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DV(家庭内暴力)を伴う関係から逃げ出すことは、簡単ではありません。DV被害者自身が虐待されていることに気付いていなかったり、虐待の原因は自分にあると思い込まされている場合も少なくありません。自分がDVの被害者であると気付き、逃げ出す覚悟ができたら、暴力がエスカレートして命を危険にさらさないよう、なるべく迅速に、慎重に逃げ出しましょう。恐がらずに助けを求め、使える手段は何でも全て使って、安全に逃げ出しましょう。

方法 1
方法 1 の 5:
助けを求める

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    助けを求める方法を安全に調べる 通話記録や着信履歴はチェックされます。パソコンのブラウザ履歴からも足がつきます。通話履歴やインターネットクッキー、検索履歴は消去しましょう。ブラウザにはシークレットモードで「プライベートブラウジング」ができるものもあります。しかし、DVの加害者に外部との通信を見張られているのが心配な場合は、別のパソコンや電話を使った方が良いでしょう。[1]
    • 多くの場合、公共の図書館ではインターネット接続のあるパソコンを利用できます。ここから始めてみると良いでしょう。
    • プリペイド式の携帯電話があると良いでしょう。助けを求める際にも、実際に逃げ出す時にも便利です。
    • 友達や近所の人のパソコンや電話を借りるのも一つの手です。必要があれば、自分のパソコンや電話が壊れたので、などと言い訳をしましょう。
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    助けてくれる組織や団体に連絡する 大抵の地域にはDV被害者を支援する組織があります。何から始めたらいいかわからない、DVから逃げようとしていることを誰かに相談したい、といった場合は、以下の組織に連絡してみましょう。
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    配偶者暴力相談支援センターを見つける あなたがDV被害女性なら、地域の(なければ近隣の)配偶者暴力相談支援センターを探しましょう。こういった組織のシェルターは、被害女性を守るために所在地が公表されていないので注意が必要です。しかし、DV被害ナビに電話をしたり、女性センターや福祉事務所に相談すると、必要に応じて紹介してもらえます。[2]
    • 多くの場合、シェルターは女性と子供が避難できる場所です。女性が自立できるまでの保護と支援を提供します。ただし、これは緊急時の一時保護に限られています。[3]
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    友達や家族に相談する[4]  残念ながら、DV被害者の多くは引きこもりだったり、社会から孤立させられたりしています。そのため、多くの場合、被害者は加害者からの逃亡を助けてくれる人などいないと思い込んでしまいます。しかし、友達や家族(しばらく連絡を取っていなかったとしても)がつらい状況を乗り越え、脱出する手助けをしてくれるかもしれません。信頼のできる人に連絡を取り、助けを求めましょう。
    • 助けを求める場合は、一緒にいてほしい、「避難バッグ」を預かってほしい、事前に決めた「暗号」を伝えたら警察に連絡してほしい、など協力してもらいたいことを具体的に伝えましょう。
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方法 2
方法 2 の 5:
避難計画を立てる

