PDF形式でダウンロード PDF形式でダウンロード

CPUのオーバークロックとは、CPUのクロック速度を上げることをいいます。オーバークロックは、元々はゲーマーやハードウェアオタクの専売特許でしたが、ハードウェアメーカーが長い年月をかけて、この処理を単純化しました。CPUをオーバークロックすれば、パソコンの性能を大幅に向上させることが可能ですが、間違った方法で行うとハードウェアが故障してしまう恐れがあります。ただし、CPUが熱くなりすぎないように注意して行えば、CPUのクロック速度だけでなく、パソコンの性能も向上させることが可能です。

パート 1
パート 1 の 5:
準備をする

  1. 1
    オーバークロックの基本を理解する オーバークロックとは、性能を向上させるためにCPUのクロック速度や電圧を上げる処理のことで、高性能マシンの性能を最大限に引き出したり、格安のパソコンや中古のパソコンの性能をもう少し引き出したりするのに最適です。
    • オーバークロックすると、とくにハードウェアがそのような設計になっていなかったり、電圧を上げすぎてしまったりしたときに、コンポーネントが故障してしまう恐れがあります。オーバークロックは、ハードウェアが故障してもかまわない場合にのみ行うようにしましょう。
    • 2つのシステムで全く同じハードウェアを使っていても、同じようにオーバークロックが行われるわけではありません。これは、オーバークロックが製造工程の誤差に大きく左右されてしまうからです。当該ハードウェアについてインターネットで読んだだけで同じ効果を期待しないようにしましょう。
    • 主にビデオゲームの性能を向上させたい場合は、グラフィックボードをオーバークロックしたほうがよいかもしれません。
    • ノートパソコンは冷却性能に限界があるため、オーバークロックにはあまり向いていません。一方、デスクトップパソコンでは温度を調節することができるため、オーバークロックで性能を大幅に向上させることが可能ですが、最終的にパソコンが熱くなりすぎてしまうか、CPUが壊れてしまう恐れがあります。
  2. 2
    必要なプログラムをダウンロードする オーバークロックの効果を適切に検証するには、いくつかのベンチマークプログラムやストレステストプログラムが必要になります。これらのプログラムでは、CPUの性能や、その性能を長期にわたって維持できるかの検証が行われます。
    • CPU-Z:「CPU-Z」は、Windowsのクロック速度と電圧をすばやく確認することができるシンプルなモニタープログラムです。このプログラムで何か操作が行えるわけではありませんが、すべて正常に動作するか確認するのには便利な使いやすいモニターです。
    • Prime95:「Prime95」は、ストレステストで広く利用されている無料のベンチマークプログラムです。このプログラムは、長時間でも動作できるように設計されています。
    • LinX:「LinX」は、もう一つのストレステストプログラムになります。このプログラムは「Prime95」よりも軽く、設定を変更するたびに検証を行うのに最適です。
  3. 3
    マザーボードとCPUを確認する マザーボードやCPUによって、オーバークロックには性能差があります。「AMD」か「Intel」かでもオーバークロックにわずかな差が生じますが、一般的な処理は同じです。一番気になるのは、クロック倍率のロックが解除されるかどうかということになります。クロック倍率がロックされていると、クロック速度しか調整することができないため、オーバークロックの性能もあまり発揮することができません。
    • マザーボードはオーバークロック用に設計されているものが多く、オーバークロック制御へのフルアクセスも可能になっているはずです。マザーボードの性能は、パソコンの取扱説明書を読んで確認しましょう。
    • CPUによっては、オーバークロックがうまくいきやすいものもあります。例えば、Intel i7の「K」モデルは、オーバークロック用に設計されているものです(例:Intel i7-2700K)。CPUのモデルは、 Win+Pauseを押して「システム」という項目を調べれば確認することができます。
  4. 4
    ベースラインのストレステストを行う オーバークロックを始める前に、まずは基本設定からストレステストを行いましょう。このストレステストがオーバークロックを始めたときに比較するベースラインとなり、オーバークロックで悪化してしまう前に対処しなければならないような問題が基本設定にあるかどうかも把握することができます。
    • ストレステストの際には、必ず温度を確認しましょう。温度が70℃を超えてしまうと、オーバークロックの性能をあまり発揮することなく、温度が危険域に達してしまう恐れがあります。その場合は、放熱グリスを新たに塗布するか、新しいヒートシンクを取り付ける必要があるかもしれません。
    • ベースラインのストレステスト中にシステムクラッシュが発生する場合は、オーバークロックを始める前からハードウェアに問題がある可能性があります。エラーが発生しているかどうかを確認するときは、メモリを調べましょう。
    広告

