つけたひなが間違いなく巣立ち前で地面に無力に横たわっている場合は、ひなを巣に戻してあげましょう。まず、近くの木や茂みに巣がないか探します。隠れていて見つけにくいこともあります。見つけたら、ひなを拾い上げて片手に乗せてもう片方の手で覆い、暖かくなるまでそのままにしておきます。けがをしていないかチェックして、大丈夫そうならそっと巣に戻しましょう。[3]
    • 人間の匂いが付くことで、親鳥がひなを拒否するのではないかと心配する必要はありません。くだらない迷信です。鳥の嗅覚は発達しておらず、子供を視覚と音で見分けます。ほとんどのケースで、落ちたひなを巣に受け入れます。
    • ひなを巣に戻したら、すぐに退散しましょう。親鳥が戻ってくるか確認しようと近くでうろうろしてはいけません。怖がらせるだけです。可能なら、家の中から双眼鏡で見守りましょう。
    • ほとんどの場合、ひなを巣に戻しただけでは生存を確証できません。兄弟の中で一番弱いひなは、餌を奪い合い親鳥から暖めてもらおうと競争する中で、力の強い兄弟のひなから再び落とされるかもしれません。
    • 巣の中に死んだひなを見つけたら、その巣は見捨てられていて、落ちたひなをその巣に返しても意味がありません。こういった場合、ひなを生かしておきたいなら、落ちていたひなと生き残っている兄弟のひなを引き取って世話をする必要があります。[4]
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    必要に応じて巣の代用品を作る 強風や木の伐採または捕食者等により、巣全体が落ちていることがあります。こういったときは、巣を保護して(または、新しいものを作って)ひなを移しましょう。元の巣が損傷を受けていない場合は果物かごやバター容器(排水用の穴を開けたもの)の中に入れて、針金で木の枝に吊るしましょう。巣が元々あった場所に設置すると良いでしょう。それができない場合は、近くの枝で構いません。直射日光が当たらない隠れた場所を選びましょう。[5]
    • 落ちたひなを拾い上げて手の中で暖めてから巣に戻します。そして、その場を離れて遠くから巣を見守りましょう。親鳥は新しい巣を初めは怪しむかもしれませんが、ひなを世話するという本能が勝つため、新しい巣を受け入れるでしょう。
    • 元の巣が完全に壊れているときは、果物かごにペーパータオルを敷いて巣の代用品にすると良いでしょう。元の巣が草でできていたとしても、代用の巣に草を敷いてはいけません。草が湿っていてひなが凍える可能性があります。
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    ひなが放棄されたと確証がある場合、野鳥の保護治療施設に連絡する 連れて帰る前に、本当に放棄されたのかを確かめるのはとても重要です。ひなや鳥に助けが必要なケースとしてよくあるのは、巣立ち前のひなが落ちているが巣が見当たらない、もしくは巣が届かない場所にある、巣立ち前のひなが落ちてけがをしていたり弱って汚れている、代用の巣を置いて2時間以上近くで観察しているが、餌を与えに親鳥が返ってこない等です。
    • こういった状況にでくわしたら、必ず最寄りの野生鳥獣保護治療施設に相談しましょう。こういった施設はひなの世話の経験があるので、生き残る確率が上がります。[6]
    • 野鳥の保護治療施設がどこにあるのかわからない場合は、地方自治体の鳥獣保護担当部署、動物病院や情報提供してくれそうな猟友会に連絡してみましょう。近隣に野生鳥獣保護治療施設がない場合でも、個人で資格のあるリハビリテーター(保護ボランティア)がいるかもしれません。
    • 上記がどれも利用できなかったり、施設までひなを連れていくことができない場合、自分で世話する必要があるかもしれません。鳥のひなに餌を与えて世話をすることは非常に手がかかり、鳥の生存率も非常に低いため、自分で引き取るのは最終手段と考えた方が良いでしょう。
    • また、保護のためであっても、適切な許可や資格なしに野鳥を捕獲して飼育するのは違法です。

