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ジュール(J)はイギリスの物理学者ジェームズ・プレスコット・ジュールの名前に由来し、世界共通のメートル法の単位の一つです。ジュールは仕事、エネルギー、熱量の単位として使われ、科学の世界で広く用いられています。ジュールで答えを求める際は、必ず国際単位系を用いる必要があります。「フィートポンド」や「英国熱量単位」が未だに使われている分野もありますが、物理の問題では用いません。

公式

ジュールはエネルギーの単位です。エネルギーを求めるための基本的な公式をいくつか紹介します。以下の公式に従って国際単位を用いれば、答えとしてジュールを求めることができます。

  • 仕事= 力の大きさ x 力の向きに動いた距離
    • → ジュール = 重力の大きさx メートル
  • エネルギー= 電力 x 時間
    • → ジュール= ワット x 秒
  • 運動エネルギー= 1/2 x 質量 x 速度2
    • → ジュール= 1/2 x キログラム x (メートル/秒)2
  • 熱量= 質量 x 比熱 x 温度差
    • → ジュール= グラム x 「c」 x ΔT
    • T = ºCまたはケルビン
    • 比熱「c」は熱する物質によって異なります。単位はジュール/グラムºCを用います。
  • 電気エネルギー= 電力 x 時間 = 電流2 x 抵抗x 時間
    • → ジュール= ワット x 秒 = アンペア2 x オーム x 秒

方法 1 の 5:
仕事をジュールで求める

  1. 1
    物理における仕事の意味を理解しましょう。箱を部屋の端から端まで押した場合、仕事をしたことになります。箱を持ち上げた場合も仕事をしたことになります。「仕事」が発生する要件は、以下の2点です。[1]
    • 一定の力を加えていること。
    • 加えた力の方向に物体が移動していること
  2. 2
    仕事を求めます。仕事の計算方法は簡単です。加えた力と物体が動いた距離を掛け合わせればよいのです。通常、科学では力をニュートンで、距離をメートルで測ります。これらの単位を用いて計算すれば、ジュールを単位とした仕事が求められます。
    • 仕事の文章問題を読む際は、どこに力が加えられているかよく考えましょう。箱を持ち上げる場合、上に力を加えていて、箱は上に移動します。そのため、持ち上げた高さが距離となります。しかし、箱を持って前方に歩いた場合は仕事は発生しません。箱が落ちないように上に力を加えていますが、箱は上に移動していないためです。[2]
  3. 3
    移動する物体の質量を求めます。物体を動かすのに必要な力を求めるには、質量を知る必要があります。例題として、重りを床から胸の高さまで持ち上げる場合を想定し、その人が重りに加えている力の大きさを計算しましょう。重りの質量は10キログラム(kg)だとします。
    • ポンド等、国際単位ではない単位を使ってはいけません。最終的な答えがジュールではなくなってしまいます。
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    力の大きさを求めます力の大きさ= 質量 x加速度。例題の場合、重りを真っすぐ上に持ち上げているので、加速度は重力加速度9.8メートル/秒2となります。重りを持ち上げるのに必要な力を求める計算は次のとおりです。(10 kg) x (9.8 m/s2) = 98 kg m/s2 = 98 ニュートン (N)。
    • 物体が平行移動する場合、重力は関係が無くなります。その代わり、摩擦に対抗する力の大きさを聞かれたりします。押された際の物体の加速度が分かれば、加速度に質量を掛けて答えが求められます。
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    移動した距離を測ります。例題において、重りを1.5メートル(m)持ち上げたとします。距離はメートルで測る必要があります。別の単位を用いると、最終的な答えがジュールになりません。
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    力と距離を掛けます。98ニュートンの重りを1.5m上に持ち上げた場合、98 x 1.5 = 147ジュールの仕事をしたことになります。
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    物体の移動の方向に角度がついている場合の仕事を求めます。先の例題は、物体に上向きの力を加え、物体が上に移動するという単純な問題でした。しかし、物体に複数の力がかかることにより、力の向きと物体が移動する向きとが一致しない場合もあります。次の例題では、上向き30°のロープを引っ張り、子供が平らな雪の上でソリを20m引っ張るのに必要なジュールを求めましょう。この場合、仕事= 力 x cosθ x 距離となります。Θはギリシャ文字で「シータ」と読み、力の向きと移動する向きとの間の角度を表します。[3]
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    必要となる力の大きさを求めます。ここで、子供はロープを10ニュートンの力で引いているとします。
    • 問題の中で「右向きの力」、「上向きの力」、または「動きと同じ向きの力」が与えられている場合、「力x cosθ」の部分は計算できているので、各値を掛け合わせる手順まで飛ぶことができます。
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    関係する力を求めます。力の一部だけがソリを前方に引っ張っています。ロープに上向きの角度がついているので、残りの力は重力に対抗してソリを上向きに引く力として作用しています。動きと同じ方向にかかる力を計算しましょう。
    • 例題の場合、平らな雪とロープの間の角度θは30°です。
    • cosθを計算します。cos30º = (√3)/2 = 約0.866。計算機を使って求めることもできますが、その場合は計算機の角度の単位が実際に使う単位(度またはラジアン)と等しくなっているか確認しましょう。
    • 全体の力x cosθを求めます。例題の場合、10N x 0.866 = 8.66 N が動きと同じ方向にかかる力の大きさです。
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    力の大きさx 距離を掛け合わせます。動きと同じ向きにかかる力の大きさが求められたので、通常通り仕事を計算することができます。例題の問題文にソリは20m動いたと書かれているので、8.66 N x 20 m = 173.2ジュールの仕事をしたことが分かります。
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方法 2 の 5:
ワットからジュールを求める