パート 2
パート 2 の 5:
ベースクロックを上げる

  1. 1
    BIOSを起動させる 変更の大部分は、パソコンのBIOSから行うことができます。このBIOSとは、OSを読み込む前からアクセスできる設定メニューのことです。通常、BIOSにアクセスするには、パソコンの起動中にDelキー、あるいはF10F2F12などのセットアップキーを長押しします。
    • BIOSはそれぞれ違うため、メニューのラベルや位置がシステムによって異なる場合があります。必要な項目を調べるときは、メニューシステムの下層までたどるようにしましょう。[1]
  2. 2
    「Frequency/Voltage Control」を開く 「Overclocking」などの別のラベルが付けられていることもあります。「Frequency/Voltage Control」の設定では、CPUのクロック速度だけでなく受信電圧の調整も行えるため、この設定には一番時間がかかります。
  3. 3
    メモリバス速度を下げる メモリによるエラーの発生を防ぐために、まずはメモリバス速度を下げなければなりません。このメモリバス速度は「メモリ倍率」や「DDRメモリ周波数」、「メモリ比率」とも呼ばれます。メモリバス速度は、できるだけ低く設定しましょう。[2]
    • メモリ周波数のオプションが見つからない場合は、BIOSのメインメニューでCtrl+Alt+F1を押してみましょう。
  4. 4
    ベースクロックを10%上げる ベースクロックとはCPUの基本速度のことで、「フロントサイドバス」や「バス速度」とも呼ばれます。このベースクロックは一般的に低速で、全コア速度に届くように倍率が上げられています。また、ほとんどのCPUでは、処理の開始時にすぐに10%上げられるようになっています。例えば、ベースクロックが100 MHzでクロック倍率が16の場合、クロック速度は1.6 GHzですが、ベースクロックを10%上げると、ベースクロックは110 MHzに、クロック速度は1.76 GHzになります。
  5. 5
    ストレステストを行う ベースクロックをまず10%上げたら、パソコンを再起動して、OSを起動しましょう。OSが起動したら、LinXを起動して、上記の手順を数回繰り返し行います。問題がなければ、次の手順に進んでもかまいません。システムが不安定な場合は、オーバークロックでは性能をあまり発揮できない可能性があるので、設定をデフォルトにリセットしておくようにしましょう。
  6. 6
    システムが不安定になるまでベースクロックを上げる ベースクロックは毎回10%上げるのではなく、1パスあたり5~10 MHz程度まで増分を減らしていけば、適正値を格段に見つけやすくなります。システムが不安定になるまで、調整を行うたびにベンチマークプログラムを実行しましょう。システムは、CPUに十分な電力を供給できていないと不安定になる可能性が高くなります。
    • マザーボードで倍率を調整できない場合は、パート4までスキップします。また、倍率を調整できる場合は、次の章に進んで、CPUの性能をさらに上げてみることも可能です。ただし、あとで設定を元に戻すときのために、現在の設定は必ず記録しておきましょう。
    広告