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ひなに餌を与える

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    一日中15~20分おきに餌を与える 鳥のひなの給餌はとても手がかかります。親鳥は毎日数百回餌を探しに飛び回ります。このような厳しい給餌を再現するには、一日中15~20分おきに餌を与える必要があります。[7]
    • ひなの目が開いて羽毛が生え始めてきたら、給餌の間隔を30~45分にしても構いません。その後は、1回の給餌でのえさの量を少しずつ増やして、給餌の回数を減らしていきましょう。
    • 巣立ちできるほどに体力が付き、箱の中をジャンプして回れるようになったら1時間に1回の給餌で十分になります。この時間を2~3時間に1回まで徐々に減らして、箱に餌を少し置いておいて鳥が自分で食べられるようにしていきましょう。
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    ひなに与えるべき餌を知る 鳥のひなに与えるべき餌については様々な意見がありますが、専門家のほとんどは、ひなに必要とされる栄養が得られるなら、精密な種類の餌を特定することはそれほど重要ではないという意見で一致しています。成長の場合は種類によって虫を食べるもの、種子類やベリー類を食べるものと、食生活は多岐にわたります。しかし、ひなの場合、必要な栄養素はほとんどの種類でたいへん似通っており、高たんぱくの餌を必要とします。[8]
    • 孵化したての晩成鳥に理想的な餌はドライタイプの子犬や子猫用の餌60%、固ゆで卵20%、ゴミムシダマシ(オンラインで購入可能)20%を混ぜた餌です。
    • ドライタイプのドッグ・キャットフードはスポンジほどの硬さになるまで水に浸しましょう。ただし、余分な水分でひなが溺れる恐れがあるため、滴るほどに浸してはいけません。固ゆで卵とゴミムシダマシはひなが飲み込める大きさに刻みましょう。
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    成長に合わせて食生活を多様にする ひなが成長して、ジャンプして回れるようになったら餌を多様化させ、成鳥が食べるような餌も与え始めましょう。[9]
    • 昆虫を餌とする鳥はミミズやバッタ、コオロギ等を細かく刻んだものと、電気虫取り器の底で集めた虫を与えましょう。
    • 果物を餌とする鳥は、ベリー類、ブドウ、水に浸けたレーズン等を食べるでしょう。
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    特別な餌が必要な種類の鳥を知る 上記の食生活をする鳥の例外として、山鳩、鳩、オウム、ハチドリ、魚を餌とする鳥、猛禽類、早成性のひな鳥が挙げられます。
    • 山鳩や鳩、オウム類は通常「鳩乳」と呼ばれる母親が吐き戻した食べ物を食べます。これを再現してひな鳥に餌を与えるには、オウム用の手で与える調合ミルクを針を取り除いたプラスチックの注射器で与えましょう。
    • これ以外の種類のひなに出くわすことはおそらくありませんが、次のような餌が必要です。ハチドリには特別な花蜜の調合ミルク、魚を餌とする鳥には刻んだ小魚(釣具店で購入可能)、猛禽類には虫や齧歯動物またはちいさなひな鳥、早成性の鳥には七面鳥や狩猟鳥のひな用調合食を与えましょう。
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    ひな鳥にパンや牛乳を与えない 多くの人がひな鳥にパンや牛乳を与えるという間違いを犯します。哺乳類とは違い、牛乳は鳥にとって本来食べる物ではなく、体が受け付けません。パンはカロリーだけでひなが生きるための栄養素が含まれていません。また、ひなに与える食べ物は必ず室温の物を与えましょう。[10]
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    正しい給餌方法で与える 鳥のひなには慎重に餌を与えましょう。先の尖っていないピンセットやプラスチックの鉗子を使用すると良いでしょう。どちらも手元にない場合は、鳥の口に合う細さの箸でも構いません。ピンセットや鉗子、箸の先で餌を少しつまんでひなの口に落として給餌しましょう。[11]
    • 餌が違う所に入っていかないかと心配する必要はありません。餌を食べるときは自動的に声門を閉じます。
    • ひなが口を開けないときは給餌具でくちばしを軽く叩くかくちばしの先に餌をこすり付けましょう。この動作が餌の時間の合図になります。それでも口を開けないときは、優しくこじ開けましょう。
    • ひなが積極的に口を開けなくなるまで、もしくは餌を拒否するまで給餌し続けましょう。ひなに餌を与えすぎないことはとても重要です。
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    ひなに水を与えない 水が肺に入って溺れることが多いため、基本的には鳥のひなに口から水を与えてはいけません。箱の中をジャンプして回れるほど成長したら水を与えても構いません。浅い容器(瓶のふた等)に水を入れて箱の中に入れて置き、鳥が自分で飲めるようにします。[12]
    • 鳥を水の中に入れないように、水の容器の中に石やビー玉を数個入れておくと良いでしょう。
    • ひなが脱水を起こしている疑いがあるときは、動物病院や野鳥の保護治療施設に連れて行って水分を注射してもらいましょう。

