鼻血を止める方法

共同執筆者 Julia Bowlin, MD

この記事には:鼻血の応急処置鼻血の再発を防ぐ鼻血の仕組みを理解する17 出典

鼻血(医学的には鼻出血)はよくある突発性の症状です。鼻血は鼻の内膜の乾燥や損傷が原因で毛細血管に傷がついて出血を起こします。たいていの鼻血は鼻中隔(左右の鼻の穴を隔てる壁)前部の毛細血管からの出血です。鼻血はアレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、高血圧症、出血性疾患の患者に多く見られます。[1]鼻血の原因や処置方法を知っておくと、鼻血が出た時に迅速な対応ができるでしょう。

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鼻血の応急処置

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    姿勢を変える 鼻血の原因が深刻なものでなければ、鼻血を止める応急処置を家庭で行うことができます。まず最初に、座りましょう。立った姿勢よりずっと快適です。頭を前方に傾けて、鼻の穴から鼻血を出しやすくしましょう。
    • 鼻の下にタオルを置いて、鼻血を受け止めてもよいでしょう。
    • 鼻血がのどに流れてしまわないように、横になるのはやめましょう。
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    鼻を押さえる 親指と人差し指で小鼻の両側を押さえて鼻の穴を塞ぎます。小鼻をつまむと損傷した内部の毛細血管に直接圧力をかけることができます。こうすると血流がさえぎられるため、大きな効果が得られます。10分ほど小鼻をつまんだままにして、指を放します。
    • 鼻血が止まらない場合はさらにもう10分ほど小鼻を押さえます。
    • 鼻をつまんでいる間は口で呼吸をしましょう。
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    体を冷やす 体温を下げると鼻への血流が滞ります。体温を下げるために氷を口に含みましょう。これで鼻の外側を冷やすより早く体温が下がり、低体温を長く維持することができます。
    • これは鼻に冷湿布を当てるより効果があります。冷湿布は鼻血にあまり効果がないことが最近の臨床研究で明らかになっています。
    • 棒アイスを食べても同様の効果が得られます。[2]
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    オキシメタゾリンを含む鼻スプレーを使う 鼻血が慢性的なものでない場合は、高血圧症を伴わない限り薬用鼻スプレーを使用することができます。この薬は鼻内部の毛細血管の収縮を促します。使い方は、清潔な脱脂綿または滅菌ガーゼに1-2滴のスプレー液を垂らして鼻に詰めます。小鼻を押さえて10分ほどしたら、鼻血の様子をみます。[3]
    • 鼻血が止まっていても、1時間ほどはそのまま脱脂綿やガーゼを鼻に入れたままにしましょう。鼻血は一度で止まらない場合があります。
    • 一日に3度も4度もこの薬を使うと依存症や鼻詰まりを引き起こす恐れがあります。[4]
    • この鼻スプレーは10分間鼻を押さえていても鼻血が止まらないときに限って使用します。
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    鼻を洗って休む 鼻血が止まったら、鼻をぬるま湯できれいに洗います。顔を洗った後は、また鼻血が出ないようにしばらく休憩しましょう。
    • 鼻血が止まった後は横になって休んでも構いません。