  1. 1
    非常用の資金、預金を用意しておく 加害者がお金を天引きし、しっかりと管理している場合や、自分でお金を稼がせてくれない場合は、非常資金の調達は難しいかもしれません。何かを買った時のお釣りを貯めておく、購入したものをお店で返品して返金してもらう、贈り物などでもらったお金を隠しておくなどして非常用の資金を貯めておきましょう。現金が手に入らない場合は、自分名義のクレジットカードを作っておきましょう。ただし、明細書などは私書箱や職場、友達の家に届くようにし、加害者の目に触れないように気をつけましょう。クレジットカードのウェブサービスを自宅のパソコンから利用してはいけません。[5]
    • クレジットカードを所有すると、脱出後、自力で生きていくために必要なクレジットヒストリーを作ることができます(きちんと支払いをする必要があります)。[6]
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    「避難バッグ」を用意し、隠しておく 必要なものを入れた非常持ち出し用バッグを用意しましょう。[7] バッグは絶対に見つからないように隠します。人の家に置いてもらっても良いでしょう。 以下のものを、重くならないように詰めましょう。 [8]
    • 着替え(子供がいれば子供の分も)
    • 重要書類のコピー(戸籍、パスポート、免許証、銀行口座やクレジットカードの情報、所得証明、健康保険証など)、預金通帳と印鑑
    • 自分・子供の常備薬 
    • 写真やアクセサリーなどの個人的に大切にしているもの
    • 日持ちのする軽食類[9]
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    DVの証拠を集める 当然、証拠を集めるためだけにDVを誘発するような行動をするべきではありませんが、証拠を集めておくと、将来的に法的行動を起こす場合に役立ちます。怪我、暴力行為によって壊されたもの、めちゃくちゃにされた部屋などの写真を撮りましょう。血液の付いた服やタオルは保管します。DVによる怪我で医療機関を受診した場合は、その証拠となる書類を保管しましょう。[10]
    • 暴力行為によって負傷した場合は、必ず救急で受診し、その記録を保管しましょう。これは保護命令、子供の親権、離婚裁判の裁定を受ける際の重要なポイントとなります。
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    車の予備キーを隠しておく[11]  車の運転を禁じられている場合は、車のカギをこっそり複製しましょう。すでに予備のカギがある場合は、脱出の際に簡単に取り出せる場所に隠しておきます。 出発の前に隠し場所を確かめ、カギが加害者に見つかって取り上げてられていないかを確認しましょう。
    • また、車をいつでも出発できるようにバックで止めておくと、素早く発車できます。常に、ガソリンをほぼ満タンにしておきましょう。[12]
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    脱出の際の行き場を考えておく あてがなくとも加害者から逃げ出すことがとにかく重要な場合もありますが、多くの場合、どこか逃げられる場所があった方が脱出しやすいでしょう。シェルター、暴力被害者支援センター、友人や親せきなどにあらかじめ連絡しておくのが理想的です。ただし、緊急の場合は、事前連絡がなくともこういった場所で受け入れてもらえたり、安全な場所を紹介してもらえる場合があります。
    • 友達や親せきのところへ行く場合は、加害者に特定されてしまわないような人物を選びましょう。
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    ペットの避難計画を立てる 自分が逃げた後のペットのことが心配で、DV加害者のもとから逃げられないDV被害者(特に女性)は数多くいます。しかし、ペットも一緒に受け入れ可能なシェルターもあります。それが無理なら、ペットは友達や近所の人、殺処分ゼロを目指すアニマルシェルターなどに保護預かりをお願いしましょう。納得することは難しいかもしれませんが、結局ペットの命よりも自分自身の命の方が大事であると理解することが必要です。
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    子供を一緒に連れていくかどうか決める 逃げる際に、子供を一緒に連れて行くかについては事前に弁護士に相談しましょう。子供に絶対に害が及ばないようにする一方、子供の親権を維持する(手に入れる)ことができず、将来的に子供を危険にさらす可能性を高めることは避けましょう。
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方法 3
方法 3 の 5:
逃げ出す