パート 3
パート 3 の 5:
倍率を上げる

  1. 1
    ベースクロックを下げる 倍率を上げる前に、まずはベースクロックを少し下げましょう。これで、より正確に倍率を上げられるようになります。ベースクロックを下げて倍率を上げると、システムはより安定しますが、逆にベースクロックを上げて倍率を下げれば、より高い性能を発揮することが可能です。ベースクロックと倍率のバランスは、できるだけ整えることを心がけましょう。
  2. 2
    倍率を上げる ベースクロックを少し下げたら、倍率を0.5ずつ上げていきましょう。倍率は「CPU比率」などとも呼ばれます。また、初期設定によっては倍率が数字ではなく「自動」という表示になっている場合もあります。[3]
  3. 3
    ストレステストを行う パソコンを再起動して、ベンチマークプログラムを実行しましょう。ベンチマークプログラムを何度か実行してもエラーが出なかった場合は、さらに倍率を上げてもかまいません。さらに倍率を上げたい場合は、上記の手順を繰り返し行いましょう。
  4. 4
    温度に注意する ストレステスト中は、温度に十分に注意しましょう。システムが不安定になる前に、許容温度限界に達してしまう恐れがあります。この場合、オーバークロックの性能がもう限界に達しているかもしれません。この点から、ベースクロックと倍率の間では、ちょうどいいバランスをうまく見つける必要があります。
    • CPUによって許容温度範囲は違いますが、一般的には、CPUの温度が85 °C以上にならないようにする必要があります。
  5. 5
    許容温度限界に達してパソコンがクラッシュするまで繰り返し行う これで、パソコンがわずかに不安定になるような設定になるはずです。また、CPUの温度が許容範囲内にある場合は、そこから電圧を調整して、さらに温度を上げることができます。
    広告

パート 4
パート 4 の 5:
電圧を上げる

  1. 1
    CPUのコア電圧を上げる 「Vcore電圧」とも呼ばれます。コア電圧が許容範囲を超えると、機器があっという間に故障してしまう恐れがあるため、コア電圧を上げるのは、オーバークロックの中で最も細心の注意が必要で危険性の高い作業です。CPUやマザーボードごとに扱える電圧範囲は異なるので、温度には十分に注意しましょう。
    • コア電圧を上げるときは、0.025ずつ上げていきましょう。コア電圧をこれ以上上げると、電圧が高くなりすぎて、コンポーネントが故障してしまう恐れがあります。
  2. 2
    ストレステストを行う コア電圧を上げるのがはじめての場合は、ストレステストを行いましょう。前の章からシステムが不安定なままなので、なるべくストレステストは安定させたいものです。システムが安定している場合は、温度がまだ許容範囲内か確認しましょう。また、システムがまだ不安定な場合は、ベースクロックか倍率のどちらかを下げてみましょう。
  3. 3
    ベースクロックまたは倍率の項目に戻る 電圧を上げて不安定だったシステムが安定すれば、ベースクロックか倍率のうち、オーバークロックしようとしていたほうを再び上げることができます。システムが不安定になるまで、同じようにベースクロックか倍率を少しずつ上げながら、ストレステストを行っていきましょう。
    • 電圧設定で最も温度が上がるので、ベースクロックと倍率の設定を最大にして、できるだけ低い電圧から性能を最大限に引き出すことを目標にしましょう。ただし、これには、いろいろな組み合わせを試していく中で、いろいろと試行錯誤や実験が必要になります。
  4. 4
    上限電圧または上限温度に達するまで上記の手順を繰り返し行う 最終的には、これ以上上げられない水準に達するか、そうでなければ温度が危険域に近い水準まで上がります。これが、そのマザーボードとCPUの限界で、これ以上は何もできないかもしれません。[4]
    • 一般的に、通常の冷却装置を使用している場合は、電圧を元のレベルよりも0.4以上高くしないようにしましょう。
    • 上限電圧に達する前に上限温度に達した場合は、パソコンの冷却装置を改善すれば、もう少し上げられるかもしれません。より高性能なヒートシンクとファンを組み合わせて取り付けるか、さらに高価で高性能な水冷タイプを選びましょう。
    広告