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鼻血の再発を防ぐ

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    鼻をやさしく扱う 鼻血は個人の行動により引き起こされるため、今後の鼻血の再発を防ぐ手立てがいくつかあります。鼻をほじってはいけません。鼻をほじる行動が鼻内部の血管を傷つけることにつながります。さらに、血管の損傷部分を覆っていたかさぶたが取れて、新たな鼻血を引き起こすこともあります。また、くしゃみをするときは、鼻の穴から空気が噴出しないように口を開けたまましましょう。
    • 一日二回、鼻の内側に綿棒などでワセリンや鼻用のジェルを塗って乾燥を防ぎましょう。[5]
    • 鼻は片方ずつ静かにかみましょう。
    • 幼児の爪はいつも短く切りそろえ、鼻の内部に傷をつけないように注意しましょう。
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    加湿器を購入する 周りの環境の湿度を調節するためには加湿器が便利です。特に冬場の乾燥対策に家や職場で加湿器を使いましょう。
    • 加湿器がない場合は、ストーブなどの暖房器具の上に金属容器に入れた水を置いて加湿しましょう。
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    食物繊維の摂取量を増やす 便秘になると排便時にいきまければならず、鼻の血管にも力がかかって鼻血が出やすくなります。また、一時的に血管の圧力が高まるため、傷ついた血管を覆っているかさぶたが取れて、鼻血の再発を促します。便秘は食物繊維を多く含む食品を積極的に摂り、十分に水分補給をすることで防止できます。
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    食物繊維を摂取して、便通を改善しましょう。便意を催してもいきんではいけません。排便時にいきむと、脳内血管の圧力が高まり、鼻の中の繊細な毛細血管が破裂する可能性があるからです。[6]
    • 一日に6-12個のプルーンを食べると、食物繊維から得られる以上の便秘改善効果があります。[7]
    • 辛い食品も避けたほうがよいでしょう。熱は毛細血管を拡張し、出血を引き起こします。[8]
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    生理食塩水の鼻スプレーを使う 生理食塩水の鼻スプレーは鼻の乾燥を防ぐために制限なく使えます。[9] ただの塩水なので依存性はまったくありません。わざわざ購入しなくても自作することができます。
    • 生理食塩水の作り方:清潔な容器に小さじ山盛り3杯の食塩と小さじ1杯の重曹を入れてよく混ぜ合わせます。混ぜ合わせた粉末小さじ1杯を240mlのぬるま湯(蒸留水または熱殺菌して冷ました水)に加えてよく混ぜます。[10]
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    フラボノイドを含む食品を摂取する フラボノイドは柑橘系果物などに含まれる天然の化合物で、毛細血管の脆弱性を改善します。[11]このことからも、柑橘系果物の摂取を増やすことを考えましょう。フラボノイドを多く含むその他の食品には、パセリ、玉ねぎ、ブルーベリー、その他のベリー類、紅茶、緑茶、ウーロン茶、バナナ、柑橘系果物全て、イチョウの葉、赤ワイン、 ダークチョコレート(カカオ70%以上)などがあります。
    • イチョウの葉やケルセチンの錠剤、グレープシード濃縮液、フラックスシード(亜麻)のようなフラボノイドのサプリメントの服用は避けたほうがよいでしょう。サプリメントは有効成分の含有量が多く、長期摂取は有害になります。[12]

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鼻血の仕組みを理解する

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    鼻血のタイプを学ぶ 鼻血のタイプは出血場所によって決まります。前鼻出血では、鼻の前部から鼻血が出ます。鼻の奥から出血するタイプは後鼻出血です。鼻血には原因らしい原因もなく突発的に起きるものもあります。[13]
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    原因を知る 鼻血の原因はたくさんあります。鼻血が出たらその原因を探り、今後同じ状況に遭遇しないように努めましょう。自己誘発的外傷(多くの場合は鼻をほじった結果)が鼻血の原因となることがあります。これは子供の鼻血の最も代表的な原因です。その他の鼻血の原因にはコカインなどの薬物乱用、血管障害、血栓症、頭部や顔などへの外傷が挙げられます。
    • 冬季に特徴的な湿度不足(乾燥)のような環境的因子も粘膜の炎症や出血を起こす原因になります。そのため、寒い季節になると鼻血の件数が増えます。
    • 鼻炎や副鼻腔感染症も鼻血の原因になります。また、アレルギーは粘膜の炎症を引き起こし、鼻血を誘発します。
    • 特別なケースとして、子供の片頭痛が鼻血を引き起こすという研究もあります。[14]
    • 顔への外傷が鼻血の原因になることもあります。
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    特定の状況を回避する 鼻血が出たら、鼻血を悪化させる状況や行動を避けましょう。上を向いたり、頭を後ろにそらせたりしてはいけません。鼻血がのどの方向に流れて行き、吐き気を催します。話や咳をするのもやめましょう。鼻の粘膜が刺激を受けて、鼻血が再発するおそれがあります。
    • 鼻血の最中にくしゃみがしたくなったら、なるべく口からくしゃみをするようにして、鼻を痛みと鼻血の再発から守りましょう。
    • 鼻をかんだりほじったりしてはいけません。特に鼻血が止まりそうな時にはやめましょう。固まり始めた血が取れて、鼻血が再発するかもしれません。
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    医師の診察を受ける 医師の診断が必要な鼻血もあります。鼻血が数滴よりも多く30分以上止まらない場合や何度も鼻血が起きる場合は医師に相談しましょう。[15]顔面蒼白になったり、疲れやすいく意識が朦朧とする場合にも医療処置を必要とします。これは大量の失血によるものかもしれません。
    • 特に血液がのどに流れ込んだ時に呼吸困難に陥ったら、医師の診察を受ける必要があります。炎症や咳が起こりやすくなり、最終的に呼吸困難を引き起こします。
    • 鼻へのひどい外傷が原因で鼻血が出た場合は必ず医師の診察を受けましょう。[16]
    • ワルファリンやクロピドグレル、アスピリンなどの血栓を防ぐ薬の服用中に鼻血が出た場合も医師の診察を受けましょう。[17]