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    安全な時間帯に出発する 暴力行為から緊急脱出する場合以外、加害者が外出している隙に逃げ出すのが最も良いでしょう。できれば加害者が数時間家を空ける時間帯に逃げ出す計画を立て、準備をしましょう。時間に余裕をもって避難バッグを持ち、あなたがいないことを加害者に気付かれる前に安全な場所までたどり着きます。
    • 出ていく理由やメモを書き残す必要はありません。ただ立ち去るだけで充分です。
    • 交通手段がない場合は、誰かに迎えに来てもらうように頼みましょう。危険が差し迫った状況であれば、警察に連絡して助け出してもらいましょう。
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    後をつけられないように素早く逃げ出す 真っすぐに安全な場所(シェルター、友達や家族のもと)に向かいたい気持ちを抑えて、尾行されていないか確認しながら回り道をしていった方が良いでしょう。大きな道路に合流する、脇道を通る、Uターンをして途中まで引き返すなどして、自分と同じ方向に向かう車を見つけましょう。
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    携帯電話は置いていく 重要な連絡先は別の場所にメモを取るか、暗記します。[13] 携帯電話は、知らないうちに位置検索できる設定にされているかもしれません。そのため、加害者のもとに残していった方が良いでしょう。[14]
    • プリペイド式携帯電話を入手し、避難持ち出しバッグに入れておくことを検討しましょう。加害者に追跡されることなく、避難と身の安全に関連する重要な通話をすることができます。[15]
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    足跡を偽装する 加害者が後を追ってくると思われる場合は、自分が立ち去った後で偽の足跡を作りましょう。自分の携帯を使って、本当の避難先から少なくとも6時間は離れた場所にあるホテルに電話をします。加害者と共有のクレジットカードや銀行口座から宿泊料を前払いし、共用の(もしくは監視されている)メールアカウントに確認メールが届くようにします。また、同じ場所でレンタカーを予約したり、その地域の不動産業者に電話をして、自宅の電話に折り返してもらうように頼んだりしてもよいでしょう。[16]
    • 逃げ出す前に偽装工作をしてはいけません。ホテルや不動産業者からあなたが逃げ出そうとしているという情報が洩れ、加害者の暴力行為を誘発する可能性があります。[17]
    • 自分の携帯を使って偽の足跡を作る場合は、本来の避難先に向かう前に、携帯を壊すか、捨てるかしましょう。
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    直接安全な場所へ向かう 避難先がどこであれ、そこへ向かいましょう。シェルターや虐待被害者サポートセンターのメリットは、夢中で避難した後にありがちな「さて、これからどうしよう?」という状況を支援する訓練を受けた職員やボランティアがいることです。
    • 友達や家族の家に避難した場合も、被害者支援団体には連絡を取りましょう。法的支援、カウンセリング、支援団体、就労支援、経済支援などを紹介してもらえます。[18]
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    緊急時の安全を確保する計画を立てる どんなに注意していても、加害者があなたを追いかけてきたり、居場所を特定されてしまう可能性はあるかもしれません。こういった事態に対応する計画を立てておきましょう。おそらく、直ちに警察に連絡することになるはずです。
    • 加害者が現れて「戻ってきてほしい」と懇願されても、家に戻ってはいけません。この時点では、加害者はあなたを家に連れ戻すために様々なことを言いますが、戻ったところであなたの身の安全の保障はありません。
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方法 4
方法 4 の 5:
確実に身元を伏せる

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    偽名を使う 初めにシェルターや保護施設にチェックインする際には、個人情報を開示する必要はありません。特に書類には、とりあえず適当な名前を記入しましょう。[19] 法的支援や経済支援を受ける場合はこの限りではありません。しかし、緊急の場合は慎重を期しても構いません。
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    シェルターの所在地を開示しない 決して、他人にシェルターの場所を教えてはいけません。加害者、家族、加害者の家族、加害者との共通の友人などにシェルターの所在地を教えてしまうと、自分自身の命ばかりでなく、シェルターに避難している他の女性や子供の命まで危険にさらすことになります。
    • シェルターへの入居前に、その所在地を明かさないことを条件にした書類にサインを求められるかもしれません。
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    勤務条件を変える 仕事をしている場合は、自分の身の安全を守るため、雇用主や上司に話して勤務条件の変更をしてもらいましょう。アメリカではDV被害者保護のため、適切な便宜を図ることが雇用主に義務付けられている州もあります。[20] 勤務地や勤務時間の変更、職場から車までの間の警備の強化などが可能か、相談しましょう。
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    住所を秘密にし、電話番号を電話帳に載せない 新しい家に入居したら、電話帳に載っていない電話番号を入手しましょう。郵便は私書箱を使うか、郵便物転送サービスを利用しましょう。[21] こういった対策を講じると、居場所を特定することがさらに困難になります。
    • 子供がいる場合は、家の住所は秘密にし、加害者や知らない人に教えてはいけないと話しましょう。
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    パスワードをすべて変更する インターネット上にあるあらゆるアカウントは個人情報の窓と言えます。安全のために、金融関係、SNS、Eメールなど、すべてのアカウントのパスワードを変更しましょう。[22] さらに、SNSのアカウントを一時的に(もしくは永久に)停止し、メールアドレスも変更すると良いでしょう。
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    セキュリティ強化を依頼する 個人情報にアクセスする際に、秘密のセキュリティ質問が母親の旧姓などの簡単なものだけしかない企業サイトもあります。加害者が配偶者であれば、答えを既に知っているでしょう。より強固なアカウント保護対策や、セキュリティ質問に対して、あえて間違った答え(もちろんそれを覚えておく)を設定することができるか企業に尋ねましょう。例えば、母親のではなく父方の祖母の旧姓などに設定します。
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方法 5
方法 5 の 5:
法的手段を取る