パート 5
パート 5 の 5:
最終ストレステストを行う

  1. 1
    元の正常な設定に戻す ベースクロックまたは倍率を最後に正常に動作していたときの設定に戻しましょう。これが、新しいCPU速度になります。また、運が良ければ、CPU速度が以前より目に見えて速くなっていることもあります。起動に問題がなければ、最終テストの準備は万端です。
  2. 2
    メモリ速度を上げる メモリ速度を上げて初期設定に戻します。ストレステストを行いながら、ゆっくりと上げていきましょう。ただし、元の設定までは戻せないかもしれません。
    • メモリのストレステストは、「Memtest86」を使って周波数を上げながら行いましょう。
  3. 3
    長時間のストレステストを行う 「Prime95」を起動して、12時間のストレステストを行いましょう。長いように思えるかもしれませんが、これは確固たる安定性を長期的に確保するためのものです。これで性能は向上し、安定したものになります。このストレステスト中にシステムが不安定になったり、温度が許容範囲を超えてしまった場合は、クロック速度や倍率、電圧を再調整しなければなりません。
    • 「Prime95」を起動したら、「Just Stress Testing(ストレステストだけ行う)」を選択して、「Option(オプション)」→「Torture Test(耐久テスト)」の順にクリックし、設定を「Small FFT」に変更しましょう。
    • 「Prime95」では通常のプログラム以上にパソコンに負荷がかかるため、通常は許容範囲温度ぎりぎりでも問題ありません。ただし、安全のために、オーバークロックは1段階ずつ下げたほうがよいかもしれません。また、アイドル時の温度は、60℃を超えないようにしましょう。
  4. 4
    実際のテストを数回行う ストレステストプログラムは、システムが安定しているかどうかを確認するのに最適ですが、実際のランダム性を扱えるかどうかは確認する必要があります。ゲームでよく遊ぶ場合は、最もリソース消費量の多いゲームを起動し、動画をエンコードする場合は、Blurayをエンコードしてみて、すべて正常に動作するか確認しましょう。これまで以上に性能が上がっているかもしれません!
  5. 5
    CPUをさらにオーバークロックする 上記の方法は、オーバークロックでできることのほんの一部にすぎません。オーバークロックについてもっと知りたい場合は、本格的な調査や実験が必要になってきます。また、インターネット上には、オーバークロックや冷却などの各種関連分野に特化したコミュニティがいくつもあります。とくに人気のあるコミュニティには「Overclockers.com」や「Overclock.net」、「Tom's Hardware」などがあり、いずれも詳しいことを調べるのに最適なサイトです。
    広告

注意事項

  • メーカーによっては、パソコンの保証が無効になってしまう場合がありますが、EVGAやBFGなどの一部のブランドでは、オーバークロックした後でも保証が適用されます。
  • 本格的なオーバークロックには、高性能な冷却装置が必要になります。
  • 電圧を上げてオーバークロックすると、ハードウェアの寿命が短くなってしまう恐れがあります。
  • Dell(XPSモデルは除く)やHP、Gateway、Acer、Appleなどの既製品メーカーのパソコンは、FSBやCPUの電圧を変更するオプションがBIOSにないため、オーバークロックができないものがほとんどです。
広告

関連記事

Nintendo SwitchをDiscordに配信するNintendo SwitchをDiscordに配信する
USBメモリーに音楽を入れるUSBメモリーに音楽を入れる
HPでスクリーンショットを撮るHPでスクリーンショットを撮る
Instagramアカウントのロックを解除するInstagramアカウントのロックを解除する
iPhoneでApple IDの主電話番号を変更するiPhoneでApple IDの主電話番号を変更する
Windows PCでコマンドプロンプトからexeを実行するWindows PCでコマンドプロンプトからexeを実行する
Spotifyの再生時間を確認するSpotifyの再生時間を確認する
マウスの代わりにキーボードでクリックするマウスの代わりにキーボードでクリックする
Webページの画面をコピーするWebページの画面をコピーする
2台のパソコンを接続する2台のパソコンを接続する
液晶モニターを修理する液晶モニターを修理する
ゼロになったノートパソコンのバッテリーを復活させるゼロになったノートパソコンのバッテリーを復活させる
ノートパソコンのカメラで写真を撮るノートパソコンのカメラで写真を撮る
7 Zipでファイルを高圧縮する7 Zipでファイルを高圧縮する
広告

このwikiHow記事について

wikiHowは「ウィキ」サイトの一つであり、記事の多くは複数の著者によって共著されています。 この記事は、匿名の筆者を含む76人が執筆・推敲を行い、時間をかけて編集されました。 この記事は7,667回アクセスされました。
カテゴリ: コンピューター
このページは 7,667 回アクセスされました。

この記事は役に立ちましたか?

広告