ポイント

  • インドではギーと呼ばれる油脂を鼻の中に塗ると鼻血がすぐに止まります。ギーはインドの食料品を扱うお店やスーパーで購入できます。
  • 鼻血が出たら煙草を吸うべきではありません。喫煙は鼻の内部を刺激して乾燥させます。
  • 抗菌クリームの使用は避けましょう。抗菌クリームに敏感な反応を示す人も多く、炎症を悪化させます。鼻の血管の損傷が化膿した場合に限って医師が処方するバシトラシン軟膏を使用しましょう。
  • どんなにひどい鼻血でも落ち着いて行動しましょう。落ち着けば慌てたり 失神することはありません。
  • 湿度を保ち、保湿を怠らず、健康的な食品を摂取して、鼻に触らないことをしっかりと覚えておきましょう。
  • 出血が多くても慌てないようにしましょう。 実際の血液よりかなり多く見えるかもしれませんが、その大部分は血液以外の液体です。鼻の中には血管がたくさんあります。

出典

  1. Purkey MR, Seeskin Z, Chandra R. Seasonal variation and predictors of epistaxis. Laryngoscope. 2014; 24(9):2028-2033.
  2. Porter M, Marais J, Tolley N. The effect of ice packs upon nasal mucosal blood flow. Acta Otolaryngol1991;111:1122-1125.
  3. http://sinus.wustl.edu/Details.aspx?ID=300
  4. http://healthline.com/health-blogs/outdoor-medicine/nosebleed
  5. Porter M, Marais J, Tolley N. The effect of ice packs upon nasal mucosal blood flow. Acta Otolaryngol1991;111:1122-1125.
  6. Ternent CA, Bastawrous AL, Morin NA, Ellis CN, Hyman NH, Buie WD, Standards Practice Task Force of The American Society of Colon and Rectal Surgeons. Practice parameters for the evaluation and management of constipation. Dis Colon Rectum. 2007;50(12):2013-2022.
  7. Attaluri A, Donahoe R, Valestin J, Brown K, Rao SS. Randomised clinical trial: dried plums (prunes) vs. psyllium for constipation. Aliment Pharmacol Ther. 2011;33(7):822-828.
  8. http://austinentassociates.com/pdf/ENT_Epistaxis_Precautions.pdf
  9. http://emedicine.medscape.com/article/863220-treatment
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記事の情報

この記事はJulia Bowlin, MDが共著しています。 ボウリン医師はオハイオ州に住む家庭医です。1993年にライト州立大学の医学部、「Boonshoft School of Medicine」から医学博士号を授与されています。

カテゴリ: 全般的健康 | 救急処置・緊急医療

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