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鳥のひなを世話する

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    簡易の巣を作る ひなの巣の代用品として、靴箱等の蓋のある段ボール箱が最適です。底にたくさん穴を開けて、中に小さなプラスチック製または木製のボウルを入れて染料が使用されていないペーパータオルを敷きましょう。これで暖かくて気持ちのいい巣になります。[13]
    • 繊維質の物や切れ切れに裂いた物は、羽や首に巻き付くため底に敷くのはやめましょう。また、草や葉っぱ、コケ、小枝等は湿っていてカビが生えやすいため使用してはいけません。
    • ひなの寝具は湿ったり汚れたりしたら交換しましょう。
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    ひなを暖める ひなが濡れていたり凍えている場合、箱の中に入れたらすぐに暖めましょう。様々な方法がありますが、温熱パッドを低温に設定して箱の上に置いたり、ジッパーの付いたビニール袋にお湯を入れて箱の中に入れる、もしくは箱の上に40ワットの電球を吊るしても良いでしょう。[14]
    • ひなの巣を適温に保つことはとても重要です。箱の中に温度計を設置すると良いでしょう。ひなが生後1週間未満(目が閉じていて、羽毛がない状態)なら、温度を35℃ほどに保ちましょう。1週間毎に5℃ずつ下げましょう。
    • また、箱は必ず直射日光を避け風が通らない場所に設置しましょう。ひなは体重に対して体の表面積が大きく、断熱材の役目をする羽毛も生えていないため、孵化したてのひなは寒さや暑さの影響を非常に受けやすいからです。
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    ストレスを与えない環境を作る ひなは静かでストレスの低い環境でなければ、健康に育つことができません。ひながストレスを感じると、心拍数が著しく上昇し、体にとって良くありません。そのため、箱は子供やペットが近づけない静かなところに置きましょう。また、下記のような状態・行為も避けましょう。[15]
    • 過度に触れたり不適切な方法で触れる、音のうるさい環境、不適切な温度、密集(ひなを2匹以上飼っている場合)、給餌時間のバラつき、不適切な餌
    • 鳥は見下ろされるのを嫌うため、ひなを観察する時は目の高さに持ってきましょう。目の高さで持つと、ひなが捕食者に見られていると感じにくくなります。
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    鳥の成長を記録する 鳥の体重を毎日計って体重が増えているかを確認し、成長を管理しましょう。体重計や郵送荷物用の秤等を利用すると良いでしょう。鳥の体重は毎日増え、孵化から4~6日で体重は倍に、そして生後2週間までは急激に増量するはずです。[16]
    • ひなの成長がその種の鳥として標準的かどうかは成長曲線を調べて照らし合わせましょう。
    • ひなの体重増加のスピードが遅かったり、標準に全く達していないのは、何か問題があるサインです。こういった場合は、直ちに鳥を動物病院や野生鳥獣保護治療施設に連れていきましょう。命の危険があります。[17]
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    鳥に飛び方を学ばせて放す ひなが巣立ちしてもいいほど成長したら、大きめのケージや網を張ったポーチ等の羽を広げて飛ぶ練習ができる所に移しましょう。どうやって教えたら良いかと悩む必要はありません。鳥の飛行能力は本能的なもので、何度か失敗した後5~15日ほどで飛べるようになるはずです。
    • 楽々とそして高く飛べるようになったら、屋外に放してもよいでしょう。ひなと同じ種類の鳥がいて、食べ物が豊富な所へ連れて行き、放しましょう。
    • 庭で鳥を放す場合は、ケージの扉を開けたままにして置き、鳥が自分のタイミングで自然に帰れるようにすると良いでしょう。
    • 鳥を世話している期間が短ければ短いほど、自然界で生き残る確率が上がるため、本当に必要な期間だけ手元において、自然に返す日を先送りにしないようにしましょう。

注意事項

  • 鳥は噛んだりつついたりします。鳥のひなも野生動物ですので十分気をつけましょう。

記事の情報

この記事はPippa Elliott, MRCVSが共著しています。 獣医であり、Royal College of Veterinary Surgeons(王立獣医師会)のメンバーでもあるエリオット医師は、30年以上にわたり、かかりつけ獣医、そして獣医外科医として獣医療の実践に努めてきました。1987年にグラスゴー大学にて獣医科学と獣医外科学の学位を取得してます。エリオット医師は生まれ故郷の町にある動物診療所に20年以上勤務しています。

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他言語版:

English: Feed a Baby Bird, Español: alimentar a un polluelo, Italiano: Nutrire un Uccellino, Português: Alimentar um Filhote de Pássaro, Deutsch: Ein Vogelbaby aufziehen, Русский: выкормить птенца, 中文: 养小鸟, Français: nourrir un oisillon, Bahasa Indonesia: Memberi Makan Anak Burung, Nederlands: Een jong vogeltje voeden, العربية: تغذية طائر صغير, Tiếng Việt: Nuôi chim con, हिन्दी: चिड़िया के बच्चों को खिलाएं

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