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    配偶者暴力相談支援センターや民間シェルターで指導と支援を求める 配偶者暴力相談支援センターでは、法的手続きに対する支援を行っています。また、弁護士による法律相談などを行っているセンターもあります。[23] シェルターに避難していなくても、無料や低料金の法律相談について支援センターに問い合わせてみましょう。
    • 被害者が外国人であっても、配偶者暴力相談支援センターや女性センターで相談することができます。強制送還が恐いからと言ってDV加害者のもとに留まってはいけません。外国人であっても、在留資格に関わらずDV防止法の対象となります。
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    弁護士に連絡する 加害者と法的な争いになった場合は、力を貸してくれる弁護士が必要になるでしょう。加害者と結婚している、子供がいる、移民であるといった場合は法的な変更が必要で、弁護士の手助けが必要になります。
    • お金がなくても、弁護士を雇えることがあります。訴訟になった場合、訴訟費用を加害者負担にしてくれる弁護士もいます。また、ボランティア精神で無料で訴訟を引き受けてくれる弁護士もいます。
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    保護命令の申し立てをする 保護命令は、被害者を加害者から法的に守るため、DV防止法に基づき裁判所が発令します。保護命令の申立て手続きをするには、暴力行為の証拠をすべて集め、「保護命令申立書」に加害者から暴力を受けた状況などについて記載し、地方裁判所に提出します。保護命令を発令してもらうため、保護命令申立書の正しい記入の仕方を弁護士が教えてくれます。[24]
    • 保護命令が発令されたら、加害者に法的に送達されなければなりません。加害者が送達を受け取った時点で効力が発生します。詳しい手順については裁判所の係員に尋ねましょう。[25]
    • 保護命令が発令されたら、常に書面を携行しましょう。加害者が保護命令の条件に違反した場合、警察にそれを提示する必要があります。[26]
    • ただし、保護命令はあなたの身の安全を保障するものではありません。くれぐれも注意しましょう。[27] 保護命令があると、将来的に何かあった時に加害者を逮捕しやすくなりますが、暴力的な加害者を完全に遠ざけるのには充分ではないことも少なくありません。
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    暴行・傷害罪で提訴する 暴行を受けたのが最近で、または暴行を証明する記録(警察・医療機関の記録)があれば、加害者を暴行罪・傷害罪で訴えることができます。実際の証拠がなくても(特に暴行の証人がいる場合は)提訴できるかもしれません。しかし、家を出る前に、暴行を証明する動かぬ証拠を集めておくと提訴しやすいでしょう。
    • 加害者に対して複数の訴訟(例:離婚訴訟、子供の親権をめぐる訴訟、暴行・傷害罪での提訴、保護命令の申立て)を起こすことになるかもしれません。こういった複雑な訴訟では、弁護士の助けが必要です。
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    離婚・子供の親権獲得に向けて適切な手順を踏む 加害者のもとを離れたら、法的にも別れる必要があります。結婚しておらず、子供がいない場合は簡単にできます。結婚していて子供がいる場合は、複雑な法的係争に直面することになるかもしれません。そうなれば、(他に適当な場所がなければ法廷で)加害者に会う必要もあるでしょう。シェルター、弁護士、友達や家族、セラピストなどの支援システムに頼り、避難先で準備を整えましょう。
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    カウンセリングを受ける カウンセラーによる個人的なカウンセリングでも、グループセラピーでも(両方でも)構わないので、助けを求めましょう。DVから立ち直るのは容易ではなく、抜け出すのには多大な労力を要します。効果的に心を癒し、心を強く保ち、将来的にもっと健全な恋愛関係を築けるようになるために、人の力を借りる必要があります。[28]
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注意事項

  • 脅威や命の危険を感じたら110番通報しましょう。暴力行為を受けたら、直ちに警察に連絡しましょう。
  • 差し迫った危機に直面した場合、準備不足で逃げられないということがあってはなりません。例えば、逃げるチャンスも手段もあるなら、避難バッグの用意ができていなかったとしてもとにかく逃げ出しましょう。
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このwikiHow記事について

Moshe Ratson, MFT, PCC
共著者 ::
マリッジ・ファミリーセラピスト
この記事の共著者 : Moshe Ratson, MFT, PCC. モーシェ・ラトソンはニューヨーク市にある心理療法とコーチングの専門クリニック、「spiral2grow Marriage & Family Therapy」の最高責任者を務めています。モーシェはイオナ大学にてマリッジ・ファミリーセラピーの修士号を取得後、10年以上にわたり心理治療を行っています。 この記事は10,444回アクセスされました。
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