  1. 1
    電力とエネルギーを理解します。ワットは「電力」を測るもので、エネルギーがどれだけ速く使われたかを示します(エネルギー/時間)。ジュールは「エネルギー」を測るものです。ワットからジュールを求めるには、時間を知る必要があります。電流が長く流れるほど、使われるエネルギーは大きくなります。
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    ワットと秒を掛け算してジュールを求めます。1ワットの装置は毎秒1ジュールのエネルギーを消費します。つまり、ワットと秒を掛け算すればジュールを求められるということです。60Wの電球が120秒間で消費するエネルギーの量を求める場合、単純に60ワットx 120 秒 = 7200ジュールを計算をします。[4]
    • この公式はワットで測った力であれば何にでも適用できますが、最も一般的なのは電力です。
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方法 3 の 5:
運動エネルギーをジュールで求める

  1. 1
    運動エネルギーを理解します。運動エネルギーは運動に伴うエネルギーの量を示すものです。他のエネルギーの単位と同様に、ジュールで表すことができます。
    • 運動エネルギーは、静止した物体を特定の速度まで加速させるのに必要な仕事の量と言い換えられます。その速度まで達すると、運動エネルギーが熱(摩擦によるもの)、位置エネルギー(物体が重力に反して移動することによるもの)といった、その他のエネルギーに変換されるまで、物体は運動エネルギーを保持し続けます。
  2. 2
    物体の質量を求める。例題として、自転車と自転車に乗っている人の運動エネルギーを求めてみましょう。乗っている人の質量が50kgで、自転車の質量が20kgだとします。全体の質量「m」は70kgです。自転車と乗っている人は同じ速度で一緒に移動するので、70kgの1つの物体として考えることができます。
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    速度を求めます自転車の速さ、または速度が分かっている場合は、それを書いて先の手順に進みましょう。自分で計算する必要がある場合、以下の方法のいずれかを用いましょう。このとき、略字「v」がよく使われますが、必要なのは速度(特定のベクトルに対する速さ)ではなく速さであることに注意します。自転車がどう曲がるかは無視して、最初から最後まで1直線上に進んだと仮定します。
    • 自転車が一定の速度で進んだ(加速しなかった)場合、移動した距離をメートルで測り、移動にかかった秒数で割ります。この計算で平均速度が分かり、任意のいずれの瞬間速度もこれと等しくなります。
    • 一定の加速度で加速し、方向を変えなかった場合、時間「t」における速さは「時間tにおける速度= (加速度)(t) + 初速度」という公式で求められます。時間は秒、速さはメートル/秒、加速度はm/s2を使いましょう。
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    これらの値を以下の公式に代入します。運動エネルギー= (1/2)mv2。例えば、自転車が15 m/sで移動している場合、運動エネルギーK = (1/2)(70 kg)(15 m/s)2 = (1/2)(70 kg)(15 m/s)(15 m/s) = 7875 kgm2/s2 = 7875 ニュートンメートル = 7875 ジュールとなります。
    • 運動エネルギーの公式は、仕事の定義、W = FΔs 、等加速度直線運動の公式v2 = v02 + 2aΔsから導き出せます。[5] Δsは「変位」つまり物体が移動した距離を表します。
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方法 4 の 5:
熱量をジュールで求める

  1. 1
    加熱されている物体の質量を求めます。天秤やバネばかりを使いましょう。液体の場合、まず液体を入れる容器の空の状態の質量を量ります。この値を、容器と液体を一緒に量った質量の値から引けば、液体の質量が求められます。例として、500グラムの水があるとします。
    • 単位はグラムを使いましょう。その他の単位を使うと、ジュールの答えが求められません。
  2. 2
    物体の比熱容量を調べます。比熱容量は、本やネット上の化学の文献で調べられます。水の場合、比熱容量「c」は、1 ºC温められるごとに4.19ジュール/グラム、より正確には4.1855です。[6]
    • 比熱容量は気温と気圧によって少しずつ変化します。そして機関や文献によって使う標準気温が異なるため、水の比熱容量が4.179となっている場合もあります。
    • 摂氏の代わりにケルビンを使っても構いません。どちらの単位を使っても温度の違いは変わらないためです(何かを3ºC温めるのは、3ケルビン温めるのと同じことです)。華氏を使ってしまうと、ジュールでの答えが求められません。
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    物体の現在の温度を測ります。液体の場合、グローブ温度計が便利です。プローブ型の温度計が必要となる場合もあります。
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    物体を熱して再度温度を測ります。熱することで物体に加えられた熱量が分かります。
    • 熱として溜められたエネルギーの総量を求める場合、元の温度を絶対零度、0ケルビンまたは-273.15ºC とみなして考えることもできます。ただし、あまり分かりやすい方法ではありません。
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    熱した後の温度から元の温度を引きます。この計算により、物体の温度が何度変化したのかが分かります。水の元の温度が15 ºCで、35 ºCまで温められたとすると、20 ºC変化したことになります。
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    物体の質量、比熱容量、温度差を掛け算します。この公式はH = mcΔTと表せます。ΔTは「温度差」です。例の場合、500g x 4.19 x 20つまり41,900ジュールとなります。
    • 熱量は、メートル法ではカロリーやキロカロリーで表されることの方が通常です。カロリーは1グラムの水を1 ºC温めるのに必要な熱量、キロカロリーは1,000グラムの水を1 ºC温めるのに必要な熱量として定義されています。上記の例の場合、500グラムの水を20ºC温めたので、10,000カロリー、あるいは10キロカロリー消費したことになります。
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方法 5 の 5:
電気エネルギーをジュールで求める

  1. 1
    以下の手順で電気回路の電気エネルギーを求めましょう。以下では実験例を書いていますが、計算方法は記述式の物理の問題でも同様です。まず、電流をI(アンペア)、抵抗をR(オーム)とし、公式P = I2 x Rを使って電力Pを求めます。この計算で、電力(ワット)が求められるので、上述の公式を用いてエネルギーをジュールで算出できます。[7]
  2. 2
    抵抗器を選びます。抵抗の単位にはオームが使われ、抵抗の大きさは直接表記されるか、色のついた線で表されます。抵抗器の抵抗の大きさは、オーム計やマルチメータにつなげて測ることもできます。例として、10オームの抵抗器があるとします。
  3. 3
    抵抗器を電流源につなげます。スプリングクランプまたはワニ口クリップでケーブルをつなげるか、試験用基板に抵抗器を差し込みましょう。
  4. 4
    一定時間、回路に電流を流します。ここでは10秒流すと仮定します。
  5. 5
    電流の強さを測ります。電流計、またはマルチメータで測りましょう。家庭用電流は通常ミリアンペア(1,000分の1アンペア)で表記されます。ここでは100ミリアンペア、つまり0.1アンペアだと仮定します。
  6. 6
    公式 P = I2 x Rを用います。電流の2乗に抵抗を掛けると電力が求められます。この計算により、電力出力がワットで求められます。0.1の2乗は0.01で、これに10を掛けると電力出力0.1ワット、つまり100ミリワットが求められます。
  7. 7
    電力に、出力した時間を掛けます。この計算により、エネルギー出力をジュールで求められます。0.1ワット x 10 秒なので、1ジュールの電気エネルギーです。
    • ジュールは小さな単位で、多くのの電気製品ではワット、ミリワット、またはキロワットで消費電力が示されるので、通常電力会社は出力エネルギーをキロワット/時で測ります。1ワットは1ジュール/秒と等しくなります。1ジュール= 1ワット秒、1キロワット= 1キロジュール/秒、1キロジュール= 1キロワット秒も成り立ちます。また、1 時間は3,600秒なので、1キロワット時= 3,600キロワット秒= 3,600キロジュール= 3,600,000ジュールとなります。
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ポイント

  • ジュールに関連する単位で、エルグという別のメートル系単位もあり、仕事やエネルギーの単位として使われます。1エルグは1ダインの力x距離(cm)です。また、1ジュール= 10,000,000エルグです。
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注意事項

  • 「ジュール」と「ニュートンメートル」は同じ単位を意味しますが、「ジュール」は各種エネルギーの大きさや、階段を駆け上がるといった直線上に作用する仕事の大きさに使われます。物を回転させるための力である回転モーメントには、「ニュートンメートル」を使うのが通常です。
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必要なもの

「仕事または運動エネルギー」

  • ストップウォッチまたはタイマー
  • はかりまたは天秤
  • 関数電卓(仕事のみ。場合によっては不要)

「電気エネルギーを求める」

  • 抵抗器
  • ケーブルまたは試験用基板
  • マルチメータ(またはオーム計と電流計)
  • スプリングクランプまたはワニ口クリップ

「熱量」

  • 熱する物
  • 熱源(ブンゼン灯等)
  • 温度計(グローブ型またはプローブ型)
  • 化学の参考書(熱する物の比熱容量を調べるため)

このwikiHow記事について

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カテゴリ: 物理学
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